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第4章・北方諸国漫遊と、契約の精霊と
第205話・バザールがおわったでござーる
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魔族の侵攻を指ししてから、すでに一週間。
この間、色々なことが起こりました。
なんといっても、救国の英雄と歌われているタイタン族のクリムゾンに一目会いたいという貴族が殺到し、避難してきた人々に無償で配布された『貴族ご用達といっても過言ではない肌ざわりの毛布』を求めて買い物客が殺到。
炊き出しの味が忘れられず、ここに来たら食べられるのかという問い合わせもあったり、死者を弔うお香とキャンドルの取り扱いはないのかという人々もいらっしゃって。
そして当然ながら、フェイール商店が『王室ご用達商人』としての許可を貰ったことから、多くの商会がフェイール商店を傘下に加えようと画策したり。
また、一部貴族の方々は相変わらずエセリアル馬車を求めてやってきますが、この国の貴族は私たちに対して手出し無用という指示をうけているらしく、その手のちょっかいはかけてこないようにしているとか。
つまり、面倒くさい交渉をしてくる方々は他国のギルドだそうですから、謹んでお断りを入れて無視する方向で話は終わっていますし、他の商会の傘下に加われという件についても、商業ギルドを通じて丁寧にお断りしますと告知してもらっています。
そんなこんなで、精霊の祠への街道の安全が無事に確認され、私たちはようやく契約の精霊との話し合いに向かえるようになりました。
大バザールの契約については今日で終了しますという連絡も行いましたので、あとは荷物をまとめて出発に相成りました。
「クリスティナさま、これで二階の荷物の纏めもすべて終了です」
「クリスっち、カウンターの荷物も箱詰めしてアイテムボックスに収めておいたし」
「馬車の準備も出来ておるぞ、これで全て終了じゃな」
「はい。長かったよような短かったような……でも、楽しいバザーでした」
ちょうど商業ギルドの物件管理を行っている方が様子を見にやって来たので、そのまま鍵をお渡しします。
「はい、確かにお預かりしました。あと、この場所をについては、フェイール商店専用として開けておきますので、いつでも戻ってきて構いませんので」
ニッカリとほほ笑みつつ、管理担当の方がカギを受け取ってから書類を私に差し出します。
はて、何がどうしてそんなことになったのでしょうか?
「それはどういうことですか?」
「王宮から、この場所はフェイール商店用に貸し出すようにって連絡が届いたのですよ。残念なことにフェイール商店はわが国の商会ではないため、権利譲渡は行うことが出来ません。ですから、この場所をフェイール商店専用として王宮が借り受けることになりました。いつでも商業ギルドにいらしてくれれば、鍵はすぐにお渡ししますので」
「……はい、ありがとうございます」
ああっ、ここにもちょくちょく来ないとならなくなりましたよ。
まだまだ、やらなくてはならないことが山のようにあるのですけれど。
「クリスっち~、いつでも馬車を出せるし」
「あ、今行きますね……それではありがとうございました」
「いえいえ、それではまたのお越しをお待ちしています」
担当の方との挨拶も完了。
そして御者台にはクリムゾンさんが付き、いよいよロッコウ山脈東部中腹にある精霊の祠へ。
山道を登らないとならないため、だいたい3日ほどの行程となるそうですが。
この馬車なら、どこででも停車できますし柚月さん曰くの三食昼寝付き……バストイレ完備だそうですので安心して旅を再開することが出来ます。
「本当、あーしもこの馬車欲しいし。確かあーしの国でも、馬車を走らせるのには免許はいらない筈だし」
「免許? 異世界って馬車を操るのに資格がいるのですか?」
「そーだし。しかも大きさによっていろいろと種類があって細かく区分されているし。ちなみにあーしは資格を持っていないけれど、馬車はどうだったかな?」
「へぇ。異世界って楽しそうですよね。いつか、行ってみたいなぁ……」
「ん? いけると思うし。【型録通販のシャーリィ】の旅行券で、確か来れるはずだし?」
ああっ、そうでした。
旅行券というものがありましたよ。
「ちょ、ちょっと確認してみますね。最近は毛布とか食料品とか調味料関係ばっかりだったので、新しい型録についても確認していませんでしたよ」
「この前、ペルソナっちが4月分の型録をもってきて……あ」
そこまで話して、柚月さんが何かを思い出しています。
「んんん? 何かあったのですか?」
「んー。いや、ちょっと勘違いしただけだし。話しを戻すけれど、4月の特集はなにがあるし?」
「追加されたものは【入学・進学セール】ですね。あとは、【一つ上のお取り寄せ】フェアというものもやっていますが……あ、旅行券もありましたよ。伊豆諸島6泊8日の旅とか、沖縄漫遊5日間とか。イズ諸島は多分島の名前ですよね? オキナワは地名ですか?」
「うん。あーしのうちからは伊豆諸島が近い……って、近くないし。同じ東京なだけで、海の向こうだし。沖縄はまあ、あーしのおばぁの住んでいるところが近いし。どっちもいい場所だし」
へぇ。
今度、みなさんで行ってみたいですね。
異世界旅行が楽しめるなんて、普通では考えられませんからね。
「確か、異世界では社畜旅行というのがあるのですよね? 年に一度か二度、会社の皆さんで旅行して上司の方にお酒を注いだりセクハラされたりとか。お酒を注ぐというのはエルフの風習でもありますのでわかりますが、セクハラというのはどのようなことをされるのですか?」
「んんん? 勇者語録にはセクハラはないし?」
「あるのはパワハラというやつですよ。貴族が市井の人々に行うことで、権力をかさに着てやりたい放題なことをするのがパワハラですよね?」
そう問いかけますと柚月さんが腕を組んで考え込んでいます。
「んんん……あっているといえばあっているし。違うのは上司が部下に行うっていうことだし。セクハラはまあ、こんど説明するし」
「はい。それでは楽しみにしていますね」
「あはは~。まあ、のんびりと待つし」
そんな感じで型録の新商品をチョイスしたり、定番商品の追加発注を行ったりと、楽しい三日間を過ごしていました。
ちなみに納品は毎朝、クラウンさんが届けに来てくれました。
夕方の当日配達を急ぐほどのことはありませんし、道中に村落もありませんでしたから。
ただ、この精霊の祠へと続く街道は、本来は中腹を回って北方の集落へと向かうためのものだそうで、そちらへ交易に向かう馬車や、そちらからやってくる商人の姿もちらほらと見えています。
この街道を途中から頂上の方へと道をされて進んだ先に、精霊の祠があるそうで。
王都マツダズームを出てから3日後。
私たちは無事に、精霊の祠と呼ばれている洞窟へとたどり着くことが出来ました。
周囲を深い森に包まれ、さらに精霊魔法による『認識阻害』と『永遠の迷宮』という二つの魔法によって隠されている洞窟。
人が近寄った形跡もなく、本当に隠された場所であるというのがよく分かります。
「……クリスティナさま。それでは参ります」
「はい、先行をお願いします」
「あーしはクリスっちの横を歩いていくし。クリムっちは後ろを見張ってくれると助かるし」
「まあ、何もついてきてはおらんからなぁ……」
そのまま、周囲に気を付けて洞窟の中へ。
どれだけ奥に向かうのかとドキドキしていましたら、一歩踏み込んだ瞬間に周囲の風景がスーーッと変わっていきました。
「うわぁ……」
なだらかな丘陵地帯。
そこにある祠から出てくると、目の前には紫色の花が咲き乱れる草原が広がっています。
そしてそこの丘陵を下った先に、小さな町が見えています。
「これが、精霊の祠の中……」
「正確には、精霊界の東方の森の近く、エンゲージたちの管理する領都じゃよ。そこに見えるのが、契約の精霊であるエンゲージたちの住む町じゃな」
「へぇ……凄い……それに心なしか、空気がおいしいです。なんていうか、スーッとしていて甘いような、なんていうのかな」
「精霊力が充満していますからね。この世界の精霊人は、この精霊力が満ちた大気の中でしか生きられません。まあ、何事にも例外はありますけれど」
そういえば、確かペルソナさんがマスクを着けて顔を隠しているのも、私たちの世界では精霊力が薄いからとか、そんな話を聞いたことがあったような気がします。
「よっし、とっとクリスっちの契約を破棄して貰って、ハーバリオスに帰るし!!」
「そうですね……でも、このあとは東部のハマスタ王国まで足を伸ばしてみたいと思いますけれど」
「んんん。まあ、しばらくクリスっちもオーウェンとかいうところに戻っていないから、一度戻って元気に顔を見せてあげてもいいとおもうし」
確かに。
たまに指定配達で商品を届けてはもらっていますけれど、顔も出した方がいいですよね。
「それでは、契約の解除が出来たら、一度ハーバリオスに戻りましょう!!」
それじゃあ、まずは町まで向かうことにしますか。
この間、色々なことが起こりました。
なんといっても、救国の英雄と歌われているタイタン族のクリムゾンに一目会いたいという貴族が殺到し、避難してきた人々に無償で配布された『貴族ご用達といっても過言ではない肌ざわりの毛布』を求めて買い物客が殺到。
炊き出しの味が忘れられず、ここに来たら食べられるのかという問い合わせもあったり、死者を弔うお香とキャンドルの取り扱いはないのかという人々もいらっしゃって。
そして当然ながら、フェイール商店が『王室ご用達商人』としての許可を貰ったことから、多くの商会がフェイール商店を傘下に加えようと画策したり。
また、一部貴族の方々は相変わらずエセリアル馬車を求めてやってきますが、この国の貴族は私たちに対して手出し無用という指示をうけているらしく、その手のちょっかいはかけてこないようにしているとか。
つまり、面倒くさい交渉をしてくる方々は他国のギルドだそうですから、謹んでお断りを入れて無視する方向で話は終わっていますし、他の商会の傘下に加われという件についても、商業ギルドを通じて丁寧にお断りしますと告知してもらっています。
そんなこんなで、精霊の祠への街道の安全が無事に確認され、私たちはようやく契約の精霊との話し合いに向かえるようになりました。
大バザールの契約については今日で終了しますという連絡も行いましたので、あとは荷物をまとめて出発に相成りました。
「クリスティナさま、これで二階の荷物の纏めもすべて終了です」
「クリスっち、カウンターの荷物も箱詰めしてアイテムボックスに収めておいたし」
「馬車の準備も出来ておるぞ、これで全て終了じゃな」
「はい。長かったよような短かったような……でも、楽しいバザーでした」
ちょうど商業ギルドの物件管理を行っている方が様子を見にやって来たので、そのまま鍵をお渡しします。
「はい、確かにお預かりしました。あと、この場所をについては、フェイール商店専用として開けておきますので、いつでも戻ってきて構いませんので」
ニッカリとほほ笑みつつ、管理担当の方がカギを受け取ってから書類を私に差し出します。
はて、何がどうしてそんなことになったのでしょうか?
「それはどういうことですか?」
「王宮から、この場所はフェイール商店用に貸し出すようにって連絡が届いたのですよ。残念なことにフェイール商店はわが国の商会ではないため、権利譲渡は行うことが出来ません。ですから、この場所をフェイール商店専用として王宮が借り受けることになりました。いつでも商業ギルドにいらしてくれれば、鍵はすぐにお渡ししますので」
「……はい、ありがとうございます」
ああっ、ここにもちょくちょく来ないとならなくなりましたよ。
まだまだ、やらなくてはならないことが山のようにあるのですけれど。
「クリスっち~、いつでも馬車を出せるし」
「あ、今行きますね……それではありがとうございました」
「いえいえ、それではまたのお越しをお待ちしています」
担当の方との挨拶も完了。
そして御者台にはクリムゾンさんが付き、いよいよロッコウ山脈東部中腹にある精霊の祠へ。
山道を登らないとならないため、だいたい3日ほどの行程となるそうですが。
この馬車なら、どこででも停車できますし柚月さん曰くの三食昼寝付き……バストイレ完備だそうですので安心して旅を再開することが出来ます。
「本当、あーしもこの馬車欲しいし。確かあーしの国でも、馬車を走らせるのには免許はいらない筈だし」
「免許? 異世界って馬車を操るのに資格がいるのですか?」
「そーだし。しかも大きさによっていろいろと種類があって細かく区分されているし。ちなみにあーしは資格を持っていないけれど、馬車はどうだったかな?」
「へぇ。異世界って楽しそうですよね。いつか、行ってみたいなぁ……」
「ん? いけると思うし。【型録通販のシャーリィ】の旅行券で、確か来れるはずだし?」
ああっ、そうでした。
旅行券というものがありましたよ。
「ちょ、ちょっと確認してみますね。最近は毛布とか食料品とか調味料関係ばっかりだったので、新しい型録についても確認していませんでしたよ」
「この前、ペルソナっちが4月分の型録をもってきて……あ」
そこまで話して、柚月さんが何かを思い出しています。
「んんん? 何かあったのですか?」
「んー。いや、ちょっと勘違いしただけだし。話しを戻すけれど、4月の特集はなにがあるし?」
「追加されたものは【入学・進学セール】ですね。あとは、【一つ上のお取り寄せ】フェアというものもやっていますが……あ、旅行券もありましたよ。伊豆諸島6泊8日の旅とか、沖縄漫遊5日間とか。イズ諸島は多分島の名前ですよね? オキナワは地名ですか?」
「うん。あーしのうちからは伊豆諸島が近い……って、近くないし。同じ東京なだけで、海の向こうだし。沖縄はまあ、あーしのおばぁの住んでいるところが近いし。どっちもいい場所だし」
へぇ。
今度、みなさんで行ってみたいですね。
異世界旅行が楽しめるなんて、普通では考えられませんからね。
「確か、異世界では社畜旅行というのがあるのですよね? 年に一度か二度、会社の皆さんで旅行して上司の方にお酒を注いだりセクハラされたりとか。お酒を注ぐというのはエルフの風習でもありますのでわかりますが、セクハラというのはどのようなことをされるのですか?」
「んんん? 勇者語録にはセクハラはないし?」
「あるのはパワハラというやつですよ。貴族が市井の人々に行うことで、権力をかさに着てやりたい放題なことをするのがパワハラですよね?」
そう問いかけますと柚月さんが腕を組んで考え込んでいます。
「んんん……あっているといえばあっているし。違うのは上司が部下に行うっていうことだし。セクハラはまあ、こんど説明するし」
「はい。それでは楽しみにしていますね」
「あはは~。まあ、のんびりと待つし」
そんな感じで型録の新商品をチョイスしたり、定番商品の追加発注を行ったりと、楽しい三日間を過ごしていました。
ちなみに納品は毎朝、クラウンさんが届けに来てくれました。
夕方の当日配達を急ぐほどのことはありませんし、道中に村落もありませんでしたから。
ただ、この精霊の祠へと続く街道は、本来は中腹を回って北方の集落へと向かうためのものだそうで、そちらへ交易に向かう馬車や、そちらからやってくる商人の姿もちらほらと見えています。
この街道を途中から頂上の方へと道をされて進んだ先に、精霊の祠があるそうで。
王都マツダズームを出てから3日後。
私たちは無事に、精霊の祠と呼ばれている洞窟へとたどり着くことが出来ました。
周囲を深い森に包まれ、さらに精霊魔法による『認識阻害』と『永遠の迷宮』という二つの魔法によって隠されている洞窟。
人が近寄った形跡もなく、本当に隠された場所であるというのがよく分かります。
「……クリスティナさま。それでは参ります」
「はい、先行をお願いします」
「あーしはクリスっちの横を歩いていくし。クリムっちは後ろを見張ってくれると助かるし」
「まあ、何もついてきてはおらんからなぁ……」
そのまま、周囲に気を付けて洞窟の中へ。
どれだけ奥に向かうのかとドキドキしていましたら、一歩踏み込んだ瞬間に周囲の風景がスーーッと変わっていきました。
「うわぁ……」
なだらかな丘陵地帯。
そこにある祠から出てくると、目の前には紫色の花が咲き乱れる草原が広がっています。
そしてそこの丘陵を下った先に、小さな町が見えています。
「これが、精霊の祠の中……」
「正確には、精霊界の東方の森の近く、エンゲージたちの管理する領都じゃよ。そこに見えるのが、契約の精霊であるエンゲージたちの住む町じゃな」
「へぇ……凄い……それに心なしか、空気がおいしいです。なんていうか、スーッとしていて甘いような、なんていうのかな」
「精霊力が充満していますからね。この世界の精霊人は、この精霊力が満ちた大気の中でしか生きられません。まあ、何事にも例外はありますけれど」
そういえば、確かペルソナさんがマスクを着けて顔を隠しているのも、私たちの世界では精霊力が薄いからとか、そんな話を聞いたことがあったような気がします。
「よっし、とっとクリスっちの契約を破棄して貰って、ハーバリオスに帰るし!!」
「そうですね……でも、このあとは東部のハマスタ王国まで足を伸ばしてみたいと思いますけれど」
「んんん。まあ、しばらくクリスっちもオーウェンとかいうところに戻っていないから、一度戻って元気に顔を見せてあげてもいいとおもうし」
確かに。
たまに指定配達で商品を届けてはもらっていますけれど、顔も出した方がいいですよね。
「それでは、契約の解除が出来たら、一度ハーバリオスに戻りましょう!!」
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