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③お風呂から出てきたニコニコの太陽君は新しいパジャマを着てる。そして,翔は・・
「翔君,どうしたの! その姿?」
翔は,陸上部の上下赤のユニフォーム姿で脱衣所から出てきたのだ。
「えへへへ,太陽君だけでは心配だったから,風呂場に入って濡れないようにしていたんだけどさ,濡れちゃったんだ,ちょうど,洗おうと思ってユニフォーム持っていたから着たけど,変かな・・」
美月に男物の服はないし,自分の物を着させるのも・・・・・・
「ちょっと,乾いてから着て帰るね,それまで,いてもいいかな?」
美月はいいけど,翔の帰る時間を遅くさせてしまってはいけないし・・・・・
「じゃあ,わかった・・・・でも,私,練習をしたいから,ごめん,コーヒー飲んで待っていて! 乾いたら,見送り出来ないけど帰ってね。玄関開けたままでいいよ」
美月が立ち上がった時,
「まだ,ビデオ撮影の係は終わってないよ,最後までやりたい、僕も行く」
「えっ,こんな遅い時間に,翔君に悪いよ」
美月は,夏の全国高等学校体操競技大会を目指していた。勉強よりも食事よりも,介護の次に大切なのだ。
「もし,迷惑でなかったら,手伝わせて!」
結局,太陽君と星奈ちゃんを美月が部屋に連れて行って布団に寝かせ,二人は自宅にある練習場に向かった。美月は白いレオタード,翔は上下赤の陸上部ユニフォームだ。二人ともスポーツ着で違和感がありそうだったが、美月は体操重視だ。
「今日は,前方車輪を確かめたいの」
美月が鉄棒の前に行った時,翔が止めた。体操のことが分からない翔でも車輪は知っている。基礎練習をしないで車輪をするのは危険だ!
「ふふ~,心配してくれてありがとう,でも,やるから,ビデオお願い!」
美月は鉄棒の前で、少し前後の振りの練習をした後に,前方車輪を始めた。翔のビデオから見える美月の姿は白い妖精だ!
逆手で懸垂振動をしながら後ろ振り上がりの練習の後,倒立位からの大きな振り,後ろ振り上がりを再び倒立位まで上げる。
美月の前方車輪を前や後ろ,色々な角度から翔は撮った。だから、鉄棒を支えている斜めのチェーンにつまずいて何度も転びそうになったが、まるでプロのカメラマンのように一生懸命だ。映像を見ると、転びそうになった所は、時々回転して天井や床など違うものも映ってしまっている。
美月と確認する時に,笑い合って翔には楽しい時間だった。ふと、二人の会話が止まって見つめあった。美月は翔と二人きりであることを意識した。翔も白い妖精が隣で微笑んでいることにドキドキ感がいっぱいだ。白いレオタードなので、やや透けて見える。美月は体操用のインナーを身に付けているので、それがうっすらと見えるのだ。美月が話を変えた。
「私,反動がもっと上手にできるようにスイング,ここだ,力で入れずに肩入れをして順番にやらなければいけないのに出来ていないわ・・・・・・・・・・・・・・・・」
「そ、そうだね、でも、上手だったよ・・」
美月の自己分析を聞いて翔はほとんど意味がわからなかったが,確実に美月の役に立っていることが嬉しかった。
美月は,今日,一番の笑顔で,
「翔君,ありがとう~~」
「いやぁ、一緒に入られて本当に楽しかったよ」
今日の練習が終わり,翔の服も乾いたので翔は見送られて帰った。美月は,これからヤングケアラーとしての夜の家事が始まる。
自分が家族のためにやることなんだ・・・・,これは,私しかできないこと・・・・。
頑張れ、ヤングケアラー海月!
「翔君,どうしたの! その姿?」
翔は,陸上部の上下赤のユニフォーム姿で脱衣所から出てきたのだ。
「えへへへ,太陽君だけでは心配だったから,風呂場に入って濡れないようにしていたんだけどさ,濡れちゃったんだ,ちょうど,洗おうと思ってユニフォーム持っていたから着たけど,変かな・・」
美月に男物の服はないし,自分の物を着させるのも・・・・・・
「ちょっと,乾いてから着て帰るね,それまで,いてもいいかな?」
美月はいいけど,翔の帰る時間を遅くさせてしまってはいけないし・・・・・
「じゃあ,わかった・・・・でも,私,練習をしたいから,ごめん,コーヒー飲んで待っていて! 乾いたら,見送り出来ないけど帰ってね。玄関開けたままでいいよ」
美月が立ち上がった時,
「まだ,ビデオ撮影の係は終わってないよ,最後までやりたい、僕も行く」
「えっ,こんな遅い時間に,翔君に悪いよ」
美月は,夏の全国高等学校体操競技大会を目指していた。勉強よりも食事よりも,介護の次に大切なのだ。
「もし,迷惑でなかったら,手伝わせて!」
結局,太陽君と星奈ちゃんを美月が部屋に連れて行って布団に寝かせ,二人は自宅にある練習場に向かった。美月は白いレオタード,翔は上下赤の陸上部ユニフォームだ。二人ともスポーツ着で違和感がありそうだったが、美月は体操重視だ。
「今日は,前方車輪を確かめたいの」
美月が鉄棒の前に行った時,翔が止めた。体操のことが分からない翔でも車輪は知っている。基礎練習をしないで車輪をするのは危険だ!
「ふふ~,心配してくれてありがとう,でも,やるから,ビデオお願い!」
美月は鉄棒の前で、少し前後の振りの練習をした後に,前方車輪を始めた。翔のビデオから見える美月の姿は白い妖精だ!
逆手で懸垂振動をしながら後ろ振り上がりの練習の後,倒立位からの大きな振り,後ろ振り上がりを再び倒立位まで上げる。
美月の前方車輪を前や後ろ,色々な角度から翔は撮った。だから、鉄棒を支えている斜めのチェーンにつまずいて何度も転びそうになったが、まるでプロのカメラマンのように一生懸命だ。映像を見ると、転びそうになった所は、時々回転して天井や床など違うものも映ってしまっている。
美月と確認する時に,笑い合って翔には楽しい時間だった。ふと、二人の会話が止まって見つめあった。美月は翔と二人きりであることを意識した。翔も白い妖精が隣で微笑んでいることにドキドキ感がいっぱいだ。白いレオタードなので、やや透けて見える。美月は体操用のインナーを身に付けているので、それがうっすらと見えるのだ。美月が話を変えた。
「私,反動がもっと上手にできるようにスイング,ここだ,力で入れずに肩入れをして順番にやらなければいけないのに出来ていないわ・・・・・・・・・・・・・・・・」
「そ、そうだね、でも、上手だったよ・・」
美月の自己分析を聞いて翔はほとんど意味がわからなかったが,確実に美月の役に立っていることが嬉しかった。
美月は,今日,一番の笑顔で,
「翔君,ありがとう~~」
「いやぁ、一緒に入られて本当に楽しかったよ」
今日の練習が終わり,翔の服も乾いたので翔は見送られて帰った。美月は,これからヤングケアラーとしての夜の家事が始まる。
自分が家族のためにやることなんだ・・・・,これは,私しかできないこと・・・・。
頑張れ、ヤングケアラー海月!
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