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8.お風呂上がりは2割増し!2
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「リーゼちゃんも知ってる?」
「いっ、いえ、あのっ、さっ、さすが博識なお姉様ですわっ!! 流行の最先端をよくご存知なんですねっ!?」
別の意味でドキドキとしながら、リーゼはこちらを注意深く覗き込んでいる気がするレオから視線を泳がせる。
とてもではないが目を合わせることは出来そうになかった。
「……アッシュとリーゼちゃんて、綺麗な銀髪も、吸い込まれそうな碧眼も、表情や反応まで、よく似てるよね」
「そ、そうですか? アッシュお兄様が聞いたらきっとまたブーブー言いますよ! あんなのと一緒にするなー! って」
あははと苦笑混じりに返せば、中々感じさせぬ雰囲気を醸し出したレオが左手をベッドについて、スッと右手を伸ばす。必然と、2人の距離感が近くなった。
「うん、よく似てるよ」
スイと長い銀の髪束をその指先に攫われて、髪先に口付けを落とされたリーゼはふふと笑んだレオにボワっと赤面した。
こんな甘いマスクで囁かれたら、あの素直でないアッシュでもそりゃぁ陥落しそうだと再認識する。
「2人共を知ってるからさ、あ、多分こんな顔するんだろうなって、思う時がある」
「そ、それはーー……」
ーー今こうしている間も私を通してアッシュお兄様のことを思い返しているってことですかっ!?
きゅぅんと途端に高鳴る胸に目を輝かせるリーゼを、何事かを考える様子でありながら何かを達観したかのような面持ちで無言で見下ろすレオ。
向き合う両者の表情はどことなくちぐはぐな空気を醸すが、それどころではないリーゼはそんなことには気づかない。
「ーーまぁ、他が目に入らないようならもうそれでいいよ」
くしゃりと前髪を掻き上げて、はぁと謎のため息を溢すレオに、リーゼはキョトンとしてその顔を見る。
「自信を持って下さいませ、レオ様! レオ様以外に入り込む心の隙間なんてありませんよ!!」
だってあの素直でないアッシュお兄様が、ベタ惚れでないレオ様にあんなことやそんなことを許す訳がありませんから!! つまり許されている時点で確かな愛なんです!!
ずずいっとその勢いのままに身体を寄せて、必死な表情で力説するリーゼ。
その圧に押された様子のレオは、少し驚いた顔をした後に、ふはっと困ったような顔で息を吐き出した。
「君たち兄妹には、敵わないな」
そう言って優しく微笑むと、頭をそっと撫でられる。
昔を思い出して、何だか気恥ずかしくて、くすぐったくて、リーゼは視線を泳がせた。
「ーーもう少しだけ、待ってて。……あと、もう少しだから」
どきりとした胸の内に見ないふりをして、その翠の瞳を見返したその時ーー。
「キサマら人の部屋のベッドで何しとるんじゃアホーーっ!!!!」
そんな魅惑の空気を打ち破って勢いよく扉を開け放ったのは、つい今し方出て行ったばかりの鬼の形相のアッシュだった。
全身ずぶ濡れ。なんなら泡までついていないかと疑わしい状態で、明らかに慌てて戻って来たことが伺える半裸状態。
一目散に走って来たのか、その息はひどく荒れている。そんな聞き迫る形相とは打って変わって、【ベッド】と言う単語への声量が見事に配慮されているのは流石の一言だった。
「お、お兄様、なぜそんな格好に……っ!?」
アワアワとレオから最大限に距離を取りながら、リーゼは浮気現場を見られたさながらの勢いで真っ青に慌てふためいた。
「あれあれ、戻ってくるの早くない?」
悪びれもなくにっこりと笑顔を向けるレオを、肩でハァハァと息をするアッシュはギロリと睨む。
「ベッドに座ってたお前らを思い出して、ゆっくりなんてできるわけないだろうがっ!!!」
目を釣り上げて怒鳴るアッシュに、リーゼは真っ青になったままガタガタと自らの口を押さえたーー。
「いっ、いえ、あのっ、さっ、さすが博識なお姉様ですわっ!! 流行の最先端をよくご存知なんですねっ!?」
別の意味でドキドキとしながら、リーゼはこちらを注意深く覗き込んでいる気がするレオから視線を泳がせる。
とてもではないが目を合わせることは出来そうになかった。
「……アッシュとリーゼちゃんて、綺麗な銀髪も、吸い込まれそうな碧眼も、表情や反応まで、よく似てるよね」
「そ、そうですか? アッシュお兄様が聞いたらきっとまたブーブー言いますよ! あんなのと一緒にするなー! って」
あははと苦笑混じりに返せば、中々感じさせぬ雰囲気を醸し出したレオが左手をベッドについて、スッと右手を伸ばす。必然と、2人の距離感が近くなった。
「うん、よく似てるよ」
スイと長い銀の髪束をその指先に攫われて、髪先に口付けを落とされたリーゼはふふと笑んだレオにボワっと赤面した。
こんな甘いマスクで囁かれたら、あの素直でないアッシュでもそりゃぁ陥落しそうだと再認識する。
「2人共を知ってるからさ、あ、多分こんな顔するんだろうなって、思う時がある」
「そ、それはーー……」
ーー今こうしている間も私を通してアッシュお兄様のことを思い返しているってことですかっ!?
きゅぅんと途端に高鳴る胸に目を輝かせるリーゼを、何事かを考える様子でありながら何かを達観したかのような面持ちで無言で見下ろすレオ。
向き合う両者の表情はどことなくちぐはぐな空気を醸すが、それどころではないリーゼはそんなことには気づかない。
「ーーまぁ、他が目に入らないようならもうそれでいいよ」
くしゃりと前髪を掻き上げて、はぁと謎のため息を溢すレオに、リーゼはキョトンとしてその顔を見る。
「自信を持って下さいませ、レオ様! レオ様以外に入り込む心の隙間なんてありませんよ!!」
だってあの素直でないアッシュお兄様が、ベタ惚れでないレオ様にあんなことやそんなことを許す訳がありませんから!! つまり許されている時点で確かな愛なんです!!
ずずいっとその勢いのままに身体を寄せて、必死な表情で力説するリーゼ。
その圧に押された様子のレオは、少し驚いた顔をした後に、ふはっと困ったような顔で息を吐き出した。
「君たち兄妹には、敵わないな」
そう言って優しく微笑むと、頭をそっと撫でられる。
昔を思い出して、何だか気恥ずかしくて、くすぐったくて、リーゼは視線を泳がせた。
「ーーもう少しだけ、待ってて。……あと、もう少しだから」
どきりとした胸の内に見ないふりをして、その翠の瞳を見返したその時ーー。
「キサマら人の部屋のベッドで何しとるんじゃアホーーっ!!!!」
そんな魅惑の空気を打ち破って勢いよく扉を開け放ったのは、つい今し方出て行ったばかりの鬼の形相のアッシュだった。
全身ずぶ濡れ。なんなら泡までついていないかと疑わしい状態で、明らかに慌てて戻って来たことが伺える半裸状態。
一目散に走って来たのか、その息はひどく荒れている。そんな聞き迫る形相とは打って変わって、【ベッド】と言う単語への声量が見事に配慮されているのは流石の一言だった。
「お、お兄様、なぜそんな格好に……っ!?」
アワアワとレオから最大限に距離を取りながら、リーゼは浮気現場を見られたさながらの勢いで真っ青に慌てふためいた。
「あれあれ、戻ってくるの早くない?」
悪びれもなくにっこりと笑顔を向けるレオを、肩でハァハァと息をするアッシュはギロリと睨む。
「ベッドに座ってたお前らを思い出して、ゆっくりなんてできるわけないだろうがっ!!!」
目を釣り上げて怒鳴るアッシュに、リーゼは真っ青になったままガタガタと自らの口を押さえたーー。
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