異世界に転生したら、なんかみんないた。

僕の異世界生活

これが家？

　とりあえず、この場所を拠点にするべく、補強しようと思う。
　次の夜がくる前に、このストーンヘンジ擬に岩を足して行こう。

　そう思い、その辺にある岩を持ち上げ、ストーンヘンジ擬の空白の部分に置く。

　長老はそれを見ると。触手をのばして、その岩を掴む。

　そして、遠くへ放り投げた。
　
　何故⁉︎

　呆然としながら、長老を見る。相変わらず、なにを考えているかはわからない。

　遊びかなにかだと思っているのだろうか。
　仕方がないので、別の岩でストーンヘンジ擬を補強する。

　長老は、それを掴むとまた別の方向へ飛ばす。

　ふふっ。

　さて、今日の槍の切れ味はどうかなぁ。

　そう思いながら、槍を構えて、長老に狙いをつける。

　そんなことをしていたら、目の前に黒い影が湧いていた。

　そして、飛びかかってくる。

　嘘だろ！　まだ、準備全く終わってないのに。

　とりあえずそれを避けると、黒い影はストーンヘンジ擬の隙間に消えていく。

　ん？　今、消えた？　見間違いか？

　そんなことを考える間に周囲を黒い影に囲まれていた。

　これは、考えている場合じゃないな。槍を振り回して、ストーンヘンジ擬に向かう。

　そして、その内部に入る。黒い影達は、僕たちを狙って飛びかかってくる。

　しかし、それがストーンヘンジ擬に触れた瞬間。ことごとく消えていった。

　なん、だと？

　なにこれすごい。

　どうやら、このストーンヘンジ擬は、結界か何かのような役割を果たしているらしい。

　だから、長老は、僕が置いた岩を尽くどこかへ吹っ飛ばしていたのか。

　彼らにとってこれは神聖なものであると同時に、彼らを守る城砦なのかもしれない。

　長老を見る。相変わらずなにを考えているかはわからない。しかし、その佇まいには長年の経験から得たであろう、渋みが感じられた。

　でも、僕にくっつくのはやめてほしい。