9 / 29
第1章 異世界に来たのなら、楽しむしかない
6.可愛さから始まる
しおりを挟む
「・・・・・・え?」
思いもよらなかった言葉。エンシャが言っていた女言葉ですらない。様子が変わりすぎていて、どうにもついていけない。
バーバチカの言葉は続く。
「だいたいさぁ、アンタ何様なわけ? 母上様に迷惑かけっぱなしじゃん。ほんと邪魔なんだけど」
「え、えっと、その口調は一体・・・・・・」
想像していた女言葉とは全く違う、そう言いたげな私に、はっ、と嘲笑してバーバチカが言う。
「この口調のこと? アンタはボクが男だって知ってるんでしょ? なら、媚びる必要ないじゃん」
(表裏で対応変わりなんですがそれは・・・・・・)
本物の女よりも怖いのでは、などと思ってしまった。
・・・・・・あの天使のような微笑みはどこへ行ってしまったのだろう。もはや生意気なガキにしか見えなくなってきた。
「てか、なんの目的でこの森に来たの? 気づいたらここにいたとかベタな話は止めてよね」
「いや本当に気づいたらこの森にいて・・・・・・」
「はあ!? アンタ舐めてんの?」
「でも事実だし・・・・・・」
バーバチカの勢いに押され、自身の語尾も小さくなる。何故こんな所に来たのかは私だって知りたい。
気づいたらここにいた──それ以上もそれ以下もないので私が黙っていると、目の前から盛大なため息が聞こえてきた。
「あーもう、わかった。一応そういうことにしてあげる。見たところ、悪意は無いっぽいし。アイツらとは違うみたいだし」
「あ、ありがとう?」
疑問に思いつつも、とりあえず私はお礼を言う。それでも相変わらずのムスッとした表情で、バーバチカが腕を組んだ。
「で、アンタはいつまでここに居座るつもり? ボクとしてはさっさとどっかに行って欲しいんだけど」
「・・・・・・そりゃあ、私だって行く宛があればそこに向かってるよ。そもそも記憶が無いんだってば」
私も私で苦笑しか浮かばない。無茶言うな、というのが私の本音である。
へにゃりと力なく笑っていると、それを見ていたバーバチカが不意にそっぽを向いた。
「どうしたの?」
「べっ、別に。・・・・・・それよりも、アンタは何も思わないの?」
その質問の意図もわからずに、何が、と聞けばどこか決まりが悪そうな表情になる。少しこちらの様子を窺うようにして、声をひそめた。
「・・・・・・ボクの格好だよ。変だと思わないの? ・・・・・・男なのに女の服着てさ」
「ううん、似合ってると思うよ? 凄く可愛いもの」
「なっ・・・・・・!!」
バーバチカが酷く驚いた顔をする。その反応に、若干私も目を見開いた。あまりにも大袈裟過ぎやしないか。
(そんなに驚くことじゃあないだろうに。・・・・・・今まで散々言われてきたのかな)
似合っていることは事実だし、とても可愛いのも認めている。間違いなくあれは本心からの言葉だ。──そもそも女装に偏見はない。
「・・・・・・嘘だ。みんな気持ち悪いって・・・・・・おかしいって。ボクはただ可愛い服が好きなだけなのに・・・・・・」
そう呟くと、くしゃりとバーバチカの顔が歪んだ。泣き出しそうになっている表情でさえも儚げな少女の影がある。
自分よりも遥かに幼い見た目の彼に、大人としてなのだろう、つい手が伸びた。
少し背伸びをして、よしよしとあやす様にバーバチカの頭を撫でる。サラリとした灰髪が手に触れた。
下から覗き込むようにして、ふにゃりとした笑みを向ける。
「うんうん、可愛い可愛い」
「・・・・・・なっ!? な、なななな何を・・・・・・!!」
途端、かぁーっとバーバチカの頬が朱に染まった。突然だったせいか、言葉が吃って大変なことになっている。
尚も私が撫で続けていると、パシンと鋭い音と共に手が払い除けられた。
白い肌を真っ赤に染め、険しい顔で睨みつけられる。
「ボクに触るな!!」
「あ、ごめんなさい・・・・・・つい」
右手にほんの少しだけ痛みが走ったものの、不思議とそれもすぐに治まった。音の割には大した威力ではなかったのか。
何となく払われた所を擦りつつ、バーバチカの顔を見上げた。じっと蒼色の瞳を見つめると、すぃっと目を逸らされた。
「でも、私は可愛いと思うよ? いいんじゃないかな、着てても」
「そんなこと・・・・・・っ!! ・・・・・・アンタに言われなくたって着るつもりだし!! それに、ボクが可愛いのだってとーぜんの事でしょ? 今更何を言ってんの」
ようやく、バーバチカの表情が元に戻ってきた。まだ頬は赤いが、ふふんと得意気な顔で胸を張る。もちろん、ぺっちゃんこの胸をだ。
そしていつものすまし顔に戻り、ツインテの髪を片手でくるくると弄るバーバチカ。
「──ま、少しならアンタと宜しくしてやってもいいけど?」
思いがけないその台詞に私は二度見した。
「ほんとに? 仲良くしてくれるの?」
「・・・・・・っ、ほんの少しだけ!! ほんの少しだけだから!! まだアンタを怪しんでるから!!」
どこまでも上から目線だが、耳の先を赤くしている所を見ると自然と笑みが零れてきた。ここは母親似らしい。
ふと、キャンキャンと吠えるチワワの姿が脳裏に思い浮かんだ。アレとどこか似ていると思うのは私だけか。
相変わらず、意味もなしに睨まれている。だが、ほんのり赤い頬がその威圧感を無くしていた。
やはり、美少女は怒っていても画になる。
「・・・・・・可愛いっていいなぁ」
「はあぁ?」
ただ呟いただけなのに、何故かバーバチカに変な顔をされた。何言っちゃってんの、という言葉が雰囲気から伝わってくる。
・・・・・・おかしいな、変な事は言っていないはずだが。
思いもよらなかった言葉。エンシャが言っていた女言葉ですらない。様子が変わりすぎていて、どうにもついていけない。
バーバチカの言葉は続く。
「だいたいさぁ、アンタ何様なわけ? 母上様に迷惑かけっぱなしじゃん。ほんと邪魔なんだけど」
「え、えっと、その口調は一体・・・・・・」
想像していた女言葉とは全く違う、そう言いたげな私に、はっ、と嘲笑してバーバチカが言う。
「この口調のこと? アンタはボクが男だって知ってるんでしょ? なら、媚びる必要ないじゃん」
(表裏で対応変わりなんですがそれは・・・・・・)
本物の女よりも怖いのでは、などと思ってしまった。
・・・・・・あの天使のような微笑みはどこへ行ってしまったのだろう。もはや生意気なガキにしか見えなくなってきた。
「てか、なんの目的でこの森に来たの? 気づいたらここにいたとかベタな話は止めてよね」
「いや本当に気づいたらこの森にいて・・・・・・」
「はあ!? アンタ舐めてんの?」
「でも事実だし・・・・・・」
バーバチカの勢いに押され、自身の語尾も小さくなる。何故こんな所に来たのかは私だって知りたい。
気づいたらここにいた──それ以上もそれ以下もないので私が黙っていると、目の前から盛大なため息が聞こえてきた。
「あーもう、わかった。一応そういうことにしてあげる。見たところ、悪意は無いっぽいし。アイツらとは違うみたいだし」
「あ、ありがとう?」
疑問に思いつつも、とりあえず私はお礼を言う。それでも相変わらずのムスッとした表情で、バーバチカが腕を組んだ。
「で、アンタはいつまでここに居座るつもり? ボクとしてはさっさとどっかに行って欲しいんだけど」
「・・・・・・そりゃあ、私だって行く宛があればそこに向かってるよ。そもそも記憶が無いんだってば」
私も私で苦笑しか浮かばない。無茶言うな、というのが私の本音である。
へにゃりと力なく笑っていると、それを見ていたバーバチカが不意にそっぽを向いた。
「どうしたの?」
「べっ、別に。・・・・・・それよりも、アンタは何も思わないの?」
その質問の意図もわからずに、何が、と聞けばどこか決まりが悪そうな表情になる。少しこちらの様子を窺うようにして、声をひそめた。
「・・・・・・ボクの格好だよ。変だと思わないの? ・・・・・・男なのに女の服着てさ」
「ううん、似合ってると思うよ? 凄く可愛いもの」
「なっ・・・・・・!!」
バーバチカが酷く驚いた顔をする。その反応に、若干私も目を見開いた。あまりにも大袈裟過ぎやしないか。
(そんなに驚くことじゃあないだろうに。・・・・・・今まで散々言われてきたのかな)
似合っていることは事実だし、とても可愛いのも認めている。間違いなくあれは本心からの言葉だ。──そもそも女装に偏見はない。
「・・・・・・嘘だ。みんな気持ち悪いって・・・・・・おかしいって。ボクはただ可愛い服が好きなだけなのに・・・・・・」
そう呟くと、くしゃりとバーバチカの顔が歪んだ。泣き出しそうになっている表情でさえも儚げな少女の影がある。
自分よりも遥かに幼い見た目の彼に、大人としてなのだろう、つい手が伸びた。
少し背伸びをして、よしよしとあやす様にバーバチカの頭を撫でる。サラリとした灰髪が手に触れた。
下から覗き込むようにして、ふにゃりとした笑みを向ける。
「うんうん、可愛い可愛い」
「・・・・・・なっ!? な、なななな何を・・・・・・!!」
途端、かぁーっとバーバチカの頬が朱に染まった。突然だったせいか、言葉が吃って大変なことになっている。
尚も私が撫で続けていると、パシンと鋭い音と共に手が払い除けられた。
白い肌を真っ赤に染め、険しい顔で睨みつけられる。
「ボクに触るな!!」
「あ、ごめんなさい・・・・・・つい」
右手にほんの少しだけ痛みが走ったものの、不思議とそれもすぐに治まった。音の割には大した威力ではなかったのか。
何となく払われた所を擦りつつ、バーバチカの顔を見上げた。じっと蒼色の瞳を見つめると、すぃっと目を逸らされた。
「でも、私は可愛いと思うよ? いいんじゃないかな、着てても」
「そんなこと・・・・・・っ!! ・・・・・・アンタに言われなくたって着るつもりだし!! それに、ボクが可愛いのだってとーぜんの事でしょ? 今更何を言ってんの」
ようやく、バーバチカの表情が元に戻ってきた。まだ頬は赤いが、ふふんと得意気な顔で胸を張る。もちろん、ぺっちゃんこの胸をだ。
そしていつものすまし顔に戻り、ツインテの髪を片手でくるくると弄るバーバチカ。
「──ま、少しならアンタと宜しくしてやってもいいけど?」
思いがけないその台詞に私は二度見した。
「ほんとに? 仲良くしてくれるの?」
「・・・・・・っ、ほんの少しだけ!! ほんの少しだけだから!! まだアンタを怪しんでるから!!」
どこまでも上から目線だが、耳の先を赤くしている所を見ると自然と笑みが零れてきた。ここは母親似らしい。
ふと、キャンキャンと吠えるチワワの姿が脳裏に思い浮かんだ。アレとどこか似ていると思うのは私だけか。
相変わらず、意味もなしに睨まれている。だが、ほんのり赤い頬がその威圧感を無くしていた。
やはり、美少女は怒っていても画になる。
「・・・・・・可愛いっていいなぁ」
「はあぁ?」
ただ呟いただけなのに、何故かバーバチカに変な顔をされた。何言っちゃってんの、という言葉が雰囲気から伝わってくる。
・・・・・・おかしいな、変な事は言っていないはずだが。
0
お気に入りに追加
2,744
あなたにおすすめの小説
拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
『特別』を願った僕の転生先は放置された第7皇子!?
mio
ファンタジー
特別になることを望む『平凡』な大学生・弥登陽斗はある日突然亡くなる。
神様に『特別』になりたい願いを叶えてやると言われ、生まれ変わった先は異世界の第7皇子!? しかも母親はなんだかさびれた離宮に追いやられているし、騎士団に入っている兄はなかなか会うことができない。それでも穏やかな日々。
そんな生活も母の死を境に変わっていく。なぜか絡んでくる異母兄弟をあしらいつつ、兄の元で剣に魔法に、いろいろと学んでいくことに。兄と兄の部下との新たな日常に、以前とはまた違った幸せを感じていた。
日常を壊し、強制的に終わらせたとある不幸が起こるまでは。
神様、一つ言わせてください。僕が言っていた特別はこういうことではないと思うんですけど!?
他サイトでも投稿しております。
異世界召喚されたのは、『元』勇者です
ユモア
ファンタジー
突如異世界『ルーファス』に召喚された一ノ瀬凍夜ーは、5年と言う年月を経て異世界を救った。そして、平和まで後一歩かと思ったその時、信頼していた仲間たちに裏切られ、深手を負いながらも異世界から強制的に送還された。
それから3年後、凍夜はクラスメイトから虐めを受けていた。しかし、そんな時、再度異世界に召喚された世界は、凍夜が送還されてから10年が経過した異世界『ルーファス』だった。自分を裏切った世界、裏切った仲間たちがいる世界で凍夜はどのように生きて行くのか、それは誰にも分からない。
ネコ科に愛される加護を貰って侯爵令嬢に転生しましたが、獣人も魔物も聖獣もまとめてネコ科らしいです。
ゴルゴンゾーラ三国
ファンタジー
猫アレルギーながらも猫が大好きだった主人公は、猫を助けたことにより命を落とし、異世界の侯爵令嬢・ルティシャとして生まれ変わる。しかし、生まれ変わった国では猫は忌み嫌われる存在で、ルティシャは実家を追い出されてしまう。
しぶしぶ隣国で暮らすことになったルティシャは、自分にネコ科の生物に愛される加護があることを知る。
その加護を使って、ルティシャは愛する猫に囲まれ、もふもふ異世界生活を堪能する!
「デブは出て行け!」と追放されたので、チートスキル【マイホーム】で異世界生活を満喫します。
亜綺羅もも
ファンタジー
旧題:「デブは出て行け!」と追放されたので、チートスキル【マイホーム】で異世界生活を満喫します。今更戻って来いと言われても旦那が許してくれません!
いきなり異世界に召喚された江藤里奈(18)。
突然のことに戸惑っていたが、彼女と一緒に召喚された結城姫奈の顔を見て愕然とする。
里奈は姫奈にイジメられて引きこもりをしていたのだ。
そんな二人と同じく召喚された下柳勝也。
三人はメロディア国王から魔族王を倒してほしいと相談される。
だがその話し合いの最中、里奈のことをとことんまでバカにする姫奈。
とうとう周囲の人間も里奈のことをバカにし始め、極めつけには彼女のスキルが【マイホーム】という名前だったことで完全に見下されるのであった。
いたたまれなくなった里奈はその場を飛び出し、目的もなく町の外を歩く。
町の住人が近寄ってはいけないという崖があり、里奈はそこに行きついた時、不意に落下してしまう。
落下した先には邪龍ヴォイドドラゴンがおり、彼は里奈のことを助けてくれる。
そこからどうするか迷っていた里奈は、スキルである【マイホーム】を使用してみることにした。
すると【マイホーム】にはとんでもない能力が秘められていることが判明し、彼女の人生が大きく変化していくのであった。
ヴォイドドラゴンは里奈からイドというあだ名をつけられ彼女と一緒に生活をし、そして里奈の旦那となる。
姫奈は冒険に出るも、自身の力を過信しすぎて大ピンチに陥っていた。
そんなある日、現在の里奈の話を聞いた姫奈は、彼女のもとに押しかけるのであった……
これは里奈がイドとのんびり幸せに暮らしていく、そんな物語。
※ざまぁまで時間かかります。
ファンタジー部門ランキング一位
HOTランキング 一位
総合ランキング一位
ありがとうございます!
私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!
りーさん
ファンタジー
ある日、突然生まれ変わっていた。理由はわからないけど、私は末っ子のお姫さまになったらしい。
でも、このお姫さま、なんか放置気味!?と思っていたら、お兄さんやお姉さん、お父さんやお母さんのスペックが高すぎるのが原因みたい。
こうなったら、こうなったでがんばる!放置されてるんなら、なにしてもいいよね!
のんびりマイペースをモットーに、私は好きに生きようと思ったんだけど、実は私は、重要な使命で転生していて、それを遂行するために神器までもらってしまいました!でも、私は私で楽しく暮らしたいと思います!
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎
って、何故こんなにハイテンションかと言うとただ今絶賛大パニック中だからです!
何故こうなった…
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
そして死亡する原因には不可解な点が…
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのかのんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
自重知らずの転生貴族は、現在知識チートでどんどん商品を開発していきます!!
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
無限の時空間の中、いきなり意識が覚醒した。
女神の話によれば、異世界に転生できるという。
ディルメス侯爵家の次男、シオン・ディルメスに転生してから九年が経ったある日、邸の執務室へ行くと、対立国の情報が飛び込んできた。
父であるディルメス侯爵は敵軍を迎撃するため、国境にあるロンメル砦へと出発していく。
その間に執務長が領地の資金繰りに困っていたため、シオンは女神様から授かったスキル『創造魔法陣』を用いて、骨から作った『ボーン食器』を発明する。
食器は大ヒットとなり、侯爵領全域へと広がっていった。
そして噂は王国内の貴族達から王宮にまで届き、シオンは父と一緒に王城へ向かうことに……『ボーン食器』は、シオンの予想を遥かに超えて、大事へと発展していくのだった……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる