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プリントを半分くらい仕上げたところで高橋理人が重そうなビニール袋をぶら下げて帰ってきた。
「何そんなに買ったんだよ?」
「色々!栄養つけないと!」
と言って買ってきた道具を使い(鍋はおろか、包丁もない有様だった)、手際よく料理を作っていく。卵焼きをくるんくるんと巻いて、鮮やかなものだ。
一品二品と品数が増えていく。
「ちょ、ちょっとまって!そんなに食べられない!」
「わかってるよ、これは明日の朝の分。本当は冷凍しておく分とかも作りたかったんだけどね、電子レンジがないんだもんなぁ……。まぁまぁ、いいから任せて先生は仕事して!」
そう言われて、仕事に戻る。
三十分ほど経ったろうか、もうあとは明日の朝職員室でプリントアウトするだけだ。
ふぅ、と溜息をつき伸びをする。
内容を保存してパソコンを閉じると、美味しそうな匂いがしてきた。腹が鳴る。
さすがに昼にお粥を一膳食べただけじゃ、腹も減るらしい。
「お粥は消化いいからね、すぐお腹から無くなっちゃうよ。」
と高橋理人は笑った。
テーブルを片付けるとそこに作った料理が並べられる。あっさりしたものが多そうだ。
「あんまり油っこいものは使ってないよ、先生のお腹ビックリしちゃうからね。あと、なんと、デザートにはアイスクリームがあります!!!」
アイスクリーム……。
普段なら自分では滅多に買わないものなので、なんだか、なんか、なんて言うか、ちょっとだけテンション上がる。
「さ、食べて食べて。」
と、差し出しながら料理の説明をする高橋理人の姿を見て、もう一脚、椅子を買おうと思った。
一人で食べても美味しいけれど、もしかしたらこれって、二人で一緒に食べたらもっと美味しいのかも、って思ったから。
どれも美味かった。
久しぶりに、こんなにいっぱい食べた。
「おなかいっぱい……。」
「うん!Good boy。よく食べました。……あ、アイスどうする?今食べる?」
「あー、シャワー浴びてから食べようかな……。」
そういえば寝ていただけとはいえ三日も風呂に入ってない。スンスンと体の匂いを嗅ぐ。自分では分からないけど、少し汗臭いかな?夏じゃなくて良かった。
「浴槽、洗ってあるよ。お湯張る?」
「うわ、いつの間に?家事スキル高すぎないか?」
「デキる男だろ?」
「完璧。あとテスト勉強さえしてくれればもっと完璧。」
俺は勉強できないんじゃなくてしないだけだから!やれば出来るのー!と言いつつお風呂を張りに行く高橋理人。
満腹になったら横になりたくなってきた。
ベッドに転がる。
なんだかちょっと、これって……。
「しあわせ?ってこんな感じなのかな……。」
「何そんなに買ったんだよ?」
「色々!栄養つけないと!」
と言って買ってきた道具を使い(鍋はおろか、包丁もない有様だった)、手際よく料理を作っていく。卵焼きをくるんくるんと巻いて、鮮やかなものだ。
一品二品と品数が増えていく。
「ちょ、ちょっとまって!そんなに食べられない!」
「わかってるよ、これは明日の朝の分。本当は冷凍しておく分とかも作りたかったんだけどね、電子レンジがないんだもんなぁ……。まぁまぁ、いいから任せて先生は仕事して!」
そう言われて、仕事に戻る。
三十分ほど経ったろうか、もうあとは明日の朝職員室でプリントアウトするだけだ。
ふぅ、と溜息をつき伸びをする。
内容を保存してパソコンを閉じると、美味しそうな匂いがしてきた。腹が鳴る。
さすがに昼にお粥を一膳食べただけじゃ、腹も減るらしい。
「お粥は消化いいからね、すぐお腹から無くなっちゃうよ。」
と高橋理人は笑った。
テーブルを片付けるとそこに作った料理が並べられる。あっさりしたものが多そうだ。
「あんまり油っこいものは使ってないよ、先生のお腹ビックリしちゃうからね。あと、なんと、デザートにはアイスクリームがあります!!!」
アイスクリーム……。
普段なら自分では滅多に買わないものなので、なんだか、なんか、なんて言うか、ちょっとだけテンション上がる。
「さ、食べて食べて。」
と、差し出しながら料理の説明をする高橋理人の姿を見て、もう一脚、椅子を買おうと思った。
一人で食べても美味しいけれど、もしかしたらこれって、二人で一緒に食べたらもっと美味しいのかも、って思ったから。
どれも美味かった。
久しぶりに、こんなにいっぱい食べた。
「おなかいっぱい……。」
「うん!Good boy。よく食べました。……あ、アイスどうする?今食べる?」
「あー、シャワー浴びてから食べようかな……。」
そういえば寝ていただけとはいえ三日も風呂に入ってない。スンスンと体の匂いを嗅ぐ。自分では分からないけど、少し汗臭いかな?夏じゃなくて良かった。
「浴槽、洗ってあるよ。お湯張る?」
「うわ、いつの間に?家事スキル高すぎないか?」
「デキる男だろ?」
「完璧。あとテスト勉強さえしてくれればもっと完璧。」
俺は勉強できないんじゃなくてしないだけだから!やれば出来るのー!と言いつつお風呂を張りに行く高橋理人。
満腹になったら横になりたくなってきた。
ベッドに転がる。
なんだかちょっと、これって……。
「しあわせ?ってこんな感じなのかな……。」
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