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溢れる愛の気持ち
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夜中になり、やっとクローゼットから出る事が出来た。
急いでクローゼットを出て、窓に向かった。
普段窓なんか見ないからか、開いている事に気付いていなかった。
窓を開けて、入ってきた時のように壁に張り付いて下に降りた。
体を綺麗にしたいけど、カイウスが心配でそのまま小屋に向かった。
今日は約束していないけど、カイウスは結界を解いてくれただろうか。
また痛みが走るかもしれないから、小屋の扉に向かって恐る恐る手を伸ばした。
普通に触れる事が出来て、ドアノブを掴んで一気に扉を開けた。
カイウスが結界を解いてくれただけならいいけど、カイウスになにかあったから結界を張れない状態でない事を祈るばかりだ。
小屋の中に入ってから、すぐに異変に気付いた。
いつもの小屋の景色がそこにはなく、銀色の世界が全て消えていた。
肌にひりつくような熱さを感じた、炎の力だろうか。
明らかにカイウスになにかあったんだ、そう思って急いでカイウスのところに向かった。
個室に入ると、精霊も蝶もいなくて寂しい場所に変わっていた。
何処かに地下に行ける扉はないのかと確認した。
すると、個室の奥の布が揺れていてそこから扉が見えた。
何処に続く扉かは分からないけど、きっとカイウスの場所に連れて行ってくれるって信じてるから…
扉を開けようとドアノブに触れると、指輪が強い光に覆われた。
一度手を離して、指輪を見つめると熱を感じた。
「カイウス、今行くからね」
なにが起きても強くいないとと思って決意してドアノブをしっかりと握って、扉を開けた。
一歩足を踏み出した場所は真っ白な世界だった。
カイウスの氷の銀世界ではなく、本当に真っ白だ。
呼んで探したいけど、ここに神もいると思うとむやみに叫んで気付かれたら大変だ。
でも、周りを見ても何もなく行き止まりが分からない。
何処かにカイウスがいる筈なんだ、集中して周りを見渡してみる。
カイウスがいるけど、それと同時にここには俺の敵が大勢いる。
俺の前にカイウスではない人が来ても不思議ではない。
少し歩いていると、奥に誰かが倒れているのが見えた。
警戒しながら近付くと、それが誰か分かり急いで駆け寄る。
遠くでも分かる、俺が見間違う筈はない…カイウスだ、間違いない。
それにこの青い髪、もしかして元の姿のカイウス?
「カイウス、大丈夫?カイウス」
「…ぅ」
小さな声でカイウスは呻き声を上げていて、目を開いた。
ゆっくりと体を起こすカイウスを手伝って、支える。
やっぱりこの姿って、カイウスはなにかあったんだ。
もしかして、元のカイウスに戻ったのではないのかと期待してしまう。
カイウスは俺の方を見て、すぐに気付いたのか目を見開いていた。
「なんでここにライムが…ダメだ!今すぐ離れ……ごほっ」
「カイウス、血が」
カイウスは口から血を吐いていて、それ以上喋らないでとお願いした。
これ以上喋ると、カイウスの体が危ない状態になる。
少し落ち着けるためにカイウスを休ませようと思って、寝かせた。
ごめん、男の膝枕は硬いけどカイウスの体調が悪いのに床に寝かせられないから我慢して…
背中を撫でていて、痛いところとかないか聞く。
カイウスは俺の方を見つめて、頬に触れていた。
銀色のカイウスとは違う、壊れ物を扱うように優しい触れ方だった。
「ライム、どうかしたのか?」
「……えっ」
「泣いてる」
いつの間にか、俺の頬を涙が濡らしていて止まらなかった。
カイウスはいつものように俺の涙を指で拭ってくれた。
安心させるように、笑ってくれていろんな感情が溢れてきた。
カイウスがいない中、いろんな人に支えられてここまでやってきた。
それでも、カイウスがいなくて辛くて寂しかった。
銀色のカイウスもカイウスだ、どちらもカイウスだから気持ちは変わらない。
でも、銀色のカイウスは俺の記憶がなくて出会ってまだ関係が分からない状態だった。
カイウスを外の世界に連れ出して、助ける約束をした。
弱音を吐いちゃダメなんだ、カイウスを俺が守るんだ。
こうやって俺が甘えられるのは、やっぱり元のカイウスなんだ。
「ライム、傍に居られなくて悪かった」
「ううん、大丈夫…もう一緒に居られるんだよね」
ローベルト家に居なくていいんだ、早くカイウスと一緒にここから出たい。
どんなところでもカイウスと一緒なら、何処にだって行けるよ。
でも、カイウスの表情は曇っていて俺を不安にさせる。
もう一度、立ち上がろうとして止めたがカイウスに手を掴まれた。
立ち上がって、また咳き込んでいたからカイウスを支える。
「カイウス…」と呼ぶと、俺の手を強く握っていた。
「ライム、俺から離れてくれ」
「そんな…なんで…俺の事嫌いになったの?」
「…嫌いになれたら、こんな苦しまなくていいのにな」
カイウスは俺の方を向いて、強く強く抱きしめてくれた。
俺がカイウスを元に戻そうとするのは、迷惑だった?
カイウスの背中に腕を回して、俺はカイウスに伝えた。
カイウスがどんなカイウスでも好きって、好きでいたいって気持ちを一つも隠さず言葉にした。
嫌いじゃないし苦しいって、まだ少し俺の事好きでいるのかな。
カイウスに頭を撫でられて、また涙が出てきた。
「俺も……好きだ」
「じゃあなんで…」
「ライムに俺を殺させたくないんだ」
カイウスがいなくなる前から悩んでいた事を今言われて驚いた。
俺はカイウスを殺さないよ、助けるために今までやって来たんだ。
その理由だったら絶対に離れたりしない、カイウスが安心するまで俺は頑張るよ。
カイウスは未知なるカイウスになる事が怖かったから離れようとしていたんじゃないのか?
もう元のカイウスに戻ったんだし大丈夫じゃないの?
カイウスにそう言うと「違う」と小さく首を横に振った。
「今の俺は精神でしかない」
「…どういう事?」
「俺の体の意識は、新しいカイウスのままだ」
カイウスの言葉に驚いて、頬に触れるとちゃんと触れられる。
でも、そういう事ではないんだろうなとカイウスを見つめた。
急いでクローゼットを出て、窓に向かった。
普段窓なんか見ないからか、開いている事に気付いていなかった。
窓を開けて、入ってきた時のように壁に張り付いて下に降りた。
体を綺麗にしたいけど、カイウスが心配でそのまま小屋に向かった。
今日は約束していないけど、カイウスは結界を解いてくれただろうか。
また痛みが走るかもしれないから、小屋の扉に向かって恐る恐る手を伸ばした。
普通に触れる事が出来て、ドアノブを掴んで一気に扉を開けた。
カイウスが結界を解いてくれただけならいいけど、カイウスになにかあったから結界を張れない状態でない事を祈るばかりだ。
小屋の中に入ってから、すぐに異変に気付いた。
いつもの小屋の景色がそこにはなく、銀色の世界が全て消えていた。
肌にひりつくような熱さを感じた、炎の力だろうか。
明らかにカイウスになにかあったんだ、そう思って急いでカイウスのところに向かった。
個室に入ると、精霊も蝶もいなくて寂しい場所に変わっていた。
何処かに地下に行ける扉はないのかと確認した。
すると、個室の奥の布が揺れていてそこから扉が見えた。
何処に続く扉かは分からないけど、きっとカイウスの場所に連れて行ってくれるって信じてるから…
扉を開けようとドアノブに触れると、指輪が強い光に覆われた。
一度手を離して、指輪を見つめると熱を感じた。
「カイウス、今行くからね」
なにが起きても強くいないとと思って決意してドアノブをしっかりと握って、扉を開けた。
一歩足を踏み出した場所は真っ白な世界だった。
カイウスの氷の銀世界ではなく、本当に真っ白だ。
呼んで探したいけど、ここに神もいると思うとむやみに叫んで気付かれたら大変だ。
でも、周りを見ても何もなく行き止まりが分からない。
何処かにカイウスがいる筈なんだ、集中して周りを見渡してみる。
カイウスがいるけど、それと同時にここには俺の敵が大勢いる。
俺の前にカイウスではない人が来ても不思議ではない。
少し歩いていると、奥に誰かが倒れているのが見えた。
警戒しながら近付くと、それが誰か分かり急いで駆け寄る。
遠くでも分かる、俺が見間違う筈はない…カイウスだ、間違いない。
それにこの青い髪、もしかして元の姿のカイウス?
「カイウス、大丈夫?カイウス」
「…ぅ」
小さな声でカイウスは呻き声を上げていて、目を開いた。
ゆっくりと体を起こすカイウスを手伝って、支える。
やっぱりこの姿って、カイウスはなにかあったんだ。
もしかして、元のカイウスに戻ったのではないのかと期待してしまう。
カイウスは俺の方を見て、すぐに気付いたのか目を見開いていた。
「なんでここにライムが…ダメだ!今すぐ離れ……ごほっ」
「カイウス、血が」
カイウスは口から血を吐いていて、それ以上喋らないでとお願いした。
これ以上喋ると、カイウスの体が危ない状態になる。
少し落ち着けるためにカイウスを休ませようと思って、寝かせた。
ごめん、男の膝枕は硬いけどカイウスの体調が悪いのに床に寝かせられないから我慢して…
背中を撫でていて、痛いところとかないか聞く。
カイウスは俺の方を見つめて、頬に触れていた。
銀色のカイウスとは違う、壊れ物を扱うように優しい触れ方だった。
「ライム、どうかしたのか?」
「……えっ」
「泣いてる」
いつの間にか、俺の頬を涙が濡らしていて止まらなかった。
カイウスはいつものように俺の涙を指で拭ってくれた。
安心させるように、笑ってくれていろんな感情が溢れてきた。
カイウスがいない中、いろんな人に支えられてここまでやってきた。
それでも、カイウスがいなくて辛くて寂しかった。
銀色のカイウスもカイウスだ、どちらもカイウスだから気持ちは変わらない。
でも、銀色のカイウスは俺の記憶がなくて出会ってまだ関係が分からない状態だった。
カイウスを外の世界に連れ出して、助ける約束をした。
弱音を吐いちゃダメなんだ、カイウスを俺が守るんだ。
こうやって俺が甘えられるのは、やっぱり元のカイウスなんだ。
「ライム、傍に居られなくて悪かった」
「ううん、大丈夫…もう一緒に居られるんだよね」
ローベルト家に居なくていいんだ、早くカイウスと一緒にここから出たい。
どんなところでもカイウスと一緒なら、何処にだって行けるよ。
でも、カイウスの表情は曇っていて俺を不安にさせる。
もう一度、立ち上がろうとして止めたがカイウスに手を掴まれた。
立ち上がって、また咳き込んでいたからカイウスを支える。
「カイウス…」と呼ぶと、俺の手を強く握っていた。
「ライム、俺から離れてくれ」
「そんな…なんで…俺の事嫌いになったの?」
「…嫌いになれたら、こんな苦しまなくていいのにな」
カイウスは俺の方を向いて、強く強く抱きしめてくれた。
俺がカイウスを元に戻そうとするのは、迷惑だった?
カイウスの背中に腕を回して、俺はカイウスに伝えた。
カイウスがどんなカイウスでも好きって、好きでいたいって気持ちを一つも隠さず言葉にした。
嫌いじゃないし苦しいって、まだ少し俺の事好きでいるのかな。
カイウスに頭を撫でられて、また涙が出てきた。
「俺も……好きだ」
「じゃあなんで…」
「ライムに俺を殺させたくないんだ」
カイウスがいなくなる前から悩んでいた事を今言われて驚いた。
俺はカイウスを殺さないよ、助けるために今までやって来たんだ。
その理由だったら絶対に離れたりしない、カイウスが安心するまで俺は頑張るよ。
カイウスは未知なるカイウスになる事が怖かったから離れようとしていたんじゃないのか?
もう元のカイウスに戻ったんだし大丈夫じゃないの?
カイウスにそう言うと「違う」と小さく首を横に振った。
「今の俺は精神でしかない」
「…どういう事?」
「俺の体の意識は、新しいカイウスのままだ」
カイウスの言葉に驚いて、頬に触れるとちゃんと触れられる。
でも、そういう事ではないんだろうなとカイウスを見つめた。
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