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64話  ぶっ潰す!(ガチギレ)

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 わーわー!!

 こんにちは。幸せ家族と友人に囲まれて、幸せ絶頂なセレスティア・ラル・シャンデール(10歳)です。
 クラス対抗模擬戦当日。学園内にある闘技場は歓声であふれかえっていました。

 無理もありません、本来なら一年生の模擬戦に各国の王族が来るなんてことはないのに、聖王国、魔術王国、剣王国、その他大勢の各国要人が集まっているのです。

「すごいねー、なんだかお祭り騒ぎみたい」

 アリーシャが闘技場の客席を見て感嘆の声をあげました。

「そりゃ、これだけ各国のお偉いさんがきていれば張り切るよな」

 と、リカルドが腕を組みながら言います。

「わー、私も戦いたかったなぁ」

 と、リーチェが言えば

「貴方が参加してしまうと試合が一瞬で終わるので我慢していてくださいね」

 と、クライム君が眼鏡を「くいっ」としていいました。

「でも本気なのー?最近戻って来た子達だけでSSクラスに勝たせるなんて」

「僕達じゃ、一瞬で終わってしまって、相手も悔しがらないだろ。
 学校に復帰して10日もたたないCクラスの生徒に負けたからこそ意味があるんだよ」

 と、今度はジャン。

 そうなのです。私がマークに大恥をかかせたいと言った所、私達が勝ったのでは、私達が強かっただけ、運がなかったで済んでしまう可能性があると言われてしまいました。

 だからこそ、クラスを落第した彼らを呼び戻したのです。

 入学時、能力値が低いと追い出したCクラスの生徒達がたった10日の修行で、SSクラスを超えた。訓練次第ではSSクラスを超える事が出来ると証明するために。

 ですので今回のクラスメイトはあまり強くしすぎていません。

 私たちはいざという時用のフォローです。
 流石生粋の王子様達が考える作戦には抜かりがありません。

 ちなみにお姫様なのにポンコツがいるのは気づかなかったことにしておきます。

「絶対勝とうね、みんな!」

 アリーシャが手を差し伸べれば、

「もっちろん!今日のために頑張って来たんだもの!」

 と、リーチェがアリーシャの手の上に手をおきます。

「ぎゃふんって言わせるんだよな」

 と、リカルドがリーチェの手の上に手を置いて、

「いろいろありましたが、楽しかったですよ」

 と、今度はクライム君。

「最後の仕上げだからね、全力で行かないと」

 ジャンがクライムの手の上にてを置きました。
 そこで私に視線があつまります。

 な、なんですかこのリア充丸出しの友情シーンは。
 その中に自分もいるとか快挙です。これはもう私も立派にパリピを名乗ってもいいのではないのでしょうか!?

 っていうか私が手を置こうとしたとたん、手をどけるとかいう、虐めプレイがあったらどうしましょう!?

 もしかしてここに居るみんなが魔族で私が騙されているとかありませんよね!?
 はっ!?もしかしたらこれは夢とかいうオチかもしれません。

 幸せすぎてどうしていいのかわからないのですが!?

 私が手を置いていいのかわからなくてアタフタしていれば。

「セレスちゃんも!」
「そーだそーだ」
「付き合い悪いときらわれちゃうぞー!」
「気合を入れる儀式みたいなものですよ」
「さぁ、セレス様」

「……がんばる」

 私が手をおけば、みんながまたその上に手を置いてくれて、「がんばろう!!」

 と、声をあげました。
 
 私は今、多分世界で一番幸せ女子なのだと思っていたのですが……

「はんっ!落ちこぼれ連中が何やってんだよ」

 と、遠くにいたマークがわざとこちらに聞こえるような大きな声で言ってきました。

 ………やはり、あの陰険金髪貴族は電車の中でやっておくべきでした。
 それだけが失敗だったと思います。

 徹底的につぶします!!!!!
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