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1章
20.相談
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室内には机と椅子が置かれ、机には山と積まれた分厚い本が積み上がっている。
部屋の端には様々な黒魔術の魔術道具のようなものがまとめて雑多に置かれていた。
「時間を割いて頂き感謝する。僕が聞きたいことは、呪いに関することだ」
「……まぁ、わざわざ私の元に来るならそんなとこだろうな」
特段驚くこともなく、本の妖精さんは目線で話の先を促す。その手慣れた様子から、こう言ったことは多いのかも知れないと、本の妖精さんを見ていて思う。
「話しが早くて助かるよ。単刀直入に、僕は数ヶ月前頃から呪われている。この呪いを解く方法を知りたい。……そして、呪いをかけた相手を知りたい。可能な限り、礼もするつもりだ」
少し緊張した面持ちのルド様を、本の妖精さんは静かに眺め、少しの間を置いて口を開く。
「……簡潔に言おう。どう言った呪いかは知り得ないが、私に呪いを解くことはできないし、呪いをかけた者を知り得ることも不可能だ」
本に埋もれた机に軽くもたれかかりながら、腕を組んだ本の妖精さんはサッパリと言い放つ。
「……そうか」
少しバツが悪そうに、ルド様は視線を逸らす。
「……ただし、できることが全くないかと言われればそうでもない。どう言った類のものか、呪いを見させてもらう必要は勿論あるが、場合によれば呪詛返しは可能だ」
「ヴァーレン卿が呪詛返しをしてくれるのかい?」
「……断言はできないが、私でもできる確率は高いとは思う」
「それはありがたい。謝礼はどうすればいいかな」
ホッとした表情を見せ、ルド様の表情がパッと明るくなったのを感じた。
「焦るなヴァレンタイン卿。細かい話は呪いを見てからだ」
本の妖精さんは落ち着けとルド様を静止する。
「……ちなみに、呪詛返しというくらいだから、呪詛返しをした場合、呪いは僕に呪いをかけた者に向くのかい?」
「基本はそうだな。つけ加えると、呪詛返しの影響で呪いの威力は元の呪いの倍以上になって戻ると言われている」
「倍以上……?」
「人を呪わば穴2つと言うだろう。昔の人間は上手く言ったもんだ。自分用の穴を用意する覚悟もない者は、呪いなんてものに触れてはいけないんだよ」
日常会話のように話していた本の妖精さんのトーンが、急に静かに、重く下がった気がした。
仮面によってその表情は読み取れないが、それでも苦々しく言葉を紡いだのがわかる。
ルド様は本の妖精さんの言葉にしばし沈黙し、何事かを思案したのちに再び口を開く。
「……倍以上に返してしまわない方法を探すには、呪いを解くしかないと言うことかい?」
「……ヴァレンタイン卿、自身を呪った相手に心当たりでもあるのか?」
「……呪われる覚えはないが、呪った相手が気になるのは普通ではないかな?」
「呪いという手法をわざわざ使ってまで、自身を貶めようとする者など、どうでもいいと私は思うけれどね」
突如として、ピリリとした空気が2人の間に立ち込める。本の妖精さんから、かすかに苛立ちのようなものを感じた。
空気を読むのがうまいルド様のこと。本の妖精さんの様子には気づいているはずであるのに、会話の矛先を微妙にずらして話している。
そして本の妖精さんもそれに気づき、要領を得ないことにいら立っている様子だった。
恐らく、ルド様は私にも本の妖精さんにも言いたくない何か――呪いをかけた者に関する情報を、開示したくない何らかの事情でもあるのだろうと伺える。
そもそも、大事にしたくないがために個人的に本の妖精さんの元を訪れている訳で、その心理は致し方ないのかも知れない。
「……ヴァレンタイン卿、私の家はそもそも知っての通りこういった家業を生業としている。人間の低俗さや浅はかさ、恥辱や憎悪。そういったものは日常茶飯事だ。珍しいどころかそれが普通だ。今更同級の恥部を見聞きしたところで何も思わないし、興味もない。もちろん個人情報は守ると誓おう」
ふぅと本の妖精さんは息を吐き、神経質そうに組んだ腕の指先をトントンと動かす。
「家業の延長でもあるし、顔馴染みのよしみで手伝うのは構わないが、呪いに関することに信頼関係は必須だ。隠し事をされていては私の身も危険に晒される場合もある」
「それは理解しているよ、ヴァーレン卿。すまないね、知ったばかりの情報もあって、少し戸惑っていたんだ」
「……言いづらいのなら、妹君には一度退室頂くか……私以外の者を当たってはどうか?」
「……」
ちらりとこちらに視線を移したルド様と目があう。
「ルド様、私たちは外でお待ちしていますので、気にせずにゆっくりとお話しなさって下さい」
ルド様がこちらを気にしているのが雰囲気でもわかり、不必要に気に病まないように努めて明るく振る舞った。
「あ、いや……ごめんね、小鳥ちゃん。わざわざついてきてもらっているのに……」
「お願いしていたのは私ですから、お気になさらないでください」
意識的ににっこりと笑顔を作り、背後に控えてくれていたガロウさんと目配せをする。ガロウさんは穏やかに小さくうなずいて、常時きちんとしているその居住まいを再び正した。
「ヴァーレン様、突然お邪魔をして大変失礼いたしました。少し席を外させて頂きます」
「……勝手を言い申し訳ないな、ルーウェン令嬢」
本の妖精さんへ挨拶をすると、少しの間を置いて返事が返ってきた。
顔を上げると、仮面の奥からこちらを見つめる黒い瞳と視線が合う。思っていたよりも見られている気がして、少し焦りながらガロウさんに目配せをし、部屋の扉へと身体の向きを変えた。
ガロウさんが先に扉を開けて部屋を出て周囲を見回し、次いで私が後を追う。
ルド様が少し戸惑っていたように感じはしたものの、呪いが無事に解けるといいなとぼんやり考えながら、部屋の扉と廊下の境を踏み越えて室外に出た直後――……。
「――え……?」
ざわざわとした感覚。まるで何かに肌を這われているような不快感。手足の末端から急速に温度を失い、めまいのように視界がぐるりと回転して平衡感覚がなくなる。
私はその場に立っていられず、制御を失った身体が膝から崩れ落ちるのを止める手立てが見つからなかった――。
部屋の端には様々な黒魔術の魔術道具のようなものがまとめて雑多に置かれていた。
「時間を割いて頂き感謝する。僕が聞きたいことは、呪いに関することだ」
「……まぁ、わざわざ私の元に来るならそんなとこだろうな」
特段驚くこともなく、本の妖精さんは目線で話の先を促す。その手慣れた様子から、こう言ったことは多いのかも知れないと、本の妖精さんを見ていて思う。
「話しが早くて助かるよ。単刀直入に、僕は数ヶ月前頃から呪われている。この呪いを解く方法を知りたい。……そして、呪いをかけた相手を知りたい。可能な限り、礼もするつもりだ」
少し緊張した面持ちのルド様を、本の妖精さんは静かに眺め、少しの間を置いて口を開く。
「……簡潔に言おう。どう言った呪いかは知り得ないが、私に呪いを解くことはできないし、呪いをかけた者を知り得ることも不可能だ」
本に埋もれた机に軽くもたれかかりながら、腕を組んだ本の妖精さんはサッパリと言い放つ。
「……そうか」
少しバツが悪そうに、ルド様は視線を逸らす。
「……ただし、できることが全くないかと言われればそうでもない。どう言った類のものか、呪いを見させてもらう必要は勿論あるが、場合によれば呪詛返しは可能だ」
「ヴァーレン卿が呪詛返しをしてくれるのかい?」
「……断言はできないが、私でもできる確率は高いとは思う」
「それはありがたい。謝礼はどうすればいいかな」
ホッとした表情を見せ、ルド様の表情がパッと明るくなったのを感じた。
「焦るなヴァレンタイン卿。細かい話は呪いを見てからだ」
本の妖精さんは落ち着けとルド様を静止する。
「……ちなみに、呪詛返しというくらいだから、呪詛返しをした場合、呪いは僕に呪いをかけた者に向くのかい?」
「基本はそうだな。つけ加えると、呪詛返しの影響で呪いの威力は元の呪いの倍以上になって戻ると言われている」
「倍以上……?」
「人を呪わば穴2つと言うだろう。昔の人間は上手く言ったもんだ。自分用の穴を用意する覚悟もない者は、呪いなんてものに触れてはいけないんだよ」
日常会話のように話していた本の妖精さんのトーンが、急に静かに、重く下がった気がした。
仮面によってその表情は読み取れないが、それでも苦々しく言葉を紡いだのがわかる。
ルド様は本の妖精さんの言葉にしばし沈黙し、何事かを思案したのちに再び口を開く。
「……倍以上に返してしまわない方法を探すには、呪いを解くしかないと言うことかい?」
「……ヴァレンタイン卿、自身を呪った相手に心当たりでもあるのか?」
「……呪われる覚えはないが、呪った相手が気になるのは普通ではないかな?」
「呪いという手法をわざわざ使ってまで、自身を貶めようとする者など、どうでもいいと私は思うけれどね」
突如として、ピリリとした空気が2人の間に立ち込める。本の妖精さんから、かすかに苛立ちのようなものを感じた。
空気を読むのがうまいルド様のこと。本の妖精さんの様子には気づいているはずであるのに、会話の矛先を微妙にずらして話している。
そして本の妖精さんもそれに気づき、要領を得ないことにいら立っている様子だった。
恐らく、ルド様は私にも本の妖精さんにも言いたくない何か――呪いをかけた者に関する情報を、開示したくない何らかの事情でもあるのだろうと伺える。
そもそも、大事にしたくないがために個人的に本の妖精さんの元を訪れている訳で、その心理は致し方ないのかも知れない。
「……ヴァレンタイン卿、私の家はそもそも知っての通りこういった家業を生業としている。人間の低俗さや浅はかさ、恥辱や憎悪。そういったものは日常茶飯事だ。珍しいどころかそれが普通だ。今更同級の恥部を見聞きしたところで何も思わないし、興味もない。もちろん個人情報は守ると誓おう」
ふぅと本の妖精さんは息を吐き、神経質そうに組んだ腕の指先をトントンと動かす。
「家業の延長でもあるし、顔馴染みのよしみで手伝うのは構わないが、呪いに関することに信頼関係は必須だ。隠し事をされていては私の身も危険に晒される場合もある」
「それは理解しているよ、ヴァーレン卿。すまないね、知ったばかりの情報もあって、少し戸惑っていたんだ」
「……言いづらいのなら、妹君には一度退室頂くか……私以外の者を当たってはどうか?」
「……」
ちらりとこちらに視線を移したルド様と目があう。
「ルド様、私たちは外でお待ちしていますので、気にせずにゆっくりとお話しなさって下さい」
ルド様がこちらを気にしているのが雰囲気でもわかり、不必要に気に病まないように努めて明るく振る舞った。
「あ、いや……ごめんね、小鳥ちゃん。わざわざついてきてもらっているのに……」
「お願いしていたのは私ですから、お気になさらないでください」
意識的ににっこりと笑顔を作り、背後に控えてくれていたガロウさんと目配せをする。ガロウさんは穏やかに小さくうなずいて、常時きちんとしているその居住まいを再び正した。
「ヴァーレン様、突然お邪魔をして大変失礼いたしました。少し席を外させて頂きます」
「……勝手を言い申し訳ないな、ルーウェン令嬢」
本の妖精さんへ挨拶をすると、少しの間を置いて返事が返ってきた。
顔を上げると、仮面の奥からこちらを見つめる黒い瞳と視線が合う。思っていたよりも見られている気がして、少し焦りながらガロウさんに目配せをし、部屋の扉へと身体の向きを変えた。
ガロウさんが先に扉を開けて部屋を出て周囲を見回し、次いで私が後を追う。
ルド様が少し戸惑っていたように感じはしたものの、呪いが無事に解けるといいなとぼんやり考えながら、部屋の扉と廊下の境を踏み越えて室外に出た直後――……。
「――え……?」
ざわざわとした感覚。まるで何かに肌を這われているような不快感。手足の末端から急速に温度を失い、めまいのように視界がぐるりと回転して平衡感覚がなくなる。
私はその場に立っていられず、制御を失った身体が膝から崩れ落ちるのを止める手立てが見つからなかった――。
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