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喉から手が出るほど欲しい情報だよっ!

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「で、どんな武器にしたいのかな?」

 制作を請け負った以上は、きっちりと相手の望みどおりのものを作らないとね。そのためにも、まずは依頼者の希望をきっちりと確認確認。

「オレはロッドを、ユリナは薙刀を作ってほしいんだ」

 カレルは、今持っているロッドと同種の金属、同種のデザインで、そこに何らかの属性の霊素をまとわせたいと言った。

 聞いた範囲でのカレルの戦闘スタイルは、直接自らが戦うっていうよりも、使い魔を使役したり、味方に指示を与える司令塔的な役割をこなしたりといった感じだ。となると、身を護る点を主眼にして、風か地か光あたりが有望かな? 

 風で飛び道具からの防御、地でとっさの際の土による簡易盾作成、光で簡単な回復効果。こんなところが無難な気がする。

 ユリナの槍は、やはり薙刀がいいみたい。柄の長さとか刃先の重量などは同程度で、刃に戦闘に役立つ精霊を何かまとわせたいと話す。

 雑魚減らしのために、槍士スキルの広範囲攻撃を多用するって言っていたから、この広範囲攻撃を補助する何かがよさそうかな。

 風をプラスして、攻撃と同時に突風で敵を吹き飛ばす? 火をまとわせて、広範囲を一気に燃やし尽くすっていうのもおもしろそう。このへんは、製作段階でもっとユリナと詰めないといけないかな?

「じゃあ、制作途中で私の霊素を注入する感じでいい?」

 私はあれこれと頭の中で考えながら、二人に確認をした。

「とりあえず、それで試してみてほしい。失敗したら失敗したで、構わないよ」

 カレルがうなずき、隣に立つユリナも「よろしくね」と頭を下げた。

「りょうかーい」

 私は同意すると、工房の奥に引っ込んで紙の束を持ってきた。武器制作に必要な素材リストだ。

「じゃあ、制作用素材としてはこんな感じになるけれど。この辺のレア素材って持ってるかな?」

 素材リストを二人に提示しながら、確認を取った。

 二人の必要とするものの中で、手に入りにくいレア素材がいくつかある。持っていないのなら、取りに行くか、他のプレイヤーの露店から買うしかない。

「うーん、いくつか足らないな。あと、この素材のうちいくつかは、もうワンランク上の素材の採取場所を知っているぞ」

「え! 本当!? もしよければ、案内してほしいな。興味あるよ」

 カレルの言葉に、私は心が躍った。

 だって、上位素材の採取場所って、秘匿情報だったりするんだよね。独占できれば、いいお小遣い稼ぎになるし、自分の武具の作成、精錬にもためらいなく投入できるから。

 なので、そんな素材の採取場所を知れれば、お金以上の価値があるんだ。正直、喉から手が出るほど、その情報が欲しいよ!

「オッケー、任されたよ。採取ついでに案内する」

 本当に、カレルたちと知り合ってよかった。これなら、ギルド追放で工房がしばらく使い物にならなくなっても、素材の売買で何とか食いつないでいけそうだ。もし、知り合っていなかったらと思うと……ぞっとする。今頃、途方に暮れていたかもしれない……。

 カレルとユリナから、レア素材の採取場所について、地図を使って説明をしてもらった。なんていうか、灯台下暮らし? いつも私が通っている採取場所のすぐそばにあった。この世界、まだまだ知らないことが多いなぁ。

「じゃあ、さっそくレッツゴー!」

 準備が整うと、ユリナが元気よく号令をかけた。

「えっと、ここから北だよね?」

 念のため、再度確認しておこう。

「ああ、『精霊の大森林』内にあるんだ」

 いつも私が武器制作で使う木材『精霊の古木』も、『精霊の大森林』から取ってきている。今回狙うのは、それよりもワンランク上の『精霊樹の古木』だ。

 精霊の大森林に生える木々は、通常種の木でも、森林に満たされた霊素によって、他の森で育った木よりも質がいい。普段使っている『精霊の古木』も、精霊の大森林の霊素をたくさん吸収した通常種の木を加工した材木だ。

 でも、今回狙う『精霊樹の古木』は、木の種類からして違う。『精霊の大森林』でしか生育できない特殊な木『精霊樹』から作られる材木だ。木材自体にわずかに霊素が含まれるため、精霊術との相性が抜群だった。
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