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12 新しい生活スタイル ①
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12 新しい生活スタイル
①いつものように星奈ちゃん,太陽君の育児と朝の家事を済ませて,学校に行った。
クラスにいた翔君を空き教室に呼んで,昨日のことを謝った。
「翔君,ごめんなさい!謝ります。本当にごめんなさい!」
「僕こそ勝手なことして,ごめん!」
昨夜翔が帰ってから,丁寧にタオルの上に置かれていたレオタードを見たのだ。さらに,お風呂では風呂桶に洗剤が残っていて,手洗いを丁寧にしてくれたこともわかった。
太陽君や星奈ちゃんから,一生懸命に翔がめんどう見てくれたことも聞いた。頬をビンタして帰したことに胸が痛んだのだ。メールしようとも考えたが,あまりにも遅い時刻だったので,こうやって学校で頭を下げて直接謝ることにしたのだ。
「昨日,ビンタしちゃったのが気になっていて,お願い,翔君,私をビンタして,そうしないと気がすまないから!!」
美月の眼は本気なのが読み取れた翔は,
「わかった,昨日は痛かったよ,目を閉じて・・・・・」
美月は頬に手が当たるのを覚悟して,ギュウッと力を入れて目を閉じた。
翔は美月のおでこに,優しくキスをした。
「はっ,えぃ・・・・」
美月はびっくりして目が丸くなり,翔を見た。
「気の強い女の子,嫌いじゃないよ,美月さん,僕は好き,好きなんだ!」
美月は,おでこに手をやり,その後,無言で走って教室に帰った。翔は,嫌われたかもと心配になった。そして,後から教室に帰って行った。
美月は教室で振り返っていた。あれって告白なの,美月にとって付き合ってほしいと言われたことはあったが,体操一筋でまったく男には興味がなかった。でも,あのキスは美月には衝撃的で,この日の授業はうわの空で聞き,先生に注意されたり,とんちんかんな答えを言ってクラスのみんなに笑われた。
私は,翔君をどう思っているんだろう・・・・,美月は自分の気持ちがわからなかった。芸能人の男しか「好き」という感情を持てないと考えていたからだ。男に対する免疫が美月にはなく,体操だけに学校生活は集中していたのだ。翔もそんな美月の心を察して話しかけて来なかった。
放課後になって現実感が美月に戻ってきた。今日の体操部は休んでお母さんの病院へ行き,その後,家に帰って二人の世話をしなければならない。そうすると,これから体操の練習は,家での自主練習が中心となってしまうのだろうか。
病院へ行くとお母さんの入院は3ヶ月の長期に渡り,さらにリハビリ回復病院へ3ヶ月入院になりそうだということが分かった。お母さんが美月に,
「美月,体操頑張ってほしいの,だから,ここの病院にある院内保育は24時間体勢で見てくれるの,保育所が終わったら二人を連れてきてくれる人もお母さんが頼んだ。美月は部活が終わったら院内保育に迎えに来てほしいの,どう,できそう」
「今日の朝のように早起きをして,育児と家事をして太陽と星奈を保育園のバスが迎える所まで連れて行き,それから部活も含めて1日学校生活をして,ここの院内保育へお母さんを見てから連れて帰るということことね,分かったわ,私,頑張るからお母さんも無理をしないで看護師さんを困らせたらダメだよ,速く元気になってね」
「ありがとう,美月,お母さんが,こんなお母さんでごめん,迷惑をかけて,本当にごめんね,太陽と星奈の世話をしながらで大変だけど,私が楽しみにしている,体操,がんばってね」
お母さんは,言い終わると頭痛がすると言って休んだ。鬱病で体調不良。その上,複雑骨折で,お母さんの方が大変なのに,・・・・・・・・・・・・・・・。
書類をもらって,手続きをし,院内保育の先生に挨拶をしてから家に向かった。今頃,幼い二人は,腹を減らして待っていることだろう。美月が,家に着いたのは,他の所にも寄ったので午後8時になっていた。二人は,大丈夫かな・・・・・・・・。
「ただいま,太陽,星奈,遅くなってごめんね,お母さんの所や明日からのことで他によって遅くなっちゃたの,夕ご飯にするね」
玄関に向かって走ってくる音がした。でも,幼い二人だけの音ではない。美月は,不安になった。だれが・・・・・・・・・。
「お帰り,美月さん,夕飯できているよ,お風呂も沸かしたからね」
「えっ! 翔君,どうして・・・・」
翔の後ろにニコニコと太陽君と星奈ちゃんが立っている。
①いつものように星奈ちゃん,太陽君の育児と朝の家事を済ませて,学校に行った。
クラスにいた翔君を空き教室に呼んで,昨日のことを謝った。
「翔君,ごめんなさい!謝ります。本当にごめんなさい!」
「僕こそ勝手なことして,ごめん!」
昨夜翔が帰ってから,丁寧にタオルの上に置かれていたレオタードを見たのだ。さらに,お風呂では風呂桶に洗剤が残っていて,手洗いを丁寧にしてくれたこともわかった。
太陽君や星奈ちゃんから,一生懸命に翔がめんどう見てくれたことも聞いた。頬をビンタして帰したことに胸が痛んだのだ。メールしようとも考えたが,あまりにも遅い時刻だったので,こうやって学校で頭を下げて直接謝ることにしたのだ。
「昨日,ビンタしちゃったのが気になっていて,お願い,翔君,私をビンタして,そうしないと気がすまないから!!」
美月の眼は本気なのが読み取れた翔は,
「わかった,昨日は痛かったよ,目を閉じて・・・・・」
美月は頬に手が当たるのを覚悟して,ギュウッと力を入れて目を閉じた。
翔は美月のおでこに,優しくキスをした。
「はっ,えぃ・・・・」
美月はびっくりして目が丸くなり,翔を見た。
「気の強い女の子,嫌いじゃないよ,美月さん,僕は好き,好きなんだ!」
美月は,おでこに手をやり,その後,無言で走って教室に帰った。翔は,嫌われたかもと心配になった。そして,後から教室に帰って行った。
美月は教室で振り返っていた。あれって告白なの,美月にとって付き合ってほしいと言われたことはあったが,体操一筋でまったく男には興味がなかった。でも,あのキスは美月には衝撃的で,この日の授業はうわの空で聞き,先生に注意されたり,とんちんかんな答えを言ってクラスのみんなに笑われた。
私は,翔君をどう思っているんだろう・・・・,美月は自分の気持ちがわからなかった。芸能人の男しか「好き」という感情を持てないと考えていたからだ。男に対する免疫が美月にはなく,体操だけに学校生活は集中していたのだ。翔もそんな美月の心を察して話しかけて来なかった。
放課後になって現実感が美月に戻ってきた。今日の体操部は休んでお母さんの病院へ行き,その後,家に帰って二人の世話をしなければならない。そうすると,これから体操の練習は,家での自主練習が中心となってしまうのだろうか。
病院へ行くとお母さんの入院は3ヶ月の長期に渡り,さらにリハビリ回復病院へ3ヶ月入院になりそうだということが分かった。お母さんが美月に,
「美月,体操頑張ってほしいの,だから,ここの病院にある院内保育は24時間体勢で見てくれるの,保育所が終わったら二人を連れてきてくれる人もお母さんが頼んだ。美月は部活が終わったら院内保育に迎えに来てほしいの,どう,できそう」
「今日の朝のように早起きをして,育児と家事をして太陽と星奈を保育園のバスが迎える所まで連れて行き,それから部活も含めて1日学校生活をして,ここの院内保育へお母さんを見てから連れて帰るということことね,分かったわ,私,頑張るからお母さんも無理をしないで看護師さんを困らせたらダメだよ,速く元気になってね」
「ありがとう,美月,お母さんが,こんなお母さんでごめん,迷惑をかけて,本当にごめんね,太陽と星奈の世話をしながらで大変だけど,私が楽しみにしている,体操,がんばってね」
お母さんは,言い終わると頭痛がすると言って休んだ。鬱病で体調不良。その上,複雑骨折で,お母さんの方が大変なのに,・・・・・・・・・・・・・・・。
書類をもらって,手続きをし,院内保育の先生に挨拶をしてから家に向かった。今頃,幼い二人は,腹を減らして待っていることだろう。美月が,家に着いたのは,他の所にも寄ったので午後8時になっていた。二人は,大丈夫かな・・・・・・・・。
「ただいま,太陽,星奈,遅くなってごめんね,お母さんの所や明日からのことで他によって遅くなっちゃたの,夕ご飯にするね」
玄関に向かって走ってくる音がした。でも,幼い二人だけの音ではない。美月は,不安になった。だれが・・・・・・・・・。
「お帰り,美月さん,夕飯できているよ,お風呂も沸かしたからね」
「えっ! 翔君,どうして・・・・」
翔の後ろにニコニコと太陽君と星奈ちゃんが立っている。
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