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最初に目に入ったのは何物にも未だ染まってはいないだろう純白の、それも私の纏うドレスの生地はただの純白の絹地ではなく王族の身に許されし黄金に輝く純白のもの。
それは完全に黄金色――――と言う訳ではなくそこは元が純白の生地である事は間違いはありません。
ですがこの絹地は王家のみが保護する事を許される神の愛し子と呼ばれる御蚕様の繭によって作られし絹地。
光具合によって真っ白に輝く絹地は眩い黄金色へと光を放ち、見る者の心をくぎ付けとしてしまう不思議なモノなのです。
そうこれはその昔この世界を創造された神が愛する女神へと彼女の為に生み出せば、この御蚕様によって作られし繭で女神様の御衣装を作られたと言う逸話があるのです。
それ故に神の愛し子の御蚕様より作られしこの絹地は王族の、然も王家へ嫁ぐ女性にのみ纏う事が許されしもの。
この事実と言う現実に私が驚愕したのは言うまでもありません。
何故?
どうしてっっ。
つい先日……そう多分先程?
……確か私の記憶違いでなければつい今し方だった筈ですわ。
そう、殿下……貴女との婚約をなかったものとして欲しいと皆様の御前にてお願いをすれば私は……ええ、私はその足で屋敷へは戻らず、そうこの国で一番戒律の厳しい修道院へ、なのに何故?
『逃がさないよ俺のエリザベス。最初から逃がす筈がないだろう可愛い可愛い俺のリズ』
あぁ確かにそう、ええ私が立ち去ろうと思った時、でしたわ。
突然?
いいえ余りの急な出来事に私は抗う事も何も出来ないまま……。
何故なら何時も貴方はこの八年もの間それは一度たりとも変わる事なく。
決められた日に
決められた季節の花束を以って
決められた同じ言葉と微笑みだけの関係だったからこそ私は驚きの余り、貴方へ抗う事も出来ずにただそのまま受け入れてしまったのですもの。
生まれて初めて私の耳元で感じるのは貴方の吐息交じりに熱く囁く、今までに聞いた事のない甘い声。
そして貴方の男らしい大きな手で今までは私の手だけしか触れなかったものが、初めて私の口……いいえ顔を覆えば背に感じるのは大きな、きっと私の身体をすっぽりと包んでしまうだろう貴方の身体と燃えるようにも熱い体温。
一瞬ぎゅっと貴方へ抱き締められた感覚に私の心は泣き出したいくらいに悲しくも嬉しいと感じてしまいました。
心が震える――――と言う気持ちが少しだけですが理解出来たのだと思います。
でもそれだけ。
ええ、それだけなのです。
それ以降は何もわからず、そうして気づけば私は貴方の腕の中へと囚われ、輝くばかりに美しくそして蕩けるように幸せに満ちた貴方の隣に王家へ嫁ぐ女性にしか許されてはいない絹地で作られたウェディングドレスを纏っている私。
一体何時の間に私は数ヶ月……そうこの数ヶ月と言う時間をどう過ごしていたのでしょう。
わからない、全く皆目見当がつかないと言うよりも完全に理解不能なのです!!
何故婚約をなかったものとして欲しい相手と私は婚儀を挙げれば、今現在進行形で王宮のバルコニーなのでしょうね。
大勢の民達が見守る中で所謂ロイヤルキスなるモノを何度もされれば、その度に熱狂的な歓声を受け困惑しきった私と満面の笑みを湛えておられる貴方。
この先一体私に待ち受けているのは何なのでしょう。
出来れば全てをなかったものにしたいのですが……。
それは完全に黄金色――――と言う訳ではなくそこは元が純白の生地である事は間違いはありません。
ですがこの絹地は王家のみが保護する事を許される神の愛し子と呼ばれる御蚕様の繭によって作られし絹地。
光具合によって真っ白に輝く絹地は眩い黄金色へと光を放ち、見る者の心をくぎ付けとしてしまう不思議なモノなのです。
そうこれはその昔この世界を創造された神が愛する女神へと彼女の為に生み出せば、この御蚕様によって作られし繭で女神様の御衣装を作られたと言う逸話があるのです。
それ故に神の愛し子の御蚕様より作られしこの絹地は王族の、然も王家へ嫁ぐ女性にのみ纏う事が許されしもの。
この事実と言う現実に私が驚愕したのは言うまでもありません。
何故?
どうしてっっ。
つい先日……そう多分先程?
……確か私の記憶違いでなければつい今し方だった筈ですわ。
そう、殿下……貴女との婚約をなかったものとして欲しいと皆様の御前にてお願いをすれば私は……ええ、私はその足で屋敷へは戻らず、そうこの国で一番戒律の厳しい修道院へ、なのに何故?
『逃がさないよ俺のエリザベス。最初から逃がす筈がないだろう可愛い可愛い俺のリズ』
あぁ確かにそう、ええ私が立ち去ろうと思った時、でしたわ。
突然?
いいえ余りの急な出来事に私は抗う事も何も出来ないまま……。
何故なら何時も貴方はこの八年もの間それは一度たりとも変わる事なく。
決められた日に
決められた季節の花束を以って
決められた同じ言葉と微笑みだけの関係だったからこそ私は驚きの余り、貴方へ抗う事も出来ずにただそのまま受け入れてしまったのですもの。
生まれて初めて私の耳元で感じるのは貴方の吐息交じりに熱く囁く、今までに聞いた事のない甘い声。
そして貴方の男らしい大きな手で今までは私の手だけしか触れなかったものが、初めて私の口……いいえ顔を覆えば背に感じるのは大きな、きっと私の身体をすっぽりと包んでしまうだろう貴方の身体と燃えるようにも熱い体温。
一瞬ぎゅっと貴方へ抱き締められた感覚に私の心は泣き出したいくらいに悲しくも嬉しいと感じてしまいました。
心が震える――――と言う気持ちが少しだけですが理解出来たのだと思います。
でもそれだけ。
ええ、それだけなのです。
それ以降は何もわからず、そうして気づけば私は貴方の腕の中へと囚われ、輝くばかりに美しくそして蕩けるように幸せに満ちた貴方の隣に王家へ嫁ぐ女性にしか許されてはいない絹地で作られたウェディングドレスを纏っている私。
一体何時の間に私は数ヶ月……そうこの数ヶ月と言う時間をどう過ごしていたのでしょう。
わからない、全く皆目見当がつかないと言うよりも完全に理解不能なのです!!
何故婚約をなかったものとして欲しい相手と私は婚儀を挙げれば、今現在進行形で王宮のバルコニーなのでしょうね。
大勢の民達が見守る中で所謂ロイヤルキスなるモノを何度もされれば、その度に熱狂的な歓声を受け困惑しきった私と満面の笑みを湛えておられる貴方。
この先一体私に待ち受けているのは何なのでしょう。
出来れば全てをなかったものにしたいのですが……。
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