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④エスポワールプチットは、大人が学生にお金を脅し取っている現場にいた。

「悪は、このエスポワールプチットが許しません!」

  自分なりのポーズを決めて構えた。

「かわいい~、本物か、お前は?」

「こんなちんけな学生より、有名な、正義のヒロインの方が、いじりがいがあるぜ」

「ロリコンが、おまえは?」

「こいつを人質にして、本名のエスポワール美人ちゃんにイタズラしようぜ!」

「あなた達のその心、エスポワールプチットが許せませんわ、やっつけさせていただきます」

「ははは~、やっつけさせていただきます、だってよ、やれるものなら、やってみろ!」

 エスポワールプチットは、バトンを出して回し魔法陣を出して唱えた。

「エスポワールプチット、わんわんガブガブ!」

  近くにいたおとなしそうな犬が、歯をむき出して、悪い大人に吠え出した。逃げ出した大人のお尻を、がぶりと噛みついた。

「いた~い~、くるな、おい、やめ~」

「痛い、尻噛まれた~」

「エスポワールプチット、頼む、許してくれ!」

「謝る相手が違いますわ」

「学生君、ごめんなさい、許してくれ、エスポワールプチットに、速く、言ってくれ、お尻かじり犬をやめさせてくれー~」

「ありがとうございます。エスポワールプチット、もう~」

「分かりましたわ」

 エスポワールプチットがバトンを大きく回し、

「エスポワールプチット、ダウン!」

  犬は、また、おとなしい性格に、もどった。悪い大人は、走って逃げた。

「覚えていろよ、エスポワールプチット、仕返しはしてやるからな~」

「忘れてしまいましたわ、心を入れ替えて、良い人間になる魔法を」

「本当にありがとうございます」

「正義の心は、広まりますわ、それでは、ごきげんよう」

 エスポワールプチットがマントで身を隠した時に、少年が声をかけた。

「エスポワールプチットの正義の心に尊敬してます、握手してください」

  エスポワールプチットは迷ったが、尊敬しているという言葉で、良い気分になり、手を出した。

「あっ、ここは目立って他の人も握手をエスポワールプチットにお願いするかもしれないから、あそこがいいです。人がいないです」

  少年は、人に見られない物陰に手を引いて行った。エスポワールプチットは、普通の人間には負けないので何も心配していない。

  「私は、魔少年!」

 指をパチンと鳴らした。一瞬にして、エスポワールプチットは違う世界を見ていた。

  
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