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シリウスの話6
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今までここまでしなかったのは、エルフと友好関係を築くのは悪い話ではなかったし、ここまでする理由がなかった。
でも、魔王を脅し…レインを大切な存在だと分かり人質にしたコイツと友好関係はもう築けないと思ったからだ。
変わりなどいくらでもいる、でも…レインの変わりは何処にもいない。
俺はアイツを呼ぶ事にした、召喚するとこの惨劇に驚いていた。
「…これは」
「フレイザ、お前に一つだけ頼みがある」
「若様が俺に?珍しいですねぇ」
驚いていたけど、長の死体を見てもドライな対応だ…俺が何故気に入らないエルフの長に会いに来たのか何となく分かっていたようだ。
長の事を尊敬しているエルフが果たして手で数えるほどいるのかいないのか。
少なくとも、魔王軍でこの長を好きな奴は居ないだろう。
特にレオナルドが俺に会う度ベタベタ触れてくるから、魔王軍の中で一番長に殺意を持っていたな。
魔王軍のエルフ族も表立って言わないが、エルフ族と縁を切った奴らが多い。
私利私欲の長とは、こうなる結末なのかもしれない。
魔物は常に私利私欲の生き物だが、それを自分でコントロールしなくては本物の獣同然だ。
さぁ、レインを迎えに行こう…ここは嫌なにおいで満ちていり。
部屋を出ると、騒ぎに駆けつけた他のエルフ達が居たが俺が睨むと襲いかかってくる奴は誰もいない。
新しい長はエルフ達の中で勝手に決めるだろう。
だが、俺とエルフ族は今から無関係だ…エルフ族だが俺の軍にいる奴以外とはもう関わる事はないだろう。
廊下を歩いていると、ドアが開いて誰かが俺の前に飛び出してきた。
刃物を持っている女が俺を睨んでいる。
また魔王軍に恨みがあるエルフか、面倒だな。
俺が近付けばほとんどの奴が道を開けるから、コイツもそうだと思っていた。
だけど、大声を上げて走ってきていて眉を寄せた。
レインへの道を邪魔するというなら、覚悟は出来てるだろう。
俺とその女の距離が近付いていく、俺の手に力が集中していく。
「死ね!!魔王!!」
「……」
「リンリン!!」
叫ぶ声が廊下に響いて俺と女の動きが止まった。
声は俺の後ろから聞こえて、後ろを振り返るとフレイザだった。
さっきよりも驚いたフレイザは女の方に近付いてくる。
女を見たら見境ないという感じではなさそうだ。
女の方も驚いていて「兄さん…」と言っていた。
兄弟か、エルフ同士だからありえない事ではない。
なら、兄妹で解決しろ…俺はレインを探しに行く。
後ろから女が呼び止める声が聞こえたが、無視した。
構ってる暇はない、レインを見て安心したい。
レインの気配は体の中の宝玉の反応で分かっている。
だから長にと話している時も下にレインの気配を感じて長に下になにがあるのか聞いた。
俺しか知らない、レインを感じる事が出来る方法。
レインか移動している事を感じながら、あるくとなにかが俺の横を通り過ぎていく。
「レイン」
「うわっ!シリウス!?」
俺の声に反応してレインとエルフの子供が足を止めた。
レインの姿に、自然と頬を緩ませるがその格好を見て眉を寄せた。
不機嫌になった俺に気付かずやってくるレインに触れた。
レインの腰を引き寄せると、顔を赤くして腕を伸ばして拒絶している。
可愛い拒絶だな、しかし…レインの格好は気に入らない。
服を引っ張るとレインは目を見開いて驚いている。
「レイン、服を脱げ」
「こんなところで何言ってんだよ!」
レインこそ、何故そんな格好をしているのか説明してもらおうか。
そんな、エルフの兵士の服を身にまとって…
でも、魔王を脅し…レインを大切な存在だと分かり人質にしたコイツと友好関係はもう築けないと思ったからだ。
変わりなどいくらでもいる、でも…レインの変わりは何処にもいない。
俺はアイツを呼ぶ事にした、召喚するとこの惨劇に驚いていた。
「…これは」
「フレイザ、お前に一つだけ頼みがある」
「若様が俺に?珍しいですねぇ」
驚いていたけど、長の死体を見てもドライな対応だ…俺が何故気に入らないエルフの長に会いに来たのか何となく分かっていたようだ。
長の事を尊敬しているエルフが果たして手で数えるほどいるのかいないのか。
少なくとも、魔王軍でこの長を好きな奴は居ないだろう。
特にレオナルドが俺に会う度ベタベタ触れてくるから、魔王軍の中で一番長に殺意を持っていたな。
魔王軍のエルフ族も表立って言わないが、エルフ族と縁を切った奴らが多い。
私利私欲の長とは、こうなる結末なのかもしれない。
魔物は常に私利私欲の生き物だが、それを自分でコントロールしなくては本物の獣同然だ。
さぁ、レインを迎えに行こう…ここは嫌なにおいで満ちていり。
部屋を出ると、騒ぎに駆けつけた他のエルフ達が居たが俺が睨むと襲いかかってくる奴は誰もいない。
新しい長はエルフ達の中で勝手に決めるだろう。
だが、俺とエルフ族は今から無関係だ…エルフ族だが俺の軍にいる奴以外とはもう関わる事はないだろう。
廊下を歩いていると、ドアが開いて誰かが俺の前に飛び出してきた。
刃物を持っている女が俺を睨んでいる。
また魔王軍に恨みがあるエルフか、面倒だな。
俺が近付けばほとんどの奴が道を開けるから、コイツもそうだと思っていた。
だけど、大声を上げて走ってきていて眉を寄せた。
レインへの道を邪魔するというなら、覚悟は出来てるだろう。
俺とその女の距離が近付いていく、俺の手に力が集中していく。
「死ね!!魔王!!」
「……」
「リンリン!!」
叫ぶ声が廊下に響いて俺と女の動きが止まった。
声は俺の後ろから聞こえて、後ろを振り返るとフレイザだった。
さっきよりも驚いたフレイザは女の方に近付いてくる。
女を見たら見境ないという感じではなさそうだ。
女の方も驚いていて「兄さん…」と言っていた。
兄弟か、エルフ同士だからありえない事ではない。
なら、兄妹で解決しろ…俺はレインを探しに行く。
後ろから女が呼び止める声が聞こえたが、無視した。
構ってる暇はない、レインを見て安心したい。
レインの気配は体の中の宝玉の反応で分かっている。
だから長にと話している時も下にレインの気配を感じて長に下になにがあるのか聞いた。
俺しか知らない、レインを感じる事が出来る方法。
レインか移動している事を感じながら、あるくとなにかが俺の横を通り過ぎていく。
「レイン」
「うわっ!シリウス!?」
俺の声に反応してレインとエルフの子供が足を止めた。
レインの姿に、自然と頬を緩ませるがその格好を見て眉を寄せた。
不機嫌になった俺に気付かずやってくるレインに触れた。
レインの腰を引き寄せると、顔を赤くして腕を伸ばして拒絶している。
可愛い拒絶だな、しかし…レインの格好は気に入らない。
服を引っ張るとレインは目を見開いて驚いている。
「レイン、服を脱げ」
「こんなところで何言ってんだよ!」
レインこそ、何故そんな格好をしているのか説明してもらおうか。
そんな、エルフの兵士の服を身にまとって…
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