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第一部・食戦鬼? あ、食洗機ですか。
第21話・メッセージ
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二人の騎士に護衛を頼み、久しぶりに町に出ました。
今日の目的は冒険者ギルド、闇ギルドの暗殺者であったウル・スクルタスについての処遇と、逃亡したミランダの行方について話を聞かせて貰いに来ましたのですが。
「この度は、誠に申し訳ありません……」
ランカスター領都の冒険者ギルドの統括である男性、そしてその補佐官が深々と頭を下げています。
ここが統括の執務室でなかったら、また私の悪評が流れることになっていたでしょう。
「まあ、頭を上げてください。相手は闇ギルドです、それだけ狡猾だったということで話を収める予定ではあります。事実、ランカスター家には人的被害は出ていないのですから」
「そうですか……お嬢様がそうおっしゃるのでしたら。それと、明日にでも王都から宮廷魔術師の方が到着します。ギルド地下室にて術的保存されているウル・スクルタスの死体を回収し、霊媒師によって魂を召喚し尋問する予定だそうです」
霊媒師による召喚、そして尋問。
こっちの世界では、犯罪者に対してはそこまでするものなのですか。
まあ、国家の裏で暗躍する闇ギルドの正体を暴く絶好のチャンスということで行うのでしょうけれど。
地球では考えられない証拠の探し方をするものだなぁと、思わず関心してしまいますよ。
「そして闇ギルドの存在を明るみに出し、関係者を全て捕らよという王の勅令が発せられています。この件についてはすべての冒険者ギルドにも闇ギルドアジトの調査という強制依頼が発行される手はずになっているそうです」
「なるほど、陛下はこの機に闇ギルドを消滅させるおつもりですか。まあ、狙われていた私としても、それでよいかとおもいますが」
「ええ。ということなので、この件についてはこれ以上の情報も何もありません。逃亡したミランダには賞金が掛けられ手配書も出回っています。また、今回の件でワルヤーク子爵家については王都の財務局より監査が入ることになっています」
相手は子爵ですので、私の見聞きしたこと程度では強権は発動できないということでしょう。
だから、まずは監査役を派遣し適当な罪状をでっちあげて拘束、あとは王都の鑑定持ち魔術師の出番というところでしょう。
つまり、この時点でランカスター家ならびに私がするべきことは無くなったということですね。
「わかりました。では、そちらにつきましては私が手を出すことはありませんので、こちらで処理してください。これでようやく、私も枕を高くして眠れるというものですよ」
「枕を高く? 低いと眠りずらいのですか?」
「いえ、こっちの話ですので。では失礼します」
そのまま一礼して、私は部屋から出ます。
あとは冒険者ギルドを後にして、適当に買い物でもして帰る予定ですけれど。
まず、ギルドに出入りしている冒険者の視線が痛すぎます。
畏怖と恐怖と侮蔑の入り混じったようなネットリとした視線が私に向けられてます。
ハイランカー冒険者を素手でねじ伏せた令嬢という噂が流れているのは知っていますし、冒険者にとって憧れであったウル・スクルタスを解散にまで追い込んだ悪女という話まで流れているとか。
ジャービスたちの功績についてはまるで伝説のように数多く存在しているため、今だ彼らが暗殺者であったということについて信じていない冒険者も数多くいるそうで。
「まあ、私には関係ありませんね。とっとと買い物でも……」
冒険者ギルドを後にして。
馬車にのって通りを眺めていますと、そこにはいつものような日常が広がっています。
まあ、馬車に乗っている私を見て目を逸らしたり、道行く我が子を護るかのように動いていたり。
心なしか、暴君令嬢の時よりも畏怖の目が多すぎやしませんか?
そう思って適当に買い物を済ませ、自宅へと戻って一休み。
「残りのミスリル飴は22個、万が一の時には足りなくなるかも」
室内でアイテムボックスを確認、現在の体内のオーラチャージは0。
今一つ補充したとしても、体内のオーラは自然に抜けていくものですから無駄になってしまうのは判っています。
「まあ、今の私が修得している様々な理ですら、常人ではたどり着けないようなランクのものもありますからねぇ」
そう思いつつ、部屋の中で修得した理について確認していると、ふとベランダに何かの気配を感じます。
「こんな昼間っから、正々堂々と暗殺にくるほど闇ギルドは切羽詰まっているのですか?」
ぼそっと呟きつつ、口の中にミスリル飴をとりだしてかみ砕く。
そして慎重にベランダに近寄ると、そこには一羽の角を生やした鳩。
鳩? え、ハトって額に小さな角が生えていたっけ?
そのくちばしに手紙のようなものを咥えているので、それを受け取って開いてみると。
『会談を行いたい。今宵、月が頂点に差し掛かるころ、そちらに伺わせていただく。二人だけの会談を希望するが、私たちを罠に嵌めようとするのなら、その時は家族の命については保障しないとだけ付け加えておく』
そして手紙は一瞬で灰となり消滅。
その場にいた鳩も黒い霧のように変化し、大気の中に散っていく。
「脅迫に近い……いや、こっちが何もしなければ、あっちもに何もしてこないということか」
闇ギルドの存在については容認しがたい部分はある。
ただし、殺すのはターゲットと目撃者のみ、それ以外についてはむやみに命を奪うようなことはないという話をしていたのだが。
だからこそ、この手紙に記されていることから、相手もまた切羽詰まっているのだろうと予測できる。
「約束をたがえた場合は、うちの家族は皆殺しにする……か。本来の闇ギルドの方針を曲げてでも、話し合いで解決をしたいということなんでしょうね」
それが相手の覚悟であり、私を恐れているということが理解できた。
「まあ、いいでしょう。今回の件つにいては、こっちとしても手打ちで終わるのならそれでいいとは思っているからね……口封じで殺されたジャービスさんたちには悪いけれど、あんたたちだって散々人を殺してきたんだろうからさ……」
さて、そうとわかれば今のうちに準備を。
といっても、今現在の私の部屋にあるガラクタ武具程度では、新たにスキルを修得することはない。
だったら今のうちに色々と実験をして、オーラの限界数などを調べることにしましょうかね。
食べられる武具はたくさんあるのですから。
今日の目的は冒険者ギルド、闇ギルドの暗殺者であったウル・スクルタスについての処遇と、逃亡したミランダの行方について話を聞かせて貰いに来ましたのですが。
「この度は、誠に申し訳ありません……」
ランカスター領都の冒険者ギルドの統括である男性、そしてその補佐官が深々と頭を下げています。
ここが統括の執務室でなかったら、また私の悪評が流れることになっていたでしょう。
「まあ、頭を上げてください。相手は闇ギルドです、それだけ狡猾だったということで話を収める予定ではあります。事実、ランカスター家には人的被害は出ていないのですから」
「そうですか……お嬢様がそうおっしゃるのでしたら。それと、明日にでも王都から宮廷魔術師の方が到着します。ギルド地下室にて術的保存されているウル・スクルタスの死体を回収し、霊媒師によって魂を召喚し尋問する予定だそうです」
霊媒師による召喚、そして尋問。
こっちの世界では、犯罪者に対してはそこまでするものなのですか。
まあ、国家の裏で暗躍する闇ギルドの正体を暴く絶好のチャンスということで行うのでしょうけれど。
地球では考えられない証拠の探し方をするものだなぁと、思わず関心してしまいますよ。
「そして闇ギルドの存在を明るみに出し、関係者を全て捕らよという王の勅令が発せられています。この件についてはすべての冒険者ギルドにも闇ギルドアジトの調査という強制依頼が発行される手はずになっているそうです」
「なるほど、陛下はこの機に闇ギルドを消滅させるおつもりですか。まあ、狙われていた私としても、それでよいかとおもいますが」
「ええ。ということなので、この件についてはこれ以上の情報も何もありません。逃亡したミランダには賞金が掛けられ手配書も出回っています。また、今回の件でワルヤーク子爵家については王都の財務局より監査が入ることになっています」
相手は子爵ですので、私の見聞きしたこと程度では強権は発動できないということでしょう。
だから、まずは監査役を派遣し適当な罪状をでっちあげて拘束、あとは王都の鑑定持ち魔術師の出番というところでしょう。
つまり、この時点でランカスター家ならびに私がするべきことは無くなったということですね。
「わかりました。では、そちらにつきましては私が手を出すことはありませんので、こちらで処理してください。これでようやく、私も枕を高くして眠れるというものですよ」
「枕を高く? 低いと眠りずらいのですか?」
「いえ、こっちの話ですので。では失礼します」
そのまま一礼して、私は部屋から出ます。
あとは冒険者ギルドを後にして、適当に買い物でもして帰る予定ですけれど。
まず、ギルドに出入りしている冒険者の視線が痛すぎます。
畏怖と恐怖と侮蔑の入り混じったようなネットリとした視線が私に向けられてます。
ハイランカー冒険者を素手でねじ伏せた令嬢という噂が流れているのは知っていますし、冒険者にとって憧れであったウル・スクルタスを解散にまで追い込んだ悪女という話まで流れているとか。
ジャービスたちの功績についてはまるで伝説のように数多く存在しているため、今だ彼らが暗殺者であったということについて信じていない冒険者も数多くいるそうで。
「まあ、私には関係ありませんね。とっとと買い物でも……」
冒険者ギルドを後にして。
馬車にのって通りを眺めていますと、そこにはいつものような日常が広がっています。
まあ、馬車に乗っている私を見て目を逸らしたり、道行く我が子を護るかのように動いていたり。
心なしか、暴君令嬢の時よりも畏怖の目が多すぎやしませんか?
そう思って適当に買い物を済ませ、自宅へと戻って一休み。
「残りのミスリル飴は22個、万が一の時には足りなくなるかも」
室内でアイテムボックスを確認、現在の体内のオーラチャージは0。
今一つ補充したとしても、体内のオーラは自然に抜けていくものですから無駄になってしまうのは判っています。
「まあ、今の私が修得している様々な理ですら、常人ではたどり着けないようなランクのものもありますからねぇ」
そう思いつつ、部屋の中で修得した理について確認していると、ふとベランダに何かの気配を感じます。
「こんな昼間っから、正々堂々と暗殺にくるほど闇ギルドは切羽詰まっているのですか?」
ぼそっと呟きつつ、口の中にミスリル飴をとりだしてかみ砕く。
そして慎重にベランダに近寄ると、そこには一羽の角を生やした鳩。
鳩? え、ハトって額に小さな角が生えていたっけ?
そのくちばしに手紙のようなものを咥えているので、それを受け取って開いてみると。
『会談を行いたい。今宵、月が頂点に差し掛かるころ、そちらに伺わせていただく。二人だけの会談を希望するが、私たちを罠に嵌めようとするのなら、その時は家族の命については保障しないとだけ付け加えておく』
そして手紙は一瞬で灰となり消滅。
その場にいた鳩も黒い霧のように変化し、大気の中に散っていく。
「脅迫に近い……いや、こっちが何もしなければ、あっちもに何もしてこないということか」
闇ギルドの存在については容認しがたい部分はある。
ただし、殺すのはターゲットと目撃者のみ、それ以外についてはむやみに命を奪うようなことはないという話をしていたのだが。
だからこそ、この手紙に記されていることから、相手もまた切羽詰まっているのだろうと予測できる。
「約束をたがえた場合は、うちの家族は皆殺しにする……か。本来の闇ギルドの方針を曲げてでも、話し合いで解決をしたいということなんでしょうね」
それが相手の覚悟であり、私を恐れているということが理解できた。
「まあ、いいでしょう。今回の件つにいては、こっちとしても手打ちで終わるのならそれでいいとは思っているからね……口封じで殺されたジャービスさんたちには悪いけれど、あんたたちだって散々人を殺してきたんだろうからさ……」
さて、そうとわかれば今のうちに準備を。
といっても、今現在の私の部屋にあるガラクタ武具程度では、新たにスキルを修得することはない。
だったら今のうちに色々と実験をして、オーラの限界数などを調べることにしましょうかね。
食べられる武具はたくさんあるのですから。
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