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カイウスの話6

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俺は、ライム・ローベルトという男が好きだ。

その気持ちは最初友情だと思っていた、リーズナの言葉は適当過ぎて聞いたものの真に受けていない。

自分でも男を好きになるなんて信じられなかったし、俺には好きな子がいた筈だ。
でもライムと過ごすうちに、毎日考えて忘れた事がなかった筈のあの子の事を考えない日が続いた。

俺が考えるのはライムがどんな料理を作ったら、美味しそうに食べてくれるだろうかだった。
ライムが笑うと、俺の気分も晴れやかになった。

それにライムに触れたあの日から、俺はライムの裸を思い出しては自分の気持ちが押さえられなくなった。
さすがの俺も、ライムを友達だと思っていないのだと自分が出した白いものを見つめながら思った。
でもライムはいろんな女に目移りするほどに女好きだ、俺はライムとの関係を壊したくなくて恋心を封印する事にした。

友人とは何処までやっていいのだろうか、触るのはいいのか?

ライムと恋の話をして、あまりにもライムが可愛くてついキスをしてしまった。

ライムは嫌がらない、これはいいのか?もしかして俺に少しでも好意があると思っていいのか?

だけど、ライムは俺の幸せな時間をなくそうと言ってきた。
俺が作った料理が不満だったのか、よく分からないがぽっと出の友人とやらと食事をすると言っていた。
ライムが苦手な料理は作った事がなかったが、もしかして無意識に苦手なものでもあったのか?

その日の俺は上の空が続いていて、リーズナに怒られた。
もうすぐ騎士団長就任パレードが始まるのに、こんな気持ちのまま帝国を守る騎士になれるのか?

城下町を歩いている時、王立士官学校の前を通った。
そこにたまたまライムが歩いているのが見えた。
ライムは友人達と楽しそうに談笑していた。

なんか腹の奥が気持ち悪い感情で覆われた。
ライムが俺の知らないところで楽しそうにしている。

あの子にも感じた事がない独占欲が沸き上がってくる。

俺一人だけ我慢するのもバカらしくなり、我慢するのを止めた。
もしかしたらライムがあの友人とやらに奪われるかもしれない。
そうなったらずっと守っていたライムとの関係が無になってしまう。
だとしたら、俺はライムに気持ちを伝えよう。

ライムは俺にキスされ触れられて本気で嫌がってるようには見えなかった。
1%でもあるというなら、ライムを落とすために何でもしよう。

食事はなくなってしまったが訓練の時間はまだ消えていない。

ライムは考え事をしていたのか、木刀が飛んでいった。
なにかあるなら、訓練にはならないだろう……ライムを気遣いもう止めるか?と提案した。

だけど、ライムは慌てた様子で俺にしがみつくように腕に触れてきた。

「ちゃんと集中するから!止めないで!」

…ライムは強くなりたいからこんな必死になっているんだろうけど、ちょっと興奮した。

まぁそれはいいとして、今のライムはまだ集中出来ていない。
怪我に繋がる恐れがあるから、ライムを休ませるために休憩する事にした。

芝生の上に座り、ライムの悩みを聞く事にした。
もしかしてライムの友人とやらがなにかしたのか?

……ライムを悲しませる奴は絶対に許さない。

「なにかあったのか?」

「……え?」

「新しく出来た友人とやらと喧嘩したのか?」

ライムは素直に悩みを打ち明けてくれた。

どうやらライムはその友人と居ても、全く楽しくなかったそうだ。
食事も味を感じないと言っていた。

俺には同じような覚えがあった。
対象はライムのように友人ではない。

だけどライムの悩みの解決になるならと話した。

「俺は昔から周りに期待されたり世辞を言われたりしていたが、何も感じた事はない」

「そうなの?」

「ライムとは少し違うが、俺は自分の思う事をするだけだ……食事だって家族で食べて味は感じた事がないな…ただ、食わないといけないから食ってるだけだ」

「だから一人で食べてたのか」

「一人でも味はないけどな」

「でも、ライムとの食事の時間は楽しかった」と気持ちを伝えた。
友達なら誰でも良かったんじゃないかと思った事を言った。
本当に友達になりたくてなったのなら、味も感じないほどに楽しくないとは感じにくい。
俺じゃ嫌なのか?そんな適当な友人を作るほど俺と離れたかった?

気付いたら、ライムを押し倒していた。

もう、友達ごっこは終わりだ。
俺はライムに告白という名の宣戦布告をした。

俺にまだ可能性があるなら、ライムを離さない。
本気で俺を拒絶したらさすがに諦めるけど…

久々にライムと食事をして、これが最後なんだと思うと切なく感じた。
もうあの友人達とは会わないのか?俺としては会わないでほしいが、ライムに会うなと言えるほどの立場ではない……今は恋人でも友人でもないからな。

明日から覚悟しておけよ、俺の全部を掛けてライムを俺のものにしてやる。
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