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第二章  悪夢への分岐点?

4  面接 Ⅳ

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 無事退職し引っ越しでごたごたしつつも少しだけリフレッシュをして、半年があっと言う間に経過した。
 私はそろそろ復職すべくと人材バンクへ連絡し、そこで紹介して貰ったのがNだった。


 その病院は京都の西にある、恐らく40年以上はこの地で医療を提供していると思う。
 旧街道沿いにあり、長い年月を掛けて増改築が何度も繰り返されきたのだろう。
 一見して何処から何処までが病院なのかははっきり言ってわからない。
 
 面接の日予定より少し早く到着した私は受付で名を告げれば暫くして看護部長がやってきた。

 挨拶をし一旦院外を出たかと思えば隣の棟?
 扉を開ければ直ぐに病棟があり、そのまま病棟へ進まず手前の階段を上がった所にある小部屋での面接だった。

 面接内容は特に可もなく不可もなく、話が終わればその足で4階にある透析センターへ案内された。
 エレベーターと詰め所を挟む形でAフロアーが入院患者さんの行う透析室で、対面のBフロアーが外来患者さんの行う透析室となる。


 前職は改築したばかりの綺麗な施設だったのだが、比べてはいけないと思いつつもやはりそこはかなり年季の入ったベッド……だけではなくその他色々である。

 まあはっきり言って整理整頓の出来てはいないぐちゃっとした感じの様相。
 また何処となく陰に籠った感じの空間だった。

 そこで簡単に紹介……?
 何故にまだ採用もされてはいないのに……と思いつつも軽く挨拶を済ませ、次に待ち受けていたのは健康診断だった。

 それ自体は別に可笑しくもなく指示されるがままに検査を受ければ最後の問診とばかりに診察室へ入った先にはふさふさとした若白髪の、多分私とは10歳も離れてはいないだろう医師――――院長であり理事長その人であった。

『少し不整脈がありますね』

 そりゃそうだ、だって狭心症だからね。

『現在治療中で内服コントール出来ています』

 真実だからそう答えた。

『だったら大丈夫だね』

 笑顔でそう語った瞬間の院長はめっちゃいい先生に見えたのだったのに、ああ本当に外面のいい人間は信用出来ないと、一年後の自分へ懇々と言って聞かせる事が出来れば良かったのに……。
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