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第7話 まさか、暴走
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次の日、昼前に部活のために電車に乗って学校へ。
練習が始まってしばらくすると、日傘をさした智絵里の姿が見えてくる。
少しばかり胸を強調した服。
こーれわ来るわ。
部員たちの行動が鈍くなる。
智絵里に目を奪われるためだ。
「おい。中西。ちゃんとシャトルを見ろよ」
「あ、スイマセン」
ぷぷ。いつも強い後輩の中西を負かせてやった。
あいつも智絵里の谷間にご執心。ざまぁ。マジざまぁ。
最高の気分で家路に着く。
帰るのがもったいない。
もっともっと智絵里といたいのに。
「……じゃぁな。智絵里……」
「え。勉強しようよ。見てあげるから」
え?
えーーー!!?
ひょっとしてオレんちで?
ハッピーモード継続じゃないっスか!
「やった。じゃ、上がれよ」
「うん。久しぶりだな~。マーくんの家」
すごいすごい。
楽しいなァ~。
智絵里と一緒に部屋に行くなんて。
でも、母ちゃんがいる。
なんて説明すればいいんだろう。
い、いや、そこは彼女だろう。
だって智絵里だって言ってた。
人前では彼女なんだって。
「ただいま帰りましたぁ~……」
「おかえり。勉強しなよ」
キッチンで母ちゃんが背中で語る。
ま、いっか。このまま部屋にいっちまえばいいんだから。
「おじゃましまーす」
「え?」
女の声に母ちゃんが振り向く。
「ま。あらあら。どうも。雅武の母ですゥ」
「やだァ。おばさん。私、智絵里ですよ」
「え? 智絵里ちゃん。あら。お隣なのになかなか会わないもんだから。すごい美人さんになっちゃって~」
「いやぁ、そんなことないですよ~」
「なに~? 二人とも付き合ってるんじゃないでしょうね~?」
「いや、実はそうなんですよ~。マーくんと勉強しようと思って」
「うそ? ホント? ま! こりゃビックリ。ああ、そうなんだ~。二人ともいよいよ」
なにがいよいよなのやら。
オレは照れくさくなったので智絵里の手を引いた。
「ホラ。もういいだろ。勉強しようぜ」
「うん。そうだね」
「じゃ、母ちゃん。部屋に来ないでね」
「そういうわけにいかないでしょ!」
「え?」
「大きくなった男女を部屋に二人きりでおけますか。ちゃんとドアは開けておいて下さい。たまにお母さんチェックするからね」
「何をだよ。何にもしないよ」
「信用できるわけないでしょ。いいからいう通りにしなさい」
「ちぇー」
智絵里を伴って自室に入る。
入り口の引き戸を隙間を開けずに閉めると智絵里の顔色が曇る。
「おばさんに開けとけって言われてたでしょう」
「だって二人っきりじゃなくなっちゃうだろ?」
「勘違いしないでよ。二人の時は恋人じゃないんだから」
智絵里はそう言いながら引き戸を半分ほど開ける。
その姿を見てなぜかイラつく。
たしかに雇っている身だが、自分自身の心は智絵里に傾いているのに気がなさ過ぎる。
イライラしながら座卓の前に腰を下ろして、ノートや参考書を開いた。もくもくと勉強を始めると、智絵里は良い匂いのする髪を近づけ、頬すれすれに顔を寄せてノートを見る。
「ほら。ここ見てみてよ。ここはこうすると解けるよ」
「う、うん」
ノートなんか見れない。その可愛らしい智絵里の顔を見ていた。
智絵里の真剣な横顔──。
可愛いなぁ。キレイだなぁ。
そして、教え方も集中してないのに分かりやすい。さすが冥女に入学しただけのことはある。
「へー。分かりやすいよ。うん」
「じゃ後は自分でやってみて。その間にマーくんのお部屋片付けちゃうから」
立ち上がる智絵里。
これは……ゴクリ。
今まで思い描いていたシチュエーション。
恋人が部屋を片付けてくれる。
大学に行って、彼女と同棲したらそんなことして貰いたいなぁなんて漠然と思っていたんだ。
これぞまさしくそれ。
智絵里はこちらにお尻を向けて小さなホコリを拾っている。
身を低くしての整理整頓。
本日のお召し物は胸を強調する薄着。
なんだそれ──。生谷間ってそういう感じなんだね。
も、も、も、もう、勉強どころじゃない。
暴 走。
智絵里が隙間の開いたドアから死角になったところで飛び付いた。
「ちょ! ちょっとマーくん!?」
「もうダメ。ガマンできない。智絵里。キス」
「こらこらこらぁ」
「ほらこっち向いて。お顔こっち向けて」
「おばさーん!」
「わ。バカ!」
オレは急いで座卓へと戻る。
母ちゃんの早い足音が聞こえる中、姿勢を正して勉強するスタイルに。智絵里も速攻で服装の乱れを直した。その顔はかなり真顔。そしてオレを睨む。
ヤバい。親に言われるのか? 契約解除されるのか?
そこへ母ちゃんが飛び込んできた。
「どうしたの智絵里ちゃん」
「おばさん見て下さい」
智絵里が指差したのは、今やっている勉強のノート。オレの汚い文字がのたくっている。
「マーくん実力ありますよぉ~。こんな問題もスラスラ解いちゃうなんて。これなら勉強見ることなんてないかな? おばさん夕食作ってたんでしょう? お手伝いしてもいいですか?」
「ま。そうなの? そうなのね~。お手伝いいいわよ~。ウチは娘がいないから嬉しいわ~」
「ありがとうございます。いろいろ教えて下さい」
そう言いながら二人はキッチンに行ってしまった。
母ちゃんにバラされなくてホッとしたけど、怒って帰らないんだ……。
夕食の手伝いかぁ。それもいいなぁ~。
オレは智絵里の行動にドキドキしっぱなしだ。
練習が始まってしばらくすると、日傘をさした智絵里の姿が見えてくる。
少しばかり胸を強調した服。
こーれわ来るわ。
部員たちの行動が鈍くなる。
智絵里に目を奪われるためだ。
「おい。中西。ちゃんとシャトルを見ろよ」
「あ、スイマセン」
ぷぷ。いつも強い後輩の中西を負かせてやった。
あいつも智絵里の谷間にご執心。ざまぁ。マジざまぁ。
最高の気分で家路に着く。
帰るのがもったいない。
もっともっと智絵里といたいのに。
「……じゃぁな。智絵里……」
「え。勉強しようよ。見てあげるから」
え?
えーーー!!?
ひょっとしてオレんちで?
ハッピーモード継続じゃないっスか!
「やった。じゃ、上がれよ」
「うん。久しぶりだな~。マーくんの家」
すごいすごい。
楽しいなァ~。
智絵里と一緒に部屋に行くなんて。
でも、母ちゃんがいる。
なんて説明すればいいんだろう。
い、いや、そこは彼女だろう。
だって智絵里だって言ってた。
人前では彼女なんだって。
「ただいま帰りましたぁ~……」
「おかえり。勉強しなよ」
キッチンで母ちゃんが背中で語る。
ま、いっか。このまま部屋にいっちまえばいいんだから。
「おじゃましまーす」
「え?」
女の声に母ちゃんが振り向く。
「ま。あらあら。どうも。雅武の母ですゥ」
「やだァ。おばさん。私、智絵里ですよ」
「え? 智絵里ちゃん。あら。お隣なのになかなか会わないもんだから。すごい美人さんになっちゃって~」
「いやぁ、そんなことないですよ~」
「なに~? 二人とも付き合ってるんじゃないでしょうね~?」
「いや、実はそうなんですよ~。マーくんと勉強しようと思って」
「うそ? ホント? ま! こりゃビックリ。ああ、そうなんだ~。二人ともいよいよ」
なにがいよいよなのやら。
オレは照れくさくなったので智絵里の手を引いた。
「ホラ。もういいだろ。勉強しようぜ」
「うん。そうだね」
「じゃ、母ちゃん。部屋に来ないでね」
「そういうわけにいかないでしょ!」
「え?」
「大きくなった男女を部屋に二人きりでおけますか。ちゃんとドアは開けておいて下さい。たまにお母さんチェックするからね」
「何をだよ。何にもしないよ」
「信用できるわけないでしょ。いいからいう通りにしなさい」
「ちぇー」
智絵里を伴って自室に入る。
入り口の引き戸を隙間を開けずに閉めると智絵里の顔色が曇る。
「おばさんに開けとけって言われてたでしょう」
「だって二人っきりじゃなくなっちゃうだろ?」
「勘違いしないでよ。二人の時は恋人じゃないんだから」
智絵里はそう言いながら引き戸を半分ほど開ける。
その姿を見てなぜかイラつく。
たしかに雇っている身だが、自分自身の心は智絵里に傾いているのに気がなさ過ぎる。
イライラしながら座卓の前に腰を下ろして、ノートや参考書を開いた。もくもくと勉強を始めると、智絵里は良い匂いのする髪を近づけ、頬すれすれに顔を寄せてノートを見る。
「ほら。ここ見てみてよ。ここはこうすると解けるよ」
「う、うん」
ノートなんか見れない。その可愛らしい智絵里の顔を見ていた。
智絵里の真剣な横顔──。
可愛いなぁ。キレイだなぁ。
そして、教え方も集中してないのに分かりやすい。さすが冥女に入学しただけのことはある。
「へー。分かりやすいよ。うん」
「じゃ後は自分でやってみて。その間にマーくんのお部屋片付けちゃうから」
立ち上がる智絵里。
これは……ゴクリ。
今まで思い描いていたシチュエーション。
恋人が部屋を片付けてくれる。
大学に行って、彼女と同棲したらそんなことして貰いたいなぁなんて漠然と思っていたんだ。
これぞまさしくそれ。
智絵里はこちらにお尻を向けて小さなホコリを拾っている。
身を低くしての整理整頓。
本日のお召し物は胸を強調する薄着。
なんだそれ──。生谷間ってそういう感じなんだね。
も、も、も、もう、勉強どころじゃない。
暴 走。
智絵里が隙間の開いたドアから死角になったところで飛び付いた。
「ちょ! ちょっとマーくん!?」
「もうダメ。ガマンできない。智絵里。キス」
「こらこらこらぁ」
「ほらこっち向いて。お顔こっち向けて」
「おばさーん!」
「わ。バカ!」
オレは急いで座卓へと戻る。
母ちゃんの早い足音が聞こえる中、姿勢を正して勉強するスタイルに。智絵里も速攻で服装の乱れを直した。その顔はかなり真顔。そしてオレを睨む。
ヤバい。親に言われるのか? 契約解除されるのか?
そこへ母ちゃんが飛び込んできた。
「どうしたの智絵里ちゃん」
「おばさん見て下さい」
智絵里が指差したのは、今やっている勉強のノート。オレの汚い文字がのたくっている。
「マーくん実力ありますよぉ~。こんな問題もスラスラ解いちゃうなんて。これなら勉強見ることなんてないかな? おばさん夕食作ってたんでしょう? お手伝いしてもいいですか?」
「ま。そうなの? そうなのね~。お手伝いいいわよ~。ウチは娘がいないから嬉しいわ~」
「ありがとうございます。いろいろ教えて下さい」
そう言いながら二人はキッチンに行ってしまった。
母ちゃんにバラされなくてホッとしたけど、怒って帰らないんだ……。
夕食の手伝いかぁ。それもいいなぁ~。
オレは智絵里の行動にドキドキしっぱなしだ。
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