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②戦姫サファイアが逃げたのをチャラ男は知ったのは朝だった。まさか、あの状態で逃げられるなんて考えられない。魔法を使って瞬間移動をしたのだろうか。チャラ男が隠しカメラで確認して、手から口へティンクル棒を投げ、拘束を解いて逃げたことが分かった。
「貞操帯を付けたままということは、自動追跡型のGPSで居場所が分かる」
 貞操帯にバイブだけでなく色々なシステムをチャラ男は着けていた。スマフォを片手に位置情報を確認しながら小高い山の一本の大きな木へたどり着いた。木の周りは草木で覆われていて人目に付かない。
 この太い木に、楕円形の模様があった。ここが怪しいと睨んだチャラ男は、離れた場所からそこに、明るい時にも写る暗視カメラを置いて監視した。
「やっぱりここだ!」
 楕円形の模様の所から小さな妖精が出入りしている。きっと、責任感が強く勇ましい心を持っている戦姫だから、貞操帯を着けていても出て戦うだろう。
 チャラ男は一度家に帰って持ち物を準備し、再び妖精の出入りする大木の近くで待機した。すると、戦闘態勢の妖精が出てきた。
「みんな遅れずに突き進むぞ!」
 警護の妖精の後に、戦姫サファイアを先頭に邪気との戦いに向かう妖精達が出てきた。チャラ男は、持ち物を持ってばれないように距離をとって追いかけた。すると、妖精達は集団となって草木が枯れ始めている草原で立ち止まった。
 戦姫サファイアは、あの時の弱々しい雰囲気ではなく、ティアラの中心の宝石と同じぐらいにエメラルドグリーンの目を輝かせ、整った目鼻をきりっとさせた凜々しい戦姫だった。肩出しの真っ赤なドレスに肩甲骨から生やしたうっすらとピンクの羽根が天使のように羽ばたいている。
「今日は、アメーバーのような邪気だけでなく、人型の邪気もいる。お前たちは、いつものアメーバーのような邪気を、そして、この戦姫サファイアが人型邪気を見事全員消し去って見せる!」
 妖精界の美しい姫でありながら邪気を滅ぼすために戦場を飛び続ける誇り高い戦姫、きれいな気高い心と気品、そこに戦姫の高潔さを併せ持ち、舞うように優雅に戦う姿は妖精達の憧れ、希望であった。だからこそ、戦姫に従って戦うのだ。
 チャラ男はチャンスを待っていた。貞操帯をしていても捕まえることは難しい。
「邪気ども、この戦姫サファイアが消し去る」
 邪気は、全員で戦姫サファイアに向けってきた。
「ティンクル~バット~」
 勇ましく右手で長い棒を振りながら、右、左と邪気を打ち払っていく。一体の邪気が戦姫サファイアの羽根の上に乗って頭を狙った。しかし、戦姫サファイアの方が素早く体を回転させて背中にいた邪気を突き刺して地面に落とした。
「ぐわぁぁぁ・・・」
 戦姫サファイアによって人型の邪気は少なくなっていく。
「ティンクル~ステッキ~」
 戦姫サファイアは、短いステッキに変えて少なくなった邪気に果敢に攻めていく。ステッキの先からエネルギー砲が出て、戦姫サファイアが打ち付けたり切ったりすると、邪気は苦しみながら消滅していった。
 たくさんの人型邪気を一人で消滅させて、さすがの戦姫サファイアも疲れが見えてきた。邪気を消滅させるために体内エネルギーを消費しているようだ。
「ティンクル~エンジェル~シューター~」
 真っ白いふわふわの毛のついた矢で光の大きな球を放出した。
「消し去った、これで人型邪気は全滅だ!はぁはぁはぁ・・・」
 チャラ男は、弱ってきただろうと戦姫サファイアを見ると、太陽の光に輝き、勇者そのものの姿で、浮遊している。
「くそ~さすが、戦姫サファイア、今日は諦めるしかないか」
 全滅したと思われていた人型邪気が一体だけ隠れていて、戦姫サファイアに見つかった。
「卑怯者! どこかに隠れていたのか」
 一体の邪気は、人間に性格があるように気弱な邪気だった。戦姫サファイアが来た時に隠れ、見つかってしまったのだ。
「戦姫サファイア、見逃してくれ、俺は邪気に生まれて仕方なくしているだけだ、これからは何も悪いことはしない、俺には子どもがいるんだ、俺を待っているんだ!」
 チャラ男には嘘だと分かった。同じ臭いがする。
(こんなことに戦姫サファイアが信じるはずないだろう)
「わかった、邪気よ、さらばだ!」
(おい、戦姫サファイア信じるのかよ)
 サファイアが仲間の方へ行こうと振り向いた時、邪気は素早く黒い矢で戦姫サファイアの羽根の中心に打った。しかし、サファイアは、後ろを振り向かずに右手で矢を掴んだ。
「ぅう!」
 矢は、数センチ刺さっている。
「おまえを信じたのに・・・」
「死ね、サファイア!」
 邪気は魔剣で戦姫サファイアを切りにきたが、ステッキで止めた。しかし、刺されているので振り払う力がなく、睨み合っている。
 チャラ男は動いた。戦姫サファイアの貞操帯に付いていて秘部に入っているバイブのスイッチを押した。
 ヴィ~~ン ヴィ~~ン ヴィ~~ン・・・
 戦姫サファイアは、ビクっとして腰を動かし始めた。
(何、なぜ・・・)
 邪気は、片手で魔剣を持ち、戦姫サファイアの左右の頬を平手打ちした。
 パァア~ン~パァア~ン~
「ぁああ~ぁああ~」
 戦姫サファイアは地面にたたき落とされた。すぐに、邪気も追いかけて地面に降りた。
「どうした、戦姫サファイア」
(動いているぅぅ~中で~、抵抗出来ない)
 邪気が魔剣で戦姫サファイアの心臓を刺そうとした時、スイッチを切った。戦姫サファイアは体を反転させたので、魔剣は地面に突き刺さった。すぐにステッキで反撃に出ようと邪気の喉元にステッキが当たりそうになった時に、
 ヴィ~~ン ヴィ~~ン ヴィ~~ン・・・
(ぁあ~ぁあ~動かないで~また、変になるぅぅぅぅ・・)
 ステッキは停止した。邪気は、戦姫サファイアの手からステッキを奪い、蹴飛ばした。
「ぁあ!」
 邪気は、戦姫サファイアを痛めつける。その間、スイッチは入ったままだった。
   ヴィ~~ン ヴィ~~ン ヴィ~~ン・・・
(また、あれがきちゃう、止まって~~~)
「あっ、あっ、あっ、あああああ~~~」
 戦姫サファイアは、邪気に痛めつけられながら絶頂して、体がビクンビクンと跳ね上がった。口は半開きとなり、涎を垂らしている。
 邪気は自分の攻撃が効いていると思っているが、貞操帯の中では蜜壺からあふれ出し、快感電流が体を巡っていた。絶頂の余韻はあっても、戦いの場なので、這って逃げようとしていた。
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