２０２１年版 ルノルマン・カードに導かれし物語たちよ！

Episode４ 「なずみのホラー便」より出張！『美少女たちのパーティー』シリーズ２品

【お急ぎの方へ☆サクッとネタバレ】Episode４－A 美少女たちのパーティー PART７～危険な年頃～

　夜明け前。
　人里離れた屋敷の一室に、主人公のポーラ含む、天使級の美少女姉妹シャルロット＆リリアーヌと総勢八名の美少女たちが揃っていた。
※　美少女たちはフランス系の名前である。

　彼女たちは皆、夜が明けるのを……というより、自分たちの女主人の死を心から望んでいた。
　自身の美貌の衰えを”これでもか”と感じずにはいられない、危険な年頃へと差し掛かってしまった女主人は、金と身分に物を言わせ、近隣の村より貧しい生まれの美少女たちを集めて、その処女の血を自身の美容液として使っていたのだ。
※　バートリ・エルジェーベト（1560年～1614年・「血の伯爵夫人」とも呼ばれるハンガリー王国の貴族であり連続殺人者）を彷彿させるし、『今から”そう遠くない昔”、ここより”そう遠くはないある国”で、とある伯爵夫人が自らの美しさのために、何百人もの若い娘を身の毛もよだつ拷問の末に殺害したという嘘か誠か分からぬ話をポーラも聞いたことがあった』との描写も作中にある。

　ポーラたちはまだ命こそ取られはしていないものの、親兄弟や法律からも隔離された屋敷において、侍女として酷使されるだけでなく、死なない程度にじわじわと日々痛め続けられ、瑞々しいはずの体はもう傷だらけであった。
　この血にまみれた”狂宴”を終わらせたいと一致団結したポーラたちは、女主人の食事や葡萄酒に密かに毒を盛り続けていた。

　数日前、ついにその毒の効き目が現れたらしい。
　今か今か、と美少女たちの誰もが、宴の”終わり”（女主人の死）を待ち続けていた。
　ふと、シャルロットとリリアーヌの姉妹が揃って立ち上がり、すぐ隣の女主人の寝室へと向かった。
　女主人があとどれくらい”持つ”のか様子を見に行ったのだと、ポーラは思っていた。

　だが、女主人のくぐもった呻き声が聞こえてきたかと思うと……やがて、それも止まった。
　戻って来たリリアーヌの手には”枕”があり、シャルロットは「……今、終わったわ」とポーラたちに告げた。

　痺れを切らしたシャルロットとリリアーヌは、女主人を枕で窒息させ殺害し、”終わらせた”のであった。