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第53話 どっちが正妻?
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エイミーを見つけたシーンは完全に硬直した。背の高いシーンが棒立ちになって動けなくなっているのを、サンドラは歩み寄るエイミーとシーンの姿を交互に見ていた。
「シーン? 大丈夫?」
そう声をかけたとき、エイミーは手を上げて嬉しそうに声を上げる。
「シーンさまあ!」
「ああエイミー! 私の大事な人! ねえどうやってきたの? ねえどうしてここがわかったの?」
と駆け寄りながら叫んでいた。そして二人は抱き合う。走り合った勢いで、シーンはエイミーを抱え上げてその場でくるくると回った。
「とっても広いお屋敷ね!」
「ああそうだよ。キミのものだ」
「やーん。シーンさまったらあ」
「ねえエイミー、遊ぼうよ。庭もとても広いんだよ!」
「ええ遊びましょう!」
二人は子供のように駆け回り始めた。それを見た使用人たちはただ唖然である。
サンドラとともにいるシーンも子供っぽかったが、こちらのエイミーと一緒にいるときはそれに輪をかけて子供だ。
遊んでいる様子は、まるで二人の世界。蝶のように戯れ、草原に寝転んで互いの胸に倒れて甘える。
そうかと思えば草笛を吹き、木の上に登ってキスしていた。
サンドラはその様子を見ていられなくなり、侍女や護衛を伴って屋敷の自室に入ってただ時間を過ごすのを待つだけだった。
そのうちに二人の足音が聞こえて、シーンの声だった。それはエイミーに屋敷の中を案内しているようだった。
そしてサンドラの部屋の前に足を止め、躊躇することなく扉を開けた。
「ここはサンドラの部屋さ。妹だと思って仲良くしてやって欲しい」
「あらサンドラ嬢。それとも呼び捨てでいいかしらね? 屋敷は快適でして? シーンさまの相手をして下さって嬉しいわ」
「んもう。エイミーは優しいなあ」
「そんなことないですわよ」
「じゃあ隣は私たちの部屋だ。久しぶりだからたっぷり愛し合おうよ」
「いやだ。お腹に赤ちゃんがいるのに」
「そうだな。それは寂しいけど、少しくらいならいいだろう?」
そう言って出ていってしまった。
サンドラは結婚してからの日々が全て儚く消えてしまったようで気持ちが沈んでしまった。
占い師の老婆の言葉もあったが、感情はふつふつと悲しみや嫉妬を伝えるし、エイミーにはとても敵わないと思わせたのだ。
そのうちにシーンの部屋からバタバタと足音がする。その足音はシーンのもので、エイミーを追いかけているようだった。
「エイミー! エイミー、待って!」
「あらそんなにお慌てになってどうしましたの? サンドラに会いに行くだけですのに」
「そんなこといいから遊ぼうよ。庭の小山に登ってさ」
「いえいえ。女同士の話も必要ですわ」
「あ。サンドラとはもう離縁しようと思ってたからそんなことは不要だよ。すぐに宰相邸に帰すさ」
そんな声が廊下から洩れ聞こえてくる。シーンの不誠実な言葉に、サンドラのお付きの者たちは怒り、侵入者を拒もうと扉のの前に立った。
「もう。シーンさまったら、何かを恐れてるみたい」
「あー! ちょっと待って! ちょっと待って!」
どうやらエイミーの声は扉の向こうからだ。両開きの扉に手を掛けたらしい。扉の取手の動きで分かる。護衛たちは身構えた。
すると両開きの扉は大きく全開し、護衛たちは突風に煽られたかのように吹っ飛んでしまい、開かれた扉にはエイミーが怪しく笑って立っていた。それが一歩、一歩とサンドラのほうへと近付いてくる。
侍女長のノーイは異様なものを感じとり、サンドラの身を守るように抱き締めた。
すると廊下にいたシーンが急いでサンドラの前に立ち、エイミーの進行を阻んだのだ。
「エイミー、ちょっと待って。ちょっと待ってくれよ。サンドラなんかに興味をもっちゃいけないよ。私が好きなのはエイミーなのだから」
「シーンさま。そこをどいてくださる?」
「別にエイミーが気にかけるような女じゃないよサンドラは。キミは別格さ」
「それは話して見て判断したいと思います。おどきください」
「いやだ」
「どいてください」
「いやなんだ。私は夫だぞ? 言うことを聞いてくれ」
「なによもう。シーンさまったら、聞き分けがないわ……」
シーンは両手を広げてエイミーがサンドラに近付くことを徹底的に拒んだのだ。
「やめろお! サンドラに近付くな! 愛してるんだ! 私が……、私が見初めたんだ! キミを裏切って悪かったと思ってる。サンドラに何をするつもりなんだよおおお! サンドラは関係ない! 悪いのは私だ! 私なんだ!」
そう叫んでいた。しかしエイミーはシーンの上げられた腕に手を添えてそれを下げた。そしてシーンの耳元でささやく。
「裏切りだなんて思ってないわ。だって私はあなたを愛してる。誰よりも、誰よりも……」
「私もキミを愛しているよ。いつまでもそばにいたい──」
エイミーは微笑む。そしてシーンへと問うた。
「都に来たときに、シーンさまはサンドラを正妻として迎えたと聞きました。それは本当ですの?」
「そ、それは──」
「私はそれで構いませんわ。私の家柄は伯爵家。サンドラの家柄は公爵家ですもの」
「う、うん」
「お聞かせください。正妻として迎えましたの?」
「そ、それは……、それは……」
「ハッキリお聞かせくださいまし。どちらを深く愛してますの?」
「そ、それは、エ、エ……、エイ、エイミー……」
次の言葉が出てこないシーンだったが、腕に添えられたエイミーの腕を振りほどいた。
「それはサンドラだ! キミには悪いと思ってるけどサンドラを愛しているんだ! 許してくれ!」
するとエイミーの目から美しい雫がこぼれる。シーンは近付いてその暖かい水の玉を指で拭った。
「ゴメン。ゴメンよ、エイミー。キミのことも愛している……」
「ええ、泣いたりしてごめんなさい、シーンさま」
そう言って、くるりと扉のほうを向いて歩き出す。シーンもそれを追いかけようとした。
「ごめんなさい。シーンさま。少し一人になりたいわ」
「あ、ああ。ゴメンよエイミー。明日山を見に行こうな、な、な」
しかしエイミーはそれに答えず黙ったまま扉を閉めた。片手だったにも関わらず両開きの扉は同時に音を立てて閉まったのだ。だがそこにいたものはシーンとエイミーのやり取りに気を移していたので、そんなことを気にするものはいなかった。
暫く静寂な部屋だったがシーンが呟く。
「サンドラ。怖い思いをさせてすまなかった……」
「いえシーン。私はなにも怖い思いをしてはいないわ」
「いやキミは一時公爵邸に避難してくれ。エイミーは出産療養のためにグラムーンの屋敷に連れていくよ。私は仕事のためといって戻ってくるから。そしたらまた一緒に生活しよう……」
しかしサンドラは答える。
「いいえ帰らないわ。私もシーンのそばにいる。なにもエイミーを恐れることなどないじゃない。それから正妻と言ってくれたこと。とても嬉しかったわ」
「それは当然だよ。でもそうか。帰らないのか。うーん」
シーンはノーイのほうへと顔を向ける。
「ノーイ。キミはどう思う? サンドラが危険だとは思わないか? そう思うなら無理矢理にでもサンドラを連れていって欲しいのだが」
それにノーイは答えた。
「いいえ旦那さま。奥さまはここに居られる意向です。ですから我々はそれに従います。なにかあれば我々が奥さまを守ります」
と、今までシーンさん、お嬢様と言っていた呼称を変えたので、シーンはは驚いて笑った。
「まったく。キミは私のことを嫌っていたくせに嬉しいことを言ってくれる。本当は私もサンドラを離したくはないのだ。ではよろしく頼むよ。それにしてもキミは変わり者だな」
「最近、そばに変わり者が一人増えましたから。それに影響されたのでしょう」
そう言ってみんなして声を合わせて笑い合った。
「シーン? 大丈夫?」
そう声をかけたとき、エイミーは手を上げて嬉しそうに声を上げる。
「シーンさまあ!」
「ああエイミー! 私の大事な人! ねえどうやってきたの? ねえどうしてここがわかったの?」
と駆け寄りながら叫んでいた。そして二人は抱き合う。走り合った勢いで、シーンはエイミーを抱え上げてその場でくるくると回った。
「とっても広いお屋敷ね!」
「ああそうだよ。キミのものだ」
「やーん。シーンさまったらあ」
「ねえエイミー、遊ぼうよ。庭もとても広いんだよ!」
「ええ遊びましょう!」
二人は子供のように駆け回り始めた。それを見た使用人たちはただ唖然である。
サンドラとともにいるシーンも子供っぽかったが、こちらのエイミーと一緒にいるときはそれに輪をかけて子供だ。
遊んでいる様子は、まるで二人の世界。蝶のように戯れ、草原に寝転んで互いの胸に倒れて甘える。
そうかと思えば草笛を吹き、木の上に登ってキスしていた。
サンドラはその様子を見ていられなくなり、侍女や護衛を伴って屋敷の自室に入ってただ時間を過ごすのを待つだけだった。
そのうちに二人の足音が聞こえて、シーンの声だった。それはエイミーに屋敷の中を案内しているようだった。
そしてサンドラの部屋の前に足を止め、躊躇することなく扉を開けた。
「ここはサンドラの部屋さ。妹だと思って仲良くしてやって欲しい」
「あらサンドラ嬢。それとも呼び捨てでいいかしらね? 屋敷は快適でして? シーンさまの相手をして下さって嬉しいわ」
「んもう。エイミーは優しいなあ」
「そんなことないですわよ」
「じゃあ隣は私たちの部屋だ。久しぶりだからたっぷり愛し合おうよ」
「いやだ。お腹に赤ちゃんがいるのに」
「そうだな。それは寂しいけど、少しくらいならいいだろう?」
そう言って出ていってしまった。
サンドラは結婚してからの日々が全て儚く消えてしまったようで気持ちが沈んでしまった。
占い師の老婆の言葉もあったが、感情はふつふつと悲しみや嫉妬を伝えるし、エイミーにはとても敵わないと思わせたのだ。
そのうちにシーンの部屋からバタバタと足音がする。その足音はシーンのもので、エイミーを追いかけているようだった。
「エイミー! エイミー、待って!」
「あらそんなにお慌てになってどうしましたの? サンドラに会いに行くだけですのに」
「そんなこといいから遊ぼうよ。庭の小山に登ってさ」
「いえいえ。女同士の話も必要ですわ」
「あ。サンドラとはもう離縁しようと思ってたからそんなことは不要だよ。すぐに宰相邸に帰すさ」
そんな声が廊下から洩れ聞こえてくる。シーンの不誠実な言葉に、サンドラのお付きの者たちは怒り、侵入者を拒もうと扉のの前に立った。
「もう。シーンさまったら、何かを恐れてるみたい」
「あー! ちょっと待って! ちょっと待って!」
どうやらエイミーの声は扉の向こうからだ。両開きの扉に手を掛けたらしい。扉の取手の動きで分かる。護衛たちは身構えた。
すると両開きの扉は大きく全開し、護衛たちは突風に煽られたかのように吹っ飛んでしまい、開かれた扉にはエイミーが怪しく笑って立っていた。それが一歩、一歩とサンドラのほうへと近付いてくる。
侍女長のノーイは異様なものを感じとり、サンドラの身を守るように抱き締めた。
すると廊下にいたシーンが急いでサンドラの前に立ち、エイミーの進行を阻んだのだ。
「エイミー、ちょっと待って。ちょっと待ってくれよ。サンドラなんかに興味をもっちゃいけないよ。私が好きなのはエイミーなのだから」
「シーンさま。そこをどいてくださる?」
「別にエイミーが気にかけるような女じゃないよサンドラは。キミは別格さ」
「それは話して見て判断したいと思います。おどきください」
「いやだ」
「どいてください」
「いやなんだ。私は夫だぞ? 言うことを聞いてくれ」
「なによもう。シーンさまったら、聞き分けがないわ……」
シーンは両手を広げてエイミーがサンドラに近付くことを徹底的に拒んだのだ。
「やめろお! サンドラに近付くな! 愛してるんだ! 私が……、私が見初めたんだ! キミを裏切って悪かったと思ってる。サンドラに何をするつもりなんだよおおお! サンドラは関係ない! 悪いのは私だ! 私なんだ!」
そう叫んでいた。しかしエイミーはシーンの上げられた腕に手を添えてそれを下げた。そしてシーンの耳元でささやく。
「裏切りだなんて思ってないわ。だって私はあなたを愛してる。誰よりも、誰よりも……」
「私もキミを愛しているよ。いつまでもそばにいたい──」
エイミーは微笑む。そしてシーンへと問うた。
「都に来たときに、シーンさまはサンドラを正妻として迎えたと聞きました。それは本当ですの?」
「そ、それは──」
「私はそれで構いませんわ。私の家柄は伯爵家。サンドラの家柄は公爵家ですもの」
「う、うん」
「お聞かせください。正妻として迎えましたの?」
「そ、それは……、それは……」
「ハッキリお聞かせくださいまし。どちらを深く愛してますの?」
「そ、それは、エ、エ……、エイ、エイミー……」
次の言葉が出てこないシーンだったが、腕に添えられたエイミーの腕を振りほどいた。
「それはサンドラだ! キミには悪いと思ってるけどサンドラを愛しているんだ! 許してくれ!」
するとエイミーの目から美しい雫がこぼれる。シーンは近付いてその暖かい水の玉を指で拭った。
「ゴメン。ゴメンよ、エイミー。キミのことも愛している……」
「ええ、泣いたりしてごめんなさい、シーンさま」
そう言って、くるりと扉のほうを向いて歩き出す。シーンもそれを追いかけようとした。
「ごめんなさい。シーンさま。少し一人になりたいわ」
「あ、ああ。ゴメンよエイミー。明日山を見に行こうな、な、な」
しかしエイミーはそれに答えず黙ったまま扉を閉めた。片手だったにも関わらず両開きの扉は同時に音を立てて閉まったのだ。だがそこにいたものはシーンとエイミーのやり取りに気を移していたので、そんなことを気にするものはいなかった。
暫く静寂な部屋だったがシーンが呟く。
「サンドラ。怖い思いをさせてすまなかった……」
「いえシーン。私はなにも怖い思いをしてはいないわ」
「いやキミは一時公爵邸に避難してくれ。エイミーは出産療養のためにグラムーンの屋敷に連れていくよ。私は仕事のためといって戻ってくるから。そしたらまた一緒に生活しよう……」
しかしサンドラは答える。
「いいえ帰らないわ。私もシーンのそばにいる。なにもエイミーを恐れることなどないじゃない。それから正妻と言ってくれたこと。とても嬉しかったわ」
「それは当然だよ。でもそうか。帰らないのか。うーん」
シーンはノーイのほうへと顔を向ける。
「ノーイ。キミはどう思う? サンドラが危険だとは思わないか? そう思うなら無理矢理にでもサンドラを連れていって欲しいのだが」
それにノーイは答えた。
「いいえ旦那さま。奥さまはここに居られる意向です。ですから我々はそれに従います。なにかあれば我々が奥さまを守ります」
と、今までシーンさん、お嬢様と言っていた呼称を変えたので、シーンはは驚いて笑った。
「まったく。キミは私のことを嫌っていたくせに嬉しいことを言ってくれる。本当は私もサンドラを離したくはないのだ。ではよろしく頼むよ。それにしてもキミは変わり者だな」
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