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ずっと見てるよ
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「ありがとう、カイウス」
「それで良かったら」
カイウスが俺のためにしてくれた事は全部嬉しいよ。
俺もお礼がしたいけど、私物がほとんどない。
今思えばカイウスの贈り物しかないし、それをあげるわけにもいかない。
俺もなにか作れるかな、リーズナに相談してみよう。
綺麗な星空の下で、俺はカイウスと口付けた。
まるでそれは結婚式の誓いのように感じて、ドキドキと胸が高鳴った。
誓いのキスは、お互いが離れたがらないからなかなか終わらなかった。
最初に離したのはカイウスだった。
「そろそろ中に入ろう、体が冷えてしまう」
「うん、そうだね」
カイウスに引き寄せられて、またカイウスの風に身を任せて地面に降りた。
まだデートは始まったばかりなんだ、中に入っても離れる気はない。
今日もマッサージを口実にカイウスに触ろうとしたが、今日は体調がいいんだと断られた。
その代わり、カイウスは俺をマッサージしてくれると体を抱き抱えられた。
カイウスに触られるとすぐに反応しちゃうから俺がカイウスに触りたいんだと言って一歩も引かなかった。
ついついマッサージではなく、本音を口にしてしまい…気付いた時には遅かった。
「あ、ごめんなさい…純粋にマッサージしようと思ってたよ、うん!」
「いいよ、何処でも触って」
「…え?いいの?」
「ライムだから、その代わり…俺も触るから」
寝室に到着して、先に布団が敷かれていて俺はその上に寝転がった。
覆いかぶさるカイウスを見つめていると、カイウスの髪が少しだけ黒くなっていた。
そうだ、約束してたのにあのまま元に戻ってしまった。
二人のカイウスをまとめて愛そう、受け入れるよ。
耳を指でくすぐられてくすぐったくなりながら舌を絡めて、チュッと音を響かせた。
俺の指輪が明かりに照らされてキラキラと輝いていた。
「ライム、俺のライム…全部俺のものだ」
「んっ…カイウスも、あっ…俺の大好きな人…」
お互いがお互いの全てを奪うかのように限界を忘れて愛しあった。
カイウスのを感じながら、俺で気持ちよくなってくれているカイウスを眺める。
手と手を重ねて、激しく動いて我慢が出来ず声を出す。
快楽で敏感に震える俺の中はカイウスを締め付けて離さない。
眉を寄せて我慢しているみたいで、我慢しなくてもいいのになとぼんやり考える。
カイウスはうわ言のように自分を見てほしいと繰り返していた。
俺はずっと見てるのに、カイウスに一途なんだよ。
動いているカイウスを抱き寄せると、動きが止まった。
何も言わず、ただそうしていたい。
カイウスが不安なら何度でも言うよ、いつか不安がなくなるその時まで…
何も考えられなくなるほど繋がって愛して、触れて涙を流した。
なんで幸せなのに、こんな切ない気持ちになるんだろう。
分からない、分からないけど…繋いだ手は絶対に離さない。
絶頂して意識が薄れていっても、その手だけは硬い意志で結ばれていた。
※カイウスの話
ライムが気絶してしまった、今日は加減を忘れていた。
ライムを休ませようと中から抜こうとした。
その時、ライムの口から「…行かないで、カイウス…」という声が聞こえた。
寝言のような言葉だったが、俺ももう少しこうしていたい…抜きたくなかった。
ライムの中を刺激しないように俺も横になって布団を被る。
ヤバい、ライムの中が気持ち良すぎてまた暴れてしまいそうだ。
グッと堪えていて、ライムを抱きしめた。
ライムが俺を見てくれているのなんて分かってる。
だけど心の奥底にいる俺がライムに見てほしいと執着する。
俺の本音がそう口にする、ライムを求める。
気のせいだけど、本当に俺の中にライムを閉じ込める事が出来たらいいのに…
でも、こうして触れ合いたいから今のままでいい。
俺の中にライムがいたら、触れない。
ライムに渡した指輪、ライムを守ってほしい…俺の一生の願いだ。
心の中の俺もそれを願っている。
どんな人格であれ、それは俺だ。
新しく生まれる人格の俺も受け入れる。
それが解決に導くだろう。
だから俺は消えない、永遠に俺の体は俺とライムのものだから。
「それで良かったら」
カイウスが俺のためにしてくれた事は全部嬉しいよ。
俺もお礼がしたいけど、私物がほとんどない。
今思えばカイウスの贈り物しかないし、それをあげるわけにもいかない。
俺もなにか作れるかな、リーズナに相談してみよう。
綺麗な星空の下で、俺はカイウスと口付けた。
まるでそれは結婚式の誓いのように感じて、ドキドキと胸が高鳴った。
誓いのキスは、お互いが離れたがらないからなかなか終わらなかった。
最初に離したのはカイウスだった。
「そろそろ中に入ろう、体が冷えてしまう」
「うん、そうだね」
カイウスに引き寄せられて、またカイウスの風に身を任せて地面に降りた。
まだデートは始まったばかりなんだ、中に入っても離れる気はない。
今日もマッサージを口実にカイウスに触ろうとしたが、今日は体調がいいんだと断られた。
その代わり、カイウスは俺をマッサージしてくれると体を抱き抱えられた。
カイウスに触られるとすぐに反応しちゃうから俺がカイウスに触りたいんだと言って一歩も引かなかった。
ついついマッサージではなく、本音を口にしてしまい…気付いた時には遅かった。
「あ、ごめんなさい…純粋にマッサージしようと思ってたよ、うん!」
「いいよ、何処でも触って」
「…え?いいの?」
「ライムだから、その代わり…俺も触るから」
寝室に到着して、先に布団が敷かれていて俺はその上に寝転がった。
覆いかぶさるカイウスを見つめていると、カイウスの髪が少しだけ黒くなっていた。
そうだ、約束してたのにあのまま元に戻ってしまった。
二人のカイウスをまとめて愛そう、受け入れるよ。
耳を指でくすぐられてくすぐったくなりながら舌を絡めて、チュッと音を響かせた。
俺の指輪が明かりに照らされてキラキラと輝いていた。
「ライム、俺のライム…全部俺のものだ」
「んっ…カイウスも、あっ…俺の大好きな人…」
お互いがお互いの全てを奪うかのように限界を忘れて愛しあった。
カイウスのを感じながら、俺で気持ちよくなってくれているカイウスを眺める。
手と手を重ねて、激しく動いて我慢が出来ず声を出す。
快楽で敏感に震える俺の中はカイウスを締め付けて離さない。
眉を寄せて我慢しているみたいで、我慢しなくてもいいのになとぼんやり考える。
カイウスはうわ言のように自分を見てほしいと繰り返していた。
俺はずっと見てるのに、カイウスに一途なんだよ。
動いているカイウスを抱き寄せると、動きが止まった。
何も言わず、ただそうしていたい。
カイウスが不安なら何度でも言うよ、いつか不安がなくなるその時まで…
何も考えられなくなるほど繋がって愛して、触れて涙を流した。
なんで幸せなのに、こんな切ない気持ちになるんだろう。
分からない、分からないけど…繋いだ手は絶対に離さない。
絶頂して意識が薄れていっても、その手だけは硬い意志で結ばれていた。
※カイウスの話
ライムが気絶してしまった、今日は加減を忘れていた。
ライムを休ませようと中から抜こうとした。
その時、ライムの口から「…行かないで、カイウス…」という声が聞こえた。
寝言のような言葉だったが、俺ももう少しこうしていたい…抜きたくなかった。
ライムの中を刺激しないように俺も横になって布団を被る。
ヤバい、ライムの中が気持ち良すぎてまた暴れてしまいそうだ。
グッと堪えていて、ライムを抱きしめた。
ライムが俺を見てくれているのなんて分かってる。
だけど心の奥底にいる俺がライムに見てほしいと執着する。
俺の本音がそう口にする、ライムを求める。
気のせいだけど、本当に俺の中にライムを閉じ込める事が出来たらいいのに…
でも、こうして触れ合いたいから今のままでいい。
俺の中にライムがいたら、触れない。
ライムに渡した指輪、ライムを守ってほしい…俺の一生の願いだ。
心の中の俺もそれを願っている。
どんな人格であれ、それは俺だ。
新しく生まれる人格の俺も受け入れる。
それが解決に導くだろう。
だから俺は消えない、永遠に俺の体は俺とライムのものだから。
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