117 / 272
第十章 皇子救出作戦
7 お兄様、助けに参りましたわ!
しおりを挟む
悠太たちはザハリアーシュの部屋の前から離れて、気配を消しながら奥のラディムの私室を目指した。
ラディムの部屋の扉が見える距離に差し掛かったところで、いったん立ち止まり周囲を警戒する。
「さすがに見張りがいるか。アリツェ、どうする?」
ドミニクが小声で悠太にささやいた。
「一人だけみたいですわね。……ドミニク様、こっそり近づいて、気絶させたりはできませんかしら?」
「うーん、今は嗅覚と聴覚をごまかしているだけで、姿は丸見えだからねぇ。接近すればさすがにバレそうだよ?」
悠太の提案に、ドミニクは渋い顔をする。
「幸いあの見張り、大分緊張感がなさそうに見受けられますわ。ここで一回、風から光の精霊術に変更いたしますので、ドミニク様の姿を周囲に溶け込ませます。抜き足差し足で近づいて、ひと思いに気絶させてもらえませんかしら」
「今の気付かれていない状態からなら、慎重に進めば音と臭いは大丈夫そうだね。よし、じゃあその手でいこう」
人間相手であれば、臭いの問題はないだろう。音も、この距離からなら足音をうまく忍ばせれば、相当直近までは気づかれないはずだ。まさかここが襲われるとはつゆほども思っていないのか、警備の見張りは油断しきっている。
視覚を保護色でごまかせば、ドミニクの姿は薄暗さも相まって、周囲に完全に溶け込める。奇襲には十分なはずだった。ドミニクの剣の腕なら、剣スキルの『峰打ち』で、すぐに気絶させられるはずだ。
悠太は素早く属性を切り替え、ドミニクの姿を消した。準備ができたと悠太がうなずくと、ドミニクはこっそりと見張りに近づき、一息に剣の鞘で後頭部を叩き、気絶させた。
……ふと、現実世界でこんなことをやったら、脳震盪程度では済まないだろうなと悠太は思った。この辺りは、さすがスキル制のゲームシステムを使っているだけのことはあるなと痛感する。
「うまくいきましたわね」
成果は上々、ドミニクの腕前はさすがの一言だった。
「よし、さっさと中に入ろう」
ドミニクは素早く扉に手をかけ、ゆっくりと押し開いた。
「……なんだ、もう食事の時間か?」
扉が開くや、弱々しい男の声が漏れてきた。
「お兄様っ!」
声を聞くや悠太は叫び、縄で椅子に縛り付けられているラディムの傍に駆け寄った。
「なっ――。アリツェ、なぜここにいる!」
ラディムは驚愕に目を見開いた。
「当然、お兄様の救出ですわ!」
悠太は「何を当たり前の話を」と付け加えながら、背負った槍を下ろし、刃先をラディムを拘束している縄に当て、一気に切断した。
「馬鹿な真似を……。捕まったら殺されるぞ。それに、あんな別れ方をしたのに、わざわざ来る奴があるか」
ラディムは怒りと嬉しさとをまぜこぜにした、複雑な表情を浮かべながら、縛られてうっ血気味だった両手首をぐりぐりと回している。
「双子の兄を見捨てるほど、わたくしは薄情ではありませんわ! それに、お兄様の中の優里菜様は、わたくしの母でもあるんですのよ?」
悠太は少しの不満を込めて、口を尖らせた。
「御託は抜きだ、ラディム。時間がない。表でムシュカ伯爵が時間を稼いでくれている」
戸惑うラディムに、ドミニクは鋭く叱責をし、立ち上がらせた。
「ムシュカ伯爵……、エリシュカの父上か!」
意外な人物の名が上がり、ラディムの声は上ずった。
ドミニクに腕を引かれて立ち上がる瞬間、ラディムは身体をふらつかせ、倒れこみそうになる。ドミニクは慌ててラディムの肩を支えた。
「お兄様、大分弱っていらっしゃるわね。……食事は、どうやらきちんとお取りになられているようですね。長期間ろくに体を動かせなかったせいで筋力が落ちている、といったところかしら」
部屋に乗り込んだ際に、ラディムは食事の時間かと口にしていたので、絶食による衰弱ではなさそうだ。椅子に座りっぱなしによる筋力低下で、うまく体を支えられないのだろう。
「私の処刑までは、生かしておかなければならないからな。無理やりにでも食わされていたさ」
ラディムは自嘲するような薄笑いを浮かべた。
「優里菜様の人格は無事ですの?」
悠太の最大の懸念事項だった。正直なところを言えば、悠太にとってはラディムよりも優里菜の方が重要だ。
「ああ、大丈夫なはずだ。今は体の衰弱が激しくて、人格をコロコロ入れ替えるのは体に負担がかかりそうだったから、私が主に動いているがな」
どうやら優里菜の人格は、体力温存のためにあえて眠りについているようだ。二つの人格でああだこうだと口論したりすれば、余計に体力を食うだろうし、何より脳は消費するエネルギーが大きい。優里菜の人格領域だけでも休眠していれば、体力は相当に温存できるだろう。なかなかよく考えた行動だった。
「それと、お兄様にお伝えしなければならない話があります……」
弱っているラディムに伝えるのは、心苦しかった。だが、伝えなければいけない。先ほどのザハリアーシュの会話を。
「マリエの件か?」
ラディムはギュッと顔をこわばらせた。
「いえ、今はその話ではありません。……その、ザハリアーシュという名の男についてです」
頭を振ってラディムの問いを否定する。
悠太は内心で、しまったと思った。最初にはっきりとザハリアーシュの話と伝えておけば、むやみにマリエの件を思い出させなかっただろう。
「私の教育係だったザハリアーシュか? 拘束されてからは会っていないが、どうかしたのか?」
ここまでの話の流れとは無関係の人物の名が出てきたため、ラディムは首をかしげた。
「実は……」
悠太はザハリアーシュと世界再生教の大司教との会話の内容を、かいつまんで説明した。
ザハリアーシュが教師という立場を利用し、ベルナルドとラディムのプライベートに深くかかわり、世界再生教に有利な方向に洗脳工作をしたこと。
精霊が世界を救うという精霊教の教義が誤りではないと知りながら、精霊教を排除したいがために、皇帝一家に偽の情報を流したこと。
皇帝を通じて、誤った教義をでっちあげている世界再生教を、帝国全土に広めさせたこと。
「なん、だと……?」
ラディムは頭を抱えている。
「お兄様にとっては信じられないかもしれませんが、事実ですわ」
ザハリアーシュはラディムや帝国のためを思って行動していたわけではない。あくまで、世界再生教を利する目的で動いていたにすぎない。
「しかし、あのザハリアーシュが……。嘘だろ?」
ラディムはぽつぽつと、ザハリアーシュとの思い出を語りだした。
指導は厳しいながらも、きちんとこなせたときは頭を撫でて褒めるなど、やさしさも見せていたと。
街への巡回時も、必ず同行して周囲の警戒に努めていたと。
そして、気落ちしている時は必ず発破をかけてくれたと。
ラディムの語るザハリアーシュと、さきほど盗み聞いたザハリアーシュとでは、印象があまりにも違いすぎて、悠太はただただ驚いた。
「お兄様のお話しくださるザハリアーシュと、私たちの知るザハリアーシュは、まるで別人のようですわ」
これほどまで自分の行動を変えられるとなると、ザハリアーシュという男はなかなかの役者だった。皇帝まで騙しきるとは、恐れ入る。
「なるほどね、ラディムが信じきったのも仕方がないかな。相手の印象操作がうますぎる。特に、幼いころから一緒だったのであれば、刷り込み効果もあって余計だよ」
ドミニクの指摘に、ラディムはがくりとうなだれた。
ラディムの部屋の扉が見える距離に差し掛かったところで、いったん立ち止まり周囲を警戒する。
「さすがに見張りがいるか。アリツェ、どうする?」
ドミニクが小声で悠太にささやいた。
「一人だけみたいですわね。……ドミニク様、こっそり近づいて、気絶させたりはできませんかしら?」
「うーん、今は嗅覚と聴覚をごまかしているだけで、姿は丸見えだからねぇ。接近すればさすがにバレそうだよ?」
悠太の提案に、ドミニクは渋い顔をする。
「幸いあの見張り、大分緊張感がなさそうに見受けられますわ。ここで一回、風から光の精霊術に変更いたしますので、ドミニク様の姿を周囲に溶け込ませます。抜き足差し足で近づいて、ひと思いに気絶させてもらえませんかしら」
「今の気付かれていない状態からなら、慎重に進めば音と臭いは大丈夫そうだね。よし、じゃあその手でいこう」
人間相手であれば、臭いの問題はないだろう。音も、この距離からなら足音をうまく忍ばせれば、相当直近までは気づかれないはずだ。まさかここが襲われるとはつゆほども思っていないのか、警備の見張りは油断しきっている。
視覚を保護色でごまかせば、ドミニクの姿は薄暗さも相まって、周囲に完全に溶け込める。奇襲には十分なはずだった。ドミニクの剣の腕なら、剣スキルの『峰打ち』で、すぐに気絶させられるはずだ。
悠太は素早く属性を切り替え、ドミニクの姿を消した。準備ができたと悠太がうなずくと、ドミニクはこっそりと見張りに近づき、一息に剣の鞘で後頭部を叩き、気絶させた。
……ふと、現実世界でこんなことをやったら、脳震盪程度では済まないだろうなと悠太は思った。この辺りは、さすがスキル制のゲームシステムを使っているだけのことはあるなと痛感する。
「うまくいきましたわね」
成果は上々、ドミニクの腕前はさすがの一言だった。
「よし、さっさと中に入ろう」
ドミニクは素早く扉に手をかけ、ゆっくりと押し開いた。
「……なんだ、もう食事の時間か?」
扉が開くや、弱々しい男の声が漏れてきた。
「お兄様っ!」
声を聞くや悠太は叫び、縄で椅子に縛り付けられているラディムの傍に駆け寄った。
「なっ――。アリツェ、なぜここにいる!」
ラディムは驚愕に目を見開いた。
「当然、お兄様の救出ですわ!」
悠太は「何を当たり前の話を」と付け加えながら、背負った槍を下ろし、刃先をラディムを拘束している縄に当て、一気に切断した。
「馬鹿な真似を……。捕まったら殺されるぞ。それに、あんな別れ方をしたのに、わざわざ来る奴があるか」
ラディムは怒りと嬉しさとをまぜこぜにした、複雑な表情を浮かべながら、縛られてうっ血気味だった両手首をぐりぐりと回している。
「双子の兄を見捨てるほど、わたくしは薄情ではありませんわ! それに、お兄様の中の優里菜様は、わたくしの母でもあるんですのよ?」
悠太は少しの不満を込めて、口を尖らせた。
「御託は抜きだ、ラディム。時間がない。表でムシュカ伯爵が時間を稼いでくれている」
戸惑うラディムに、ドミニクは鋭く叱責をし、立ち上がらせた。
「ムシュカ伯爵……、エリシュカの父上か!」
意外な人物の名が上がり、ラディムの声は上ずった。
ドミニクに腕を引かれて立ち上がる瞬間、ラディムは身体をふらつかせ、倒れこみそうになる。ドミニクは慌ててラディムの肩を支えた。
「お兄様、大分弱っていらっしゃるわね。……食事は、どうやらきちんとお取りになられているようですね。長期間ろくに体を動かせなかったせいで筋力が落ちている、といったところかしら」
部屋に乗り込んだ際に、ラディムは食事の時間かと口にしていたので、絶食による衰弱ではなさそうだ。椅子に座りっぱなしによる筋力低下で、うまく体を支えられないのだろう。
「私の処刑までは、生かしておかなければならないからな。無理やりにでも食わされていたさ」
ラディムは自嘲するような薄笑いを浮かべた。
「優里菜様の人格は無事ですの?」
悠太の最大の懸念事項だった。正直なところを言えば、悠太にとってはラディムよりも優里菜の方が重要だ。
「ああ、大丈夫なはずだ。今は体の衰弱が激しくて、人格をコロコロ入れ替えるのは体に負担がかかりそうだったから、私が主に動いているがな」
どうやら優里菜の人格は、体力温存のためにあえて眠りについているようだ。二つの人格でああだこうだと口論したりすれば、余計に体力を食うだろうし、何より脳は消費するエネルギーが大きい。優里菜の人格領域だけでも休眠していれば、体力は相当に温存できるだろう。なかなかよく考えた行動だった。
「それと、お兄様にお伝えしなければならない話があります……」
弱っているラディムに伝えるのは、心苦しかった。だが、伝えなければいけない。先ほどのザハリアーシュの会話を。
「マリエの件か?」
ラディムはギュッと顔をこわばらせた。
「いえ、今はその話ではありません。……その、ザハリアーシュという名の男についてです」
頭を振ってラディムの問いを否定する。
悠太は内心で、しまったと思った。最初にはっきりとザハリアーシュの話と伝えておけば、むやみにマリエの件を思い出させなかっただろう。
「私の教育係だったザハリアーシュか? 拘束されてからは会っていないが、どうかしたのか?」
ここまでの話の流れとは無関係の人物の名が出てきたため、ラディムは首をかしげた。
「実は……」
悠太はザハリアーシュと世界再生教の大司教との会話の内容を、かいつまんで説明した。
ザハリアーシュが教師という立場を利用し、ベルナルドとラディムのプライベートに深くかかわり、世界再生教に有利な方向に洗脳工作をしたこと。
精霊が世界を救うという精霊教の教義が誤りではないと知りながら、精霊教を排除したいがために、皇帝一家に偽の情報を流したこと。
皇帝を通じて、誤った教義をでっちあげている世界再生教を、帝国全土に広めさせたこと。
「なん、だと……?」
ラディムは頭を抱えている。
「お兄様にとっては信じられないかもしれませんが、事実ですわ」
ザハリアーシュはラディムや帝国のためを思って行動していたわけではない。あくまで、世界再生教を利する目的で動いていたにすぎない。
「しかし、あのザハリアーシュが……。嘘だろ?」
ラディムはぽつぽつと、ザハリアーシュとの思い出を語りだした。
指導は厳しいながらも、きちんとこなせたときは頭を撫でて褒めるなど、やさしさも見せていたと。
街への巡回時も、必ず同行して周囲の警戒に努めていたと。
そして、気落ちしている時は必ず発破をかけてくれたと。
ラディムの語るザハリアーシュと、さきほど盗み聞いたザハリアーシュとでは、印象があまりにも違いすぎて、悠太はただただ驚いた。
「お兄様のお話しくださるザハリアーシュと、私たちの知るザハリアーシュは、まるで別人のようですわ」
これほどまで自分の行動を変えられるとなると、ザハリアーシュという男はなかなかの役者だった。皇帝まで騙しきるとは、恐れ入る。
「なるほどね、ラディムが信じきったのも仕方がないかな。相手の印象操作がうますぎる。特に、幼いころから一緒だったのであれば、刷り込み効果もあって余計だよ」
ドミニクの指摘に、ラディムはがくりとうなだれた。
0
お気に入りに追加
292
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
この野菜は悪役令嬢がつくりました!
真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。
花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。
だけどレティシアの力には秘密があって……?
せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……!
レティシアの力を巡って動き出す陰謀……?
色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい!
毎日2〜3回更新予定
だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる