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『僕に必要なのは聖女だ。偽物の君を助けるつもりはない。』
幼い頃からずっと婚約者として共に育った貴方は最後に私に冷たく言い放った。
ルーカス、私は好きだったのよ貴方のこと。
だからとてもね、私を冷たく見捨てた貴方が憎いわ。
チュパッ
「あっ……」
ルーカス……
チュッ……
「っ……」
ルーカス……
ジュチュッ……
「ぁあ……」
気持ちいい、
「いい声で鳴くな。」
「え……?」
誰?
甘い微睡みの中からセリアの意識が戻っていく。
「起きたか、聖女。」
目の前には黒髪黒目の美形の男。そしてその男はセリアに覆いかぶさっていた。
悲鳴をあげてセリアは飛び上がった。
「誰ですか、貴方!」
「誰というか、お前が俺を起こしたんだろう。」
「え……もしや、棺で寝ていた方なのですか?」
「寝て……ククッ。ああ、ざっと600年くらい寝ていただろうか。」
「600年!?貴方は魔物だったの!?」
「正確には悪魔だがな。」
「そんな……この地に悪魔がいただなんて、」
「そう言うお前は聖女だろう。何故に聖女が魔の森に一人でいるのか。魔と聖が混在していた600年前もそんなことはなかったぞ。」
「……悪魔様にそこまで気にしていただく必要はありません。
、人だと思って近づいてしまいましたが、これにて失礼させていただきます。」
「……俺から離れればお前は死ぬぞ。今、俺の魔気を分け与えたから一日は持つだろうがな。」
「え、それはどういうことですか?」
「聖女は魔物にとって一番のご馳走だ。だから俺の魔気を纏わせてあいつらにはお前が仲間に見えるようにしてある。」
「魔気……」
まさかさっき目覚める直前の艶めかしい感覚って……!!
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