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お姉様、肝っ玉を据える。
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数十分前。
「こういう時は紅茶でも飲んで待っていましょう。どうせ待つしか出来ないのなら、震えて待つのも辛気臭いでしょう?」
「ふふっ。夫人のおっしゃる通りですわ。」
前大公殿下も王族ながら、武人でいらっしゃったというから夫人はこういう場面に慣れていらっしゃるのかしら。
私はソワソワとして仕方がないというのに。
「あらでも、リビア嬢。お顔が青いわよ。」
「あ、そうでしょうか……」
「無理をしなくていいのよ?ほら、こちらに座って。」
私の顔色が悪いかしら……
自分では分からないけれど、
「心配するだけ無駄なんだから。信じて待ちましょう。
信じることは、闘ってくれる騎士達への信頼の証よ。」
その時、
キョエーーーーー!
「なに!?この大きな鳴き声は!」
「鳥、でしょうか」
「ただの鳥ではないわ。兵士達に外の様子を聞いてみましょう。」
すると、聞きに行く間もなく外の警備をしていた兵士から情報が伝えられた。
「大奥様!!大変です!!上空に数匹の魔獣が出現しました!!直ちに地下のシェルターへお逃げ下さい!!」
「まぁ、なんてこと!」
「ジェイダ夫人、早く逃げましょう!」
「ええ、急ぎましょう!」
魔獣の急襲は街中だけではなかったの!?
魔境にしかいないはずの魔獣達がこんなに現れるだなんて……やはり人為的なもので間違いないわ。
恐ろしい鳥達の大きな鳴き声を聞きながら、私達は地下にある避難用シェルターに走った。
だけど、
ドガーン!!!
行く手を防ぐように勢いよく魔獣の1匹が建物に突っ込んできた。
「なんてこと……っ!!」
「くっ……!」
しまった。シェルターへの通路が塞がれてしまった可能性が大きいわ。
ギョエエエエーーー!!
「「「きゃああぁぁぁ!」」」
建物に突っ込んできた魔獣の恐ろしい鳴き声と、腐食したような姿の大鷲の姿に使用人達が悲鳴を上げる。
……こうなったら、逃げるのはもう得策ではないわね。
「リビア嬢っ……!」
大鷲の方へ足を向ける私にジェイダ夫人が声をかける。
「大丈夫です、ジェイダ夫人。こう見えて私はギルバート大公殿下の弟子ですから。」
その大きな巨体は的としては最適だわ、大鷲さん。
キョエエエエ!!!
大鷲も私を認識したようね。
その獰猛な爪と嘴は恐ろしいけれど、要は燃やして灰にしてしまえば私の勝ちよ。
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