57 / 62
~第四章~
領都カザン!【三】
しおりを挟む
僕とレインがカザンを出てから一時間程して全員が目を覚まし朝食を取り、野営地でマーチンさんの話を聞く。
「それではこれからの作業を伝える。まずアニマくん達ギルド職員にはバルトロ領並びに町長アンドロマリウスについて公開されている情報を集め集約してくれ。又、開拓民の希望する職業も話を聞いて集約して報告せよ」
「マーチン様、わかりました」
マーチンさんから指示を受け返事をするアニマさん。
「ブッフォンくんには開拓民の男性諸君とカザンの外壁作りと開拓民の住む家、ギルド支店の建物の建築を頼む」
「了解した!」
「次にカヴァルくん。私と町長アンドロマリウスに会いに行くので同行を頼む」
「わかりました」
「サクラくんには……後で内容を話す」
「わかりました」
「最後にスズくん……は村の人、特に子供とよく遊んでくれ」
「え?」
「うむ、たくさん遊んであげてくれ」
「よくわからないけど……たくさん遊ぶね」
「開拓民の女性陣には食事の準備などよろしく頼む」
「では、各自仕事にあたってくれ」
「サクラくん、いいか。君への指示は町長アンドロマリウスの裏の顔とカザンの男性陣の行方を探ってくれ」
「わかったよ。でも町長は見るからに怪しいから調べろって言うのはわかるんだけど……カザンの男性?」
「気づかんか?この町には男性がいない。老人、女性、子供しか居ないのだ……」
サクラは町に着いた時の事を思い出した。確かにマーチンさんの言う通り男性は見なかった。
「うん、わかった。調べる」
「頼んだ」
ブッフォンは自分の周りに集まった開拓民の男性陣を見廻す。
総勢三十名……。
「今回任された仕事の仕切りをするブッフォンだ。よろしく頼む」
まず、自己紹介をする。
「次に外壁班と、建物班で別れて貰う。因みに大工志望の者とかいるか?」
すると二人の男が手を上げる。
一人は年は三十くらいの人族。それと見た目は四十くらいのドワーフ族の男性。
「名は?」
「私はグラン·カルロリムで大工をしていました、名はユリウスと申します」
人族の男性が答える。
「儂はロゴタリ村の大工で、ガルパと言う。見ての通りドワーフじゃ」
「よし、ユリウスには外壁を中心となってやってもらいたい」
「わかりました」
「ガルパには建物を頼む」
「任せてくれ」
外壁担当にユリウスを始め十名。建物担当にガルパを入れ二十名……とブッフォンは班を分けた。
ユリウス班はユリウスが道具の使い方などを優しく教えている。一方のガルパは指示は出すものの作業は一人でやってしまっていた。
ブッフォンはガルパに建物班のリーダーはガルパなんだから基本的な事は任せるが皆を上手く使ってくれとガルパの職人魂を汚すこと無く伝え、ガルパも太陽が登りきる頃には班のメンバーを上手く使い段々と家の基礎が出来てきたのだった。
ブッフォンは建物班はガルパに任せ、自分は外壁班を手伝いに行った。
マーチンさんはカヴァルを引き連れ町長アンドロマリウス邸に向かった。
メイドに応接間に通される。
暫くして町長アンドロマリウスが二階から降りてきた。
「これはこれは、朝からご苦労様です領主様」
「朝からすまんな。だが早速話に入りたい」
「働き者ですな……領主様は。それで話とは?」
「うむ。先ずはバルトロ領の魔獣の数についてだ。この辺りには全く魔獣がいないのだけれども理由が知りたい」
「それはですね、懇意にしている冒険者ギルドが居まして、その者達に狩らせているので、この辺りにはいないのです」
「………ほぅ、その者達かなり優秀だな。魔獣を狩り尽くすとは………まぁ良い次だ」
マーチンさんは皮肉を交えながらアンドロマリウスの顔色を見ながら次の話題に移る。
「この村の男性陣、特に働き手となる成人男性を見ないのだが?これはどういう事かな?」
「それはこの村の収入源は農作で御座います、然しながら他の村や町に出稼ぎに出た方が遥かに稼げる為、皆村を出払っております」
「…………出稼ぎねぇ……」
マーチンさんの横で座っていたカヴァルが呟く。
「では最後に、この村の税率が知りたい」
「十パーセントで御座います。農作物の麦や小麦の十パーセントを税としております。以上ですかな?」
「…………………あぁ」
「では、私めからも一つ領主様に………冒険者は冒険でもしててください。あまり慣れない事に首を突っ込まない事です」
「………そうか、わかった覚えておこう」
屋敷を出た後マーチンさんはカヴァルに思わず。
「極大大魔法をぶっぱなしてもいいかな?いいよな?」
「まぁまぁまぁ!」
荒ぶるマーチンさんをやっとこさして食い止めるカヴァルだった………。
「それではこれからの作業を伝える。まずアニマくん達ギルド職員にはバルトロ領並びに町長アンドロマリウスについて公開されている情報を集め集約してくれ。又、開拓民の希望する職業も話を聞いて集約して報告せよ」
「マーチン様、わかりました」
マーチンさんから指示を受け返事をするアニマさん。
「ブッフォンくんには開拓民の男性諸君とカザンの外壁作りと開拓民の住む家、ギルド支店の建物の建築を頼む」
「了解した!」
「次にカヴァルくん。私と町長アンドロマリウスに会いに行くので同行を頼む」
「わかりました」
「サクラくんには……後で内容を話す」
「わかりました」
「最後にスズくん……は村の人、特に子供とよく遊んでくれ」
「え?」
「うむ、たくさん遊んであげてくれ」
「よくわからないけど……たくさん遊ぶね」
「開拓民の女性陣には食事の準備などよろしく頼む」
「では、各自仕事にあたってくれ」
「サクラくん、いいか。君への指示は町長アンドロマリウスの裏の顔とカザンの男性陣の行方を探ってくれ」
「わかったよ。でも町長は見るからに怪しいから調べろって言うのはわかるんだけど……カザンの男性?」
「気づかんか?この町には男性がいない。老人、女性、子供しか居ないのだ……」
サクラは町に着いた時の事を思い出した。確かにマーチンさんの言う通り男性は見なかった。
「うん、わかった。調べる」
「頼んだ」
ブッフォンは自分の周りに集まった開拓民の男性陣を見廻す。
総勢三十名……。
「今回任された仕事の仕切りをするブッフォンだ。よろしく頼む」
まず、自己紹介をする。
「次に外壁班と、建物班で別れて貰う。因みに大工志望の者とかいるか?」
すると二人の男が手を上げる。
一人は年は三十くらいの人族。それと見た目は四十くらいのドワーフ族の男性。
「名は?」
「私はグラン·カルロリムで大工をしていました、名はユリウスと申します」
人族の男性が答える。
「儂はロゴタリ村の大工で、ガルパと言う。見ての通りドワーフじゃ」
「よし、ユリウスには外壁を中心となってやってもらいたい」
「わかりました」
「ガルパには建物を頼む」
「任せてくれ」
外壁担当にユリウスを始め十名。建物担当にガルパを入れ二十名……とブッフォンは班を分けた。
ユリウス班はユリウスが道具の使い方などを優しく教えている。一方のガルパは指示は出すものの作業は一人でやってしまっていた。
ブッフォンはガルパに建物班のリーダーはガルパなんだから基本的な事は任せるが皆を上手く使ってくれとガルパの職人魂を汚すこと無く伝え、ガルパも太陽が登りきる頃には班のメンバーを上手く使い段々と家の基礎が出来てきたのだった。
ブッフォンは建物班はガルパに任せ、自分は外壁班を手伝いに行った。
マーチンさんはカヴァルを引き連れ町長アンドロマリウス邸に向かった。
メイドに応接間に通される。
暫くして町長アンドロマリウスが二階から降りてきた。
「これはこれは、朝からご苦労様です領主様」
「朝からすまんな。だが早速話に入りたい」
「働き者ですな……領主様は。それで話とは?」
「うむ。先ずはバルトロ領の魔獣の数についてだ。この辺りには全く魔獣がいないのだけれども理由が知りたい」
「それはですね、懇意にしている冒険者ギルドが居まして、その者達に狩らせているので、この辺りにはいないのです」
「………ほぅ、その者達かなり優秀だな。魔獣を狩り尽くすとは………まぁ良い次だ」
マーチンさんは皮肉を交えながらアンドロマリウスの顔色を見ながら次の話題に移る。
「この村の男性陣、特に働き手となる成人男性を見ないのだが?これはどういう事かな?」
「それはこの村の収入源は農作で御座います、然しながら他の村や町に出稼ぎに出た方が遥かに稼げる為、皆村を出払っております」
「…………出稼ぎねぇ……」
マーチンさんの横で座っていたカヴァルが呟く。
「では最後に、この村の税率が知りたい」
「十パーセントで御座います。農作物の麦や小麦の十パーセントを税としております。以上ですかな?」
「…………………あぁ」
「では、私めからも一つ領主様に………冒険者は冒険でもしててください。あまり慣れない事に首を突っ込まない事です」
「………そうか、わかった覚えておこう」
屋敷を出た後マーチンさんはカヴァルに思わず。
「極大大魔法をぶっぱなしてもいいかな?いいよな?」
「まぁまぁまぁ!」
荒ぶるマーチンさんをやっとこさして食い止めるカヴァルだった………。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる