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10.戻ってきて待っていたのは冤罪
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扉をあけるとレイク皇帝陛下とその右横に皇太子のルナト殿下に左横に叔父さんがいて、その後ろに近衛兵と思われる人が二人いる。目の前には兄さんとカナンさんが控えながら話をしていた。
「陛下、お忙しいところを失礼します。真壁和澄とミナ・ヒューゲル、門にいた兵士から陛下の命を聞き参上致しました」
帝国に不敬罪はないけど作法という物はある。あんまりこういう場に出席したことがない俺は、兄さんたちに倣って膝をついて頭を下げ報告した。
「そなたが真壁のせがれか。余がそなたを呼び出した理由は聞いているな?」
陛下はそういうと右手をあげた。その瞬間叔父さんと兄さんが武装した。
叔父さんは兄さんと違ってブレードもちではない。しかし二刀流で片手で大剣を両手に持ち、一般兵が標準的な大きさの剣を振り回してるのと変わらない速度で扱う。この人本当に人間かって装備をみる度に思う。
そして<未来視>が発動する。
なぜ叔父さんに俺の左腕が切られているのか。
くそっ!わけがわかんないけどこのままじゃ切られる!俺は後ろに下がって回避したが、予知を警戒していた叔父さんは俺が離脱するギリギリまで何度も連続で斬りかかってきた。わかっていても集中力が乱れれば避けきれない。俺は腕こそ切れなかったが叔父さんの攻撃を避けきれなかった。
後ろに下がった俺はすぐさま俺はブレードを装着し戦闘態勢に入る。
「いってぇ!急になにするんだ叔父さん!兄さんもブレードを装備して。俺がなにかしたっていうのか!」
「ほう。マーフィーの剣を見切るか」
皇帝は感心そうにいう。叔父さんと兄さんは黙ったままだ。
俺が叔父さんと兄さんを睨んでいると、皇帝の隣りに座っていたルナト殿下が立ちあがり俺に告げる。
「兵士から聞いていなかったのか?貴様には国家反逆罪の疑いがかけられている。まずはその武装を解除し投降しろ」
「は!?ふざけんな!そんな話は一度もしてなかったぞ!それに今、俺が叔父さんの攻撃を防がなかったら左腕が飛んでたぞ!俺は別に武装解除は構わないし聴取だって受ける。だけどそちらも武装解除してもらいたい!」
こっちは正当防衛しただけだ。戦闘継続の意思はないし、むしろ武装解除したいな。叔父さんと兄さんと戦闘なんかしたくない。そう思っていたがルナト殿下はとんでもないことを口にする。
「ふはははは!他国の尖兵かもしれないやつの前で武装を解けって本気で言ってるのか?なぁ魔眼所持者だと隠している和澄くん?」
「――――――!?叔父さん!兄さん!話したのか!?」
「あぁ!わかっているよ!貴様が<未来視>を持っているってことはな!」
「くそ!なんでだよ!俺は二人を信じてたのに!」
ふたりとも黙っている。その沈黙は肯定ってことか!?
<未来視>は2秒先が視える。そうだたった2秒だ。<未来視>を知る強者が敵に回った場合、たったの2秒では大きなアドバンテージにはならない。単純にわかっていても避けにくい攻撃をすればいいからだ。現に俺は叔父さんの攻撃がわかっていても完全に回避はできなかった。
俺は能力の性質上、絶対に口外しないだろう信頼した相手にしか詳細は話さない。知られてないことで大きなアドバンテージになるからだ。そんな信頼してた二人に裏切られたかもしれない。俺はショックで動けずにいたが、後ろからミナが歩いてきた。
「陛下、殿下。どうか再考をお願いします。カズくん・・・真壁和澄は国会に背くようなことをする人じゃありません。どうかお願いします!」
「そうはいってもなぁ。ミナ・ヒューゲル、君にも容疑はかけられているんだぜ。真壁和澄と一番長くいるのは君だからなぁ。疑うのは当然だろう?」
「そんな・・・!?」
どうやらミナにも疑いがかけられているようだ。ミナがしてくれた俺の弁明はかき消されてしまった。
しかし腑に落ちない。俺と一緒にいるだけで容疑をかけられるなんて!
「ミナは関係ないだろ!俺は投降する。武装だって解除する。そちらが俺が攻撃してきたり逃走したりすると思うのならば、そちらは武装解除しなくてもいい。だからミナへの容疑は取り消してくれ」
「お前は脳内お花畑ちゃんか!国家反逆罪の容疑をかけられた人間のいうことをだれが信じるんだ?君なら信じるのかい?」
「・・・くっ!」
確かにその通りだ。俺だって逆の立場なら信じられない。
これはもう反論のしようもない。疑いをかけられてるだけで俺たちは無実なんだ。
また攻撃されたらと思うと怖いが仕方ない。
俺は投降するためにブレードをはずして、皇帝のほうを向いた。
そこで後ろに控えてた近衛兵の二人が口を上に釣り上げたのが見えたから嫌な予感がして<未来視>を使った。
視えたのは、俺は倒れていてミナが頭部に弾丸を撃たれて射殺される未来。
俺はブレード即座につけなおして手を前にかざした。
「陛下、お忙しいところを失礼します。真壁和澄とミナ・ヒューゲル、門にいた兵士から陛下の命を聞き参上致しました」
帝国に不敬罪はないけど作法という物はある。あんまりこういう場に出席したことがない俺は、兄さんたちに倣って膝をついて頭を下げ報告した。
「そなたが真壁のせがれか。余がそなたを呼び出した理由は聞いているな?」
陛下はそういうと右手をあげた。その瞬間叔父さんと兄さんが武装した。
叔父さんは兄さんと違ってブレードもちではない。しかし二刀流で片手で大剣を両手に持ち、一般兵が標準的な大きさの剣を振り回してるのと変わらない速度で扱う。この人本当に人間かって装備をみる度に思う。
そして<未来視>が発動する。
なぜ叔父さんに俺の左腕が切られているのか。
くそっ!わけがわかんないけどこのままじゃ切られる!俺は後ろに下がって回避したが、予知を警戒していた叔父さんは俺が離脱するギリギリまで何度も連続で斬りかかってきた。わかっていても集中力が乱れれば避けきれない。俺は腕こそ切れなかったが叔父さんの攻撃を避けきれなかった。
後ろに下がった俺はすぐさま俺はブレードを装着し戦闘態勢に入る。
「いってぇ!急になにするんだ叔父さん!兄さんもブレードを装備して。俺がなにかしたっていうのか!」
「ほう。マーフィーの剣を見切るか」
皇帝は感心そうにいう。叔父さんと兄さんは黙ったままだ。
俺が叔父さんと兄さんを睨んでいると、皇帝の隣りに座っていたルナト殿下が立ちあがり俺に告げる。
「兵士から聞いていなかったのか?貴様には国家反逆罪の疑いがかけられている。まずはその武装を解除し投降しろ」
「は!?ふざけんな!そんな話は一度もしてなかったぞ!それに今、俺が叔父さんの攻撃を防がなかったら左腕が飛んでたぞ!俺は別に武装解除は構わないし聴取だって受ける。だけどそちらも武装解除してもらいたい!」
こっちは正当防衛しただけだ。戦闘継続の意思はないし、むしろ武装解除したいな。叔父さんと兄さんと戦闘なんかしたくない。そう思っていたがルナト殿下はとんでもないことを口にする。
「ふはははは!他国の尖兵かもしれないやつの前で武装を解けって本気で言ってるのか?なぁ魔眼所持者だと隠している和澄くん?」
「――――――!?叔父さん!兄さん!話したのか!?」
「あぁ!わかっているよ!貴様が<未来視>を持っているってことはな!」
「くそ!なんでだよ!俺は二人を信じてたのに!」
ふたりとも黙っている。その沈黙は肯定ってことか!?
<未来視>は2秒先が視える。そうだたった2秒だ。<未来視>を知る強者が敵に回った場合、たったの2秒では大きなアドバンテージにはならない。単純にわかっていても避けにくい攻撃をすればいいからだ。現に俺は叔父さんの攻撃がわかっていても完全に回避はできなかった。
俺は能力の性質上、絶対に口外しないだろう信頼した相手にしか詳細は話さない。知られてないことで大きなアドバンテージになるからだ。そんな信頼してた二人に裏切られたかもしれない。俺はショックで動けずにいたが、後ろからミナが歩いてきた。
「陛下、殿下。どうか再考をお願いします。カズくん・・・真壁和澄は国会に背くようなことをする人じゃありません。どうかお願いします!」
「そうはいってもなぁ。ミナ・ヒューゲル、君にも容疑はかけられているんだぜ。真壁和澄と一番長くいるのは君だからなぁ。疑うのは当然だろう?」
「そんな・・・!?」
どうやらミナにも疑いがかけられているようだ。ミナがしてくれた俺の弁明はかき消されてしまった。
しかし腑に落ちない。俺と一緒にいるだけで容疑をかけられるなんて!
「ミナは関係ないだろ!俺は投降する。武装だって解除する。そちらが俺が攻撃してきたり逃走したりすると思うのならば、そちらは武装解除しなくてもいい。だからミナへの容疑は取り消してくれ」
「お前は脳内お花畑ちゃんか!国家反逆罪の容疑をかけられた人間のいうことをだれが信じるんだ?君なら信じるのかい?」
「・・・くっ!」
確かにその通りだ。俺だって逆の立場なら信じられない。
これはもう反論のしようもない。疑いをかけられてるだけで俺たちは無実なんだ。
また攻撃されたらと思うと怖いが仕方ない。
俺は投降するためにブレードをはずして、皇帝のほうを向いた。
そこで後ろに控えてた近衛兵の二人が口を上に釣り上げたのが見えたから嫌な予感がして<未来視>を使った。
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