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第十三章 グリューン帰還
8 お養父様に引導をお渡し致しますわ
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クリスティーナに拘束されたまま、アリツェとマルティンは王都プラガの王宮、国王との謁見の間に引き出されていた。
「さて、これはいったいどういった訳かな、アリツェ」
状況がつかめていない国王は、戸惑った表情を浮かべている。
「恐れ多くも国王陛下、この二人は共謀し、世界再生教に加担して魔術によってフェイシア王国に害をもたらそうとしていました。私がその場にいたからよかったものの、未然に防がなければ、フェイシア王国は背後から襲われるところでしたわ」
クリスティーナが状況を説明すると、国王の表情はみるみる青ざめていった。
「……『聖女』クリスティーナ殿には感謝をしておる。今、帝国と事を構えようとしているところで、兵を集めている国境とは正反対の側から攻められては、大惨事だ」
国王は頭を抱えてため息をついた後、頭を振って顔を上げ、クリスティーナを見据えながら、感謝の言葉を伝えた。
「うふふ、そうでしょうそうでしょう」
クリスティーナは胸をそらし、満足げにうなずいた。
「それにしてもアリツェ、君にはドミニクの婚約者として、プリンツ子爵が改宗するべく説得にあたるよう依頼したはずだが」
国王は視線をアリツェに映し、非難の視線を浴びせてきた。
「な、なんと!? アリツェ、どういうことだ! 話が違うぞ! 精霊教への改宗とは、いったい何の話だ!」
マルティンは動揺して、隣のアリツェを怒鳴りつける。
「国王陛下、お聞きください! わたくし、お養父様のお姿を拝見した時、過去のトラウマがよみがえってきまして、身体が震えましたわ。従わなければ殺されると、そうわたくしの本能が叫んだのです」
アリツェは国王に顔を向け、声を張り上げた。
いよいよ、マルティンに罰を受けてもらう時がやってきた。
「な、何を言っている、アリツェ!」
マルティンは泡を食ってアリツェを非難しだした。
「マルティンは黙っておれ!」
国王が一喝すると、うるさくわめいていたマルティンは口をつぐんだ。
「わたくしはそこで、自身を護るために、とっさに心にもない話をでっちあげました。世界再生教に宗旨替えした、などと……。あぁ、わたくしったら、なんて愚かな」
アリツェは少し大げさに語り、頭を振った。
(アリツェ、なかなかの役者じゃないか)
(今大事なところですわ! 茶化さないでくださいまし、悠太様!)
悠太の突込みの声が聞こえたが、今はそれどころではなかった。ここで間違いを犯すわけにはいかない。
「その姿をクリスティーナ様は見て、わたくしがお養父様と共謀していると誤解なさったのですわ。すべてはわたくしの不徳から生じた事態です。何なりと罰は受け入れますわ」
アリツェは力なくうなだれた――ような演技をした。
「フム……、別にアリツェは自ら望んで世界再生教に宗旨替えしたと口にしたわけではない、と?」
国王は蓄えた自慢の口ひげを手でいじりながら、悩ましげな声を上げる。
「陛下、誤解です! 私はアリツェに騙されたのです!」
マルティンは状況が悪くなっているのをひしひしと感じているのか、必死の形相で国王に弁解を始めた。
「ええい! さっきから煩わしい! 黙っておれと言っておろうが!」
だが、国王はマルティンの言葉に耳を貸そうとはせず、再度怒鳴りつけて黙らせる。
「えぇ、えぇ、そうでございますわ、陛下! マルティンは幼いころからわたくしを虐待しておりました。お養母さまも同様でございます。そして何より、わたくしを人さらいにさらわせ、奴隷に落とそうとまでしました。それが失敗したとわかるや、今度は命を狙う始末です。あぁ、あぁ、恐ろしい話ですわ……」
悠太の言うように、大した役者なのかもしれない。アリツェの気分ははますます乗ってきて、滑らかに口が回る。話す言葉にも大げさな抑揚が加わり、はたから見ればまるで劇の様に見えるかもしれない。
「おぉ、アリツェ……。おぬしはずいぶんと辛い思いをしてきたのだな。それに引き換えマルティンよ! 貴様、恥を知れ!」
アリツェの役者っぷりに感化されたのか、国王も大きな身振りを添えてアリツェを慰め、マルティンを咎めた。
「ひっ!」
鋭い国王の言葉に、マルティンは悲鳴を上げて縮こまった。
「養子で迎えた唯一の跡取りに対し、何たる仕打ちだ。しかも、領民のことを考えず、安易に精霊教を禁教化したうえに、領内の経済をボロボロにした。おぬしに領地を経営していく能力はないと私は判断した」
「そ、そんな……」
今の目の前の状況が信じられないのか、マルティンは呆然と口を開けている。
「おぬしの領主としての権限を凍結する。そして、アリツェを次期プリンツ子爵にすると、ここに宣言する!」
国王は玉座から立ち上がり、右手を大きく広げると、周囲にはっきりと聞こえるよう高らかに述べた。
「マルティン、当面は王都内で軟禁だ。反省の色が見えたら釈放もあるが、それはアリツェ次第だな」
「バ、バカな……」
国王からの宣告に、マルティンはすっかり顔が青ざめている。しきりに「嘘だ、嘘だ……」と呟く声が聞こえた。
「お養父様、今まで、大変お世話になりましたわ。軟禁先でも、十分にご自愛くださいませ」
アリツェはマルティンへ向き直り、満面の笑みを浮かべ、微笑んだ。
「くっそぉぉぉぉぉぉっ!」
マルティンは暴れ出そうとしたが、すぐさま衛兵に押さえつけられ、床に引き倒された。くぐもったうめき声をあげながら、なおも手足をばたつかせて暴れるマルティンに、衛兵は素早く縄を打ち、身動きが取れないように拘束する。そのまま無理やり立たされたマルティンは、衛兵に連行されていった。謁見の間には、マルティンの悔し気な叫び声がこだましている。
アリツェはマルティンの背を冷めた目で見遣った。領地の養母も、間もなくマルティンの元に連行されていくだろう。養母は結局、アリツェがどれだけ努力しても、一度も微笑んではくれなかった。
父の形見のペンダントにすがって生きるしかなかった幼い日々を、アリツェはふと思い出す。つらい記憶も、これで幾分かは和らぐだろう。
「さて、これはいったいどういった訳かな、アリツェ」
状況がつかめていない国王は、戸惑った表情を浮かべている。
「恐れ多くも国王陛下、この二人は共謀し、世界再生教に加担して魔術によってフェイシア王国に害をもたらそうとしていました。私がその場にいたからよかったものの、未然に防がなければ、フェイシア王国は背後から襲われるところでしたわ」
クリスティーナが状況を説明すると、国王の表情はみるみる青ざめていった。
「……『聖女』クリスティーナ殿には感謝をしておる。今、帝国と事を構えようとしているところで、兵を集めている国境とは正反対の側から攻められては、大惨事だ」
国王は頭を抱えてため息をついた後、頭を振って顔を上げ、クリスティーナを見据えながら、感謝の言葉を伝えた。
「うふふ、そうでしょうそうでしょう」
クリスティーナは胸をそらし、満足げにうなずいた。
「それにしてもアリツェ、君にはドミニクの婚約者として、プリンツ子爵が改宗するべく説得にあたるよう依頼したはずだが」
国王は視線をアリツェに映し、非難の視線を浴びせてきた。
「な、なんと!? アリツェ、どういうことだ! 話が違うぞ! 精霊教への改宗とは、いったい何の話だ!」
マルティンは動揺して、隣のアリツェを怒鳴りつける。
「国王陛下、お聞きください! わたくし、お養父様のお姿を拝見した時、過去のトラウマがよみがえってきまして、身体が震えましたわ。従わなければ殺されると、そうわたくしの本能が叫んだのです」
アリツェは国王に顔を向け、声を張り上げた。
いよいよ、マルティンに罰を受けてもらう時がやってきた。
「な、何を言っている、アリツェ!」
マルティンは泡を食ってアリツェを非難しだした。
「マルティンは黙っておれ!」
国王が一喝すると、うるさくわめいていたマルティンは口をつぐんだ。
「わたくしはそこで、自身を護るために、とっさに心にもない話をでっちあげました。世界再生教に宗旨替えした、などと……。あぁ、わたくしったら、なんて愚かな」
アリツェは少し大げさに語り、頭を振った。
(アリツェ、なかなかの役者じゃないか)
(今大事なところですわ! 茶化さないでくださいまし、悠太様!)
悠太の突込みの声が聞こえたが、今はそれどころではなかった。ここで間違いを犯すわけにはいかない。
「その姿をクリスティーナ様は見て、わたくしがお養父様と共謀していると誤解なさったのですわ。すべてはわたくしの不徳から生じた事態です。何なりと罰は受け入れますわ」
アリツェは力なくうなだれた――ような演技をした。
「フム……、別にアリツェは自ら望んで世界再生教に宗旨替えしたと口にしたわけではない、と?」
国王は蓄えた自慢の口ひげを手でいじりながら、悩ましげな声を上げる。
「陛下、誤解です! 私はアリツェに騙されたのです!」
マルティンは状況が悪くなっているのをひしひしと感じているのか、必死の形相で国王に弁解を始めた。
「ええい! さっきから煩わしい! 黙っておれと言っておろうが!」
だが、国王はマルティンの言葉に耳を貸そうとはせず、再度怒鳴りつけて黙らせる。
「えぇ、えぇ、そうでございますわ、陛下! マルティンは幼いころからわたくしを虐待しておりました。お養母さまも同様でございます。そして何より、わたくしを人さらいにさらわせ、奴隷に落とそうとまでしました。それが失敗したとわかるや、今度は命を狙う始末です。あぁ、あぁ、恐ろしい話ですわ……」
悠太の言うように、大した役者なのかもしれない。アリツェの気分ははますます乗ってきて、滑らかに口が回る。話す言葉にも大げさな抑揚が加わり、はたから見ればまるで劇の様に見えるかもしれない。
「おぉ、アリツェ……。おぬしはずいぶんと辛い思いをしてきたのだな。それに引き換えマルティンよ! 貴様、恥を知れ!」
アリツェの役者っぷりに感化されたのか、国王も大きな身振りを添えてアリツェを慰め、マルティンを咎めた。
「ひっ!」
鋭い国王の言葉に、マルティンは悲鳴を上げて縮こまった。
「養子で迎えた唯一の跡取りに対し、何たる仕打ちだ。しかも、領民のことを考えず、安易に精霊教を禁教化したうえに、領内の経済をボロボロにした。おぬしに領地を経営していく能力はないと私は判断した」
「そ、そんな……」
今の目の前の状況が信じられないのか、マルティンは呆然と口を開けている。
「おぬしの領主としての権限を凍結する。そして、アリツェを次期プリンツ子爵にすると、ここに宣言する!」
国王は玉座から立ち上がり、右手を大きく広げると、周囲にはっきりと聞こえるよう高らかに述べた。
「マルティン、当面は王都内で軟禁だ。反省の色が見えたら釈放もあるが、それはアリツェ次第だな」
「バ、バカな……」
国王からの宣告に、マルティンはすっかり顔が青ざめている。しきりに「嘘だ、嘘だ……」と呟く声が聞こえた。
「お養父様、今まで、大変お世話になりましたわ。軟禁先でも、十分にご自愛くださいませ」
アリツェはマルティンへ向き直り、満面の笑みを浮かべ、微笑んだ。
「くっそぉぉぉぉぉぉっ!」
マルティンは暴れ出そうとしたが、すぐさま衛兵に押さえつけられ、床に引き倒された。くぐもったうめき声をあげながら、なおも手足をばたつかせて暴れるマルティンに、衛兵は素早く縄を打ち、身動きが取れないように拘束する。そのまま無理やり立たされたマルティンは、衛兵に連行されていった。謁見の間には、マルティンの悔し気な叫び声がこだましている。
アリツェはマルティンの背を冷めた目で見遣った。領地の養母も、間もなくマルティンの元に連行されていくだろう。養母は結局、アリツェがどれだけ努力しても、一度も微笑んではくれなかった。
父の形見のペンダントにすがって生きるしかなかった幼い日々を、アリツェはふと思い出す。つらい記憶も、これで幾分かは和らぐだろう。
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