1 / 3
ポンコツロボットと呼ばれた私は、どうやら異世界では向かう所敵なしのようです
しおりを挟む
ふと気づくと、視界は闇に支配されていた。
目を開けても認識できる物はそれ以外何もない。
私は一体どうしてしまったのだろうか。
……。
そうだ。思い出した。
目の前の空間に突然現れた怪しく光る裂け目? のようなものに引き込まれてしまったのだった。
『仕事をサボって庭で日向ぼっこをしようとしたら異世界に迷い込んでしまった件について』
こんな話誰が信じてくれるというのだろうか。
そんなことを考えていると、小さな光の点を視界に捉えた。
段々と光量が大きくなり、やがて私の体は包まれた。
思わずその眩しさに目を閉じて、少し経って目を開けると……。
そこは戦場だった。
自分でも何を言っているのか分からない。
だが事実である。
実際、数m先では4人が戦っている。
否、実際には3人と人外なる者1体だ。
その異様な姿の者は、頭の左右から2本の大きなツノが生えており、全身が強靭な筋肉に覆われているようである。
おまけに翼まで生えている。
本で読んだことあるぞ。
あれは俗に言う悪魔というやつか。
その悪魔には3人の人間が挑んでいる。
剣を持つものと、杖を持つもの、槍を持つもの。
皆傷だらけで血を流しており、今にも倒れそうだ。
ふむ。
なぜ私はこんなところに突然ワープしたのだろう。
これは夢というやつなのか?
いや、そもそも私は夢を見ない体質……。
と考えた時、悪魔の視線がこちらを向いた。
ギラギラと赤く光る瞳には、ありありと敵意がみなぎっている。
その視線に気づいたのか他の3人もこちらを振り返った。
一様に驚きの表情を浮かべている。
そりゃそうだよね。
見ず知らずの存在が突然現れたらびっくりするよね。
あ、チョット待って。剣を向けないで。光ってる杖を向けて私を浄化しようとしないで。
内心慌てた時に、突然私の目の前に水の大きな球体が現れた。
その表面には波打つ私の姿が写っている。
銀色の長髪にブルーの瞳。
真っ白なワンピース。片耳には赤いイヤリング……。
そこで突然水の球体が急激に大きくなり、私を包み込んだ。
やがて急激な水流を産み出し、四方八方から襲いかかってきた。
轟音もすることから、相当の水圧があるように思われる。
それから5秒ほど経ち、攻撃が止んだ。
ふむ。
……。
服が濡れた。
ワンピースがペッタリと体に張り付いている。
悪魔の方に目を向けると、驚いているようだった。
他の3人も同様である。
理由は分からないでもない。
普通の人間だったら、先程の水圧には耐えられずに潰されていただろう。
と分析していると、新たな攻撃が襲ってきた。
一瞬ピカッと光ったかと思うと、炎の爆発が起こった。
(少し暖かい)
そう思った瞬間、大爆発が起こった。
立ち上る黒煙。
大きく抉られた大地。
火力は相当のものだったらしい。
ふむ。
……。
服が焦げ落ちた。
私はすっ裸になってしまった。
悪魔は口をあんぐり開けて驚愕している。
3人はというと……姿が見当たらない。
恐らく爆発に巻き込まれて絶命したのだろう。
後でお墓を作るべきだろうか。
と思考した時、悪魔が急接近し丸太のように太い腕で殴りかかってきた。
ギョイーーン!
と鈍い音が響いた。
見ると悪魔の腕はだらんとしている。
恐らく骨が折れたのであろう。
こいつは何者なんだ!?
と思っているのがその表情から見て取れる。
そうだな。
教えてあげてもいいか。
言葉が伝わるか分からないけど。
すぅーーっと息を吸い、言葉を発した。
「私は製造番号TJ8521、ご主人さまに使えないポンコツと言われたロボットだ」
服を燃やしたことを後悔させてやる。
右腕に力を込め、顎めがけてアッパーを繰り出した。
拳が当たった瞬間、悪魔の体は大きく吹き飛び、地面に叩きつけられるとピクリとも動かなくなった。
どうやら死んだようだ。
さて、これからどうしよう。
元いた世界に戻りたいが、その手段が皆目検討つかない。
とりあえず歩いてみるか。
いや、その前に3人を弔うか。
そう私は考えて一人頷いた。
ふむ。
ここどこ?
目を開けても認識できる物はそれ以外何もない。
私は一体どうしてしまったのだろうか。
……。
そうだ。思い出した。
目の前の空間に突然現れた怪しく光る裂け目? のようなものに引き込まれてしまったのだった。
『仕事をサボって庭で日向ぼっこをしようとしたら異世界に迷い込んでしまった件について』
こんな話誰が信じてくれるというのだろうか。
そんなことを考えていると、小さな光の点を視界に捉えた。
段々と光量が大きくなり、やがて私の体は包まれた。
思わずその眩しさに目を閉じて、少し経って目を開けると……。
そこは戦場だった。
自分でも何を言っているのか分からない。
だが事実である。
実際、数m先では4人が戦っている。
否、実際には3人と人外なる者1体だ。
その異様な姿の者は、頭の左右から2本の大きなツノが生えており、全身が強靭な筋肉に覆われているようである。
おまけに翼まで生えている。
本で読んだことあるぞ。
あれは俗に言う悪魔というやつか。
その悪魔には3人の人間が挑んでいる。
剣を持つものと、杖を持つもの、槍を持つもの。
皆傷だらけで血を流しており、今にも倒れそうだ。
ふむ。
なぜ私はこんなところに突然ワープしたのだろう。
これは夢というやつなのか?
いや、そもそも私は夢を見ない体質……。
と考えた時、悪魔の視線がこちらを向いた。
ギラギラと赤く光る瞳には、ありありと敵意がみなぎっている。
その視線に気づいたのか他の3人もこちらを振り返った。
一様に驚きの表情を浮かべている。
そりゃそうだよね。
見ず知らずの存在が突然現れたらびっくりするよね。
あ、チョット待って。剣を向けないで。光ってる杖を向けて私を浄化しようとしないで。
内心慌てた時に、突然私の目の前に水の大きな球体が現れた。
その表面には波打つ私の姿が写っている。
銀色の長髪にブルーの瞳。
真っ白なワンピース。片耳には赤いイヤリング……。
そこで突然水の球体が急激に大きくなり、私を包み込んだ。
やがて急激な水流を産み出し、四方八方から襲いかかってきた。
轟音もすることから、相当の水圧があるように思われる。
それから5秒ほど経ち、攻撃が止んだ。
ふむ。
……。
服が濡れた。
ワンピースがペッタリと体に張り付いている。
悪魔の方に目を向けると、驚いているようだった。
他の3人も同様である。
理由は分からないでもない。
普通の人間だったら、先程の水圧には耐えられずに潰されていただろう。
と分析していると、新たな攻撃が襲ってきた。
一瞬ピカッと光ったかと思うと、炎の爆発が起こった。
(少し暖かい)
そう思った瞬間、大爆発が起こった。
立ち上る黒煙。
大きく抉られた大地。
火力は相当のものだったらしい。
ふむ。
……。
服が焦げ落ちた。
私はすっ裸になってしまった。
悪魔は口をあんぐり開けて驚愕している。
3人はというと……姿が見当たらない。
恐らく爆発に巻き込まれて絶命したのだろう。
後でお墓を作るべきだろうか。
と思考した時、悪魔が急接近し丸太のように太い腕で殴りかかってきた。
ギョイーーン!
と鈍い音が響いた。
見ると悪魔の腕はだらんとしている。
恐らく骨が折れたのであろう。
こいつは何者なんだ!?
と思っているのがその表情から見て取れる。
そうだな。
教えてあげてもいいか。
言葉が伝わるか分からないけど。
すぅーーっと息を吸い、言葉を発した。
「私は製造番号TJ8521、ご主人さまに使えないポンコツと言われたロボットだ」
服を燃やしたことを後悔させてやる。
右腕に力を込め、顎めがけてアッパーを繰り出した。
拳が当たった瞬間、悪魔の体は大きく吹き飛び、地面に叩きつけられるとピクリとも動かなくなった。
どうやら死んだようだ。
さて、これからどうしよう。
元いた世界に戻りたいが、その手段が皆目検討つかない。
とりあえず歩いてみるか。
いや、その前に3人を弔うか。
そう私は考えて一人頷いた。
ふむ。
ここどこ?
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる