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第2章 本当は寂しがりだなんて、絶対誰にも知られたくない!

第8話 ボクのだっていう、しるし(※)

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 音を立てて首筋を吸われて、チリっと痛みが走った。

「んっ、な、にぃ?」
「しるし。ボクのだっていう」

 そのまま、サイラスくんの唇が首筋を撫でる。移動する度にちゅうっと吸い付くものだから、その度に私の声が跳ね上がってまともに言葉を紡ぐこともできない。

「あっ、それ、んっ」
「ん?」
「ボクの、ってぇ、んっ! ああっっ!」

 鎖骨をつーっと舐められ、仕上げと言わんばかりに強く吸われて。思わず大きな声が出た。顔を上げたサイラスくんがうっとりと微笑んでいて。

「ボクのだ」
「あっ……」

 その表情にゾクリとした何かが全身を駆け抜けて、唇が震えた。

(言わなきゃ。そんなの、了承してないって)

 けれど、私は何も言うことが出来なかった。空色の瞳にみつめられて、ただただその熱に浮かされて。

「好きです」

 きゅうと胸が締め付けられて。

「ん」

 小さく、頷いた。

「嬉しい」

 今度は食べられるような口づけだった。唇を喰まれて吸われて、咥内を舌で犯される。

「んっ、ぅん。あっ、んんん」

 その気持ちよさに喘いでいる間に、下着は全て取り払われてしまった。そのまま乳房を揉みしだかれながら、乳頭を口に含まれる。

「んんっ、それ、だめぇ」
「気持ちいですね。かわいい」
「あぁっ、んっ。んっ」
「我慢しないでください。声、かわいい」
「やだぁ……!」

 私が声を我慢してみたり身体を捩ってみたりしてみるが、彼は乳頭を捏ねる手を止めようとはしなかった。

「あぁ! あんっ、やあぁ、んんっ! あん!」

 私は、はしたない声を我慢することができなくなってきて。それを見たサイラスくんがうっとりと微笑む。

「かわいい」
「あぁぁぁっ!」

 ついにソコを触られて、私の身体がビクリと大きく震えた。

「ああ、ココはちゃんと覚えてますね」
「え?」
「触られると気持ちいいってこと、ちゃんと覚えてる。……ほら」
「ひっ、あっ、あああ、あんっ!」

 触られるごとに蜜が溢れ出して、私の声も高くなっていく。
 ついには涎を垂らしていたらしい。それをサイラスくんが舐め取って、嬉しそうに笑っている。

「かわいい。かわいいです。ボクの、エミリーさん」
「あああああっ!」

 指を入れられた。
 同時にその上の敏感な突起を撫でられて、バチバチと全身に電気のような刺激が走る。

「あっ、あん、んんんんっ! あぁ!」
「これ、昨日もナデナデしたトコロ。覚えてます?」
「んっ、んっ」

 快感の波に流されながらも、なんとか頷いた。

「クリトリスです。覚えましょうね」
「んっ、あっ、わ、かったぁ……!」
「いいこ」

 グリグリと刺激されると、そこがますます硬くなるのがわかる。それを見てサイラスくんが嬉しそうに笑って、また激しくこねられて。

「ああ、あぁぁ、あんっ、だめ……!」

 そこがヒクヒクと痙攣しはじめた。

「もうイキそうなんですか?」
「イ、キそぅ?」
「イクときは、イクって言いましょうね」
「なん、で?」
「……その方が、気持ちいいからです」

 一瞬の間がなんだったのか、考えるような余裕は私にはない。そこをこね回す手がさらに激しくなったからだ。それにつられて、私の腰がしゃくりを上げる。

「あっ、あっ、あっ、あぁぁぁ」
「ね。イクって、言ってくださいね」
「んっ、あんっ、イク、イク……! イッちゃう……!!!」
「上手ですよ、エミリーさん」
「あああ、イクイクイクっ! イ、クぅ!!!」

 ビクビクっと全身が震えた。昨日と同じように全身が雷に打たれたようで。その余韻で、頭がボーッとする。
 はあはあと二つ息を吐いた瞬間、またそこに刺激が走った。

「えっ、あっ、ひっ、なに」

 昨日はこの余韻が収まるまで待ってくれたのに。

「あっ、あっ、あっ、待って! ね、え! とまってぇ!」

 ナカに挿し込まれていたサイラスくんのの指が、止まってくれない。グチュグチュと水音を立てながら、激しく内壁を攻め立ててくる。

「クリイキは上手にできたので、今日はナカイキを覚えましょう」
「ナカ、イキ……? あっ、あっ、ん!」
「ナカでイケるようになったら、もっと気持ち良くなれますよ」
「もっと……?」
「はい。がんばりましょう」
「ああっ!」

 腹側の一点を擦られると、腰が大きく跳ねて。それをサイラスくんは見逃さなかった。そこばかりを執拗に攻められて、さらに蜜が溢れ出す。

「あっ、あっ、あんっ、んんッ! ね、なんか、だめ……!」
「ダメじゃなくて、気持ちいです」
「ちが、なんか、きちゃうっ」

 徐々に迫ってくる何かが怖くなって、いやいやと首を振る私を、サイラスくんがうっとりと見つめている。流れた涙を唇で舐め取られて、さらにねっとりと頬を舐め上げられた。

「かわいい。かわいい」
「あっ、あっ、あぁぁ、あん、あぁぁぁ!」
「大丈夫ですよ。怖くないですからね」
「あっ、だめ、だめ、ああああああ、あぁぁああ!」
「イクって、ちゃんと、言うんですよ」
「んっ、あっ、あっ、イクっ! いくぅぅぅ!」

 腰が跳ね上がって、ソコから何かが吹き出した。腰がビクビクと震えるのに合わせて、何度も何度もピュッピュッと音を立てながら。

「あっ、あっ、あぁぁ、はふっ……」

 私は何がなんだか分からず、呆然とするしかない。

(私、漏らしちゃったの……?)

「な、に……?」
「今のがナカイキですよ」

 顔を真っ青にした私を宥めるように、サイラスくんが頭を撫でてくれた。

「んっ」
「お潮も、上手に吹けましたね」
「おし、お?」
「気持ちいいと出ちゃうんです」
「でも……」
「とってもかわいかったです」
「んん」

 ヒクヒクと痙攣を繰り返すソコに、またアレが押し付けられた。

「これ、ボクのおちんちん。わかりますか? エミリーさんがお潮を吹きながらイクのをみて、こんなになっちゃいました」

 チラッとソコに目をやると、太くて長い肉棒が目に入った。赤黒くて、血管が浮いてドクドクと脈打つのが伝わってくる。先端を私の秘所にこすりつける度に、さらにビクビクと震えている。

「んんっ、あぁ、はっ」

 目が離せなくなって、また息が上がってきた。

(私、興奮してるんだ……)

 それに気付いて、ゴクリと喉が鳴った。

(もっと、してほしい……)

 口には出せずに唇がわずかに震えただけだったが、サイラスくんには伝わったらしい。

「もっと、気持ちよくなりましょうね」

 そう言って、微笑んで。キスをしてくれた。

「んんんっ!」

 咥内を犯されながら、ナカに挿入される。溢れ出した嬌声は彼の口の中に吸い込まれて、それがまた私の官能を刺激した。

「はっ、さいこう……!」
「あっ、あっ、あん、あん」

(ナカ、昨日より、気持ちいい……!)

 心のナカで叫ぶ。

「ね? 昨日より、気持ちいいでしょ?」

 まるで心の中を読まれたみたいで恥ずかしい。反面、それが嬉しくもある。
 思わずサイラスくんの逞しい首筋に縋り付いた。ギュッと抱きしめると、同じようにぎゅっと抱きしめてくれる。

「きもちい、きもちいい……!」
「エミリーさん、かわいい。かわいいっ! んっ」

 さらに奥に押し入ってきた肉棒が、私の気持ちいいところをゾリゾリと擦り上げる。

「あ、あん、あっ、あぁ」
「ここ、ですよね?」
「あっ、あん! あああっ!」

 ぎゅうっと膣壁が収縮したのがわかった。

「すごい、締付け……っ」
「んっ、ごめ、……!」
「謝らないで。気持ちいい証拠、ですよ……!」

 締め付けに逆らうように肉棒が引き抜かれ、そしてまた奥へ押し込まれる。激しさを増しながら、何度も何度もそれを繰り返された。

「ああ! あん! あああっっ!」
「今度は、こっちも……!」
「あ、あああああぁぁぁっ!!!!!」

 今度は一番深いところを突かれて、バチバチと視界が弾ける。

「んっ、奥も気持ちいいですね。もっと、して、あげますねっ」
「あん、あっ、あああ!」
「んっ、ボク、もう……!」
「あ、あっ、わたし、も……ッ!」
「出る、んっ……!」
「あ、あっ、 んんんっ! あぁぁあああ!!!!!!」

 一番深いところに、これまでで一番強い快感を叩きつけられて。温かいものが弾けて。同時に、私は気を失った。


 * * *


 目が覚めると、私は一人きりだった。

(帰っちゃったのかな……)

 身体はキレイに清められて、きちんとパジャマを着せられている。汚したはずのシーツもキレイになっている。彼がしてくれたのだろう。ところが、その肝心のサイラスくんが、ここにいない。

(起きるまで、待っててくれたらよかったのに)

 うつ伏せになって、きゅっと枕を抱きしめた。と、その時、

 ──ガチャッ。

 寝室のドアが開いて、彼が顔を出した。

「あ、起きちゃいました? うるさかったですか?」

 彼の向こうからは、ジャバジャバという水音と機械音が聞こえてくる。

「シーツ、先に洗っとこうと思って」

 この家には魔力で動く自動洗濯機が置いてある。それを使っているのだろう。

「あ、ありがとう」

 なんだか気恥ずかしくなって、私は上掛けを頭までかぶった。勝手に勘違いして、勝手に寂しくなって、勝手に泣いていたのだ。

「あとは、朝になったら干すだけなんで」

 そう言って、サイラスくんもベッドの中に入ってきて。ぎゅっと抱きしめられた。

「起きた時、そばにいなくてごめんなさい」
「……べつに」

 強がって答えた私に、サイラスくんがクスリと笑う。

(ぜんぶ、お見通しか……!)

 恥ずかしさに耐えきれず、私は彼の胸に顔を埋めた。真っ赤な顔を見られないように。

 そして。

(本当は寂しがりやだなんて! 絶対誰にも知られたくなかったのに!)

 心の中で叫んだのだった。
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