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54話 微妙なスレ違い
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こんにちは。二学期がはじまり、最近またマークがこちらにちょっかいを出してくるようになって、ちょっぴりうっとおしいと思うセレス・キャラデュース(10歳)です。
特に女子三人で遊んでいると嫌がらせをしてきます。
それにマークが嫌がらせか隠密の使える護衛を雇ったっぽいです。
マークと一度一緒にこちらにちょっかいを出してきたことがあります。
優秀な隠密を雇ってこちらの弱みを握り、学園を辞めさせようとしているのだと思います。
威圧でいつも追い払っていますが油断しないようにしないといけませんね。
こちらの修行の様子をマークに教えるわけにはいきませんし。
そんなことを考えていたら、アリーシャに木の札を渡されます。
「願い事?」
「うん、この木札に自分の将来なりたいものとか書いて校庭の木に飾るんだよ。
学園の毎年恒例の行事なんだって。私達も書いて飾ろう!」
そう言ってアリーシャが微笑んでくれました。
「願い事……」
私は渡された木札をじっと見つめました。
決まっています。アリーシャ達とずっと友達でいられますようにです。
ですが学校に飾るものなのでそれを書くとマークの嫌がらせがフレンド達にむいてしまいます。
適当に書くのがいいでしょう。マークがわからないような内容にしなければいけません。
そうですね。「パリピになりたい」とでも書いておきましょう。
パリピなんて言葉はこちらの世界にはないはずです。
「セレスちゃんパリピってなぁに?」
「内緒です」
と、アリーシャに聞かれて私は微笑みました。
流石にこの願いをマイフレンドのアリーシャにでも言うのは恥ずかしいです。
■□■
こんにちは。エルフのファンバード・ラッドウェルです。
闇の力を使う少女と何とか接触をと試みてはいるのですが、彼女やその友人に近づこうとするだけで、威圧を飛ばしてくるので近づくことすらできません。
身体が本能的に逃げてしまって、失敗してしまいます。
ですが、私の存在を認知しているにも関わらず、魔族のように一撃で殺さない所をみると、私を完全な敵認定しているわけではなさそうです。
エルフを敵認定しているという事でしょうか?
せめて彼女の人となりがわからなければ敵か味方かわかりません。
学園内でそれとなく聞いて周ってはいるのですが……Cクラスについては謎に包まれていることが多く情報が何も聞き出せません。
夜、学園に忍び込み様子を見に来ましたが、教室には何も残されていない……ように偽装されていました。
教室の周りの空間が魔道空間です。
おそらく術者が認めたものしか本来の教室にたどり着けないように細工されているのでしょう。
私が見て感じているのは仮初の教室にすぎない。
……これでは手掛かりになりそうなものもないですね。
気落ちしながら中庭に行けば、生徒たちの願いを下げた木札がぶら下がっていました。
確かこの学園の行事だったはず。
――もしかして、この中にあの茶髪の少女、セレスという子の願いもあるのでしょうか?――
慌てて私がその木札を探せばありました。
ありました。セレス・キャラデュースの木札。
書いてあったのは【「パリピ」になりたい。】
パリピ。あまりなじみのない言葉ではありますが、古代の書物で見た覚えがあります。
この言葉の意味がわかれば多少なりとも彼女の人となりがわかるのでしょうか?
※マークがいる時隠密で近づいたので、マークの護衛と勘違いされてます。
特に女子三人で遊んでいると嫌がらせをしてきます。
それにマークが嫌がらせか隠密の使える護衛を雇ったっぽいです。
マークと一度一緒にこちらにちょっかいを出してきたことがあります。
優秀な隠密を雇ってこちらの弱みを握り、学園を辞めさせようとしているのだと思います。
威圧でいつも追い払っていますが油断しないようにしないといけませんね。
こちらの修行の様子をマークに教えるわけにはいきませんし。
そんなことを考えていたら、アリーシャに木の札を渡されます。
「願い事?」
「うん、この木札に自分の将来なりたいものとか書いて校庭の木に飾るんだよ。
学園の毎年恒例の行事なんだって。私達も書いて飾ろう!」
そう言ってアリーシャが微笑んでくれました。
「願い事……」
私は渡された木札をじっと見つめました。
決まっています。アリーシャ達とずっと友達でいられますようにです。
ですが学校に飾るものなのでそれを書くとマークの嫌がらせがフレンド達にむいてしまいます。
適当に書くのがいいでしょう。マークがわからないような内容にしなければいけません。
そうですね。「パリピになりたい」とでも書いておきましょう。
パリピなんて言葉はこちらの世界にはないはずです。
「セレスちゃんパリピってなぁに?」
「内緒です」
と、アリーシャに聞かれて私は微笑みました。
流石にこの願いをマイフレンドのアリーシャにでも言うのは恥ずかしいです。
■□■
こんにちは。エルフのファンバード・ラッドウェルです。
闇の力を使う少女と何とか接触をと試みてはいるのですが、彼女やその友人に近づこうとするだけで、威圧を飛ばしてくるので近づくことすらできません。
身体が本能的に逃げてしまって、失敗してしまいます。
ですが、私の存在を認知しているにも関わらず、魔族のように一撃で殺さない所をみると、私を完全な敵認定しているわけではなさそうです。
エルフを敵認定しているという事でしょうか?
せめて彼女の人となりがわからなければ敵か味方かわかりません。
学園内でそれとなく聞いて周ってはいるのですが……Cクラスについては謎に包まれていることが多く情報が何も聞き出せません。
夜、学園に忍び込み様子を見に来ましたが、教室には何も残されていない……ように偽装されていました。
教室の周りの空間が魔道空間です。
おそらく術者が認めたものしか本来の教室にたどり着けないように細工されているのでしょう。
私が見て感じているのは仮初の教室にすぎない。
……これでは手掛かりになりそうなものもないですね。
気落ちしながら中庭に行けば、生徒たちの願いを下げた木札がぶら下がっていました。
確かこの学園の行事だったはず。
――もしかして、この中にあの茶髪の少女、セレスという子の願いもあるのでしょうか?――
慌てて私がその木札を探せばありました。
ありました。セレス・キャラデュースの木札。
書いてあったのは【「パリピ」になりたい。】
パリピ。あまりなじみのない言葉ではありますが、古代の書物で見た覚えがあります。
この言葉の意味がわかれば多少なりとも彼女の人となりがわかるのでしょうか?
※マークがいる時隠密で近づいたので、マークの護衛と勘違いされてます。
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