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29話 夢とあこがれのフレンド達との屋外お弁当(❁´ω`❁)

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「なんだか楽勝だな」

 と、ダンジョンで敵を光の武器で遠距離攻撃で倒す護衛sを見てリカルドがいいました。
 ダンジョンに入れば、私の渡した武器で大人組が攻撃をすると敵が溶けていきます。

「そうですね。これ程弱いとはおもいませんでした。
 流石光の武器でしょうか」

 と、ジャンの護衛も光の剣で技を放ちながら言います。

「まぁ、武器は最高レベルまでせいれ……」

 言いかけた私の口をセディスがすかさず塞ぎました。

「お嬢様、そのお話はホテルに戻ってからゆっくり、じっくりお伺いしますので」

 と、額に青筋をたてています。
 もしかして武器をマックスまで精錬して武器レベル20にしたというのも極秘情報なのでしょうか。

 これだけ注意されても思い立ったらすぐしゃべってしまうのが私の悪い癖。
 いかに王宮にいたときは父や母、兄s達が鉄壁ガードで守ってくれていたのか実感させられます。

 そういえば、そろそろ1ヶ月近く家族に会っていません……元気にしているでしょうか。
 ちょっとセンチになってしまうのでなるべく思い出さないようにします。

「セディス、そろそろ中腹あたりにきたのではないですか?」

 それなりにダンジョン内を歩いた頃、私が言えば、セディスが地図をとりだしました。

「そうですね。そろそろ、ファティナの花があるはずです」

「それがあればリーチェちゃんの施設の神官様の病気も治るね」

「うん!ありがとうみんな!」

 アリーシャに言われてリーチェもすごい嬉しそうな顔になります。
 この二人は可愛いです。なんですかこの萌え光景は。
 私もこっそりアリーシャの側でうんうんと頷いて、フレンドの輪にはいってみます。
 いいですね。憧れの同性のお友達の輪の中に入れている恍惚な気分は。

「しかし近づく前に準備しなければいけませんね。
 側にはファティナの花を守る、蛇型の魔「グローズ」がいます」

 と、クライム君。

 そうでした。そういえばゲームでもそんなのが居たような気がします。
 戦闘中『グローズ』が暴れて、そのせいで花が根こそぎダメにされ、失望していたところ、仲間の一人が花を一株守っていたはずです。
 尻尾で広範囲の花が土事えぐられて、薬に使う根の部分がダメにされいてという設定だったはずです。
 むやみやたらに突っ込めば、私達もゲームの勇者たちと同じ末路を辿る事になってしまいます。

「作戦をたてなければいけませんね。少し休みましょうか」

 と、セディスが敵の来ないように結界を張りながらいいます。
 確かにセディスのはった魔よけの結界ならここの魔物なら寄ってこないでしょう。

 これはチャンスです!!
 洞窟の中!休憩!安全!

 今こそ皆と和気あいあいとお弁当を広げるチャンスではないでしょうか!
 夢とあこがれのフレンド達との屋外お弁当!!!

 陰キャには夢のまた夢と思われていたパリピ行為です!
 
 私はアイテムボックスからお弁当を取り出して、いそいそとビニールシートを引けば

「あ、手伝うよ!」
 と、アリーシャに、

「わたしもー」とリーチェ。

「お、何かお菓子か?」

 と、リカルドも寄ってきます。

「お嬢様……何をやっていらしゃるのですか?」

 その様子を見ていたセディスが真顔で聞いてきます。

「フレンド弁当です!」

「結界の中ならあ……」

 ジャンが言いかけたその途端。


 ずごごごごごごごごごごごごごごご


 と、大地を割って、それは現れました。

 闇のダンジョンボス『グローズ』が。
 私とアリーシャの作ったフレンド弁当を大地もろとも割ってものの見事にまき散らしながら。
 セディスの結界をぶち破ってしまったのです。
 流石にセディスの結界ではボスモンスターの攻撃を防ぐのは無理でした。
 ここに同行した皆は「私」が結界を張っていたから守れました。
 ですがセディスの結界ではお弁当は守れなかったのです。

 蛇が大地ごと、サンドイッチを呑みこんでしまいます。

 朝から日が昇る前から二人で作りました。
 アリーシャがパンをサンドイッチの大きさに切り。
 アリーシャが卵をゆでてマヨネーズで卵の具材を作り、
 アリーシャがハムカツを油で揚げて
 アリーシャが鳥を薄く焼いて、照り焼き風にして、
 アリーシャが野菜を切ったりして頑張って作ったサンドイッチが!
 こう文字にして並べてみると本当に私は挟んだだけですがそれでも二人で作りました。

 朝から頑張って作りました。

 初めての友達との楽しいフレンド達とのお弁当だったのです。
 前の日から楽しみにしていました。

 それをっそれをっ!!!!!!!

 ぎしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 と、襲い掛かってくる蛇型魔物は私の怒りのパンチに容赦なく存在そのものが消し飛ぶのでした。
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