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第39話 信じる
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「聖女様。帝国兵がやってきました」
砦から見える範囲に現れた帝国兵に神官の一人が告げた。
聖女が望遠鏡でその姿をみると、かなりの数の帝国兵が旗をかかげて聖教王国ティアラにむかってきている。濁水のグーンの言う通りだ。帝国兵も、この国民も、全て殺し、【救済の天使】様にささげ世界を無にする。
その時がついにきた。
「ああ、【救済の天使】様、人間を最も愛してくださる慈悲深き天使。それなのに人間の下らぬ基準のために魔王などと呼ばれ、忌み嫌われる。これほど身勝手なことがありますでしょうか。いまこそ【救済の天使】様の望む、無の世界を!そして光神ネロス様による新たなる幸福な世界の構築を!争いも悲しみもない新たな世界を作っていただくのです!!そのために全てを捧げましょう」
聖女が砦の上で声高に言うと、神官達が頭をたれ祈りだす。
途端、大神殿の東部が、音をたて、崩れ、巨大なゴーレムが聖教都市の王都に現れるのだった。
★★★
「すごい地鳴りじゃな」
天聖のダンジョンにいたジャルガが上を見上げた。
「おかしいですね、ダンジョンは現実世界とは隔離されているはずなのに」
モンスターを切り捨ててシャルロッテも上を見上げる。
「おそらく地上で【聖光のゴーレム】を動かしたのじゃろう。あれはダンジョンのある異次元にも影響を与える」
向かってきたタイガー型のモンスターを鉤爪で切り裂きながらジャルガが答える。
「マスターの言った通りですね。……上ではきっとゴーレムによる聖教王国の民の虐殺がはじまっているのでしょう」
アレキアは目を伏せた。
「嘆いたところで仕方ないのじゃ。お主だって何度も経験してきたじゃろう?どうあがいても、結局は死ぬのじゃ」
ジャルガの言葉に、アレキアは頷いた。
時間軸によってはどこにも戦争がおこらず、皇帝が早々に裁かれレイゼルが皇帝になり、暗躍していた四天王も大賢者が倒した時間軸もあった。
けれど、なぜか魔王は復活した。魂を吸収していないはずなのに。
今でも思い出すだけで胸が痛む。あの時が一番酷かった。
あふれた闇が、世界を覆い、人々が発狂しながら共食いをはじめた、痛い苦しいと叫びながら。まるでお前たちが歴史を変えたせいで民たちがこのような目にあうのだと訴えるかのように。
アレキアも徐々に闇に呑まれ自我を失いかけたが大賢者に救われた。
けれど――結局大賢者も魔王を封印して命つき、そのままその時間軸では失敗してしまった。
「我らの苦労はいつだって報われなかった。だが今回は違う!」
ジャルガがドーンと胸を張って言う。
「マスターがいるからですか?」
「そうじゃ!あれはファンバード殿がこの状況を打破するために呼び出した存在じゃ。あやつを信じる事はそれすなわち、ファンバード殿を信じる事」
そう言ってジャルガは拳を握る。
神ネロスが黒幕ならば、このまま魂を捧げて魔王を倒しただけでは歴史は変わらないのではと、進言したシャルロッテの言葉に、第八皇子は笑った。
『安心しろ、魔王を倒したあと【創造主の宝珠】さえあれば、十分神と渡り合える。あとは俺を信じて黙ってついてこい』
――と。ならばジャルガは黙ってついて行くのみ。
「考えるのは頭のいいやつに任せておけばいいのじゃ。マスターを信じようではないか。マスターが方針を話さないというのなら話さない理由があるのじゃろう。
自らの輪廻すら諦めて、世界のために、魂の寿命を迎えようとしている本物レイゼルと、過去のファンバード殿がマスターに全て託した、その信頼を得るだけの何かをマスターはもっているはずじゃ」
ジャルガの言葉に、シャルロッテが盾を展開して、モンスターを押しつぶしながら、アキレアは剣でモンスターを切り払ないながら頷いた。
「私達は私達の出来る事をですね」
アレキアがモンスターを刻みながら笑う。
「我々は【創造主の宝珠】を手に入れるのみです!!!」
シャルロッテの巨大な盾が現れたモンスターを叩き潰すのだった。
★★★
こぽっ
培養液の気泡がはじける音。
そして――
『さぁ、起きなさい、哀れなマリオネット。無様に踊るときがきたようです』
もう一人の自分が笑っている。
―――貴方は一体何者なのですか?
エルフの大賢者が問いかける。
その問いにもう一人の自分は慈愛とも、憐れみとも憎しみともとれる複雑な笑みを浮かべた。
『すぐわかりますよ。私は私であって私ではない。そして貴方も貴方であって貴方ではない』
そう言って、もう一人の自分は消え失せる。
液体の揺れる音、それとともに意識が急に鮮明になり、エルフの大賢者はゆっくりと目を開けた。そこは治療室の天井で、エルフの大賢者はいつの間にか培養液からだされて、ベッドに移動されていたらしい。
「大賢者様、治療が完了しました。もう動いて大丈夫です」
弟子の声に視線を向ける。
「……私は一体?」
「魔法の使い過ぎで魔力回路が乱れて、危篤状態でした、やっといま治療が完了したところです」
弟子の言葉に、エルフの大賢者は我にかえる。
「外の世界は、外の世界はどうなっていますか!?」
慌てて弟子の肩をもち、問い詰めるのだった。
砦から見える範囲に現れた帝国兵に神官の一人が告げた。
聖女が望遠鏡でその姿をみると、かなりの数の帝国兵が旗をかかげて聖教王国ティアラにむかってきている。濁水のグーンの言う通りだ。帝国兵も、この国民も、全て殺し、【救済の天使】様にささげ世界を無にする。
その時がついにきた。
「ああ、【救済の天使】様、人間を最も愛してくださる慈悲深き天使。それなのに人間の下らぬ基準のために魔王などと呼ばれ、忌み嫌われる。これほど身勝手なことがありますでしょうか。いまこそ【救済の天使】様の望む、無の世界を!そして光神ネロス様による新たなる幸福な世界の構築を!争いも悲しみもない新たな世界を作っていただくのです!!そのために全てを捧げましょう」
聖女が砦の上で声高に言うと、神官達が頭をたれ祈りだす。
途端、大神殿の東部が、音をたて、崩れ、巨大なゴーレムが聖教都市の王都に現れるのだった。
★★★
「すごい地鳴りじゃな」
天聖のダンジョンにいたジャルガが上を見上げた。
「おかしいですね、ダンジョンは現実世界とは隔離されているはずなのに」
モンスターを切り捨ててシャルロッテも上を見上げる。
「おそらく地上で【聖光のゴーレム】を動かしたのじゃろう。あれはダンジョンのある異次元にも影響を与える」
向かってきたタイガー型のモンスターを鉤爪で切り裂きながらジャルガが答える。
「マスターの言った通りですね。……上ではきっとゴーレムによる聖教王国の民の虐殺がはじまっているのでしょう」
アレキアは目を伏せた。
「嘆いたところで仕方ないのじゃ。お主だって何度も経験してきたじゃろう?どうあがいても、結局は死ぬのじゃ」
ジャルガの言葉に、アレキアは頷いた。
時間軸によってはどこにも戦争がおこらず、皇帝が早々に裁かれレイゼルが皇帝になり、暗躍していた四天王も大賢者が倒した時間軸もあった。
けれど、なぜか魔王は復活した。魂を吸収していないはずなのに。
今でも思い出すだけで胸が痛む。あの時が一番酷かった。
あふれた闇が、世界を覆い、人々が発狂しながら共食いをはじめた、痛い苦しいと叫びながら。まるでお前たちが歴史を変えたせいで民たちがこのような目にあうのだと訴えるかのように。
アレキアも徐々に闇に呑まれ自我を失いかけたが大賢者に救われた。
けれど――結局大賢者も魔王を封印して命つき、そのままその時間軸では失敗してしまった。
「我らの苦労はいつだって報われなかった。だが今回は違う!」
ジャルガがドーンと胸を張って言う。
「マスターがいるからですか?」
「そうじゃ!あれはファンバード殿がこの状況を打破するために呼び出した存在じゃ。あやつを信じる事はそれすなわち、ファンバード殿を信じる事」
そう言ってジャルガは拳を握る。
神ネロスが黒幕ならば、このまま魂を捧げて魔王を倒しただけでは歴史は変わらないのではと、進言したシャルロッテの言葉に、第八皇子は笑った。
『安心しろ、魔王を倒したあと【創造主の宝珠】さえあれば、十分神と渡り合える。あとは俺を信じて黙ってついてこい』
――と。ならばジャルガは黙ってついて行くのみ。
「考えるのは頭のいいやつに任せておけばいいのじゃ。マスターを信じようではないか。マスターが方針を話さないというのなら話さない理由があるのじゃろう。
自らの輪廻すら諦めて、世界のために、魂の寿命を迎えようとしている本物レイゼルと、過去のファンバード殿がマスターに全て託した、その信頼を得るだけの何かをマスターはもっているはずじゃ」
ジャルガの言葉に、シャルロッテが盾を展開して、モンスターを押しつぶしながら、アキレアは剣でモンスターを切り払ないながら頷いた。
「私達は私達の出来る事をですね」
アレキアがモンスターを刻みながら笑う。
「我々は【創造主の宝珠】を手に入れるのみです!!!」
シャルロッテの巨大な盾が現れたモンスターを叩き潰すのだった。
★★★
こぽっ
培養液の気泡がはじける音。
そして――
『さぁ、起きなさい、哀れなマリオネット。無様に踊るときがきたようです』
もう一人の自分が笑っている。
―――貴方は一体何者なのですか?
エルフの大賢者が問いかける。
その問いにもう一人の自分は慈愛とも、憐れみとも憎しみともとれる複雑な笑みを浮かべた。
『すぐわかりますよ。私は私であって私ではない。そして貴方も貴方であって貴方ではない』
そう言って、もう一人の自分は消え失せる。
液体の揺れる音、それとともに意識が急に鮮明になり、エルフの大賢者はゆっくりと目を開けた。そこは治療室の天井で、エルフの大賢者はいつの間にか培養液からだされて、ベッドに移動されていたらしい。
「大賢者様、治療が完了しました。もう動いて大丈夫です」
弟子の声に視線を向ける。
「……私は一体?」
「魔法の使い過ぎで魔力回路が乱れて、危篤状態でした、やっといま治療が完了したところです」
弟子の言葉に、エルフの大賢者は我にかえる。
「外の世界は、外の世界はどうなっていますか!?」
慌てて弟子の肩をもち、問い詰めるのだった。
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