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新生活
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ドアを開けて、まず目に飛び込んできたのは誰も使ってなさそうな埃まみれの部屋だった。
俺がいた屋根裏部屋のようだな、屋根裏部屋よりかは少し広いけど…
ベッドやテーブルやソファーなどは備え付けのがある。
しかし長年使われていないこの部屋のベッドの毛布は綿が飛び出ていて、少し体重を乗せるだけでギシギシと大きな音が聞こえた。
ソファーも本来の役目を忘れたように、座ると沈みっぱなしで戻らなくなる。
埃まみれだがテーブルは唯一まともかと思ったら、ぐらぐらしていた。
とりあえず掃除しよう、ここなら掃除道具くらい貸してくれるだろう。
そして掃除する事、二、三時間後……ピカピカになった床に寝転んだ。
ベッドはギシギシ音を消すために、段ボールで支えた。
ソファーはもうそういうものだと思う事にして沈んだまま使う。
テーブルはテープでぐらつきを固定して、何とかなったが慎重に使う事にした。
これでいいだろう、どんなにアレな部屋でも住めば都になるかもしれない。
汗掻いたから風呂に入ろう、俺は部屋にあるシャワールームに向かった。
湯船に浸かりたいなら寮の大浴場があるが、気まずいから行きたくない。
シャワールームに入り、心も体も暖かくなろうと思った。
結果、出てきたものはぬるいお湯だった……俺はショックで少しだけ硬直した。
ぬるま湯から解放されて、洗濯は寮にあるコインランドリーのような場所に持っていき時間になったら取りにいかなくてはならない。
廊下を歩く時、妙にひそひそとする話し声が耳に響いている。
俺の話じゃないかもしれないのに過剰だよな、俺の方をチラチラ見て話しているが俺じゃないかもしれない。
「ローベルトがどうのこうの」聞こえたから、やっぱり俺の話か!と開き直った。
もういい、青春は諦めた…だから一人の時間を楽しむ事にした。
屋敷の奴らがいない場所に来てやったぞ!とスキップしながらコインランドリーを目指していたら、余計に気味悪がられた。
洗濯が終わるまで、食堂で夕飯を食べる事にした…ここの食堂のメニューは学費で落とされるから今無一文でも大丈夫。
屋敷では病院食のようなほとんど味がしない料理しか出されず、森で野宿した時は木の実だったから…この歳になって初めてのまともな料理に感動した。
ハンバーグみたいなものを食べてあまりの美味しさにすぐに完食した……でもアレ、何の肉なんだろう。
ファンタジー世界だから考えるのは無駄かと思って、デザートのパフェまで食べた。
お腹いっぱいで満足して、そろそろ洗濯が終わった頃だとコインランドリーに入り、先に入っていた生徒に怯えられつつも自分の服を回収した。
各自のベランダで洗濯物を干さなくてはいけないから、俺は部屋のベランダを開けた。
掃除をしている時に開けたから知っているが、なんでこの部屋が長年使われていなかったのかよく分かる。
俺がいる角部屋は何処かの建物に遮られて陽当たりが最悪だった。
しかも角部屋は俺がいる部屋しかない、下は大浴場だし上は訓練所だから部屋という部屋は俺の部屋しかない。
だから普段は人気の角部屋が不人気なんだろうな、なんかこの建物を見ると気分が沈む…なんとなく…
友達のいない寂しさであまり気にしていなかったが、この建物何の建物だ?見る限り家みたいだけど…
陽当たりが悪いが室内干しはしたくなくて、洗濯物を干していく。
なんか主夫になった気分だなぁとのんびり考えながらパンツを掴んだ。
その時、向かいの窓が開いて向かいの建物のベランダに誰かが入ってきた。
俺がいた屋根裏部屋のようだな、屋根裏部屋よりかは少し広いけど…
ベッドやテーブルやソファーなどは備え付けのがある。
しかし長年使われていないこの部屋のベッドの毛布は綿が飛び出ていて、少し体重を乗せるだけでギシギシと大きな音が聞こえた。
ソファーも本来の役目を忘れたように、座ると沈みっぱなしで戻らなくなる。
埃まみれだがテーブルは唯一まともかと思ったら、ぐらぐらしていた。
とりあえず掃除しよう、ここなら掃除道具くらい貸してくれるだろう。
そして掃除する事、二、三時間後……ピカピカになった床に寝転んだ。
ベッドはギシギシ音を消すために、段ボールで支えた。
ソファーはもうそういうものだと思う事にして沈んだまま使う。
テーブルはテープでぐらつきを固定して、何とかなったが慎重に使う事にした。
これでいいだろう、どんなにアレな部屋でも住めば都になるかもしれない。
汗掻いたから風呂に入ろう、俺は部屋にあるシャワールームに向かった。
湯船に浸かりたいなら寮の大浴場があるが、気まずいから行きたくない。
シャワールームに入り、心も体も暖かくなろうと思った。
結果、出てきたものはぬるいお湯だった……俺はショックで少しだけ硬直した。
ぬるま湯から解放されて、洗濯は寮にあるコインランドリーのような場所に持っていき時間になったら取りにいかなくてはならない。
廊下を歩く時、妙にひそひそとする話し声が耳に響いている。
俺の話じゃないかもしれないのに過剰だよな、俺の方をチラチラ見て話しているが俺じゃないかもしれない。
「ローベルトがどうのこうの」聞こえたから、やっぱり俺の話か!と開き直った。
もういい、青春は諦めた…だから一人の時間を楽しむ事にした。
屋敷の奴らがいない場所に来てやったぞ!とスキップしながらコインランドリーを目指していたら、余計に気味悪がられた。
洗濯が終わるまで、食堂で夕飯を食べる事にした…ここの食堂のメニューは学費で落とされるから今無一文でも大丈夫。
屋敷では病院食のようなほとんど味がしない料理しか出されず、森で野宿した時は木の実だったから…この歳になって初めてのまともな料理に感動した。
ハンバーグみたいなものを食べてあまりの美味しさにすぐに完食した……でもアレ、何の肉なんだろう。
ファンタジー世界だから考えるのは無駄かと思って、デザートのパフェまで食べた。
お腹いっぱいで満足して、そろそろ洗濯が終わった頃だとコインランドリーに入り、先に入っていた生徒に怯えられつつも自分の服を回収した。
各自のベランダで洗濯物を干さなくてはいけないから、俺は部屋のベランダを開けた。
掃除をしている時に開けたから知っているが、なんでこの部屋が長年使われていなかったのかよく分かる。
俺がいる角部屋は何処かの建物に遮られて陽当たりが最悪だった。
しかも角部屋は俺がいる部屋しかない、下は大浴場だし上は訓練所だから部屋という部屋は俺の部屋しかない。
だから普段は人気の角部屋が不人気なんだろうな、なんかこの建物を見ると気分が沈む…なんとなく…
友達のいない寂しさであまり気にしていなかったが、この建物何の建物だ?見る限り家みたいだけど…
陽当たりが悪いが室内干しはしたくなくて、洗濯物を干していく。
なんか主夫になった気分だなぁとのんびり考えながらパンツを掴んだ。
その時、向かいの窓が開いて向かいの建物のベランダに誰かが入ってきた。
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