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 話し合いと混乱

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 城につくと入口に近衛兵が2人待っていた。

「謁見の間までお連れ致します。」

「ローゼ公爵様はこちらへ。」

父様は別のところへ連れていかれた。
兵士の後ろについて歩いていると横から声がかけられた。

「あら、ルーナ様ではないですか。今日はどうしてここへ?
わたくしは殿下とのお茶会ですのよ。」

嫌みったらしく勝ち誇った様に言ってきたのは同じ殿下の婚約者候補になっていた.......誰だっけ?
忘れちゃった。

「ごきげんよう。殿下とのお茶会は有意義でしたか?
わたくし、陛下からの呼び出しで急いでおりますの。失礼しますわ。」

「.........は?陛下からの、呼び出し?」

私は困惑した顔の令嬢を無視して進んだ。

「ちゃんとした令嬢のルー、初めて見た。」

「え?そうだっけ?」

「うん。なんか、凛としてて綺麗。」

笑顔と一緒に向けられた言葉に真っ赤になってしまった。



 その後は何事もなく歩いて謁見の間についた。

「どうぞ」

兵士が扉を開けてくれて中に入ると陛下の隣に父様がいた。宰相としての位置にいるみたいだ。
後は、大臣やその他の重要人物が数人いる。

私が頭を下げようとすると陛下が止めた。

「よいよい。正式な場ではないので堅苦しいのは無しじゃ。楽にしてくれ。
で、ルー。婚約者が決まったみたいだな。おめでとう。
本音では、アスと婚約してほしかったんじゃが、仕方ないの。」

陛下は私を可愛がってくれる。本当は望みは叶えてあげたいけど婚約者は無理だ。

「ありがとうございます。
殿下には、昨日お話しさせていただきました。その上で(しぶしぶ)納得してくださいました。」

「む、何か含みがあった気がするが、そうか。
して、そっちの子が婚約者か?」

陛下は視線を私からディズに向けた。それと同時に、他の人の視線もディズに向いた。

「はい。私の婚約者となった.......」

「ディズロード・デスタです。」

名前だけ言うと黙ってしまった。
緊張しているのかと思ってちらりと見るとそんなこともなさそうな感情の見えない表情をしていた。これは、あれだ。アスに向けていた視線と同じだ。
そんなことは知らない陛下は尚も話をした。

「ディズロード君か。キミとルーナはお互いに思いあって婚約したと聞いたがその通りなのか?」

「はい。私はディズが大好きで婚約しました。」

「僕も、ルー大好き。」

お互いに好きだと言って私がディズの方を向くとディズは蕩けんばかりの笑みを見せてくれた。さっきの表情はどこにも見えない。
私が照れて下を向くと陛下の咳払いが聞こえた。

「ンンッ.......。
そういうのは後で家に帰ってからしてもらえるかな。
ところでディズロード君、君の属性を聞いてもいいかな?」

陛下の問いにディズは一瞬迷って答えた。

「闇属性。ルーと同じ。」

ディズの言葉に大臣たちが騒ぎ出した。

「なんと、闇属性。」

「珍しい。」

「ルーナ嬢の他にもいたのか。」

「静まれ。」

好き勝手に話す大臣たちを静めた陛下がディズに向き直り口を開いた。

「君は......」

しかし、陛下の言葉は最後まで紡がれなかった。
なぜなら、慌てて入ってきた兵士にさえぎられたからだ。

「し、失礼します!陛下!!!」

入ってきた兵士は恐怖を顔に張り付けていた。

「なんだ、騒々しい。」

「今は大事な謁見中だぞ。」

「無礼者!」

騒ぎ立てる大臣たちを手で制し、陛下は兵士に問いかけた。

「なにがあった。申してみよ。」

陛下が話している間、今まで姿を消していたオルフィスやロコル、アルミルと一緒にディズが何もない窓の外をながめていた。

(なにかあるの?)

そんなことを思いながら、私も何か大きなものが接近してくる気配を感じていた。

「は、はい。王都から少し離れた上空に魔族が現れ物凄い速さでこの城を目指して飛んできております!」








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みんなの感想(1件)

penpen
2020.01.07 penpen

こっちも読ませて頂きます~

杜薛雷
2020.01.07 杜薛雷

 ありがとうございます

こちらも気に入ってもらえるようにがんばりますね

解除

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