13 / 70
13話 どうしてこうなった/(^o^)\
しおりを挟む
「火玉!」
ガゴォォォォォン!!!!!
私の放った火玉が、そこにいたレベル80のモンスターをこっぱ微塵に灰にした。
「う、嘘だ信じられんっ!!!何がどうなっている!?」
木の陰に隠れていた実技担当のファンドル教師が驚きの声をあげ、後ろにいたCクラスの生徒たちも棒立ちになっています。
こんにちは。空気が読めるようでまったく読めないセレス・キャラデュース(10歳)です。
まず、何故このような状況に陥ったか説明をしなければなりません。
サラディウスに入学して最初の授業は先生の実践を見学するというものでした。
のそのそと学園の裏の森に連れて行かれたと思ったら、先生はなぜか隠密のスキルを使って隠れ、生徒たちを置いたまま逃走。
そして魔物が現れたわけです。
あれですね、よくある気に入らない奴だからびびらせてやろうという、なろう小説で小悪党がよくやるあれですね。
本気でこんなくだらない事を大の大人がやっちゃうんだと、別の意味で感動してしまいました。
隠れていた教師はそそくさと逃げていきます。
「どうなってるんだ!?」
「先生は!?俺たちを置いて行ったのか!?」
「やっぱりCクラスは辞めさせる気なんだっ!!」
「えーんえーん」
と事実に気づいた生徒たちがワイワイ言っています。
ていうか、本気で許せません。ここにいる生徒たちは10歳~14歳。
この学校は年齢で入ってくるわけではなく、入学した年齢が1年生扱いなので年齢もバラバラです。
しかし一番大きい子で中学生くらいの年齢です。おいて行くとかありえないでしょう。
しかも15レベルが平均の生徒を脅すのにレベル80の魔物とかありますか!?
嫌がらせにもほどがあります。
保護者としての責任はどうなっているのですか。
私の転生前の世界なら逮捕ものです。子どもは守り育むものと決まっています。
「大丈夫!?セレスちゃん!!」
アリーシャが私に近寄ってきます。
「セレスちゃん、やっぱり辞めよう!学園は私達を辞めさせたいんだよ!
こんなところにいたら殺されちゃうよ!平民なら罪に問われないもの!」
と、アリーシャ。
「…… 平民は殺されても文句言えない?
生徒を守るべき学校で?そんな事が許されるとでも思っているのですか!?」
「セレスちゃん……」
あ、なんですか。マジにむかついてきました。
ちょっとの嫌がらせなら大目にみてやるつもりでしたけれど、ここまでくると流石に頭にきます。
まぁ私が何かしなくても、姿を隠して私の護衛をしている聖王国の隠密部隊が父に報告してくれるとは思いますが。
それでも許せません。
「やめません!教師が敵だというのなら、戦うまでです!」
「学校に逆らえるわけないじゃないか!」
「こんな危ない所いれないよ!」
クラスの子達が叫びます。
「このまま、泣き寝入りして逆らえない、危ないと思うものはすぐこの学園を去りなさい!
学園と戦ってでも、強くなりたい、勉学を学びたいという者は私についてきなさい!
この私、セレス・キャラデュース(10歳)が責任を持ちます!!!
貴方たちを王立直属の騎士団や宮廷魔術師になれるレベルまで育て上げてみせましょう!」
と、バーンと啖呵をきった次の日……
……
………
………生徒数は6人まで減っていました。
――どうしてこうなった。
ゲンドウポーズをして私は考えます。
やっぱり陰キャがなろう主人公みたいになろうとしたのが間違っていたのでしょうか。
なろう小説では普通こういう展開になったらみんなで一致団結して頑張ろうと結託するはずなのですが、私のセリフが中二病すぎたのかもしれません。
あれですか、何こいつ一人熱くなってんの?
やだー恥ずかしいとか思われたのでしょうか。
どうしようちょっと涙目になりそうです。
あの後別の先生がCクラスの生徒を迎えにきて、「ごめん、担任の先生が急な腹痛で」と、わけのわからない言い訳とともに解散させられました。
で、次の日に学園来てみたら生徒のほとんどが辞めていて、残ったのが生徒6人というわけです。
「セレスちゃんのせいじゃないよ。ここは平民の子ばかりだもの。
7か月後辞めさせられるのがわかっていて学費を払える余裕がある子なんていない。
みんな残りたいけど辞めたんだよ」
と、アリーシャが慰めてくれます。天使です。マジこの子は天使です。
「そうだよ。セレスのせいじゃないよ。僕だって家が裕福じゃなきゃ残れなかったからね」
今度は茶髪の優しそうなタイプのジャンが言います。
「ッチ、なさけねーな3ケ月の試合で一泡吹かせてやるまでやめられるかよ!!」
赤い髪でやんちゃそうなリカルドがイライラしながら言いました。
「ですが、実際きついですね。6人しか残らなかったのでは3ヶ月後の模擬戦では30人対6人で戦わないといけませんよ。
一泡吹かせる事すらできずに退学かもしれません」
眼鏡を直しながら青髪の学者肌タイプの男子クライムがため息をつきました。
「でも、このまま負けられないよぉ!
せめて辞めさせられるなら辞めさせられるでぎゃふんって言わせなきゃ!」
ツインテールの可愛い少女リーチェ。
残ったのは私とアリーシャ含めこの6人。
Cクラスの中でも優等生の6人が残ったというとこでしょうか。
残った子達は皆Cクラスなのが不思議なくらい能力値がいいです。
もしかしたら、マークの脅威になりそうな平民出の子達は皆、Cクラスに追いやられたのかもしれません。
「でも昨日のセレスは凄かったね。あのモンスターかなりレベルが高かったのでは?」
「そうだな、一瞬すぎてわからないかったけど、デーモンタイプに見えたしレベル40以上はありそうだった」
「まっさかぁ、40もあったら、セレスちゃんが倒せるわけないじゃない。天災級だもんっ」
と、リーチェ。
え?そうなのでしょうか?あのデーモンレベル80ありましたけど。
私の父も母も兄たちや城の兵士たちもレベル200以上ですけれど。
……よく考えたら、あの教師も確かレベル70のはずでした。
なんでレベル80の敵などけしかけてきたのでしょう?
謎ですね。
ガゴォォォォォン!!!!!
私の放った火玉が、そこにいたレベル80のモンスターをこっぱ微塵に灰にした。
「う、嘘だ信じられんっ!!!何がどうなっている!?」
木の陰に隠れていた実技担当のファンドル教師が驚きの声をあげ、後ろにいたCクラスの生徒たちも棒立ちになっています。
こんにちは。空気が読めるようでまったく読めないセレス・キャラデュース(10歳)です。
まず、何故このような状況に陥ったか説明をしなければなりません。
サラディウスに入学して最初の授業は先生の実践を見学するというものでした。
のそのそと学園の裏の森に連れて行かれたと思ったら、先生はなぜか隠密のスキルを使って隠れ、生徒たちを置いたまま逃走。
そして魔物が現れたわけです。
あれですね、よくある気に入らない奴だからびびらせてやろうという、なろう小説で小悪党がよくやるあれですね。
本気でこんなくだらない事を大の大人がやっちゃうんだと、別の意味で感動してしまいました。
隠れていた教師はそそくさと逃げていきます。
「どうなってるんだ!?」
「先生は!?俺たちを置いて行ったのか!?」
「やっぱりCクラスは辞めさせる気なんだっ!!」
「えーんえーん」
と事実に気づいた生徒たちがワイワイ言っています。
ていうか、本気で許せません。ここにいる生徒たちは10歳~14歳。
この学校は年齢で入ってくるわけではなく、入学した年齢が1年生扱いなので年齢もバラバラです。
しかし一番大きい子で中学生くらいの年齢です。おいて行くとかありえないでしょう。
しかも15レベルが平均の生徒を脅すのにレベル80の魔物とかありますか!?
嫌がらせにもほどがあります。
保護者としての責任はどうなっているのですか。
私の転生前の世界なら逮捕ものです。子どもは守り育むものと決まっています。
「大丈夫!?セレスちゃん!!」
アリーシャが私に近寄ってきます。
「セレスちゃん、やっぱり辞めよう!学園は私達を辞めさせたいんだよ!
こんなところにいたら殺されちゃうよ!平民なら罪に問われないもの!」
と、アリーシャ。
「…… 平民は殺されても文句言えない?
生徒を守るべき学校で?そんな事が許されるとでも思っているのですか!?」
「セレスちゃん……」
あ、なんですか。マジにむかついてきました。
ちょっとの嫌がらせなら大目にみてやるつもりでしたけれど、ここまでくると流石に頭にきます。
まぁ私が何かしなくても、姿を隠して私の護衛をしている聖王国の隠密部隊が父に報告してくれるとは思いますが。
それでも許せません。
「やめません!教師が敵だというのなら、戦うまでです!」
「学校に逆らえるわけないじゃないか!」
「こんな危ない所いれないよ!」
クラスの子達が叫びます。
「このまま、泣き寝入りして逆らえない、危ないと思うものはすぐこの学園を去りなさい!
学園と戦ってでも、強くなりたい、勉学を学びたいという者は私についてきなさい!
この私、セレス・キャラデュース(10歳)が責任を持ちます!!!
貴方たちを王立直属の騎士団や宮廷魔術師になれるレベルまで育て上げてみせましょう!」
と、バーンと啖呵をきった次の日……
……
………
………生徒数は6人まで減っていました。
――どうしてこうなった。
ゲンドウポーズをして私は考えます。
やっぱり陰キャがなろう主人公みたいになろうとしたのが間違っていたのでしょうか。
なろう小説では普通こういう展開になったらみんなで一致団結して頑張ろうと結託するはずなのですが、私のセリフが中二病すぎたのかもしれません。
あれですか、何こいつ一人熱くなってんの?
やだー恥ずかしいとか思われたのでしょうか。
どうしようちょっと涙目になりそうです。
あの後別の先生がCクラスの生徒を迎えにきて、「ごめん、担任の先生が急な腹痛で」と、わけのわからない言い訳とともに解散させられました。
で、次の日に学園来てみたら生徒のほとんどが辞めていて、残ったのが生徒6人というわけです。
「セレスちゃんのせいじゃないよ。ここは平民の子ばかりだもの。
7か月後辞めさせられるのがわかっていて学費を払える余裕がある子なんていない。
みんな残りたいけど辞めたんだよ」
と、アリーシャが慰めてくれます。天使です。マジこの子は天使です。
「そうだよ。セレスのせいじゃないよ。僕だって家が裕福じゃなきゃ残れなかったからね」
今度は茶髪の優しそうなタイプのジャンが言います。
「ッチ、なさけねーな3ケ月の試合で一泡吹かせてやるまでやめられるかよ!!」
赤い髪でやんちゃそうなリカルドがイライラしながら言いました。
「ですが、実際きついですね。6人しか残らなかったのでは3ヶ月後の模擬戦では30人対6人で戦わないといけませんよ。
一泡吹かせる事すらできずに退学かもしれません」
眼鏡を直しながら青髪の学者肌タイプの男子クライムがため息をつきました。
「でも、このまま負けられないよぉ!
せめて辞めさせられるなら辞めさせられるでぎゃふんって言わせなきゃ!」
ツインテールの可愛い少女リーチェ。
残ったのは私とアリーシャ含めこの6人。
Cクラスの中でも優等生の6人が残ったというとこでしょうか。
残った子達は皆Cクラスなのが不思議なくらい能力値がいいです。
もしかしたら、マークの脅威になりそうな平民出の子達は皆、Cクラスに追いやられたのかもしれません。
「でも昨日のセレスは凄かったね。あのモンスターかなりレベルが高かったのでは?」
「そうだな、一瞬すぎてわからないかったけど、デーモンタイプに見えたしレベル40以上はありそうだった」
「まっさかぁ、40もあったら、セレスちゃんが倒せるわけないじゃない。天災級だもんっ」
と、リーチェ。
え?そうなのでしょうか?あのデーモンレベル80ありましたけど。
私の父も母も兄たちや城の兵士たちもレベル200以上ですけれど。
……よく考えたら、あの教師も確かレベル70のはずでした。
なんでレベル80の敵などけしかけてきたのでしょう?
謎ですね。
12
お気に入りに追加
1,268
あなたにおすすめの小説
スローライフとは何なのか? のんびり建国記
久遠 れんり
ファンタジー
突然の異世界転移。
ちょっとした事故により、もう世界の命運は、一緒に来た勇者くんに任せることにして、いきなり告白された彼女と、日本へ帰る事を少し思いながら、どこでもキャンプのできる異世界で、のんびり暮らそうと密かに心に決める。
だけどまあ、そんな事は夢の夢。
現実は、そんな考えを許してくれなかった。
三日と置かず、騒動は降ってくる。
基本は、いちゃこらファンタジーの予定。
そんな感じで、進みます。
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」
「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」
私は思わずそう言った。
だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。
***
私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。
お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。
だから父からも煙たがられているのは自覚があった。
しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。
「必ず仕返ししてやろう」って。
そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる