ヤングケアラー美月恋愛編（一般作）

②

②美月のお母さんは中央病院へ運ばれて、すぐに検査をすることになった。美月は、落ち着かない気持ちで待合室で待った。
　看護師さんの指示で，血液検査の後，美月はレントゲン室へ車イスに乗っているお母さんと向かった。色々な検査をして、お母さんも美月も疲れたが、検査結果を待った。
　検査結果が出たのは夜中で，やっと，整形外科の先生と会えて話したら，
「骨粗鬆症になっているので，手術は無理ですね，このまま車イスで生活というのも覚悟してください」
　美月は，すでに鬱の病気で，さらに車イス生活ではあまりにもお母さんがかわいそうと思い，必死で先生にお願いした。
「お願いします。先生！　我が家で和式の家で車イスは無理です，お願いします，お母さんは他の病気も持っているので，・・・，手術をお願いします」
「ふ～～～～～む，まず，今はベッドに空きがないので他の病院を紹介するので，そこへ朝になったら入院してください。ベッドが空いたら、こちらの病院に来て、もう一度話し合いましょう」
　お母さんは，救急棟の片隅で寝て朝を待つことになり，美月は午前２時にタクシーで準備のために帰ることにした。
　一方，翔は太陽君と星奈ちゃんの食事の準備をして，一緒に食卓で食べた。洗い物をしている間は二人にテレビを見ててもらった。次に，お風呂を沸かし，太陽君と星奈ちゃんがお風呂に入るのを見ててあげた。二人ともなかなか出てこないので，
「早くでないと，出た時に頭がふらふらになっちゃうかも・・・・・，もう，出て」
「やだ～～～！」
　二人はお風呂で遊びながら入っているので出てこない。翔は，頼んでお風呂から出てもらった。
　お風呂から出たら保育園へ着ていく物などの準備だ。二人から聞いても意味のわからないことがある。それでも翔は，幼児の言葉だけでなく，表情や身振りで理解に努めて準備を終えた。
　布団に入ると，星奈ちゃんから，
「本，読んで～～～」
　せがまれると優しい翔君は断れず，本のある所を聞いて，読み聞かせををした。
　太陽君に，つまんないと言われ，ただ読むだけでなく体で表現するなど興味をもつように読み進めた。そのうちに翔が眠くなってきてしまった。翔は二人を待たせて顔を洗って，また本の続きを読んであげる。
　二人が眠った後に考えた。
（美月さんは，どうしているかな，こんなこと毎日しているなんて，大変だな）
　翔は家族のケアーの大変さを感じた。

　さあ，次は洗濯，でも，それってやりすぎかな？　いや，明日，明後日必要なものもあるかもしれないから，洗濯して，怒られたら謝ろうと翔は考え，洗濯置き場へ向かった。そこには、美月の着ていたレオタードがあった。