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第17話 何言ってんだよ
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マコは優勝者としてがぜん忙しくなった。
会えるとしたら夜だけ。
夜にコンビニに誘うとついてくるってだけ。
そこでちょっと学校の話をして、マコは空手の話をするってだけだ。
前みたいに外でしゃかりきになって遊ぶってことがなくて寂しくなった。
そんな話をオレの部屋でテツに話すと、テツは大きくため息をついた。
「はぁ~あ。オマエはいいよな~」
「なにがだよ」
「なにって、そりゃデートじゃねーか」
そのテツの言葉はオレには聞こえなかった。
なぜなら、上着の袖口から髪の毛が出ていたので、急に気になってそれをゆっくり引き抜くことに集中していたからだ。
「なんだこりゃ。なっげ~!」
そう言って引き抜くと、かなりの長さ。
うちの母ちゃんはそんなに長くねーしパーマを当ててる。
「うわ~。誰のだこの髪。母ちゃんのじゃねーし」
テツはあきれてさらにため息をついた。
「……マコのだろーが」
「うぇ! マコのかよ! オメー何でも知ってんな~」
「マコの髪の毛が服の中に入り込むほど一緒にいるってことだろーが!」
「そーいや、この前互いのジャンパー交換しあったんだ。そん時かなぁ。こんなにアイツ長ぇんだ~」
「なんで知らねぇんだよ! 小学校の頃から伸ばしてんだろうが」
「そういやそうだな。まぁオレには短髪のイメージが強過ぎてよ」
「短髪? 短髪の頃のマコなんて知らねぇ」
「知らない? そーか。知らねぇか。初めて会った三歳の頃は短髪だったんだ」
「なんだそりゃ」
テツは後ろに倒れ込んだ。
「もうダメ。動けん」
「なんでだよ」
「あんなに可愛いのに、短髪のイメージしかねーなんてどうかしてる」
「は?」
正直驚いた。コイツの口からそんな言葉が飛び出るなんて。
というか、テツはマコを女として意識していることに若干引いた。
そんな感情を持っていたら楽しく遊べねぇだろうと思ったんだ。
会えるとしたら夜だけ。
夜にコンビニに誘うとついてくるってだけ。
そこでちょっと学校の話をして、マコは空手の話をするってだけだ。
前みたいに外でしゃかりきになって遊ぶってことがなくて寂しくなった。
そんな話をオレの部屋でテツに話すと、テツは大きくため息をついた。
「はぁ~あ。オマエはいいよな~」
「なにがだよ」
「なにって、そりゃデートじゃねーか」
そのテツの言葉はオレには聞こえなかった。
なぜなら、上着の袖口から髪の毛が出ていたので、急に気になってそれをゆっくり引き抜くことに集中していたからだ。
「なんだこりゃ。なっげ~!」
そう言って引き抜くと、かなりの長さ。
うちの母ちゃんはそんなに長くねーしパーマを当ててる。
「うわ~。誰のだこの髪。母ちゃんのじゃねーし」
テツはあきれてさらにため息をついた。
「……マコのだろーが」
「うぇ! マコのかよ! オメー何でも知ってんな~」
「マコの髪の毛が服の中に入り込むほど一緒にいるってことだろーが!」
「そーいや、この前互いのジャンパー交換しあったんだ。そん時かなぁ。こんなにアイツ長ぇんだ~」
「なんで知らねぇんだよ! 小学校の頃から伸ばしてんだろうが」
「そういやそうだな。まぁオレには短髪のイメージが強過ぎてよ」
「短髪? 短髪の頃のマコなんて知らねぇ」
「知らない? そーか。知らねぇか。初めて会った三歳の頃は短髪だったんだ」
「なんだそりゃ」
テツは後ろに倒れ込んだ。
「もうダメ。動けん」
「なんでだよ」
「あんなに可愛いのに、短髪のイメージしかねーなんてどうかしてる」
「は?」
正直驚いた。コイツの口からそんな言葉が飛び出るなんて。
というか、テツはマコを女として意識していることに若干引いた。
そんな感情を持っていたら楽しく遊べねぇだろうと思ったんだ。
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