164 / 272
第5章・結婚狂騒曲と、悪役令嬢と
第216話・6月の花嫁は幸せになる
しおりを挟む
無事、何事もなく朝食を終えて。
それではさっそく、家宰のローズマリーさんの待つ馬車へと移動するために宿から出たとき。
私たちが動き始めるのを見計らっていたのか、外で待っていたらしい男たちが近寄ってきました。
見た目は身ぎれいな格好の商人のようにも見えますが、腰につけている帯剣用のベルトと少し大ぶりなナイフ、それになんとなくですが目がいやらしく感じます。
私の方を見てこんな雰囲気を醸し出しているのですから、横に立つノワールさんが小声で『クリスティナ様にそんないやらしい視線を向けて、こいつらバラしてもいいですよね』とかブツブツと呟いているのですよ。
「クリスティナ・フェイールさんですね。シャトレーゼ伯爵の使いで参りました。昨日のとある商会への侮辱行為について、色々とお話を伺わせていただきたいので同行願います」
努めて冷静に告げている男性。
その左右の男たちについては、いつでも動けるようと少し腰を低くしています。
さて。
あなたたちのすぐ後ろの馬車は、そのシャトレーゼ伯爵の使いの方の馬車なのですけれど、これってつまり、伯爵の名を語って私を連れていこうという魂胆ですよね。
ほら、その証拠に馬車の窓からローズマリーさんが顔を見せていますし、何かをつぶやいています。
「クリスティナ様、今しがた、ローズマリーさんから許可を得ました」
「ということなので、この偽物たちをとっ捕まえて構わないな?」
私にだけ聞こえるように小さい声で呟く二人。
はぁ、私にも、ローズマリーさんが嬉しそうにサムズアップしている姿が見えますよ。
それってつまり、伯爵家からの許可が出たということで構わないのですよね。
「お断りします。なぜ、私たちが同行する必要があるのでしょうか。もしも私に直接話がしたいというのでしたら……そうですね。せめて伯爵家家宰であるブラットベリーさんが迎えにくる程度でなくては話になりません」
きっぱりと告げます。
ええ、そんな家宰なんていませんよ。
「誠に申し訳ありません、家宰であるブラットベリーは所用で外に出かけて居まして。私どもが代理ということでやってきました。こちらとしてもあまりことを荒立てたくないので、どうぞこちらへ」
そう男が告げると同時に、左右の男たちが前に出ましたので。
「シャトレーゼ伯爵家の使いを名乗る無頼漢についていくようなことはありません。そもそもブラットベリーなどという家宰は存在しませんよ!!」
「ちっ」
堂々と大きな声で叫びましたよ。
すると舌打ちをした瞬間に、男たちが私を捕まえようと前に出てきて……。
──ドサドサッ
はい、膝から崩れ落ちました。
ノワールさんとクリムゾンさんが勇者語録にある『電光石火』という速さで二人の男たちに接敵し、幻とも呼べる超人的な速度で拳を叩き込みましたよ。
腹部に深々とつき込まれたノワールさんの拳と、同じく踏み込んでからの肘撃ちで相手の鳩尾をえぐるクリムゾンさん。
一瞬で意識を刈り取られた二人の無頼漢はその場に倒れ、ノワールさんが足で踏みつけています。
「それで、二人はこの通りですがどうしますか?」
──カチャッ
私の言葉と同時に馬車の扉が開き、ローズマリーさんが出てきます。
「ち、畜生!!」
慌てて振り向くリーダー格のような男。
そして素早くローズマリーさんが降りてきた馬車に目を付けると、その御者台に向かって走って……行く前にローズマリーさんに腕を取られ、そして地面に顔面から叩きつけられました。
──ドゴォッ
「うん、悪は滅びるというかなんというか。そんなかんじですね。ローズマリーさん、御怪我はありませんか?」
「大丈夫です。シャトレーゼ伯爵家で家宰として勤める以上、この手の輩など素手で取り押さえられなくてはなりませんから。今、警吏の騎士たちに突き出しますので、しばしお待ちください」
そう告げてから、懐から小さな笛を取り出して高らかに鳴らしています。
そしてやや少ししてから騎士たちが集まってくると、3人の暴漢は騎士たちに突き出されました。
「伯爵家の使いを名乗り御館様の大切な来客を攫おうとした輩です。しっかりと裏を取ったのち、極刑にてお願いします」
「畏まりました。屋敷までの護衛は必要でしょうか」
「それには及びません。なお、この件で手心を与えることはシャトレーゼ伯爵さまは快く思いませんので、それなりの対応をお願いします」
ビシッと指示をだしてのち、ローズマリーさんが私たちのところへやってきます。
「それではクリスティナさま、ノワール様、クリムゾンさま、こちらへどうぞ」
「ありがとうございます」
「食後の運動にもなりませんでしたね」
「うむ、爪が甘いというか運が悪かったというか……」
「まあまあ、全員無事でしたので結果オーライっていうやつですよ、勇者語録にもあるじゃないですか」
ということで、そのまま馬車に乗って伯爵邸まで移動。
そのままあっという間に応接室まで案内されると、シャトレーゼ伯爵とその奥様、そして金髪イケメンの男性が室内に入ってきました。
………
……
…
「これはこれはクリスティナ・フェイール嬢、お久しぶりです。本日は無理を言ってきていただいて申し訳ない」
「大丈夫です、こちらとしても領都を出る前にご挨拶に伺おうかと思っていましたので。それで、なにか火急の用事があるとかでけれど、なにかあったのでしょうか? ある程度はローズマリーさんから伺っていますけれど、細かい部分につきましては伯爵さまに伺った方が良いかと思いますので」
これはローズマリーさんから聞いた話の確認をかねて。
そして私の言葉の意味がしっかりと伝わったのか、伯爵がひとつひとつ丁寧に説明を始めてくれました。
「まあ、説明もなにも、来月の頭に行われる息子ガトーと、隣国のエリー・マクガイア嬢との結婚に行って、実は頼みごとがあったのだが」
「はい。それではフェイール商店として、詳しいお話を伺わせていただきます」
「実は、異世界での結婚式について王城の勇者たちに話を伺ったのだが。おおよその流れは同じであったのだが、一部は違っていてな……そこにガトーが興味を持ってしまったらしく、それを再現できないものかと相談をされてしまったのだよ」
私たちの世界でいう結婚式は、主に教会にで執り行われます。
国の主神に誓いを立て、婚姻の証である指輪を交換。司祭様の祝詞が挙げられたのち、二人が幸せになることを契約の精霊エンゲイジさまに誓います。
そののち聖歌を皆が歌い、その中を結婚した夫婦が教会の外へと向かって歩いていく。
ええ、私も何度か、この結婚式についていったので間違いはありません。
そして結婚式のあとは両家の見え張り合戦の開始、教会外での立食パーティーが始まります。
それはもう盛大に、この結婚式でしか味わえないような料理が盛りだくさん。
これも貴族として、自分の家格を示す行為であり、このために散財した挙句、当分は根菜の塩スープのみという生活を送っている貴族もいたそうで。
「……というのが一般的ですよね。では、異世界風というのはどのような感じでしょうか」
「おおよそは同じであるらしいが、なんでも新婦を彩るのはシルクのホワイトドレスだそうだ。あとは我々と同じような感じらしいが、楽団に曲を披露してもらい歌を歌ったり、一芸に秀でているものが芸を披露したりというのも聞いたな」
「それと料理ですわ。ええ、やはり異世界の料理をぜひとも並べたいのです」
「あとは、そう、結婚式に参列した皆さんにお土産を持たせるとかで……そのお土産の質によって、家格を表しているとも言われているそうですが」
「なるほど、初めて聞いたことばかりです」
これは、もう少し踏み込んだ知識が必要です。
【型録通販のシャーリィ】に、結婚式ついて説明されてる本がないかどうか調べる必要があります。
それと、料理とドレスと引き出物ですか。
ちょうど6月の特集コーナーに【ジューンブライト】について記されているページがありましたし、これが『幸せになれる6月の結婚』という意味も理解しています。
「では、一日お時間を頂いてよろしいでしょうか。こちらとしても色々と調べる必要がありますので」
「それは構わない。いや、一日で済むというのなら助かる。こちらとしても、あらかじめ用意するものなどが分からば、それに合わせて予算を組みなおす必要があるかもしれないからな」
はい、そう呟いているシャトレーゼ伯爵の顔色はあまりよくありません。
昨年のお嬢様のデビュタントでも、予定以上に出費がかさんだらしいので。
「畏まりました。それでは一旦、宿に戻って色々と調べることにします」
「ああ、フェイールさんの宿泊している宿については、こちらからも護衛を付けるようにしておくので。まさか伯爵家を語る愚か者が出て来るとは思っていなかったからな」
「ありがとうございます。では、本日はこれで失礼……」
そう告げた時、伯爵夫人が私の手を取って目で何かを訴えています。
「今日は、異世界の装飾品は持ってきていないのかしら?」
「ええ……あの、ガトーさまの結婚式で出費がかさむのですよね?」
「それとこれとは話が別ですわ。ほら、二つの家の婚姻というのは、いわば見栄の張り合いって言われているのはフェイールさんもご存じですわよね?」
「はあ、さようですか、そうですね……」
ということで、いましばらくは伯爵夫人とご子息のお相手をすることになりまして。
その様子を眺めつつ、伯爵さまがヨロヨロと部屋から出て行ったのは見なかったことにしておきますね。
ええ、お知り合い価格で提供させていただきます。
それではさっそく、家宰のローズマリーさんの待つ馬車へと移動するために宿から出たとき。
私たちが動き始めるのを見計らっていたのか、外で待っていたらしい男たちが近寄ってきました。
見た目は身ぎれいな格好の商人のようにも見えますが、腰につけている帯剣用のベルトと少し大ぶりなナイフ、それになんとなくですが目がいやらしく感じます。
私の方を見てこんな雰囲気を醸し出しているのですから、横に立つノワールさんが小声で『クリスティナ様にそんないやらしい視線を向けて、こいつらバラしてもいいですよね』とかブツブツと呟いているのですよ。
「クリスティナ・フェイールさんですね。シャトレーゼ伯爵の使いで参りました。昨日のとある商会への侮辱行為について、色々とお話を伺わせていただきたいので同行願います」
努めて冷静に告げている男性。
その左右の男たちについては、いつでも動けるようと少し腰を低くしています。
さて。
あなたたちのすぐ後ろの馬車は、そのシャトレーゼ伯爵の使いの方の馬車なのですけれど、これってつまり、伯爵の名を語って私を連れていこうという魂胆ですよね。
ほら、その証拠に馬車の窓からローズマリーさんが顔を見せていますし、何かをつぶやいています。
「クリスティナ様、今しがた、ローズマリーさんから許可を得ました」
「ということなので、この偽物たちをとっ捕まえて構わないな?」
私にだけ聞こえるように小さい声で呟く二人。
はぁ、私にも、ローズマリーさんが嬉しそうにサムズアップしている姿が見えますよ。
それってつまり、伯爵家からの許可が出たということで構わないのですよね。
「お断りします。なぜ、私たちが同行する必要があるのでしょうか。もしも私に直接話がしたいというのでしたら……そうですね。せめて伯爵家家宰であるブラットベリーさんが迎えにくる程度でなくては話になりません」
きっぱりと告げます。
ええ、そんな家宰なんていませんよ。
「誠に申し訳ありません、家宰であるブラットベリーは所用で外に出かけて居まして。私どもが代理ということでやってきました。こちらとしてもあまりことを荒立てたくないので、どうぞこちらへ」
そう男が告げると同時に、左右の男たちが前に出ましたので。
「シャトレーゼ伯爵家の使いを名乗る無頼漢についていくようなことはありません。そもそもブラットベリーなどという家宰は存在しませんよ!!」
「ちっ」
堂々と大きな声で叫びましたよ。
すると舌打ちをした瞬間に、男たちが私を捕まえようと前に出てきて……。
──ドサドサッ
はい、膝から崩れ落ちました。
ノワールさんとクリムゾンさんが勇者語録にある『電光石火』という速さで二人の男たちに接敵し、幻とも呼べる超人的な速度で拳を叩き込みましたよ。
腹部に深々とつき込まれたノワールさんの拳と、同じく踏み込んでからの肘撃ちで相手の鳩尾をえぐるクリムゾンさん。
一瞬で意識を刈り取られた二人の無頼漢はその場に倒れ、ノワールさんが足で踏みつけています。
「それで、二人はこの通りですがどうしますか?」
──カチャッ
私の言葉と同時に馬車の扉が開き、ローズマリーさんが出てきます。
「ち、畜生!!」
慌てて振り向くリーダー格のような男。
そして素早くローズマリーさんが降りてきた馬車に目を付けると、その御者台に向かって走って……行く前にローズマリーさんに腕を取られ、そして地面に顔面から叩きつけられました。
──ドゴォッ
「うん、悪は滅びるというかなんというか。そんなかんじですね。ローズマリーさん、御怪我はありませんか?」
「大丈夫です。シャトレーゼ伯爵家で家宰として勤める以上、この手の輩など素手で取り押さえられなくてはなりませんから。今、警吏の騎士たちに突き出しますので、しばしお待ちください」
そう告げてから、懐から小さな笛を取り出して高らかに鳴らしています。
そしてやや少ししてから騎士たちが集まってくると、3人の暴漢は騎士たちに突き出されました。
「伯爵家の使いを名乗り御館様の大切な来客を攫おうとした輩です。しっかりと裏を取ったのち、極刑にてお願いします」
「畏まりました。屋敷までの護衛は必要でしょうか」
「それには及びません。なお、この件で手心を与えることはシャトレーゼ伯爵さまは快く思いませんので、それなりの対応をお願いします」
ビシッと指示をだしてのち、ローズマリーさんが私たちのところへやってきます。
「それではクリスティナさま、ノワール様、クリムゾンさま、こちらへどうぞ」
「ありがとうございます」
「食後の運動にもなりませんでしたね」
「うむ、爪が甘いというか運が悪かったというか……」
「まあまあ、全員無事でしたので結果オーライっていうやつですよ、勇者語録にもあるじゃないですか」
ということで、そのまま馬車に乗って伯爵邸まで移動。
そのままあっという間に応接室まで案内されると、シャトレーゼ伯爵とその奥様、そして金髪イケメンの男性が室内に入ってきました。
………
……
…
「これはこれはクリスティナ・フェイール嬢、お久しぶりです。本日は無理を言ってきていただいて申し訳ない」
「大丈夫です、こちらとしても領都を出る前にご挨拶に伺おうかと思っていましたので。それで、なにか火急の用事があるとかでけれど、なにかあったのでしょうか? ある程度はローズマリーさんから伺っていますけれど、細かい部分につきましては伯爵さまに伺った方が良いかと思いますので」
これはローズマリーさんから聞いた話の確認をかねて。
そして私の言葉の意味がしっかりと伝わったのか、伯爵がひとつひとつ丁寧に説明を始めてくれました。
「まあ、説明もなにも、来月の頭に行われる息子ガトーと、隣国のエリー・マクガイア嬢との結婚に行って、実は頼みごとがあったのだが」
「はい。それではフェイール商店として、詳しいお話を伺わせていただきます」
「実は、異世界での結婚式について王城の勇者たちに話を伺ったのだが。おおよその流れは同じであったのだが、一部は違っていてな……そこにガトーが興味を持ってしまったらしく、それを再現できないものかと相談をされてしまったのだよ」
私たちの世界でいう結婚式は、主に教会にで執り行われます。
国の主神に誓いを立て、婚姻の証である指輪を交換。司祭様の祝詞が挙げられたのち、二人が幸せになることを契約の精霊エンゲイジさまに誓います。
そののち聖歌を皆が歌い、その中を結婚した夫婦が教会の外へと向かって歩いていく。
ええ、私も何度か、この結婚式についていったので間違いはありません。
そして結婚式のあとは両家の見え張り合戦の開始、教会外での立食パーティーが始まります。
それはもう盛大に、この結婚式でしか味わえないような料理が盛りだくさん。
これも貴族として、自分の家格を示す行為であり、このために散財した挙句、当分は根菜の塩スープのみという生活を送っている貴族もいたそうで。
「……というのが一般的ですよね。では、異世界風というのはどのような感じでしょうか」
「おおよそは同じであるらしいが、なんでも新婦を彩るのはシルクのホワイトドレスだそうだ。あとは我々と同じような感じらしいが、楽団に曲を披露してもらい歌を歌ったり、一芸に秀でているものが芸を披露したりというのも聞いたな」
「それと料理ですわ。ええ、やはり異世界の料理をぜひとも並べたいのです」
「あとは、そう、結婚式に参列した皆さんにお土産を持たせるとかで……そのお土産の質によって、家格を表しているとも言われているそうですが」
「なるほど、初めて聞いたことばかりです」
これは、もう少し踏み込んだ知識が必要です。
【型録通販のシャーリィ】に、結婚式ついて説明されてる本がないかどうか調べる必要があります。
それと、料理とドレスと引き出物ですか。
ちょうど6月の特集コーナーに【ジューンブライト】について記されているページがありましたし、これが『幸せになれる6月の結婚』という意味も理解しています。
「では、一日お時間を頂いてよろしいでしょうか。こちらとしても色々と調べる必要がありますので」
「それは構わない。いや、一日で済むというのなら助かる。こちらとしても、あらかじめ用意するものなどが分からば、それに合わせて予算を組みなおす必要があるかもしれないからな」
はい、そう呟いているシャトレーゼ伯爵の顔色はあまりよくありません。
昨年のお嬢様のデビュタントでも、予定以上に出費がかさんだらしいので。
「畏まりました。それでは一旦、宿に戻って色々と調べることにします」
「ああ、フェイールさんの宿泊している宿については、こちらからも護衛を付けるようにしておくので。まさか伯爵家を語る愚か者が出て来るとは思っていなかったからな」
「ありがとうございます。では、本日はこれで失礼……」
そう告げた時、伯爵夫人が私の手を取って目で何かを訴えています。
「今日は、異世界の装飾品は持ってきていないのかしら?」
「ええ……あの、ガトーさまの結婚式で出費がかさむのですよね?」
「それとこれとは話が別ですわ。ほら、二つの家の婚姻というのは、いわば見栄の張り合いって言われているのはフェイールさんもご存じですわよね?」
「はあ、さようですか、そうですね……」
ということで、いましばらくは伯爵夫人とご子息のお相手をすることになりまして。
その様子を眺めつつ、伯爵さまがヨロヨロと部屋から出て行ったのは見なかったことにしておきますね。
ええ、お知り合い価格で提供させていただきます。
14
お気に入りに追加
5,327
あなたにおすすめの小説
断罪魔嬢・ザ・ダークヒーロー ~破滅のさだめの令嬢は黒き魔鎧で無双する〜
草葉ノカゲ
ファンタジー
「さあ、仮面舞踏会のはじまりよ──!」
紅き鎧の帝国兵たちに、彼女は言い放っていた。
──没落しかけの侯爵家、令嬢エリシャはわがままで、誰にも心を開かない。しかも魔力は最低ランク。
そんな彼女に目覚めた記憶。特撮オタクOLの現世知識で気づくのだ。このまま行きつく運命は、『悪役令嬢』としての破滅だと。
オタ活で磨いた考察力と、ヒーローに学んだ不屈の精神で、彼女は運命を切り拓いてゆく。エリシャが秘めたる優しさと、輝く才を解き放つ。
侍女と聖女と、幼馴染みの三王子、そして帝国皇太子。頼れる仲間と宿敵と、交わる想いと出会いのなかで、ついに迎えた運命の日。
そこで彼女は命を散らす、はずだった。
式典を帝国が強襲し、紅き鎧の兵たちに取り囲まれても、彼女は凛と立ち上がる。
そして掲げた右の腕、黒き腕輪より溢れる炎!
包まれて、彼女がまとうは漆黒の、悪魔の如き魔装甲!
──これぞダークヒーローの姿、世界の理にさえ抗う力!
怒涛の異世界トクサツ英雄譚、ここに開宴!
(他サイト並行掲載中)
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
かつて私のお母様に婚約破棄を突き付けた国王陛下が倅と婚約して後ろ盾になれと脅してきました
お好み焼き
恋愛
私のお母様は学生時代に婚約破棄されました。当時王太子だった現国王陛下にです。その国王陛下が「リザベリーナ嬢。余の倅と婚約して後ろ盾になれ。これは王命である」と私に圧をかけてきました。
(完結)私の夫は死にました(全3話)
青空一夏
恋愛
夫が新しく始める事業の資金を借りに出かけた直後に行方不明となり、市井の治安が悪い裏通りで夫が乗っていた馬車が発見される。おびただしい血痕があり、盗賊に襲われたのだろうと判断された。1年後に失踪宣告がなされ死んだものと見なされたが、多数の債権者が押し寄せる。
私は莫大な借金を背負い、給料が高いガラス工房の仕事についた。それでも返し切れず夜中は定食屋で調理補助の仕事まで始める。半年後過労で倒れた私に従兄弟が手を差し伸べてくれた。
ところがある日、夫とそっくりな男を見かけてしまい・・・・・・
R15ざまぁ。因果応報。ゆるふわ設定ご都合主義です。全3話。お話しの長さに偏りがあるかもしれません。
伯爵夫人のお気に入り
つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。
転生特典:錬金術師スキルを習得しました!
Lunaire
ファンタジー
ブラック企業で働く平凡なサラリーマン・佐藤優馬は、ある日突然異世界に転生する。
目を覚ますと、そこは見知らぬ森の中。彼に与えられたのは、「錬金術師」としてのスキルと、手持ちのレシピブック。
素材を組み合わせてアイテムを作る能力を持った優馬は、錬金術を駆使して日々の生活を切り開いていく。
そんな彼のもとに集まったのは、精霊の力を持つエルフの少女・リリア、白くフワフワの毛並みを持つ精霊獣・コハク。彼らは王都を拠点にしながら、異世界に潜む脅威と向き合い、冒険と日常を繰り返す。
精霊の力を狙う謎の勢力、そして自然に異変をもたらす黒い霧の存在――。異世界の危機に立ち向かう中で、仲間との絆と友情を深めていく優馬たちは、過酷な試練を乗り越え、少しずつ成長していく。
彼らの日々は、精霊と対話し、魔物と戦う激しい冒険ばかりではない。旅の合間には、仲間と共に料理を楽しんだり、王都の市場を散策して珍しい食材を見つけたりと、ほのぼのとした時間も大切にしている。美味しいご飯を囲むひととき、精霊たちと心を通わせる瞬間――その一つ一つが、彼らの力の源になる。
錬金術と精霊魔法が織りなす異世界冒険ファンタジー。戦いと日常が交錯する物語の中で、優馬たちはどんな未来を掴むのか。
他作品の詳細はこちら:
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
前世で家族に恵まれなかった俺、今世では優しい家族に囲まれる 俺だけが使える氷魔法で異世界無双
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
家族や恋人もいなく、孤独に過ごしていた俺は、ある日自宅で倒れ、気がつくと異世界転生をしていた。
神からの定番の啓示などもなく、戸惑いながらも優しい家族の元で過ごせたのは良かったが……。
どうやら、食料事情がよくないらしい。
俺自身が美味しいものを食べたいし、大事な家族のために何とかしないと!
そう思ったアレスは、あの手この手を使って行動を開始するのだった。
これは孤独だった者が家族のために奮闘したり、時に冒険に出たり、飯テロしたり、もふもふしたりと……ある意味で好き勝手に生きる物語。
しかし、それが意味するところは……。
私の婚約者には、それはそれは大切な幼馴染がいる
下菊みこと
恋愛
絶対に浮気と言えるかは微妙だけど、他者から見てもこれはないわと断言できる婚約者の態度にいい加減決断をしたお話。もちろんざまぁ有り。
ロザリアの婚約者には大切な大切な幼馴染がいる。その幼馴染ばかりを優先する婚約者に、ロザリアはある決心をして証拠を固めていた。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。