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第十話・ライバルは誰? 危険が危ない。
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ファミリーレストラン・サイバリアン。
国内有数の某香辛料メーカーが経営しているレストランだけあって、香辛料の扱いはピカイチ。
特におすすめなのは、北海道産ラム肉の串焼きで、実にワイルド。
それに欧州の大使館も唸るレベルのピザとかイタリアンは絶妙で、ワインがとにかく進む。
そのワインだって、メインメニューではなく頼めばワイン専用のメニューが存在しているから、レストラン飲みも捗るってものですよ。
「ふむふむ。現時点でのルーゼンベルグ攻防戦の参加ユーザーは5000越えで、有志は城砦の外に村みたいなものを作り始めているみたい」
「うん、それって、確か生産ギルドの『島崎組』が音頭をとって、開拓を始めている奴でしょう? うちにも開拓許可がほしいって問い合わせがあったらしいよ、乱丸から聞いたから」
「島崎組? あのギルドのエンブレムが『イルカの曲芸』の?」
「そ。私のところに話が来た時点で、もう測量は終わって建設資材も運び込んでいたわよ。アイテムボックスがあるから、資材の移動は簡単だからね」
のんびりとした、森と隣接する城塞都市だった我がオワリは、このイベントの発生により一大開拓地となってしまった。
しかも、この島崎組ベッドタウンと仮称されている場所への移住申請もあって、なんだか面倒なことになりそうである。
「それで、【R・I・N・G】クエストだけどさ。この二つの詩に共通するものって、あると思う?」
「共通……か」
「そそ。たとえば、一つ目の詩の紅いングング」
いきなり本題を切り出そうとしたから、私は右手に持っていたピザを明日花の口の中に詰め込んだ。
「んぐんぐ、なにひゅるわ」
「単語は出さないで。何処で誰が聞いているかわからないでしょう?」
そう呟いてから、ちらりと周りを見る。
すると、あちこちの席の人と目が合い、そして目を逸らしているのが分かった。
うん、ここの周りのお客さんもヨルムンガンドのユーザーで、【R・I・N・G】クエストを知っているんだろうなぁ。
「ゴクッ……それは失礼、それでね、あの一つ目の最初の一節が、私、なんとなく覚えがあるのよ」
「へぇ、それは何処のクエストで? それとも情報屋?」
うちの領都オワリには、経験値を支払って【情報屋】を配置している。
しかも、【R・I・N・G】クエストが開始されてから、『FS±5』を使って情報屋のレベルを【情報収集3】から【情報収集8】まで上げてある。
こうなると、かなりのクエストの情報も集まってくるんだけど、どうしても【R・I・N・G】についての情報は出てこない。
それに、情報屋って接触クエストをクリアしたら誰でも使えるから、一長一短なんだよね。
「いやいや、小町ちゃんとこの情報屋はすごく優秀だけど、彼女じゃないよ。実は、私が持っている本と、あとは大和伝さんのとこでの立ち話で書いたやつでね」
「うん、詳細は後で、中で話そうか。これはメモして……と」
メモをとりつつ周りをちらり。
やっぱり、何人かの客はこっちを気にしている。
「ヨル観での情報も、これについては当てにならないしなぁ」
「もう一つは? 確かヨルムンガンド・パラリラリってサイトがあるよね?」
「あ~、ヨルパラか。あそこは海外の情報も混ざっていて、探すのが大変……ちょい待って、この【R・I・N・G】クエストって、海外の【E・F・O】でも同時進行よね?」
慌ててタブレットを操作して、ヨルムンガンド・パラリラリのサイトを展開。
すぐにサイト内検索で、【R・I・N・G】クエストを探してみると。
「あった……アメリカの【E・F・O】、そこでも【R・I・N・G】クエストは発生していて、あっちはチームを組んで情報を集めているみたい」
「え、それってどういうこと?」
「【R・I・N・G】クエストの報酬を現金に設定してね、クリア時に有益だった情報をアップしてくれたユーザーには賞金を分割するらしいのよ。ほら、そのための情報交換掲示板もあるし、パスワードが必要なグループチャットもあちこちにできている……そうか、この手もあったなぁ」
「でもさ、私たちが欲しいものを考えたら、分配できないよね?」
そうなのよね。
私たちは故郷の島を取り返したい。
その島を買い取るための資金、それを集めるために【R・I・N・G】クエストを積極的に進めようとしているのだから。
ここに賞金を分配しますよ、情報を買いますよっていう手段は使えない。
「はぁ。なかなかにハードだよね」
「でもさ、【R・I・N・G】ってどうしてソロクエストじゃないのかな?」
は?
なんでまた、そんな事を聞きますか?
「ソロである理由がないからでしょう?」
「それっておかしいよね? 一つのリングで夢が叶うのは1人だよね? それなのに、複数参加のクエストってどういう事?」
「……」
これには私も考えてしまう。
確かに、ゲーム内クエストによってはパーティを編成してやらなくてはならないものもある。
でも、その場合の報酬は全員が同じものをもらえるか、もしくは分配。
ランダムに報酬が出てくる『クエストチェスト』が全員に与えられる場合もあるから、別に多人数でやっても構わない。
でも、私は、【R・I・N・G】クエストが発生した時、アスナをパートナーに選んだよね?
「しまった!! そういう事なのか」
「え、どういう事?」
「クエストクリア条件、そのために必要なアイテムだったり称号、スキルを持っている仲間がいた方が有利になるっていう事。そのために【R・I・N・G】クエストがモグムグッ!」
いきなり明日花が、私の口の中にピザを突っ込む。
「小町ちゃん落ち着いて、声が大きすぎるよ」
「ングゴクッ……バ、バイン!!」
ピザが喉に詰まった。
慌ててワインを喉に流し込んで、なんとか人心地つける。
慌てて周りを見ると、やっぱりさっきと同じ人たちがこっちを見ていた。
「この件も、あとで。この辺りから情報を探れば、答えが速く導き出せそうだからさ」
「そうだね。それで、これからどうするの?」
「お腹も満腹だから、一旦、帰って別々に調べよう。私は夜7時にはログインするから、そこでまた、情報を擦り合わせるでおっけ?」
「ぶい!!」
右手のVサインを見せて、明日花が頷いている。
それじゃあという事で、明日花を家まで送ろうと店を出た時。
「あ、あの、ちょっと良いですか?」
「さっきなんですけど、店の中でヨルムンガンド・オンラインの話をしていましたよね?」
「もし、【R・I・N・G】の情報を持っているのなら、お互いに情報交換しませんか?」
3人組の男たちが、私たちに話しかけてきた。
服装や口調などから、ナンパではなく純粋にヨルムンガンド・オンラインの話を聞きたそうなことは理解できたし、その中の1人は、店の中で何度か、私と目が合っていたから間違いはないと思う。
「【R・I・N・G】クエストね。参考までに、貴方たちの情報って? 散々、店の中で私たちの話を聞いていたのだから、少しぐらいはテイクしてくれますよね?」
give and take
聞いた以上は、教えろ。
そう提案したら。
「僕たちは、ギルドで【R・I・N・G】クエストを受注しました。これでいいですか?」
「さっきの私の言葉で、それぐらいは考えられるわよね? 他には? 例えば、いくつ目のリングクエストなの?」
「え、いくつ目?」
この質問に、3人の目が泳ぐ。
なるほど、この人たちはブラフで話しているのかもしれない。
後ろで2人がボソボソと打ち合わせを始めたので、私は手をひらひらと振ってあげた。
「そこから調べなさい。それじゃあね!」
「ばいびー」
動揺している3人を放置して、私は急足で駐車場へと向かう。
「ちょ、ちょっと小町ちゃん、早すぎるって」
「いいから、早く。やばいのに目をつけられたかも知れないから」
そう、3人組の話で、2人が後ろで打ち合わせをしている時。
その後ろの方で、ずっと私たちを見ていた男がいた。
フードをかぶっていてよく顔はわからないけど、その目線だけでゾクリと何か危険なものを感じた。
伊達に脳科学を専攻していない。
あの目は、狂気を孕んだ殺人鬼のような目だった。
………
……
…
駐車場から、二人の乗ったバイクが走り去る。
それを、男は静かに眺めていた。
「はい。バイクのナンバーは……です。【R・I・N・G】の話をしていました。恐らくは、探索者かと思われます」
耳に装着したインカムで、何処かに連絡をつける。
その間も、男はバイクが立ち去った方角を、じっと見ている。
「はい。引き続き、私は探索者を探します。二人組のチェイスは別チーム……そうですね、アクエリアスに任せます。全ての【R・I・N・G】は、我々の手に……」
そう告げたら、男は別の方角へと歩いていった。
国内有数の某香辛料メーカーが経営しているレストランだけあって、香辛料の扱いはピカイチ。
特におすすめなのは、北海道産ラム肉の串焼きで、実にワイルド。
それに欧州の大使館も唸るレベルのピザとかイタリアンは絶妙で、ワインがとにかく進む。
そのワインだって、メインメニューではなく頼めばワイン専用のメニューが存在しているから、レストラン飲みも捗るってものですよ。
「ふむふむ。現時点でのルーゼンベルグ攻防戦の参加ユーザーは5000越えで、有志は城砦の外に村みたいなものを作り始めているみたい」
「うん、それって、確か生産ギルドの『島崎組』が音頭をとって、開拓を始めている奴でしょう? うちにも開拓許可がほしいって問い合わせがあったらしいよ、乱丸から聞いたから」
「島崎組? あのギルドのエンブレムが『イルカの曲芸』の?」
「そ。私のところに話が来た時点で、もう測量は終わって建設資材も運び込んでいたわよ。アイテムボックスがあるから、資材の移動は簡単だからね」
のんびりとした、森と隣接する城塞都市だった我がオワリは、このイベントの発生により一大開拓地となってしまった。
しかも、この島崎組ベッドタウンと仮称されている場所への移住申請もあって、なんだか面倒なことになりそうである。
「それで、【R・I・N・G】クエストだけどさ。この二つの詩に共通するものって、あると思う?」
「共通……か」
「そそ。たとえば、一つ目の詩の紅いングング」
いきなり本題を切り出そうとしたから、私は右手に持っていたピザを明日花の口の中に詰め込んだ。
「んぐんぐ、なにひゅるわ」
「単語は出さないで。何処で誰が聞いているかわからないでしょう?」
そう呟いてから、ちらりと周りを見る。
すると、あちこちの席の人と目が合い、そして目を逸らしているのが分かった。
うん、ここの周りのお客さんもヨルムンガンドのユーザーで、【R・I・N・G】クエストを知っているんだろうなぁ。
「ゴクッ……それは失礼、それでね、あの一つ目の最初の一節が、私、なんとなく覚えがあるのよ」
「へぇ、それは何処のクエストで? それとも情報屋?」
うちの領都オワリには、経験値を支払って【情報屋】を配置している。
しかも、【R・I・N・G】クエストが開始されてから、『FS±5』を使って情報屋のレベルを【情報収集3】から【情報収集8】まで上げてある。
こうなると、かなりのクエストの情報も集まってくるんだけど、どうしても【R・I・N・G】についての情報は出てこない。
それに、情報屋って接触クエストをクリアしたら誰でも使えるから、一長一短なんだよね。
「いやいや、小町ちゃんとこの情報屋はすごく優秀だけど、彼女じゃないよ。実は、私が持っている本と、あとは大和伝さんのとこでの立ち話で書いたやつでね」
「うん、詳細は後で、中で話そうか。これはメモして……と」
メモをとりつつ周りをちらり。
やっぱり、何人かの客はこっちを気にしている。
「ヨル観での情報も、これについては当てにならないしなぁ」
「もう一つは? 確かヨルムンガンド・パラリラリってサイトがあるよね?」
「あ~、ヨルパラか。あそこは海外の情報も混ざっていて、探すのが大変……ちょい待って、この【R・I・N・G】クエストって、海外の【E・F・O】でも同時進行よね?」
慌ててタブレットを操作して、ヨルムンガンド・パラリラリのサイトを展開。
すぐにサイト内検索で、【R・I・N・G】クエストを探してみると。
「あった……アメリカの【E・F・O】、そこでも【R・I・N・G】クエストは発生していて、あっちはチームを組んで情報を集めているみたい」
「え、それってどういうこと?」
「【R・I・N・G】クエストの報酬を現金に設定してね、クリア時に有益だった情報をアップしてくれたユーザーには賞金を分割するらしいのよ。ほら、そのための情報交換掲示板もあるし、パスワードが必要なグループチャットもあちこちにできている……そうか、この手もあったなぁ」
「でもさ、私たちが欲しいものを考えたら、分配できないよね?」
そうなのよね。
私たちは故郷の島を取り返したい。
その島を買い取るための資金、それを集めるために【R・I・N・G】クエストを積極的に進めようとしているのだから。
ここに賞金を分配しますよ、情報を買いますよっていう手段は使えない。
「はぁ。なかなかにハードだよね」
「でもさ、【R・I・N・G】ってどうしてソロクエストじゃないのかな?」
は?
なんでまた、そんな事を聞きますか?
「ソロである理由がないからでしょう?」
「それっておかしいよね? 一つのリングで夢が叶うのは1人だよね? それなのに、複数参加のクエストってどういう事?」
「……」
これには私も考えてしまう。
確かに、ゲーム内クエストによってはパーティを編成してやらなくてはならないものもある。
でも、その場合の報酬は全員が同じものをもらえるか、もしくは分配。
ランダムに報酬が出てくる『クエストチェスト』が全員に与えられる場合もあるから、別に多人数でやっても構わない。
でも、私は、【R・I・N・G】クエストが発生した時、アスナをパートナーに選んだよね?
「しまった!! そういう事なのか」
「え、どういう事?」
「クエストクリア条件、そのために必要なアイテムだったり称号、スキルを持っている仲間がいた方が有利になるっていう事。そのために【R・I・N・G】クエストがモグムグッ!」
いきなり明日花が、私の口の中にピザを突っ込む。
「小町ちゃん落ち着いて、声が大きすぎるよ」
「ングゴクッ……バ、バイン!!」
ピザが喉に詰まった。
慌ててワインを喉に流し込んで、なんとか人心地つける。
慌てて周りを見ると、やっぱりさっきと同じ人たちがこっちを見ていた。
「この件も、あとで。この辺りから情報を探れば、答えが速く導き出せそうだからさ」
「そうだね。それで、これからどうするの?」
「お腹も満腹だから、一旦、帰って別々に調べよう。私は夜7時にはログインするから、そこでまた、情報を擦り合わせるでおっけ?」
「ぶい!!」
右手のVサインを見せて、明日花が頷いている。
それじゃあという事で、明日花を家まで送ろうと店を出た時。
「あ、あの、ちょっと良いですか?」
「さっきなんですけど、店の中でヨルムンガンド・オンラインの話をしていましたよね?」
「もし、【R・I・N・G】の情報を持っているのなら、お互いに情報交換しませんか?」
3人組の男たちが、私たちに話しかけてきた。
服装や口調などから、ナンパではなく純粋にヨルムンガンド・オンラインの話を聞きたそうなことは理解できたし、その中の1人は、店の中で何度か、私と目が合っていたから間違いはないと思う。
「【R・I・N・G】クエストね。参考までに、貴方たちの情報って? 散々、店の中で私たちの話を聞いていたのだから、少しぐらいはテイクしてくれますよね?」
give and take
聞いた以上は、教えろ。
そう提案したら。
「僕たちは、ギルドで【R・I・N・G】クエストを受注しました。これでいいですか?」
「さっきの私の言葉で、それぐらいは考えられるわよね? 他には? 例えば、いくつ目のリングクエストなの?」
「え、いくつ目?」
この質問に、3人の目が泳ぐ。
なるほど、この人たちはブラフで話しているのかもしれない。
後ろで2人がボソボソと打ち合わせを始めたので、私は手をひらひらと振ってあげた。
「そこから調べなさい。それじゃあね!」
「ばいびー」
動揺している3人を放置して、私は急足で駐車場へと向かう。
「ちょ、ちょっと小町ちゃん、早すぎるって」
「いいから、早く。やばいのに目をつけられたかも知れないから」
そう、3人組の話で、2人が後ろで打ち合わせをしている時。
その後ろの方で、ずっと私たちを見ていた男がいた。
フードをかぶっていてよく顔はわからないけど、その目線だけでゾクリと何か危険なものを感じた。
伊達に脳科学を専攻していない。
あの目は、狂気を孕んだ殺人鬼のような目だった。
………
……
…
駐車場から、二人の乗ったバイクが走り去る。
それを、男は静かに眺めていた。
「はい。バイクのナンバーは……です。【R・I・N・G】の話をしていました。恐らくは、探索者かと思われます」
耳に装着したインカムで、何処かに連絡をつける。
その間も、男はバイクが立ち去った方角を、じっと見ている。
「はい。引き続き、私は探索者を探します。二人組のチェイスは別チーム……そうですね、アクエリアスに任せます。全ての【R・I・N・G】は、我々の手に……」
そう告げたら、男は別の方角へと歩いていった。
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