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第4章・北方諸国漫遊と、契約の精霊と
第167話・亀は大食? では四神獣の眷属は?
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オットーさんたちの話し合いが終わるまでは、私たちは馬車で待機です。
フォートレスタートルさんの食事、それに必要な生肉の調達について、もう少し格安のお肉はないものかと私と柚月さんは、【型録通販のシャーリィ】を開いて穴が開くほどみています。
「そーいえばノワっち、フォートレスタートルが一日に食べる量ってどれぐらいだし? 普通に考えて、あの体躯ならかなり食べないともたないし」
「柚月さんの世界で言う、生命がその活動を維持するのに必要なエネルギー量と四神獣や精霊が活動に必要なエネルギーは、そもそも条件が違うのですよ。四神獣や精霊が活動に必要なのは魔力でして、それをどのように体内に取り込むのか、どうやって食物から変換するのかっていうのを理解したら、今回の件で生肉100キロほどという量になるのかは理解してもらえるのですが」
「うん、そういうのは武田ッチの領分だから、あーしは聞かないことにするし。でも、その量で動けるようになるのは事実だし?」
「ええ。それは大丈夫ですわ」
ふむふむ。
生命の神秘についてお話ししているようで。
そういうのは専門家にお任せして、私はとにかくお肉を安く仕入れられるかを確認です。
そして分かった事実が一つ。
「あはは~。サーロインステーキが一番安くて、高いものはその倍以上でしたか。いや~、これは悩みますね」
「ん? クリスっち、何か困った事があったし?」
「いえ、お安いお肉を探したのですが、加工品は結構ありまして安いのですけれど、問題のサーロインステーキよりも安いものはなかったのですよ。それと、ローストポークとか生ハムというのはどうなんでしょうか? ハムなのに生ですよ?」
「うむむ、それはあーしには分からないし……」
「それなら、一通り仕入れてみて、食べ比べてもらうと言うのはどうですか? その際にサーロインステーキは最後まで出さないで、他のもので満足してもらえるようでしたら、それで代用すると言うのは」
それです!!
そうだすっかり忘れていました。
普段の露店のように、試食をして貰えば良いのですよ。
その上で満足してもらえるものがありましたら、それを大量に仕入れれば良いのです。
「それです!! では、それらしいものをいくつも仕入れてみることにします。さあ、急がないと午後になってしまいます、そうなると明日の朝一番の配達なので面倒くさくなりますけど……この寒さの中、アルルカンさんが配達に来る可能性は無いような気もします」
「う~ん。確かにアルルカンは寒すぎるのは嫌いですし暑すぎるのも嫌って言う我儘な性格ですからね。そうなると、別の人を遣す可能性もありますけど。まあ、急げば夕方便でなんとかなりますわよ?」
「では、急ぎましょう」
まずは生ハム。
そしてローストポークとかハムとかベーコンとか……この辺は生ではありませんけれど、物は試しという事で。
生肉、つまり火を通していないものがなら可能というのでしたら、魚介類はどうでしょうか? ちょうど新年祭のあとなのでタラバガニ? とかメンタイコなるものもありますよ。
ちなみにこのタラバガニという生物は、みた感じは硬い殻に包まれた蜘蛛のような生き物ですけど、説明では別物のようですし。
確か幼い時に、サライの街でもみた事があります。
ケガニも冷凍で販売されていますから、これも試しにポチッと。
さあ、夕方が楽しくなってきましたよ。
………
……
…
──コンコン
先頭馬車ではいまだに話し合いが続いているそうで、私たちは馬車の中で寛いでいましたが。
「型録通販のシャーリィです。お届け物を持ってきたからとっとと開けろや!!」
「ふぁ!! この声はアルルカンさんじゃないですか、なんで夕方なのに?」
大慌てで馬車の扉を開きますと、アルルカンさんが白い馬車から荷物を下ろし始めています。
え、それはペルソナさんの馬車ですよね?
「あの、夕方の配達はペルソナさんですよね? その馬車も白いですけど」
「お前がいつまで経っても俺を呼ばないから、わざわざ会いに来てやったんだ。ほら、とっとと荷物を確認しろ」
「は、はい」
慌てて雪の中に放置されている荷物を確認して、アイテムボックスに保管します。でも、いきなりやって来て勝手に雪の中に放置するのは、いかがなものでしょうか?
そんなこんなで文句を言う暇もなく、検品する事三十分。
ようやく終わって支払いを済ませますと、ノワールさんがアルルカンさんに話しかけましたが。
「貴方がこの馬車で配達に来る事を、ペルソナさまは御理解していますか?」
「なんなぁ? このドラゴン風情が誰に向かって話している? なんで俺がアイツの許可を貰わないとならないんだ? 俺が、俺の嫁になる女に荷物を持って来て何が悪い?」
「はぁ。やっぱりですか。クリスティナさま。ここは一発、ガツンと言った方がよろしいですよ?」
ペルソナさんの仕事を奪うどころか、私に会いたいと理由だけで勝手な振る舞いをしているなんて、絶対に許せませんよ。
「アルルカンさん!! 私は、あなたと結婚する気なんてありません。この場で堂々とお断りします。次に勝手にここに来るような事がありましたら、シャーリィさまに直訴しますので覚悟してください!」
「あ……あぁ? なんだおまえ……」
顔を引き攣らせているアルルカンさん。
これはかなり怒っていますよ。
でも、ここで引いてはいけません、かなり怖いですけれど。
すると。
──ゴイーン
何かが飛んできてアルルカンさんの頭に直撃します。
これは……なんでしょうか?
白い巻物のようなものですけれど。
「な、なん……はぁぁ」
そしてその場で意識を失いますと、今度は黒い馬車が走ってきました。
はい、これはクラウンさんです!!
御者台で何かを投げつけたようなポーズをしているクラウンさんです。
なるほど、これを投げたのはクラウンさんなのですね……って、養生テープ? これはなんでしょうか?
そして私たちの目の前に馬車を停めますと、アルルカンさんを黄色く平たい紐のようなもので縛り上げています。
「はぁ。この馬鹿王子がご迷惑をおかけしました。早急に精霊宮まで連れ帰りますので。あ、ペルソナさまは無事ですよ、部屋の扉が開かないように細工されていましたが、すぐにドワーフたちが駆けつけて解放しましたから。では、今後とも【型録通販のシャーリィ】をご利用頂けますように」
「は、はい。クラウンさんもご無理をなさらずに」
そう告げますと、クラウンさんがにっこりと微笑んで自分の馬車で帰ります。
その後ろを、ペルソナさんの白い馬車が無人のまま走っていくのはなんとなく不思議です。
「……あれ、柚月さんは?」
「ん? あーしならここにいるし。ちょっとお仕置きしたし」
ギフト型録を手に、柚月さんが悪い顔をしています。
「お仕置き? はて、魔法でも使ったのですか?」
「ん? ギフト型録の後ろのページの『お客様のご意見、ご要望をお聞かせください』っていうところに、アルルカンのことを書いたし。状況を全て網羅してから担当から外せって書いたから、あとはどうなるかはシャーリィさまの判断だし」
これには思わずにっこりですよ。
では、届いた商品を手に、明日の朝一番でフォートレスタートルさんの元に向かうことにしましょう。
それで状況説明のために先頭馬車のオットーさんの元を訪れますと、集まっていた商人さんたちが一斉に私に話しかけてきました。
「おまえか! 訳のわからん肉を高額で売りつけようとしている商人は」
「どこの世界に、一塊り銀貨40枚の肉があると言うのだ!!」
「そんなものがあるのなら、今、ここで証明してみろ。そうだな、その肉を食わせろ、それで納得できるのならここにいる商人たちが、その肉を買い取ってやろうじゃないか。それで全て解決するだろう?」
はい、いちゃもんつけられましたよ。
まあ、こんなことになるかもとは思ってましたけど。
「分かりました。では、これから試食をしてもらいます。それでよろしいですね? それで納得してもらえましたら、フォートレスタートルさんに食べさせる生肉の代金は全て、ここの商人さんが支払ってくれると言うことで間違いはありませんね?」
「くどい!! 契約の精霊に誓って、約束しようじゃないか」
「では、少々お時間を頂きます。私は料理できませんので、できる方にお願いしないとなりませんから」
と言うことで、柚月さんの出番です。
さあ、突発的に始まったお料理対決?
果たしてどうなりますか。
フォートレスタートルさんの食事、それに必要な生肉の調達について、もう少し格安のお肉はないものかと私と柚月さんは、【型録通販のシャーリィ】を開いて穴が開くほどみています。
「そーいえばノワっち、フォートレスタートルが一日に食べる量ってどれぐらいだし? 普通に考えて、あの体躯ならかなり食べないともたないし」
「柚月さんの世界で言う、生命がその活動を維持するのに必要なエネルギー量と四神獣や精霊が活動に必要なエネルギーは、そもそも条件が違うのですよ。四神獣や精霊が活動に必要なのは魔力でして、それをどのように体内に取り込むのか、どうやって食物から変換するのかっていうのを理解したら、今回の件で生肉100キロほどという量になるのかは理解してもらえるのですが」
「うん、そういうのは武田ッチの領分だから、あーしは聞かないことにするし。でも、その量で動けるようになるのは事実だし?」
「ええ。それは大丈夫ですわ」
ふむふむ。
生命の神秘についてお話ししているようで。
そういうのは専門家にお任せして、私はとにかくお肉を安く仕入れられるかを確認です。
そして分かった事実が一つ。
「あはは~。サーロインステーキが一番安くて、高いものはその倍以上でしたか。いや~、これは悩みますね」
「ん? クリスっち、何か困った事があったし?」
「いえ、お安いお肉を探したのですが、加工品は結構ありまして安いのですけれど、問題のサーロインステーキよりも安いものはなかったのですよ。それと、ローストポークとか生ハムというのはどうなんでしょうか? ハムなのに生ですよ?」
「うむむ、それはあーしには分からないし……」
「それなら、一通り仕入れてみて、食べ比べてもらうと言うのはどうですか? その際にサーロインステーキは最後まで出さないで、他のもので満足してもらえるようでしたら、それで代用すると言うのは」
それです!!
そうだすっかり忘れていました。
普段の露店のように、試食をして貰えば良いのですよ。
その上で満足してもらえるものがありましたら、それを大量に仕入れれば良いのです。
「それです!! では、それらしいものをいくつも仕入れてみることにします。さあ、急がないと午後になってしまいます、そうなると明日の朝一番の配達なので面倒くさくなりますけど……この寒さの中、アルルカンさんが配達に来る可能性は無いような気もします」
「う~ん。確かにアルルカンは寒すぎるのは嫌いですし暑すぎるのも嫌って言う我儘な性格ですからね。そうなると、別の人を遣す可能性もありますけど。まあ、急げば夕方便でなんとかなりますわよ?」
「では、急ぎましょう」
まずは生ハム。
そしてローストポークとかハムとかベーコンとか……この辺は生ではありませんけれど、物は試しという事で。
生肉、つまり火を通していないものがなら可能というのでしたら、魚介類はどうでしょうか? ちょうど新年祭のあとなのでタラバガニ? とかメンタイコなるものもありますよ。
ちなみにこのタラバガニという生物は、みた感じは硬い殻に包まれた蜘蛛のような生き物ですけど、説明では別物のようですし。
確か幼い時に、サライの街でもみた事があります。
ケガニも冷凍で販売されていますから、これも試しにポチッと。
さあ、夕方が楽しくなってきましたよ。
………
……
…
──コンコン
先頭馬車ではいまだに話し合いが続いているそうで、私たちは馬車の中で寛いでいましたが。
「型録通販のシャーリィです。お届け物を持ってきたからとっとと開けろや!!」
「ふぁ!! この声はアルルカンさんじゃないですか、なんで夕方なのに?」
大慌てで馬車の扉を開きますと、アルルカンさんが白い馬車から荷物を下ろし始めています。
え、それはペルソナさんの馬車ですよね?
「あの、夕方の配達はペルソナさんですよね? その馬車も白いですけど」
「お前がいつまで経っても俺を呼ばないから、わざわざ会いに来てやったんだ。ほら、とっとと荷物を確認しろ」
「は、はい」
慌てて雪の中に放置されている荷物を確認して、アイテムボックスに保管します。でも、いきなりやって来て勝手に雪の中に放置するのは、いかがなものでしょうか?
そんなこんなで文句を言う暇もなく、検品する事三十分。
ようやく終わって支払いを済ませますと、ノワールさんがアルルカンさんに話しかけましたが。
「貴方がこの馬車で配達に来る事を、ペルソナさまは御理解していますか?」
「なんなぁ? このドラゴン風情が誰に向かって話している? なんで俺がアイツの許可を貰わないとならないんだ? 俺が、俺の嫁になる女に荷物を持って来て何が悪い?」
「はぁ。やっぱりですか。クリスティナさま。ここは一発、ガツンと言った方がよろしいですよ?」
ペルソナさんの仕事を奪うどころか、私に会いたいと理由だけで勝手な振る舞いをしているなんて、絶対に許せませんよ。
「アルルカンさん!! 私は、あなたと結婚する気なんてありません。この場で堂々とお断りします。次に勝手にここに来るような事がありましたら、シャーリィさまに直訴しますので覚悟してください!」
「あ……あぁ? なんだおまえ……」
顔を引き攣らせているアルルカンさん。
これはかなり怒っていますよ。
でも、ここで引いてはいけません、かなり怖いですけれど。
すると。
──ゴイーン
何かが飛んできてアルルカンさんの頭に直撃します。
これは……なんでしょうか?
白い巻物のようなものですけれど。
「な、なん……はぁぁ」
そしてその場で意識を失いますと、今度は黒い馬車が走ってきました。
はい、これはクラウンさんです!!
御者台で何かを投げつけたようなポーズをしているクラウンさんです。
なるほど、これを投げたのはクラウンさんなのですね……って、養生テープ? これはなんでしょうか?
そして私たちの目の前に馬車を停めますと、アルルカンさんを黄色く平たい紐のようなもので縛り上げています。
「はぁ。この馬鹿王子がご迷惑をおかけしました。早急に精霊宮まで連れ帰りますので。あ、ペルソナさまは無事ですよ、部屋の扉が開かないように細工されていましたが、すぐにドワーフたちが駆けつけて解放しましたから。では、今後とも【型録通販のシャーリィ】をご利用頂けますように」
「は、はい。クラウンさんもご無理をなさらずに」
そう告げますと、クラウンさんがにっこりと微笑んで自分の馬車で帰ります。
その後ろを、ペルソナさんの白い馬車が無人のまま走っていくのはなんとなく不思議です。
「……あれ、柚月さんは?」
「ん? あーしならここにいるし。ちょっとお仕置きしたし」
ギフト型録を手に、柚月さんが悪い顔をしています。
「お仕置き? はて、魔法でも使ったのですか?」
「ん? ギフト型録の後ろのページの『お客様のご意見、ご要望をお聞かせください』っていうところに、アルルカンのことを書いたし。状況を全て網羅してから担当から外せって書いたから、あとはどうなるかはシャーリィさまの判断だし」
これには思わずにっこりですよ。
では、届いた商品を手に、明日の朝一番でフォートレスタートルさんの元に向かうことにしましょう。
それで状況説明のために先頭馬車のオットーさんの元を訪れますと、集まっていた商人さんたちが一斉に私に話しかけてきました。
「おまえか! 訳のわからん肉を高額で売りつけようとしている商人は」
「どこの世界に、一塊り銀貨40枚の肉があると言うのだ!!」
「そんなものがあるのなら、今、ここで証明してみろ。そうだな、その肉を食わせろ、それで納得できるのならここにいる商人たちが、その肉を買い取ってやろうじゃないか。それで全て解決するだろう?」
はい、いちゃもんつけられましたよ。
まあ、こんなことになるかもとは思ってましたけど。
「分かりました。では、これから試食をしてもらいます。それでよろしいですね? それで納得してもらえましたら、フォートレスタートルさんに食べさせる生肉の代金は全て、ここの商人さんが支払ってくれると言うことで間違いはありませんね?」
「くどい!! 契約の精霊に誓って、約束しようじゃないか」
「では、少々お時間を頂きます。私は料理できませんので、できる方にお願いしないとなりませんから」
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