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 あなたは誰?

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 教会へ行ってから数日、私は魔法の練習をしていた。


 あの後、お父様やお母様、姉様と兄様全員と話をした。使用人は魔法でこの家の人間にしか話せないようにしてある。これをしてくれたのはアルミルだ。

家族には私が神様達と話したこと。連絡が取れること。ステータスが見れること。前世のこと以外の全てを話した。驚きはしても誰の態度も変わらなかった。それがすごく嬉しかった。

家族以外には従兄弟の3人に話すことを許可した。合ってるうちにバレそうだしまぁいいかということになったからだ。




 そして最近、私は魔法の練習をしていた。
火、風、水、地、闇、無の属性は無事にできた。でも私の本来ある闇属性と正反対の属性、光属性は出来ていないのだ。やるのが少し怖かった。

「オルフィスのおかげでとても扱いやすいわ!ありがとう。闇魔法も問題なく使えるし他の属性も大丈夫そうね!光魔法は知らないけど........」

「別にいいよ~。名前付けてもらったし、フェルシー様の意思だし、ルーの役に立ちたいと思ってるし気にしないで」

そう言ってニコッと笑ってくれた。可愛い!

「ただな~、いい加減に光魔法も練習しようぜ。いつまでも逃げれられないし俺もいるんだからさ。」

「うぅ~」

「そうだぞ、ルー。
われらもついている。問題ない!」

「大丈夫だよ~」

アルミルとロコルも応援してくれる。ただ、君達木陰で休みながら言われてもね.....

「はぁ、わかった。やりますよ」

「何かあれば俺が抑えるし周りが気になるなら場所変えるか?」

「あ、お願い」

ということで、私たちはどこかの森に移動していた。休んでいたはずの2匹もしっかりついてきてる。
 あ、私の魔法の練習時に2匹も魔力を操る練習をして人の姿になることが出来た。それにドラゴンとユニコーンの姿でも大きさを自由に変えれるようになったみたい。ロコルは成馬サイズから産まれたばかりの仔馬サイズにアルミルは掌や肩に乗るくらいの小型サイズになれるようになった。

「なら、はじめは矢から練習しようか。」

オルフィスに付き添われて私はまず簡単な光の矢を作った。

詠唱?そんな恥ずかしいことしないよ?私は完全無詠唱。チート最高!

そんなことを考えながら矢を適当に放った。

「うん。魔力の乱れも無い。光魔法も問題ないね。」

「よ、よかった~」

光魔法と闇魔法は正反対。だから光魔法を使うことで魔力が暴走でしてまうのではないかと不安だったのだ。

「............グッっ!」

安心していると矢を放った方向から呻き声のようなものが聞こえた気がした。

「..............」

「..............」

「ねえ、オルフィス」

「なに、ルー」

お互いに顔は声の方を向いたまま動こうとしなかった

「光魔法って、普通の人には効かないはずだよね?」

「魔族か闇属性の人間にしか効かないはずだよ。それに魔物かもしれないじゃん」

「私、魔族が攻めてきてるなんて報告聞いてない。
私が矢を放ってすぐに同じ方向から聞こえたよ?」

「魔物の線は消えたね」

私は急いで駆け出した。その後をオルフィスが付いてきて気付いた2匹が遅れながらもついてきた。




 走ってついたところは少し開けた場所だった。
そして、その端の木によりかかるように男の子がいた。私は一瞬で目を奪われた。

 日本でも見たことないくらいの美しい黒髪。真っ直ぐ腰まで伸びたサラサラそうな長髪。そして1番目を引くのはその顔。前世では勿論、美形が多いこの世界でも見たことないくらいの美形。

「........カッコいい」

「え?!
ルーってああいうのがタイプなの?!」

「え?いや、だってカッコいいじゃない。
..........はっ!いや、そうじゃなくて助けなきゃ!」

きた目的を思い出した私は男の子に駆け寄った。

男の子の近くでしゃがむとドキリと胸が高鳴った。

(うわぁ......
近くで見るとまつ毛長い、色白い、本当に綺麗な子)

「オルフィス、確か光がダメージなら闇属性の回復よね?」

「うん。そうだよ!よく覚えてたね。
普通の人には害だけどこの人にはいいはずだよ!」

オルフィスの確認も取れたから私は闇属性の回復魔法を男の子にかけた。




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