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第4章・北方諸国漫遊と、契約の精霊と
第182話・貴族に会ってみよう
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無事にバレンタインという異世界のイベントを終え。
私たちを乗せた馬車はロシマカープ王国王都へと向かっていました。
道中は色々な問題もありましたけれど、予定通りに一週間後には無事にロシマカープ王国王都のマツダズームへ到着しました。
ええ、途中いくつかの国を中継して、道なき道をひたすら走り続ける日々。
アイテムボックス内の整理をしているとバレンタインの時に箱に入れるはずだったメッセージカードが出てきた挙句、私にとっては禁句でもある告白メッセージの書き込んだカードがなくなっていたり、まさか柚月さんのたくらみかと疑いそうになりましたけれど私のアイテムボックスから出てきたので私のミスであったことが発覚したり。
穴があったら入りたいです、穴を掘らせてください。
花咲く乙女は庭に出て、一生懸命穴を掘らないとならないのですよ……。
「はわわわ……こ、この次にベルソナさんに会ったら、どんな顔で対応したらよいのですか……」
「にしし……朝便でクラウンさんに配達を依頼するといいし。そのうちほとぼりが冷めるから、それまでの辛抱だし」
「はふぅ……そうですよね。ま、まあ、仕事としての付き合いはまた別ですから、少しだけ様子を見てからまたいつものように接すればいいのですよね」
そうです、一流の商人たるもの、仕事とプライベートは切り分けなくてはなりません。
そんなことを柚月さんと話しつつ、馬車はエセリアルモードを解除して王都正門で入国手続きを。
商業ギルド発行の身分証がありますので、入国税を人数分収めたのち、どうどうと正門を通過。
――フワァァァァァッ
正門から中は、街道沿いに真っ赤なレンガの建物が立ち並んでいます。
その赤い色に降り積もる白い雪。
そして通りを彩る、様々な色彩の飾り旗や馬車の数々。
まさに、ヤジーマ連邦王国最大の王国にして、商業の中心地。
道行く人たちも、それはもう笑顔に満ち溢れていましたよ。
「さてと。それじゃあ、さっそくだけれど商業ギルドに向かってもらえるかしら? 先に大バザールの店舗状況の確認と、仮押さえだけでもしておきたいからね」
「仮押さえって、そのようなことができるのですか?」
「う~ん、ダメもとでお願いしてみるわ。この王都にもボリマクール商会の支店はあるから、まあ、他の国よりもかなり小さいけれど、それなりに顔は利くから安心なさい」
「はい。よろしくお願いします」
そのまま町の景色を眺めっつ、馬車は一路、商業ギルドへ。
正門からじつに20分ほど走った先、商業区と呼ばれる区画の真ん中に、巨大な商業ギルドの建物がありました。
そして馬車を出て、そのままエセリアルモードにして指輪の中に格納しますと、ボリマクールさんに案内されるがままにギルドの中へと向かいます。
「これは、ボリマクールさま。ご無沙汰しています」
「ええ。本当に久しぶりね。年に一度ぐらいしかここには来られないから、私の顔なんて忘れられちゃったと思っていたわよ」
「あはは。私たちがボリマクールさまを忘れるはずがないじゃないですか。それで、本日はどのような商品をお持ちになっていただけたのでしょうか」
「いえいえ、今日来たのはね。大バザールに彼女の商店を出してほしいと思ってね。それで、場所の仮押さえは効くかしら? 一応、キヌガッサのギルドマスターの紹介状は持ってきているし、この後はイマイ子爵のところに向かって、正式な紹介状も書いてもらう予定なのよ」
淡々とギルドカウンターで話を進めるボリマクールさん。
私のような小娘の言葉だと、信頼度はなかったかもしれません。
けれど、ボリマクールさんが話を進めていていくるので、本当に助かります。
「フェイールさん、ギルドカードと紹介状を出してもらえるかしら?」
「はい、こちらがわたくしの、フェイール商店の登録証です。そしてこちらが、キヌガッサ王国のギルドマスターの紹介状です」
「はい。それでは確認のため、少々お時間をいただきます」
臆することなく、どうどうと受付の方に登録証と紹介状をお渡しします。
すると、それを持ってカウンターを離れていきました。
「さてと。それじゃあ後ろのテーブルで待っていることにしましょうかね。そこのテーブルは、商人同士が取引や雑談をするために解放されている場所なのよ。それで、話がある程度まとまりそうになったら、二階の個室に移るっていうわけ……ささ、柚月さんもノワールさんも、一緒にお茶でもしましょう」
「了解だし……それにしても本当に大きい場所だし。高校の校舎ぐらいあるし、でも、外見的には体育館だし」
「よく分かりませんが、とにかく大きいということですね。さ、クリスティナさまもこちらへ」
「は、はい」
もう、なにもかも規模が大きすぎて、どうしたものかと。
でも、建物の大きさについてはパルフェノンの商業ギルドよりも大きいのは事実です。
まさかこれほどのものとは思っていませんでしたよ。
「それじゃあ、私がお茶を用意するので、クリスティナさんはお茶菓子をなにか見繕ってくれるかしら? お金は払うから、おいしいものをお願いね……」
そう告げてから、ボリマクールさんが席を立って、どこかに行ってしまいました。
「おいしいものを見繕うといわれましても……ノワールさん、このあたりの王国でよく飲まれているものは、ハーブティーでしょうか?」
「いえ、このあたりではハーブはそれほど育たないのですよ。他の王国よりも高地であること、夏季と冬季の寒暖差が激しいこと、そして雪に強いハーブは殆ど存在しないということですので。このヤジーマ連邦あたりですと、よく飲まれますのはコルフィですね。蜂蜜と山斑牛のミルクを混ぜるのが普通です」
「うん、聞いているだけで口の中が甘くなりそうなので、さっぱりとしたお茶菓子を……買い置きにありましたかどうか、怪しいところですけど……と、これかな?」
アイテムボックスから取り出しましたのは、全国取り寄せグルメのページで見かけた、【マカロンラスク】という食べ物です。
赤、白、黄色、こげ茶いろ、緑色とから不利な色合いの菓子でして、定番商品としていつでも帰るようになっているのですよ。
まあ、効果であること、甘くておいしてけれど腹持ちが良くないこと、そしてなによりも小さすぎで満足するには量を食べないとならないということで、実は結構在庫が多かったりします。
今取り出したのも、小さな箱に12個だけ入っていて、銀貨二枚ですからね。
「あ、銀座デリーユのマカロンラスクだし。へえ、こんなものもあったのか」
「ええ。結構前にまとめて買ったのですが、高くて少量なので人気がなかったのですよ。ということで、ここは奮発して出してみました」
「お待たせしました……って、あら、ずいぶんときれいなお菓子ね。これもフェイール商店の取り扱い商品なのかしら?」
「はい。在庫が結構だぶついていますので、融通できますよ」
「それじゃあ、少しだけティータイムを楽しむことにしましょう」
ボリマクールさんが持ってきてくれた甘いコルフィと、私が用意したマカロンクッキー。
これがまた、絶妙においしくてですね、相性も抜群です。
一箱12個入だったのに、気が付くと二はコメに手が伸びていました。
そして私たちのティーパーティーに気が付いた商人さんたちが、興味深々でこちらを見始めた時。
「フェイール商店のクリスティナさま。ボリマクール商会のボリマクールさまギルドマスターがおよびですので、こちらへどうぞ」
「あら、早かったわね。それじゃあ行きましょうか」
「はい。ええっとここを片付けてから」
「大丈夫よ、職員さんが片付けてくれるわ。これも仕事だからね」
ちょうどやって来た職員さんに、ボリマクールさんが話しかけます。
すると、にっこりと笑って。
「ええ。ここは商人の皆さんがわずらわしさを忘れ、一息つくための場所でもあります。片づけは私たちが行いますので」
「はい……と、それじゃあ、こちらをどうぞ。あとで食べてください」
残ったマカロンクッキー6つを手渡して軽く頭を下げてから、私は先に歩いて行ったボリマクールさんの方に向かいました。そしてふと、ボリマクールさんが座っていたテーブルの前に銀貨が一枚、置いてあるのにも気が付きましたよ。
「心付けだし。うん、ボリマクールさんは、日本人の心を持っているし」
「うーんと。それって」
「やさしさというか、気配りができるひとだし。と、早くいくし」
そうそう、まずは大バザールの場所を借りるための話し合いですよ。
まずはスタートラインに立つところまで話を進めなくてはなりませんからね。
私たちを乗せた馬車はロシマカープ王国王都へと向かっていました。
道中は色々な問題もありましたけれど、予定通りに一週間後には無事にロシマカープ王国王都のマツダズームへ到着しました。
ええ、途中いくつかの国を中継して、道なき道をひたすら走り続ける日々。
アイテムボックス内の整理をしているとバレンタインの時に箱に入れるはずだったメッセージカードが出てきた挙句、私にとっては禁句でもある告白メッセージの書き込んだカードがなくなっていたり、まさか柚月さんのたくらみかと疑いそうになりましたけれど私のアイテムボックスから出てきたので私のミスであったことが発覚したり。
穴があったら入りたいです、穴を掘らせてください。
花咲く乙女は庭に出て、一生懸命穴を掘らないとならないのですよ……。
「はわわわ……こ、この次にベルソナさんに会ったら、どんな顔で対応したらよいのですか……」
「にしし……朝便でクラウンさんに配達を依頼するといいし。そのうちほとぼりが冷めるから、それまでの辛抱だし」
「はふぅ……そうですよね。ま、まあ、仕事としての付き合いはまた別ですから、少しだけ様子を見てからまたいつものように接すればいいのですよね」
そうです、一流の商人たるもの、仕事とプライベートは切り分けなくてはなりません。
そんなことを柚月さんと話しつつ、馬車はエセリアルモードを解除して王都正門で入国手続きを。
商業ギルド発行の身分証がありますので、入国税を人数分収めたのち、どうどうと正門を通過。
――フワァァァァァッ
正門から中は、街道沿いに真っ赤なレンガの建物が立ち並んでいます。
その赤い色に降り積もる白い雪。
そして通りを彩る、様々な色彩の飾り旗や馬車の数々。
まさに、ヤジーマ連邦王国最大の王国にして、商業の中心地。
道行く人たちも、それはもう笑顔に満ち溢れていましたよ。
「さてと。それじゃあ、さっそくだけれど商業ギルドに向かってもらえるかしら? 先に大バザールの店舗状況の確認と、仮押さえだけでもしておきたいからね」
「仮押さえって、そのようなことができるのですか?」
「う~ん、ダメもとでお願いしてみるわ。この王都にもボリマクール商会の支店はあるから、まあ、他の国よりもかなり小さいけれど、それなりに顔は利くから安心なさい」
「はい。よろしくお願いします」
そのまま町の景色を眺めっつ、馬車は一路、商業ギルドへ。
正門からじつに20分ほど走った先、商業区と呼ばれる区画の真ん中に、巨大な商業ギルドの建物がありました。
そして馬車を出て、そのままエセリアルモードにして指輪の中に格納しますと、ボリマクールさんに案内されるがままにギルドの中へと向かいます。
「これは、ボリマクールさま。ご無沙汰しています」
「ええ。本当に久しぶりね。年に一度ぐらいしかここには来られないから、私の顔なんて忘れられちゃったと思っていたわよ」
「あはは。私たちがボリマクールさまを忘れるはずがないじゃないですか。それで、本日はどのような商品をお持ちになっていただけたのでしょうか」
「いえいえ、今日来たのはね。大バザールに彼女の商店を出してほしいと思ってね。それで、場所の仮押さえは効くかしら? 一応、キヌガッサのギルドマスターの紹介状は持ってきているし、この後はイマイ子爵のところに向かって、正式な紹介状も書いてもらう予定なのよ」
淡々とギルドカウンターで話を進めるボリマクールさん。
私のような小娘の言葉だと、信頼度はなかったかもしれません。
けれど、ボリマクールさんが話を進めていていくるので、本当に助かります。
「フェイールさん、ギルドカードと紹介状を出してもらえるかしら?」
「はい、こちらがわたくしの、フェイール商店の登録証です。そしてこちらが、キヌガッサ王国のギルドマスターの紹介状です」
「はい。それでは確認のため、少々お時間をいただきます」
臆することなく、どうどうと受付の方に登録証と紹介状をお渡しします。
すると、それを持ってカウンターを離れていきました。
「さてと。それじゃあ後ろのテーブルで待っていることにしましょうかね。そこのテーブルは、商人同士が取引や雑談をするために解放されている場所なのよ。それで、話がある程度まとまりそうになったら、二階の個室に移るっていうわけ……ささ、柚月さんもノワールさんも、一緒にお茶でもしましょう」
「了解だし……それにしても本当に大きい場所だし。高校の校舎ぐらいあるし、でも、外見的には体育館だし」
「よく分かりませんが、とにかく大きいということですね。さ、クリスティナさまもこちらへ」
「は、はい」
もう、なにもかも規模が大きすぎて、どうしたものかと。
でも、建物の大きさについてはパルフェノンの商業ギルドよりも大きいのは事実です。
まさかこれほどのものとは思っていませんでしたよ。
「それじゃあ、私がお茶を用意するので、クリスティナさんはお茶菓子をなにか見繕ってくれるかしら? お金は払うから、おいしいものをお願いね……」
そう告げてから、ボリマクールさんが席を立って、どこかに行ってしまいました。
「おいしいものを見繕うといわれましても……ノワールさん、このあたりの王国でよく飲まれているものは、ハーブティーでしょうか?」
「いえ、このあたりではハーブはそれほど育たないのですよ。他の王国よりも高地であること、夏季と冬季の寒暖差が激しいこと、そして雪に強いハーブは殆ど存在しないということですので。このヤジーマ連邦あたりですと、よく飲まれますのはコルフィですね。蜂蜜と山斑牛のミルクを混ぜるのが普通です」
「うん、聞いているだけで口の中が甘くなりそうなので、さっぱりとしたお茶菓子を……買い置きにありましたかどうか、怪しいところですけど……と、これかな?」
アイテムボックスから取り出しましたのは、全国取り寄せグルメのページで見かけた、【マカロンラスク】という食べ物です。
赤、白、黄色、こげ茶いろ、緑色とから不利な色合いの菓子でして、定番商品としていつでも帰るようになっているのですよ。
まあ、効果であること、甘くておいしてけれど腹持ちが良くないこと、そしてなによりも小さすぎで満足するには量を食べないとならないということで、実は結構在庫が多かったりします。
今取り出したのも、小さな箱に12個だけ入っていて、銀貨二枚ですからね。
「あ、銀座デリーユのマカロンラスクだし。へえ、こんなものもあったのか」
「ええ。結構前にまとめて買ったのですが、高くて少量なので人気がなかったのですよ。ということで、ここは奮発して出してみました」
「お待たせしました……って、あら、ずいぶんときれいなお菓子ね。これもフェイール商店の取り扱い商品なのかしら?」
「はい。在庫が結構だぶついていますので、融通できますよ」
「それじゃあ、少しだけティータイムを楽しむことにしましょう」
ボリマクールさんが持ってきてくれた甘いコルフィと、私が用意したマカロンクッキー。
これがまた、絶妙においしくてですね、相性も抜群です。
一箱12個入だったのに、気が付くと二はコメに手が伸びていました。
そして私たちのティーパーティーに気が付いた商人さんたちが、興味深々でこちらを見始めた時。
「フェイール商店のクリスティナさま。ボリマクール商会のボリマクールさまギルドマスターがおよびですので、こちらへどうぞ」
「あら、早かったわね。それじゃあ行きましょうか」
「はい。ええっとここを片付けてから」
「大丈夫よ、職員さんが片付けてくれるわ。これも仕事だからね」
ちょうどやって来た職員さんに、ボリマクールさんが話しかけます。
すると、にっこりと笑って。
「ええ。ここは商人の皆さんがわずらわしさを忘れ、一息つくための場所でもあります。片づけは私たちが行いますので」
「はい……と、それじゃあ、こちらをどうぞ。あとで食べてください」
残ったマカロンクッキー6つを手渡して軽く頭を下げてから、私は先に歩いて行ったボリマクールさんの方に向かいました。そしてふと、ボリマクールさんが座っていたテーブルの前に銀貨が一枚、置いてあるのにも気が付きましたよ。
「心付けだし。うん、ボリマクールさんは、日本人の心を持っているし」
「うーんと。それって」
「やさしさというか、気配りができるひとだし。と、早くいくし」
そうそう、まずは大バザールの場所を借りるための話し合いですよ。
まずはスタートラインに立つところまで話を進めなくてはなりませんからね。
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