２０２０年版 ルノルマン・カードに導かれし物語たちよ！

Episode６ 今月は４品のオムニバスホラーをお届けです！

【お急ぎの方へ☆サクッとネタバレ】Episode６－A ステージ

　結論、超迷惑男はアルコール依存症からゲーム依存症へ。
　ゲームに例えていうなら、依存する”ステージ”が変更となっただけのこと。


　碌に働きもしないうえ大酒飲みで女性蔑視、さらに時々、暴力沙汰まで起こしていた男を、妻と二人の娘が”ゲーム依存症”にさせた。
　部屋から一歩も出ず、風呂にも入らず、排泄もトイレではなく部屋で行うようにはなってしまったも、男が外で他人に迷惑をかけるよりかはマシだと彼女たちは考えている。

　ちなみに、男がハマってしまったゲームであるが、一般に流通しているス〇ホゲームではなく、”ス〇ホの中から喋りかけてくる人ならざる者”が管理＆運営しているス〇ホゲームである。

　その証拠にというべきか、男がゲームを進めていく（ハマり込んで溺れていく）ために課金しているのはお金ではなく、まさに”時は金なり”の言葉通り、男自身の残り寿命であるのだから。

　しかし、本来の男の寿命は八十九才とかなりの長命。
　そのため、現在が相当な課金ペースであることを踏まえても、おそらくゲーム終了までは五年近くかかる見込みである。

　男だけでなく、男の妻と二人の娘の寿命も見えている”人ならざる者”はさらに言う。
「酒や煙草は一切しない”あなた方三人”より、ゆうに二十年以上も長い寿命をご主人が有していたことには驚きですよ」と。

　ということは、妻と二人の娘のそれぞれの寿命は、最大限に長く見積もっても六十九才まででしかない。
　彼女たちには七十才以降の人生のステージは最初から用意されてはいない、という不吉なネタバレまでされてしまった。