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皇宮での邂逅
報連相はさり気なく(後)
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「それで、ディーちゃんの皇宮探検はどんな感じなんだい?伯父様の出番はありそうかな?」
食後のお茶を楽しみながら、伯父さまが楽しそうに聞いてきた。
私たちの後すぐに来た伯父さまとオリヴィエ兄さまを待って、父さまが小さな庭園全体に結界を張ったので、周囲から見られたり、聞かれたりする心配もない。
美味しいサンドイッチやピックに刺してある一口サイズの色とりどりの肉や野菜。デザートに果物やケーキもあって、、、流石宰相閣下のお昼ね!、、、お腹いっぱいになった私は、ちょっとぼんやりしながら父さまに寄りかかっていたので、びっくりして居住まいを正した。
「はいっ!?」
なんだっけ?皇宮探検、、、ああ、そう言えば、伯父さまに助けてもらって、遊びに行けるようになったんだわ。
「それが、父さまに毎晩抱かれていて、一晩中眠らせてもらえなくて。やっと今日出かけたんです。」
「「グフッ」」
私が口を尖らせて言うと、伯父さまとオリヴィエ兄さまが同時にお茶を噴いた。
そのまま咽せている。
え?
驚いていると、父さまがたしなめるように言った。
「ディー、そう言う誤解を招く言い方は止めなさい。私が疑われてしまう。」
あー!あんなにくっついてくるのに誤魔化そうとしてる!
「父さまの嘘つき。離さないくせに~。」
ウリウリ。
腕にしがみついて二の腕に頭をこすりつけると、伯父さまが立ち上がっていきなり私を抱き上げた。
背中に隠すと父さまを睨みつける。
「アルフ。エレオノーレ殿が恋しいからと言って娘に手を出すなんて!私はお前をそんな男に育てた覚えはないぞ!」
「そうですよ!叔父さん!しかも今の見た目はただの男の子なのに!犯罪ですよ、犯罪!!」
オリヴィエ兄さままで、私と父さまの間に立って、座ったままの父さまを見下ろして責める。
え?え?なにかまずいこと言ったの?
困っている私に、父さまが恨めしげに一言、
「ディー、責任取ってよ。」
と言った途端。
「「どんなに責任だ!」ですか!」
今度は、伯父さまとオリヴィエ兄さまの怒鳴り声が被った。
「なーんだ、抱き枕ね。一晩中愚痴を聞いてたんだ・・・」
「なんだじゃありません。大変だったんです・・・一体なんだと思ったの?オリヴィエ兄さま?」
「いや、何でもないんだよ。ほら、宮中って色々ある所だからさ、つい・・・」
何だかよくわからないけど怒り出した二人に、やっと事情を説明すると。
二人は気が抜けたように座り込んだ。
「まあ、アルフだからな・・・」
伯父さまが、冷めたお茶を一口飲んで溜め息をつく。
「兄上。私だとなんだと言うんです。」
「まあ、一言で言えば何でもあり、だな。」
「私はエレオノーレ一筋で家族が大事な、ただの魔導師です。得体の知れないもののように言うのはやめて下さい。」
「お前、それ本気で言ってるの?」
伯父さまと父さまがまた仲良くお話しを始めたのを見ていると、オリヴィエ兄さまが話しかけてきた。
「じゃあさ、やっとぐっすり眠れたディーちゃんの今日の午前中の探検は何処だったの?」
あら、それ聞いちゃうの?
「ふふ、また騎士団に行っちゃいました。」
私が悪戯っぽく言うと。
「・・・騎士団。」
オリヴィエ兄さまの目が一瞬光った気がした。
「ふんふん。男の子は四人なんだ。どう、皇宮で見かける子ってカッコいい?」
いま、オリヴィエ兄さまから、絶賛質問受付中。
「うーん、どうかな?あ、とりあえず、三人の髪の色はキラキラしてました。」
一人が金髪で、二人は白金色、と続けるけど、、、聞いてる?
「どうかなって・・・どれも選りすぐりの子なのに・・・」
なに?お知り合いなの?
聞いてみると。
「いやいや、そんな事。そうだ、例えば僕と比べてどう?」
オリヴィエ兄さまは、私と目を合わせてきた。
「どうって言われても・・・」
仕方なく見つめ返す。
キラキラの白金の髪。少し癖っ毛で柔らかそうな髪が、男の人なのに白くて滑らかな頰に少しかかっていて、とてもきれい。中性的な整った顔立ちに、少し垂れ目の蒼い瞳がとてもチャーミング。
「これでも、宮中三大イケメンって呼ばれてて、ご婦人方には大人気なんだよ。」
ウインクされて目をパチクリさせてしまった。
「そうなんだ・・・」
ルー兄さまもモテモテになるのかな?
そんなことを考えていると。
「え。それだけ?ディーちゃん。」
オリヴィエ兄さまが間抜けな顔をした。
「え、えーと、ルーファス兄さまはちょっとオリヴィエ兄さまと感じが似てるので、大人になったらモテモテなんだな、と思ってました。」
正直に言うと。
「えーっ、顔の話をして、こんなに流されたの初めてだよ。」
ショックを受けるオリヴィエ兄さま。
「バカめ、オリヴィエ。」
そこに父さまが参戦してきた。
「ディーはエレオノーレと私の顔を見慣れてるんだぞ。それに、お前の知ってるオスカー、フィンもだ。」
あ、兄上たちはお知り合いなのね。
「ちなみに、ルーファスはあの美貌で有名だった曽祖母に似ている。ディーは顔では落ちないぞ!」
そうだよな、ディー?
と私を抱きしめてくる父さま。
うん、そうだね、と私もにっこりして父さまを抱きしめ返す。
「その点、友だちになった子は、あ、ジキスムントって言うらしいんだけど、キラキラの髪じゃないけど、私と同じ赤毛で親しみが持てるし、蒼い瞳は厳しそうだけど、笑うと穏やかな雰囲気になって、誠実ないい子だよ!何より凄いのは剣の腕で!!」
私が一気に言ったとたん。
「「「なんだと!!!」」」
伯父さま、父さま、オリヴィエ兄さまの叫び声がこだました。
これ、結界あっても外に聞こえてるんじゃないの?耳が痛いよ、、、。
食後のお茶を楽しみながら、伯父さまが楽しそうに聞いてきた。
私たちの後すぐに来た伯父さまとオリヴィエ兄さまを待って、父さまが小さな庭園全体に結界を張ったので、周囲から見られたり、聞かれたりする心配もない。
美味しいサンドイッチやピックに刺してある一口サイズの色とりどりの肉や野菜。デザートに果物やケーキもあって、、、流石宰相閣下のお昼ね!、、、お腹いっぱいになった私は、ちょっとぼんやりしながら父さまに寄りかかっていたので、びっくりして居住まいを正した。
「はいっ!?」
なんだっけ?皇宮探検、、、ああ、そう言えば、伯父さまに助けてもらって、遊びに行けるようになったんだわ。
「それが、父さまに毎晩抱かれていて、一晩中眠らせてもらえなくて。やっと今日出かけたんです。」
「「グフッ」」
私が口を尖らせて言うと、伯父さまとオリヴィエ兄さまが同時にお茶を噴いた。
そのまま咽せている。
え?
驚いていると、父さまがたしなめるように言った。
「ディー、そう言う誤解を招く言い方は止めなさい。私が疑われてしまう。」
あー!あんなにくっついてくるのに誤魔化そうとしてる!
「父さまの嘘つき。離さないくせに~。」
ウリウリ。
腕にしがみついて二の腕に頭をこすりつけると、伯父さまが立ち上がっていきなり私を抱き上げた。
背中に隠すと父さまを睨みつける。
「アルフ。エレオノーレ殿が恋しいからと言って娘に手を出すなんて!私はお前をそんな男に育てた覚えはないぞ!」
「そうですよ!叔父さん!しかも今の見た目はただの男の子なのに!犯罪ですよ、犯罪!!」
オリヴィエ兄さままで、私と父さまの間に立って、座ったままの父さまを見下ろして責める。
え?え?なにかまずいこと言ったの?
困っている私に、父さまが恨めしげに一言、
「ディー、責任取ってよ。」
と言った途端。
「「どんなに責任だ!」ですか!」
今度は、伯父さまとオリヴィエ兄さまの怒鳴り声が被った。
「なーんだ、抱き枕ね。一晩中愚痴を聞いてたんだ・・・」
「なんだじゃありません。大変だったんです・・・一体なんだと思ったの?オリヴィエ兄さま?」
「いや、何でもないんだよ。ほら、宮中って色々ある所だからさ、つい・・・」
何だかよくわからないけど怒り出した二人に、やっと事情を説明すると。
二人は気が抜けたように座り込んだ。
「まあ、アルフだからな・・・」
伯父さまが、冷めたお茶を一口飲んで溜め息をつく。
「兄上。私だとなんだと言うんです。」
「まあ、一言で言えば何でもあり、だな。」
「私はエレオノーレ一筋で家族が大事な、ただの魔導師です。得体の知れないもののように言うのはやめて下さい。」
「お前、それ本気で言ってるの?」
伯父さまと父さまがまた仲良くお話しを始めたのを見ていると、オリヴィエ兄さまが話しかけてきた。
「じゃあさ、やっとぐっすり眠れたディーちゃんの今日の午前中の探検は何処だったの?」
あら、それ聞いちゃうの?
「ふふ、また騎士団に行っちゃいました。」
私が悪戯っぽく言うと。
「・・・騎士団。」
オリヴィエ兄さまの目が一瞬光った気がした。
「ふんふん。男の子は四人なんだ。どう、皇宮で見かける子ってカッコいい?」
いま、オリヴィエ兄さまから、絶賛質問受付中。
「うーん、どうかな?あ、とりあえず、三人の髪の色はキラキラしてました。」
一人が金髪で、二人は白金色、と続けるけど、、、聞いてる?
「どうかなって・・・どれも選りすぐりの子なのに・・・」
なに?お知り合いなの?
聞いてみると。
「いやいや、そんな事。そうだ、例えば僕と比べてどう?」
オリヴィエ兄さまは、私と目を合わせてきた。
「どうって言われても・・・」
仕方なく見つめ返す。
キラキラの白金の髪。少し癖っ毛で柔らかそうな髪が、男の人なのに白くて滑らかな頰に少しかかっていて、とてもきれい。中性的な整った顔立ちに、少し垂れ目の蒼い瞳がとてもチャーミング。
「これでも、宮中三大イケメンって呼ばれてて、ご婦人方には大人気なんだよ。」
ウインクされて目をパチクリさせてしまった。
「そうなんだ・・・」
ルー兄さまもモテモテになるのかな?
そんなことを考えていると。
「え。それだけ?ディーちゃん。」
オリヴィエ兄さまが間抜けな顔をした。
「え、えーと、ルーファス兄さまはちょっとオリヴィエ兄さまと感じが似てるので、大人になったらモテモテなんだな、と思ってました。」
正直に言うと。
「えーっ、顔の話をして、こんなに流されたの初めてだよ。」
ショックを受けるオリヴィエ兄さま。
「バカめ、オリヴィエ。」
そこに父さまが参戦してきた。
「ディーはエレオノーレと私の顔を見慣れてるんだぞ。それに、お前の知ってるオスカー、フィンもだ。」
あ、兄上たちはお知り合いなのね。
「ちなみに、ルーファスはあの美貌で有名だった曽祖母に似ている。ディーは顔では落ちないぞ!」
そうだよな、ディー?
と私を抱きしめてくる父さま。
うん、そうだね、と私もにっこりして父さまを抱きしめ返す。
「その点、友だちになった子は、あ、ジキスムントって言うらしいんだけど、キラキラの髪じゃないけど、私と同じ赤毛で親しみが持てるし、蒼い瞳は厳しそうだけど、笑うと穏やかな雰囲気になって、誠実ないい子だよ!何より凄いのは剣の腕で!!」
私が一気に言ったとたん。
「「「なんだと!!!」」」
伯父さま、父さま、オリヴィエ兄さまの叫び声がこだました。
これ、結界あっても外に聞こえてるんじゃないの?耳が痛いよ、、、。
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