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22 開花した弘子の感情 ①
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22 開花した弘子の感情
① 学校では咲恵と美恵が美月に関することだけ消極的な行動をとることに不満な弘子が美月の家に行って苦しめることを思いついた。美月も翔のために弘子に従った。
「美月の友達の弘子です」
「・・・・・・いらっしゃい」
人なつっこい太陽と星奈も出てきた。
「お姉ちゃん、名前はなんて言うの、綺麗だね」
弘子はお化粧をして行ったので、いつも素顔の姉の美月と比べて素直な見方だった。
「弘子よ、これから時々、来るから、ヨ、ロ、シ、ク!」
「わ~い、上がって、上がって、遊ぼうよ」
「あのね、弘子はお姉ちゃんに用事があってきたから部屋にいるから、何かあったら呼んで」
「いいよ、別に弘子とすぐに話さなくても、お姉ちゃんと遊ぼう」
「失礼します、はい、みんなで食べて」
弘子は、他の家庭に行くので礼儀として土産を持っていたのだ。美月にとっては意外なことだった。お土産を美月に渡して太陽と星奈の部屋に行ってしまった。美月は、3人だけにしておくのは今までの弘子の行動を考えてとても心配だったから、飲み物を持って3人の部屋へ行くと楽しそうな笑い声が聞こえていた。
「美月の弟と妹、かわいいね」
「お姉ちゃん、弘子お姉ちゃんって優しいんだよ、ねぇ~」
学校にいる時の弘子と違っている。どこか違う、心が解放されたというか、無邪気に太陽と星奈の面倒を見てくれている。
「美月、怪我しないように見ておくから、やることがあったらしてていいよ」
「そうだよ、お姉ちゃん、いっぱい、やることがあるんだから」
「そう、じゃあ、・・何かあったら、すぐに呼んでね」
「は~い」
美月は、二人の園の連絡帳を見て、カレンダーに書いたり、準備をした。そして、お母さんと話をしてから、3人のいる部屋以外の掃除を始めた。掃除機をかけて、濡れ雑巾でフロアーのふき掃除だ。隅の埃は、ペンなどで掻き出してきれいにする。
夕食の準備をするのに台所に来たら、弘子の右に太陽、左に星奈、しっかりと弘子が手をつないでいる。
「美月、あのね、二人が美月と一緒に夕食を作ってって言うから手を出してもいいかな」
「えっ、ごめんなさい、二人とも甘えたらダメ、お姉ちゃんが作るからいいでしょ」
「えっ、やだ~、弘子お姉ちゃんに作ってほしい」
「美月、今日は、ハンバーグでしょ、一人じゃ大変だよ、手伝う」
意地悪な弘子が別人になっていた。
「でも、やってもらったら悪いから・・・・」
「美月、やろう、一緒に」
美月は、弘子だけでなく、太陽、星奈と一緒にハンバーグの具を、ペッタンペッタンと作り始めた。
「ははは~、みんなで作ると楽しいね」
「お姉ちゃん、弘子おねえちゃんに焼いてもらっている間に、洗濯物をやってきちゃえば」
「お姉ちゃんね、料理の途中で、いっつも洗濯をやりに行くんだよ」
「そうなんだ、二つのことを美月はしてんだね」
「今日は、弘子お姉ちゃんがいてうれしいな」
「美月、やってきていいよ」
美月は、途中まで料理をしてから、お風呂の水を使うので洗濯機と繋ぎ、洗剤、柔軟剤などを入れて、スイッチを入れた。
台所に帰ると、弘子がお母さんの夕食も作ってくれてあった。
「美月、二人から聞いたんだけど、はい、これ、お母さんに持っていきなよ」
「あれ、弘子の夕食は」
「私が、他の家で食べたら変でしょ、帰るわ」
美月は早く帰ってほしいけど、二人が、引き留めている。よほど、気にいったみたいだ。「弘子、食べて行って、二人も弘子が帰ったら寂しがるから」
美月はお母さんの所に持って行きながら、不思議だった。あの弘子が太陽、星奈と一緒に楽しそうに食事をしている。
「星奈ちゃん、ここにご飯粒が付いているよ、弘子お姉ちゃんがとってあげるから動かないでね」
「ありがとう、弘子お姉ちゃん」
「どういたしまして、ははは~」
「太陽君、もっと食べれるようだったら、弘子お姉ちゃんのこれを食べてもいいよ、でも、お腹こわしちゃうかな、美月」
「ううん、大丈夫だけど、弘子、少なくなっちゃう」
「はい、太陽君、食べて~」
「ありがとう、弘子おねえちゃん」
学校で見せる弘子と違うので、美月の心は戸惑っていた。最初に家に来た理由は嫌がらせか、又は、そのネタ探しだと思う。しかし、二人の幼児と触れ合って変わってしまったのだろうか。
「じゃあ、美月、明日、また、学校で」
「弘子お姉ちゃん、また、明日も来て欲しいな~」
二人の言葉に美月は心臓が止まりそうだった。今日は、何もなかっただけだ。
「美月、今日は楽しかったよ、美月は嫌かも知れないけど、また、二人に会いにきてもいいかな、だめだよね、やっぱり」
「ううん、また、来てください、お土産ありがとう」
「うん、さようなら」
弘子は、うれしそうに帰って行ったけど、いったい、何をしたかったんだろう。
① 学校では咲恵と美恵が美月に関することだけ消極的な行動をとることに不満な弘子が美月の家に行って苦しめることを思いついた。美月も翔のために弘子に従った。
「美月の友達の弘子です」
「・・・・・・いらっしゃい」
人なつっこい太陽と星奈も出てきた。
「お姉ちゃん、名前はなんて言うの、綺麗だね」
弘子はお化粧をして行ったので、いつも素顔の姉の美月と比べて素直な見方だった。
「弘子よ、これから時々、来るから、ヨ、ロ、シ、ク!」
「わ~い、上がって、上がって、遊ぼうよ」
「あのね、弘子はお姉ちゃんに用事があってきたから部屋にいるから、何かあったら呼んで」
「いいよ、別に弘子とすぐに話さなくても、お姉ちゃんと遊ぼう」
「失礼します、はい、みんなで食べて」
弘子は、他の家庭に行くので礼儀として土産を持っていたのだ。美月にとっては意外なことだった。お土産を美月に渡して太陽と星奈の部屋に行ってしまった。美月は、3人だけにしておくのは今までの弘子の行動を考えてとても心配だったから、飲み物を持って3人の部屋へ行くと楽しそうな笑い声が聞こえていた。
「美月の弟と妹、かわいいね」
「お姉ちゃん、弘子お姉ちゃんって優しいんだよ、ねぇ~」
学校にいる時の弘子と違っている。どこか違う、心が解放されたというか、無邪気に太陽と星奈の面倒を見てくれている。
「美月、怪我しないように見ておくから、やることがあったらしてていいよ」
「そうだよ、お姉ちゃん、いっぱい、やることがあるんだから」
「そう、じゃあ、・・何かあったら、すぐに呼んでね」
「は~い」
美月は、二人の園の連絡帳を見て、カレンダーに書いたり、準備をした。そして、お母さんと話をしてから、3人のいる部屋以外の掃除を始めた。掃除機をかけて、濡れ雑巾でフロアーのふき掃除だ。隅の埃は、ペンなどで掻き出してきれいにする。
夕食の準備をするのに台所に来たら、弘子の右に太陽、左に星奈、しっかりと弘子が手をつないでいる。
「美月、あのね、二人が美月と一緒に夕食を作ってって言うから手を出してもいいかな」
「えっ、ごめんなさい、二人とも甘えたらダメ、お姉ちゃんが作るからいいでしょ」
「えっ、やだ~、弘子お姉ちゃんに作ってほしい」
「美月、今日は、ハンバーグでしょ、一人じゃ大変だよ、手伝う」
意地悪な弘子が別人になっていた。
「でも、やってもらったら悪いから・・・・」
「美月、やろう、一緒に」
美月は、弘子だけでなく、太陽、星奈と一緒にハンバーグの具を、ペッタンペッタンと作り始めた。
「ははは~、みんなで作ると楽しいね」
「お姉ちゃん、弘子おねえちゃんに焼いてもらっている間に、洗濯物をやってきちゃえば」
「お姉ちゃんね、料理の途中で、いっつも洗濯をやりに行くんだよ」
「そうなんだ、二つのことを美月はしてんだね」
「今日は、弘子お姉ちゃんがいてうれしいな」
「美月、やってきていいよ」
美月は、途中まで料理をしてから、お風呂の水を使うので洗濯機と繋ぎ、洗剤、柔軟剤などを入れて、スイッチを入れた。
台所に帰ると、弘子がお母さんの夕食も作ってくれてあった。
「美月、二人から聞いたんだけど、はい、これ、お母さんに持っていきなよ」
「あれ、弘子の夕食は」
「私が、他の家で食べたら変でしょ、帰るわ」
美月は早く帰ってほしいけど、二人が、引き留めている。よほど、気にいったみたいだ。「弘子、食べて行って、二人も弘子が帰ったら寂しがるから」
美月はお母さんの所に持って行きながら、不思議だった。あの弘子が太陽、星奈と一緒に楽しそうに食事をしている。
「星奈ちゃん、ここにご飯粒が付いているよ、弘子お姉ちゃんがとってあげるから動かないでね」
「ありがとう、弘子お姉ちゃん」
「どういたしまして、ははは~」
「太陽君、もっと食べれるようだったら、弘子お姉ちゃんのこれを食べてもいいよ、でも、お腹こわしちゃうかな、美月」
「ううん、大丈夫だけど、弘子、少なくなっちゃう」
「はい、太陽君、食べて~」
「ありがとう、弘子おねえちゃん」
学校で見せる弘子と違うので、美月の心は戸惑っていた。最初に家に来た理由は嫌がらせか、又は、そのネタ探しだと思う。しかし、二人の幼児と触れ合って変わってしまったのだろうか。
「じゃあ、美月、明日、また、学校で」
「弘子お姉ちゃん、また、明日も来て欲しいな~」
二人の言葉に美月は心臓が止まりそうだった。今日は、何もなかっただけだ。
「美月、今日は楽しかったよ、美月は嫌かも知れないけど、また、二人に会いにきてもいいかな、だめだよね、やっぱり」
「ううん、また、来てください、お土産ありがとう」
「うん、さようなら」
弘子は、うれしそうに帰って行ったけど、いったい、何をしたかったんだろう。
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