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シリウスの話4
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神殿の入り口がぐにゃぐにゃと動いて、どんどんかたちを変えていく。
神殿を破壊した方が楽ではあるが、それだとフェザーのペットの首もなくなる。
だから、俺の魔力を込めて神殿の入り口のかたちを歪ませた。
僅かに隙間が出来て、フェザーは再び引っ張る事にした。
すると、すっぽりとペットの顔が神殿の入り口から抜けた。
かなり入り口を広げたから、神殿のかたちがかなり変わっていた。
フェザーはペットと抱き合って再会の喜びを分かち合っていた。
俺は神殿の奥をジッと見つめて、目を細めていた。
「……何故、ここでにおいがするんだ?」
「シリウス様、なにかおっしゃいましたか?」
「…いや、フェザーはペットの新しい狩場を探してやれ」
「はい!ありがとうございました!」
フェザーはスキップをしそうなほど浮かれてペットと一緒に草原を歩いていた。
俺は、レインのにおいがする神殿の中に興味があった。
レインはここにいるのか?となるとフェザーのペットはレインを喰らおうとしたという事か。
はぁ…とため息を吐いて、レオナルドだけではなくペットの躾もしなくてはいけないなと思った。
フェザーのペットは城の魔物だし、フェザーは調教師には向いていないからな。
だからあんなに何でも喰らう魔物に育ったのだが…
それは城に帰ってからでいい、まずはレインに会いに行こう。
フェザーのペットは入り口で挟まっていたから喰われたわけではないが、安心も出来ない。
この神殿に住む魔物は少々厄介な魔物で、俺も手を焼いている。
強い、というわけではないが厄介なのは変わりない。
神殿の中に入り、腕を横に一振りすると神殿の奥まで壁に掛かっていたロウソクに火がついた。
コツコツと靴が響く足音が響いて、においを頼りに進む。
移動はしていない筈だ、他の部屋には目もくれずまっすぐ歩く。
俺を見つめる無数の視線を感じるが誰一人として姿を見せなかった。
俺の存在に怯えている気配はなく、楽しんでいるように見えた。
くすくす笑う声が聞こえて相変わらずだなと眉を寄せる。
俺は自分の事をどう思われても構わない、それが魔王としての俺の評価だ。
……しかし、ここにいるのは俺達だけではない。
「…ここに人間が来ているな」
『………』
「隠しているとお前らのためにならないぞ」
ピタリと笑い声が止んだ、俺の体中に纏う殺気を感じたのだろう。
レインになにかしたら許さない、俺のものに手を出した事を後悔させてやる。
姿を見せる気がないのなら、殺気で殺してやる。
魔物を従わせるには圧倒的な力を見せつけるのが一番効果的だ。
目を細めて、真っ赤な瞳が微かに光を集めた。
なにかが弾ける手応えを感じた、まだ隠し事をするならもう一度消す。
二人、三人と消すとザワザワと神殿の中に変化があった。
感情が露になって、同時に隙が出てきて…隠していたであろうレインのにおいが濃くなる。
小さく微笑み、地面に手をかざすとミシミシと床に大きなヒビが出来て、そのまま下に落ちていく。
神殿を破壊した方が楽ではあるが、それだとフェザーのペットの首もなくなる。
だから、俺の魔力を込めて神殿の入り口のかたちを歪ませた。
僅かに隙間が出来て、フェザーは再び引っ張る事にした。
すると、すっぽりとペットの顔が神殿の入り口から抜けた。
かなり入り口を広げたから、神殿のかたちがかなり変わっていた。
フェザーはペットと抱き合って再会の喜びを分かち合っていた。
俺は神殿の奥をジッと見つめて、目を細めていた。
「……何故、ここでにおいがするんだ?」
「シリウス様、なにかおっしゃいましたか?」
「…いや、フェザーはペットの新しい狩場を探してやれ」
「はい!ありがとうございました!」
フェザーはスキップをしそうなほど浮かれてペットと一緒に草原を歩いていた。
俺は、レインのにおいがする神殿の中に興味があった。
レインはここにいるのか?となるとフェザーのペットはレインを喰らおうとしたという事か。
はぁ…とため息を吐いて、レオナルドだけではなくペットの躾もしなくてはいけないなと思った。
フェザーのペットは城の魔物だし、フェザーは調教師には向いていないからな。
だからあんなに何でも喰らう魔物に育ったのだが…
それは城に帰ってからでいい、まずはレインに会いに行こう。
フェザーのペットは入り口で挟まっていたから喰われたわけではないが、安心も出来ない。
この神殿に住む魔物は少々厄介な魔物で、俺も手を焼いている。
強い、というわけではないが厄介なのは変わりない。
神殿の中に入り、腕を横に一振りすると神殿の奥まで壁に掛かっていたロウソクに火がついた。
コツコツと靴が響く足音が響いて、においを頼りに進む。
移動はしていない筈だ、他の部屋には目もくれずまっすぐ歩く。
俺を見つめる無数の視線を感じるが誰一人として姿を見せなかった。
俺の存在に怯えている気配はなく、楽しんでいるように見えた。
くすくす笑う声が聞こえて相変わらずだなと眉を寄せる。
俺は自分の事をどう思われても構わない、それが魔王としての俺の評価だ。
……しかし、ここにいるのは俺達だけではない。
「…ここに人間が来ているな」
『………』
「隠しているとお前らのためにならないぞ」
ピタリと笑い声が止んだ、俺の体中に纏う殺気を感じたのだろう。
レインになにかしたら許さない、俺のものに手を出した事を後悔させてやる。
姿を見せる気がないのなら、殺気で殺してやる。
魔物を従わせるには圧倒的な力を見せつけるのが一番効果的だ。
目を細めて、真っ赤な瞳が微かに光を集めた。
なにかが弾ける手応えを感じた、まだ隠し事をするならもう一度消す。
二人、三人と消すとザワザワと神殿の中に変化があった。
感情が露になって、同時に隙が出てきて…隠していたであろうレインのにおいが濃くなる。
小さく微笑み、地面に手をかざすとミシミシと床に大きなヒビが出来て、そのまま下に落ちていく。
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