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レンタル15・無茶振りしたけど、相手もかなり無茶だった
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──魔導レンタルショップ・オールレント
バチカン市国からの依頼。
それは、世界に三つ存在する【聖杯】の真贋を確かめること。
そのためにルーラーには海外に向かい、現地にて直接鑑定をお願いしたいということであったが、ルーラーはあっさりと断りを入れる。
その理由が、『飛行機に乗ることが嫌だから』という理由であることは、弟子の関川ひばりしか知らない真実。
そして断りの話は外務省経由でバチカン市国に届いたのだが。
「……あの、師匠。外務省からの連絡が届いているのですが」
いつもの、のんびりとした午後。
昼休みで来客らしい客はおらず、常連が喫茶コーナーでのんびりとおしゃべりしている時間。
ひばりが書類を手に、カウンターの中のルーラーの元にやってくる。
「ほう、此の前の件じゃな。どれ……」
受け取った書類を確認すると、バチカンとしてはルーラーと会うことができなかったことが残念であるという一文を乗せ、直接日本に聖杯を持っていったなら、鑑定をお願いできるだろうかという質問が記されている。
「ひばりさんや。直接日本に来るというのなら、こちらとしても断るという道理はない。そう連絡をしてもらえるか?」
「わかりました。でも、来ないと思いますよ」
「ほう、それは何故?」
ルーラーにはわからないが、聖杯、つまり聖遺物として認定されているものは管理環境などがしっかりと整えられている。
それをわざわざ、鑑定するという理由だけで持ってくるとは思ってもいない。
しかも、いざ鑑定となると保管しているバレンシア大聖堂所蔵、ジェノヴァ大聖堂所蔵、そしてメトロポリタン美術館所蔵のメンツも掛かってくる。
自分のところのものこそが、聖杯である。
そう信じているにもかかわらず、それが偽物だと知ったなら。
信じてくれているものたちに、どう説明したら良いのかわからなくなるだろう。
それ故に、どこも鑑定にはやって来ない。
それが、ひばりの予測。
ルーラーにそう説明すると、髭を撫でつつルーラーが頷く。
「どこか一ヶ所が動いたら、残りも動くじゃろうなぁ。じゃから、報告書にはこう一言説明を付け足してくれるか?」
「それは構いませんが、どのような一文を?」
「『鑑定結果は、ローマ法王のみに伝える。そして、どのような結果となっても、聖杯についての対応は今までと変わらない』と。頼むぞ」
つまり、鑑定してもその結果を知ることはできない。
知っているのはルーラーとローマ法王のみ。
結果の如何に関わらず、聖杯についての対応は変更しない。
そうすることで、どの聖杯が本物であるかという真実は守られる。
「はい、わかりました」
「まあ、そうそうすぐには来ないじゃろうから……なぁ」
にこやかに話すルーラーだが、カウンターでコーヒーを飲んでいる飯田が、新聞の一面をルーラーに見せる。
「なあルーラーさん。来週から北海道近代美術館で、『聖杯と騎士伝説』って言う展示があるようだが。メトロポリタン美術館主催らしいが、ここに聖杯も特別展示って書いてあるぞ?」
「……ほう? それはまた、予想外な。どうやら一番乗りは、メトロポリタン美術館となるのかな?」
少しだけ嬉しそうに、ルーラーが呟く。
実は、ルーラーも聖杯については興味があった。
いろいろな伝説が伝えられている神器の存在、それは故郷にもいくつも存在したから。
現代世界では神の奇跡というものに触れることはそうそうないが、ルーラーのいた世界では神からの加護や奇跡の顕現は、高位神官によって行われている。
こっちの世界では、どのような力が現れるのか気になっているのである。
………
……
…
──翌日・夕方
「師匠、予約のお客様がいらっしゃいましたが」
夜七時。
本来ならばオールレントは閉店時間。
だけど、この日は北海道近代美術館へ出張鑑定に向かう。
そのために、メトロポリタン美術館からやってきたキュレーターや関係者たちが、ルーラーを迎えにやってきたのである。
「ふむ。それじゃあ出かけるとしようか。ひばりさんは閉店業務が終わったら、帰って構わないからな」
「お手伝いは必要ありませんか?」
「まあ、チラッと見るだけじゃから問題はないな……」
すこし残念そうなひばりに後を任せて、ルーラーは美術館に向かう。
そして特別展示室にある【聖杯】をケース越しに確認してみる。
「ヒュー、マ・ラーン。イーリッヒ……」
魔法後による詠唱がしばらく続くと、やがて展示ケースの中の聖杯がほんのりと輝き始める。
「こ、この光は、まさしく聖杯の光なのですね?」
「いや、わしの鑑定魔術の発動光で、聖杯の力でもなんでもないわ。このまま少し待つと、わしにしか見えない文字が浮かび上がってきてな……」
──ブゥン
そう説明している最中にも、聖杯の表面に光の文字が浮かび上がってくる。
それを読み取ると、ルーラーは軽く頷いて見せた。
「どうですか? 我がメトロポリタン美術館の聖杯こそが、本物の聖杯ですよね?」
「答えは秘密じゃな。そういう約束で、鑑定をしているのだからな。では、残り二つの鑑定結果が出てから、ローマ法王に親書でも送ることにしようか」
結果を知らなかった関係者はがっかりしていたものの、ルーラーが鑑定する姿をしっかりと動画に収めている。
それは後日、宣伝用に使用されたのだが、それを知った残りの二ヶ所の大聖堂も、極秘裏に聖杯を手に来訪。
こっそりとオールレントを訪れて、鑑定を依頼することとなった。
◯ ◯ ◯ ◯ ◯
──一ヶ月後、バチカン市国
ルーラーから届けられた小包。
それには木製の小さな盃が一つと、ルーラー手書きの鑑定結果が同封されている。
ちなみに鑑定結果は、『全てが神器であり、聖杯というにふさわしい』。
大勢の人々の信仰を集めた結果、三つの聖杯候補全てが【神威】を纏ってしまったらしい。
そして、最後に記されている【本物の聖杯】についての鑑定結果を見ると、法王は満足したように頷いている。
この結果は、表に出ることはない。
法王のみが知る真実として、未来永劫、誰にも語りたがららことは無くなった。
そして、ルーラーから送られた木製の盃を窓辺に飾ると、法王はそれに向かって十字を切ると、静かに祈りを始める。
最後の鑑定には、こう記されていた。
『神は、それを知ることにより争いが起こるのを良しとしていない……と、わしに告げてくれた。じゃから、このような結果となった。
なお、その盃は、目が覚めたら枕元に届けられてあったから、正当なる所有者であるローマ法王庁へ送らせてもらった。
神は、いつでも見ているそうじゃよ……』
と。
バチカン市国からの依頼。
それは、世界に三つ存在する【聖杯】の真贋を確かめること。
そのためにルーラーには海外に向かい、現地にて直接鑑定をお願いしたいということであったが、ルーラーはあっさりと断りを入れる。
その理由が、『飛行機に乗ることが嫌だから』という理由であることは、弟子の関川ひばりしか知らない真実。
そして断りの話は外務省経由でバチカン市国に届いたのだが。
「……あの、師匠。外務省からの連絡が届いているのですが」
いつもの、のんびりとした午後。
昼休みで来客らしい客はおらず、常連が喫茶コーナーでのんびりとおしゃべりしている時間。
ひばりが書類を手に、カウンターの中のルーラーの元にやってくる。
「ほう、此の前の件じゃな。どれ……」
受け取った書類を確認すると、バチカンとしてはルーラーと会うことができなかったことが残念であるという一文を乗せ、直接日本に聖杯を持っていったなら、鑑定をお願いできるだろうかという質問が記されている。
「ひばりさんや。直接日本に来るというのなら、こちらとしても断るという道理はない。そう連絡をしてもらえるか?」
「わかりました。でも、来ないと思いますよ」
「ほう、それは何故?」
ルーラーにはわからないが、聖杯、つまり聖遺物として認定されているものは管理環境などがしっかりと整えられている。
それをわざわざ、鑑定するという理由だけで持ってくるとは思ってもいない。
しかも、いざ鑑定となると保管しているバレンシア大聖堂所蔵、ジェノヴァ大聖堂所蔵、そしてメトロポリタン美術館所蔵のメンツも掛かってくる。
自分のところのものこそが、聖杯である。
そう信じているにもかかわらず、それが偽物だと知ったなら。
信じてくれているものたちに、どう説明したら良いのかわからなくなるだろう。
それ故に、どこも鑑定にはやって来ない。
それが、ひばりの予測。
ルーラーにそう説明すると、髭を撫でつつルーラーが頷く。
「どこか一ヶ所が動いたら、残りも動くじゃろうなぁ。じゃから、報告書にはこう一言説明を付け足してくれるか?」
「それは構いませんが、どのような一文を?」
「『鑑定結果は、ローマ法王のみに伝える。そして、どのような結果となっても、聖杯についての対応は今までと変わらない』と。頼むぞ」
つまり、鑑定してもその結果を知ることはできない。
知っているのはルーラーとローマ法王のみ。
結果の如何に関わらず、聖杯についての対応は変更しない。
そうすることで、どの聖杯が本物であるかという真実は守られる。
「はい、わかりました」
「まあ、そうそうすぐには来ないじゃろうから……なぁ」
にこやかに話すルーラーだが、カウンターでコーヒーを飲んでいる飯田が、新聞の一面をルーラーに見せる。
「なあルーラーさん。来週から北海道近代美術館で、『聖杯と騎士伝説』って言う展示があるようだが。メトロポリタン美術館主催らしいが、ここに聖杯も特別展示って書いてあるぞ?」
「……ほう? それはまた、予想外な。どうやら一番乗りは、メトロポリタン美術館となるのかな?」
少しだけ嬉しそうに、ルーラーが呟く。
実は、ルーラーも聖杯については興味があった。
いろいろな伝説が伝えられている神器の存在、それは故郷にもいくつも存在したから。
現代世界では神の奇跡というものに触れることはそうそうないが、ルーラーのいた世界では神からの加護や奇跡の顕現は、高位神官によって行われている。
こっちの世界では、どのような力が現れるのか気になっているのである。
………
……
…
──翌日・夕方
「師匠、予約のお客様がいらっしゃいましたが」
夜七時。
本来ならばオールレントは閉店時間。
だけど、この日は北海道近代美術館へ出張鑑定に向かう。
そのために、メトロポリタン美術館からやってきたキュレーターや関係者たちが、ルーラーを迎えにやってきたのである。
「ふむ。それじゃあ出かけるとしようか。ひばりさんは閉店業務が終わったら、帰って構わないからな」
「お手伝いは必要ありませんか?」
「まあ、チラッと見るだけじゃから問題はないな……」
すこし残念そうなひばりに後を任せて、ルーラーは美術館に向かう。
そして特別展示室にある【聖杯】をケース越しに確認してみる。
「ヒュー、マ・ラーン。イーリッヒ……」
魔法後による詠唱がしばらく続くと、やがて展示ケースの中の聖杯がほんのりと輝き始める。
「こ、この光は、まさしく聖杯の光なのですね?」
「いや、わしの鑑定魔術の発動光で、聖杯の力でもなんでもないわ。このまま少し待つと、わしにしか見えない文字が浮かび上がってきてな……」
──ブゥン
そう説明している最中にも、聖杯の表面に光の文字が浮かび上がってくる。
それを読み取ると、ルーラーは軽く頷いて見せた。
「どうですか? 我がメトロポリタン美術館の聖杯こそが、本物の聖杯ですよね?」
「答えは秘密じゃな。そういう約束で、鑑定をしているのだからな。では、残り二つの鑑定結果が出てから、ローマ法王に親書でも送ることにしようか」
結果を知らなかった関係者はがっかりしていたものの、ルーラーが鑑定する姿をしっかりと動画に収めている。
それは後日、宣伝用に使用されたのだが、それを知った残りの二ヶ所の大聖堂も、極秘裏に聖杯を手に来訪。
こっそりとオールレントを訪れて、鑑定を依頼することとなった。
◯ ◯ ◯ ◯ ◯
──一ヶ月後、バチカン市国
ルーラーから届けられた小包。
それには木製の小さな盃が一つと、ルーラー手書きの鑑定結果が同封されている。
ちなみに鑑定結果は、『全てが神器であり、聖杯というにふさわしい』。
大勢の人々の信仰を集めた結果、三つの聖杯候補全てが【神威】を纏ってしまったらしい。
そして、最後に記されている【本物の聖杯】についての鑑定結果を見ると、法王は満足したように頷いている。
この結果は、表に出ることはない。
法王のみが知る真実として、未来永劫、誰にも語りたがららことは無くなった。
そして、ルーラーから送られた木製の盃を窓辺に飾ると、法王はそれに向かって十字を切ると、静かに祈りを始める。
最後の鑑定には、こう記されていた。
『神は、それを知ることにより争いが起こるのを良しとしていない……と、わしに告げてくれた。じゃから、このような結果となった。
なお、その盃は、目が覚めたら枕元に届けられてあったから、正当なる所有者であるローマ法王庁へ送らせてもらった。
神は、いつでも見ているそうじゃよ……』
と。
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