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それは、とっても悪趣味な
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~尋問、3分経過~
「世界征服……あまりにも恐ろしい計画です……! 幼女よ、どのような深謀遠慮、神機妙算の果てに世界を征服するつもりだったのか、全容を語ってもらいましょうか!」
「あの……マージャンってゲームで、女の子の服を脱がして世界征服をします」
「ふむ、『まあじゃん』。……なにやら、禍々しい響きですね。闇のゲームの匂いがします。どのようなゲームなのですか?」
「絵柄や数字の描かれた、小さな白い牌を使って行います。決まった通りに牌を揃えた人が勝ちです」
「それをすると、どうして女子は服を脱ぐのですか?」
「マージャンで負けたからです。えっとその、脱衣マージャンなんで……」
「女子が柔肌を晒すのは、かなりの覚悟がいるものです。単にゲームで負けたからと言って、素直に脱ぐとは思えません。幼女も、同じ女子ならわかるでしょう?」
「そ、それは……そういうルールだからであって……どうしてだかは、オレにも……。つーかオレ、女じゃねーし……」
シャルロットが剣を持ち上げて、床に突き立てる。ズガンッ!
「意味がわかりませんッ!」
~尋問、7分経過~
「幼女よ。さきほど口にしていた、『えびふりゃー』や『みそにこみうどん』と言うのは、一体なんの事ですか?」
「えっと……エビフライは海老に衣を付けて揚げた料理で、味噌煮込みうどんは味噌って調味料で煮込んだ麺料理のことです」
「それで、どうやって人を洗脳するのですか?」
「……ぬ、脱がしたヒロインに味噌煮込みうどんをぶっかけて……エビフライを腹いっぱいに食べさせると、洗脳できます」
「ほう、ぶっ掛ける? そのような使用方法ですか……これは想像を超えてました! それはつまり、マジックアイテムなのでしょうか? もしくは、薬物が含まれてるとか?」
「いいえ……ごく普通の食べ物です……」
シャルロットが剣を持ち上げて、床に突き立てる。ズガンッ!
「意味がわかりませんッ!」
~尋問、10分経過~
「そもそも、幼女の統べる『じゃんくふうど21』とは、どのような組織なのですか? 本拠地はどこにあるのですか? 規模と構成員、思想等を説明なさい!」
「ええっと……。本拠地はニャア子の祖父が経営してる、喫茶魔雲天です。目的は……名古屋の世界征服。……主な構成員は、ニャア子を入れて3名で……白衣の下はいつもスク水のプロフェッサー水守と、世界最強を目指す女格闘家のテラバイト熊寝が仲間です」
「その2人は、今どこで何を?」
「プロフェッサー水守は、巨大ロボットの起動実験に失敗して……月まで飛ばされました。……テラバイト熊寝は、異次元怪人と闘うために……ブラックホールに飛び込みました。……2人とも多分、続編で戻ってくると思います……」
シャルロットが剣を持ち上げて、床に突き立てる。ズガンッ!
「意味がわかりませんッ!」
それは、あまりにも酷い光景だった。
『名古屋が征服♀雀くふうど』は、いわゆる『バカゲー』に属している。整合性や常識よりも、バカバカしいノリを重視したギャグ設定で作られているのだ。突発的かつ不条理でエッチなイベントが多く、出てくるアイテムも下ネタや名古屋のダジャレばかり。
そんな世界観を真っ正直に理解できる奴など、絶対いない。
しかし、シャルロットは前提である『名古屋ニャア子は架空の存在であり、マリオンはそれを演じただけ』と言う点を決して認めようとせず、あくまでも『世界征服を企む悪の親玉』として扱う。そして、その他のどうでもいい細かい部分ばかりを、根掘り葉掘り聞いてくるのだ。
一応、マリオンも合間合間に「架空の話だから」とか「現実じゃないから」と一生懸命に訴えるのだけど、シャルロットは「こちらの質問にだけ答えなさい!」と一喝するのみである。
殺気ビンビンのシャルロットが、事あるごとに剣で床をズガンズガンと刺しまくるもんだから、マリオンもすっかり萎縮してしまい、いつの間にか聞かれたままを素直に答えるだけとなってしまう。そして説明しては逆ギレされ、またショボーンとする。完璧に悪循環だった。
とことんふざけたバカゲーの設定を、凶器を持った真面目なアホに説明する……ここまで頭の悪い状況を、俺は今まで見た事ない。
俺はマリオンが脅されるたびに小声で、「もう少しだ!」「頑張れ!」「マリオン、無実なんだから諦めるな!」と必死に励ました。
マリオンは何も悪くない……本当に、これっぽっちも悪くないのだ!
ただ、俺のために一生懸命に歌ってくれただけだ。それなのに、アホに濡れ衣を着せられて高圧的に責められて、あまりに可哀想だった。
そんな悪趣味な光景を前に、俺は心の中で叫び続ける。
ウラギーール!!! はやくきてくれーーっ!!!
いやもう、ほんとマジで頼んますよ!
俺がシャルロットの刃からマリオンを庇って、悟飯を守ったピッコロさんみたいに死ぬ前に、お願いします!
「世界征服……あまりにも恐ろしい計画です……! 幼女よ、どのような深謀遠慮、神機妙算の果てに世界を征服するつもりだったのか、全容を語ってもらいましょうか!」
「あの……マージャンってゲームで、女の子の服を脱がして世界征服をします」
「ふむ、『まあじゃん』。……なにやら、禍々しい響きですね。闇のゲームの匂いがします。どのようなゲームなのですか?」
「絵柄や数字の描かれた、小さな白い牌を使って行います。決まった通りに牌を揃えた人が勝ちです」
「それをすると、どうして女子は服を脱ぐのですか?」
「マージャンで負けたからです。えっとその、脱衣マージャンなんで……」
「女子が柔肌を晒すのは、かなりの覚悟がいるものです。単にゲームで負けたからと言って、素直に脱ぐとは思えません。幼女も、同じ女子ならわかるでしょう?」
「そ、それは……そういうルールだからであって……どうしてだかは、オレにも……。つーかオレ、女じゃねーし……」
シャルロットが剣を持ち上げて、床に突き立てる。ズガンッ!
「意味がわかりませんッ!」
~尋問、7分経過~
「幼女よ。さきほど口にしていた、『えびふりゃー』や『みそにこみうどん』と言うのは、一体なんの事ですか?」
「えっと……エビフライは海老に衣を付けて揚げた料理で、味噌煮込みうどんは味噌って調味料で煮込んだ麺料理のことです」
「それで、どうやって人を洗脳するのですか?」
「……ぬ、脱がしたヒロインに味噌煮込みうどんをぶっかけて……エビフライを腹いっぱいに食べさせると、洗脳できます」
「ほう、ぶっ掛ける? そのような使用方法ですか……これは想像を超えてました! それはつまり、マジックアイテムなのでしょうか? もしくは、薬物が含まれてるとか?」
「いいえ……ごく普通の食べ物です……」
シャルロットが剣を持ち上げて、床に突き立てる。ズガンッ!
「意味がわかりませんッ!」
~尋問、10分経過~
「そもそも、幼女の統べる『じゃんくふうど21』とは、どのような組織なのですか? 本拠地はどこにあるのですか? 規模と構成員、思想等を説明なさい!」
「ええっと……。本拠地はニャア子の祖父が経営してる、喫茶魔雲天です。目的は……名古屋の世界征服。……主な構成員は、ニャア子を入れて3名で……白衣の下はいつもスク水のプロフェッサー水守と、世界最強を目指す女格闘家のテラバイト熊寝が仲間です」
「その2人は、今どこで何を?」
「プロフェッサー水守は、巨大ロボットの起動実験に失敗して……月まで飛ばされました。……テラバイト熊寝は、異次元怪人と闘うために……ブラックホールに飛び込みました。……2人とも多分、続編で戻ってくると思います……」
シャルロットが剣を持ち上げて、床に突き立てる。ズガンッ!
「意味がわかりませんッ!」
それは、あまりにも酷い光景だった。
『名古屋が征服♀雀くふうど』は、いわゆる『バカゲー』に属している。整合性や常識よりも、バカバカしいノリを重視したギャグ設定で作られているのだ。突発的かつ不条理でエッチなイベントが多く、出てくるアイテムも下ネタや名古屋のダジャレばかり。
そんな世界観を真っ正直に理解できる奴など、絶対いない。
しかし、シャルロットは前提である『名古屋ニャア子は架空の存在であり、マリオンはそれを演じただけ』と言う点を決して認めようとせず、あくまでも『世界征服を企む悪の親玉』として扱う。そして、その他のどうでもいい細かい部分ばかりを、根掘り葉掘り聞いてくるのだ。
一応、マリオンも合間合間に「架空の話だから」とか「現実じゃないから」と一生懸命に訴えるのだけど、シャルロットは「こちらの質問にだけ答えなさい!」と一喝するのみである。
殺気ビンビンのシャルロットが、事あるごとに剣で床をズガンズガンと刺しまくるもんだから、マリオンもすっかり萎縮してしまい、いつの間にか聞かれたままを素直に答えるだけとなってしまう。そして説明しては逆ギレされ、またショボーンとする。完璧に悪循環だった。
とことんふざけたバカゲーの設定を、凶器を持った真面目なアホに説明する……ここまで頭の悪い状況を、俺は今まで見た事ない。
俺はマリオンが脅されるたびに小声で、「もう少しだ!」「頑張れ!」「マリオン、無実なんだから諦めるな!」と必死に励ました。
マリオンは何も悪くない……本当に、これっぽっちも悪くないのだ!
ただ、俺のために一生懸命に歌ってくれただけだ。それなのに、アホに濡れ衣を着せられて高圧的に責められて、あまりに可哀想だった。
そんな悪趣味な光景を前に、俺は心の中で叫び続ける。
ウラギーール!!! はやくきてくれーーっ!!!
いやもう、ほんとマジで頼んますよ!
俺がシャルロットの刃からマリオンを庇って、悟飯を守ったピッコロさんみたいに死ぬ前に、お願いします!
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