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②バランスの練習を始めた美月をビデオカメラを持つ翔が見つめる。
カメラは,半屈膝,大屈膝,さらに座ってのバランス,支持姿勢の全体像、指先、足先、膝や肘の曲がり具合いなどを映している。もちろん、股間も映っている。
床で終わった後に,美月は心配で翔の映像を見た。別に嫌らしい所を撮られているかということではなく、ポイントを撮っているかどうかが心配だったのだ。
「翔君、ありがとう、やっぱり,まだ、指先がもう少しきれいじゃないと・・・・・」
美月はそう言いながら,中指を下に他の指を,人差し指と薬指をツンと挙げて,おや指と小指の位置で綺麗な手を施行錯誤している。翔は、美月の細く長い手が天使の手に感じた。
「次は,平行棒の上でバランスをするから,翔君,まだ,時間はあるかな・・,でも,もう,遅い時間だから,帰ってもいいよ,ありがとう・・・」
その時,突然,呼び出しの音楽が鳴った。二人の練習部屋にお母さんか太陽君、星奈ちゃんからの呼び出しだ。美月は、部屋ごとに音楽を変えて呼び出せるように受信機を近くに置いてあったのだ。
「これは,太陽と星奈の部屋,何があったのかな,行って見るから,翔君,ありがとう、気をつけて帰ってね」
美月はレオタードの上に上下のジャージを着て,練習部屋から二階の二人の部屋へと向かった。翔も美月に話して後を追って二人の部屋へと向かった。
「どうしたの!何があったの?」
美月は二人の様子を見ると,太陽の布団が濡れていることに気付いた。
「太陽,まさか,まだ寝てもいないのに,おねしょってことはないよね・・」
布団の上に世界地図のような濡れ具合だ。
「だって,トイレ行くのが・・ゲームしてて面倒だったから・・力入れたら出ちゃった・・・・ははっ」
太陽君は照れ笑いをしてごまかす。
「もう,5歳にもなって何してるの! 自分で洗濯機を使って洗えるの? お姉ちゃんは忙しいんだよ」
ビエ~~~~~ン,エ~~ンエ~~~ン・・・・・・・・・
「もう,お姉ちゃんと一緒にお風呂で体洗おう、全部脱いで! 汚れたものは洗うから洗濯機に入れて!さあ・・」
エ~~~ン,エ~~~ン・・・・・・・・・・・
「お姉ちゃん,こわいからヤダァ・・・・・・・・」
「お姉ちゃんしかいないの!」
翔は一歩前に出て,
「じゃあ,僕が・・」
「ダメェー! こんなことまで翔君にさせられないわ,いくら何でも,もう!」
美月は敷布を剥がして布団を入れかえる。そして,
「太陽,さあ,行くよ,お姉ちゃんと,ほらー,速く!」
太陽君は怒っているお姉ちゃんの側に行ったらどうなるか・・。
「太陽君,お兄ちゃんとだったらいいかな」
太陽君は一瞬,驚いたが怒っているお姉ちゃんよりは料理を作ってくれた翔を選んだ。
「お兄ちゃん,行こう,お姉ちゃん,お風呂覗かないでよね!」
太陽君は翔の手を引いて風呂場に向かった。
「太陽,翔君は・・・・」
聞くよりも早く逃げ去った。
「お風呂に入らないから太陽君と一緒に行ってもいいかな,行きたいんだ! 美月の役に立ちたいんだ!」
美月は,えっ! と顔をした後,
「無理しないで,翔君」
翔も風呂場に向かった。途中で待っていた太陽君に話す。
「怖いお姉ちゃんの許しをもらったから太陽君,お風呂行くぞ!」
「ちょ,ちょっと~,怖いだけは間違っているわよ」
不服そうな美月だった。
「お兄ちゃん,こわ~いお姉ちゃんをほっといてお風呂行こう」
太陽君は翔の手を引いてお風呂に向かった。
「こら~,太陽~~~~~・・・・・」
星奈ちゃんが不安そうに,
「一人でいられない! お姉ちゃん一緒にいてもいい・・・」
かわいい妹の願いを美月は聞いてあげた。
「星奈は,優しいお姉ちゃんと一緒に洗濯機へ行こうね」
翔は太陽君をお風呂場で体を洗ってあげ,美月はシーツや汚れ物を洗濯機の中に入れた、そして、洗剤、ハイター、柔軟剤を入れて、洗濯を始めた。いつも忘れてしまう柔軟剤は、今日は忘れなかった。
「もう、洗剤も、柔軟剤もなくなりそう、安売りの日に買わなくっちゃ、ねぇ星奈」
二人は女の子同士で仲がいいのだ。
「うん、星奈もお姉ちゃんと行くね」
美月は,お風呂場での,翔と太陽君の楽しそうな声を聞いて安心したが,どうしてこうなっちゃったんだろうと不思議だった。翔君は同級生の中の一人なんだけど。でも,この温かな雰囲気は美月にとって良い気分だった。
「お姉ちゃん、目がキラキラしててうれしそうだね、お兄ちゃん泊まっていけばいいのに」
美月は驚いて星奈ちゃんを静止した。
「無理、無理~、翔君は、ただの同級生なんだよ、もう、迷惑かけないようにしなくっちゃ」
美月もなぜか翔といると気持ちが和むのだった。
カメラは,半屈膝,大屈膝,さらに座ってのバランス,支持姿勢の全体像、指先、足先、膝や肘の曲がり具合いなどを映している。もちろん、股間も映っている。
床で終わった後に,美月は心配で翔の映像を見た。別に嫌らしい所を撮られているかということではなく、ポイントを撮っているかどうかが心配だったのだ。
「翔君、ありがとう、やっぱり,まだ、指先がもう少しきれいじゃないと・・・・・」
美月はそう言いながら,中指を下に他の指を,人差し指と薬指をツンと挙げて,おや指と小指の位置で綺麗な手を施行錯誤している。翔は、美月の細く長い手が天使の手に感じた。
「次は,平行棒の上でバランスをするから,翔君,まだ,時間はあるかな・・,でも,もう,遅い時間だから,帰ってもいいよ,ありがとう・・・」
その時,突然,呼び出しの音楽が鳴った。二人の練習部屋にお母さんか太陽君、星奈ちゃんからの呼び出しだ。美月は、部屋ごとに音楽を変えて呼び出せるように受信機を近くに置いてあったのだ。
「これは,太陽と星奈の部屋,何があったのかな,行って見るから,翔君,ありがとう、気をつけて帰ってね」
美月はレオタードの上に上下のジャージを着て,練習部屋から二階の二人の部屋へと向かった。翔も美月に話して後を追って二人の部屋へと向かった。
「どうしたの!何があったの?」
美月は二人の様子を見ると,太陽の布団が濡れていることに気付いた。
「太陽,まさか,まだ寝てもいないのに,おねしょってことはないよね・・」
布団の上に世界地図のような濡れ具合だ。
「だって,トイレ行くのが・・ゲームしてて面倒だったから・・力入れたら出ちゃった・・・・ははっ」
太陽君は照れ笑いをしてごまかす。
「もう,5歳にもなって何してるの! 自分で洗濯機を使って洗えるの? お姉ちゃんは忙しいんだよ」
ビエ~~~~~ン,エ~~ンエ~~~ン・・・・・・・・・
「もう,お姉ちゃんと一緒にお風呂で体洗おう、全部脱いで! 汚れたものは洗うから洗濯機に入れて!さあ・・」
エ~~~ン,エ~~~ン・・・・・・・・・・・
「お姉ちゃん,こわいからヤダァ・・・・・・・・」
「お姉ちゃんしかいないの!」
翔は一歩前に出て,
「じゃあ,僕が・・」
「ダメェー! こんなことまで翔君にさせられないわ,いくら何でも,もう!」
美月は敷布を剥がして布団を入れかえる。そして,
「太陽,さあ,行くよ,お姉ちゃんと,ほらー,速く!」
太陽君は怒っているお姉ちゃんの側に行ったらどうなるか・・。
「太陽君,お兄ちゃんとだったらいいかな」
太陽君は一瞬,驚いたが怒っているお姉ちゃんよりは料理を作ってくれた翔を選んだ。
「お兄ちゃん,行こう,お姉ちゃん,お風呂覗かないでよね!」
太陽君は翔の手を引いて風呂場に向かった。
「太陽,翔君は・・・・」
聞くよりも早く逃げ去った。
「お風呂に入らないから太陽君と一緒に行ってもいいかな,行きたいんだ! 美月の役に立ちたいんだ!」
美月は,えっ! と顔をした後,
「無理しないで,翔君」
翔も風呂場に向かった。途中で待っていた太陽君に話す。
「怖いお姉ちゃんの許しをもらったから太陽君,お風呂行くぞ!」
「ちょ,ちょっと~,怖いだけは間違っているわよ」
不服そうな美月だった。
「お兄ちゃん,こわ~いお姉ちゃんをほっといてお風呂行こう」
太陽君は翔の手を引いてお風呂に向かった。
「こら~,太陽~~~~~・・・・・」
星奈ちゃんが不安そうに,
「一人でいられない! お姉ちゃん一緒にいてもいい・・・」
かわいい妹の願いを美月は聞いてあげた。
「星奈は,優しいお姉ちゃんと一緒に洗濯機へ行こうね」
翔は太陽君をお風呂場で体を洗ってあげ,美月はシーツや汚れ物を洗濯機の中に入れた、そして、洗剤、ハイター、柔軟剤を入れて、洗濯を始めた。いつも忘れてしまう柔軟剤は、今日は忘れなかった。
「もう、洗剤も、柔軟剤もなくなりそう、安売りの日に買わなくっちゃ、ねぇ星奈」
二人は女の子同士で仲がいいのだ。
「うん、星奈もお姉ちゃんと行くね」
美月は,お風呂場での,翔と太陽君の楽しそうな声を聞いて安心したが,どうしてこうなっちゃったんだろうと不思議だった。翔君は同級生の中の一人なんだけど。でも,この温かな雰囲気は美月にとって良い気分だった。
「お姉ちゃん、目がキラキラしててうれしそうだね、お兄ちゃん泊まっていけばいいのに」
美月は驚いて星奈ちゃんを静止した。
「無理、無理~、翔君は、ただの同級生なんだよ、もう、迷惑かけないようにしなくっちゃ」
美月もなぜか翔といると気持ちが和むのだった。
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