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13話 どうしてこうなった/(^o^)\

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「火玉!」

 ガゴォォォォォン!!!!!

 私の放った火玉が、そこにいたレベル80のモンスターをこっぱ微塵に灰にした。

「う、嘘だ信じられんっ!!!何がどうなっている!?」

 木の陰に隠れていた実技担当のファンドル教師が驚きの声をあげ、後ろにいたCクラスの生徒たちも棒立ちになっています。

 こんにちは。空気が読めるようでまったく読めないセレス・キャラデュース(10歳)です。 
 まず、何故このような状況に陥ったか説明をしなければなりません。

 サラディウスに入学して最初の授業は先生の実践を見学するというものでした。

 のそのそと学園の裏の森に連れて行かれたと思ったら、先生はなぜか隠密のスキルを使って隠れ、生徒たちを置いたまま逃走。
 そして魔物が現れたわけです。

 あれですね、よくある気に入らない奴だからびびらせてやろうという、なろう小説で小悪党がよくやるあれですね。
 本気でこんなくだらない事を大の大人がやっちゃうんだと、別の意味で感動してしまいました。
 隠れていた教師はそそくさと逃げていきます。

「どうなってるんだ!?」
「先生は!?俺たちを置いて行ったのか!?」
「やっぱりCクラスは辞めさせる気なんだっ!!」
「えーんえーん」
 
 と事実に気づいた生徒たちがワイワイ言っています。
 ていうか、本気で許せません。ここにいる生徒たちは10歳~14歳。
 この学校は年齢で入ってくるわけではなく、入学した年齢が1年生扱いなので年齢もバラバラです。
 しかし一番大きい子で中学生くらいの年齢です。おいて行くとかありえないでしょう。
 しかも15レベルが平均の生徒を脅すのにレベル80の魔物とかありますか!?
 嫌がらせにもほどがあります。
 保護者としての責任はどうなっているのですか。
 私の転生前の世界なら逮捕ものです。子どもは守り育むものと決まっています。

「大丈夫!?セレスちゃん!!」

 アリーシャが私に近寄ってきます。

「セレスちゃん、やっぱり辞めよう!学園は私達を辞めさせたいんだよ!
 こんなところにいたら殺されちゃうよ!平民なら罪に問われないもの!」

 と、アリーシャ。

「…… 平民は殺されても文句言えない?
 生徒を守るべき学校で?そんな事が許されるとでも思っているのですか!?」

「セレスちゃん……」

 あ、なんですか。マジにむかついてきました。
 ちょっとの嫌がらせなら大目にみてやるつもりでしたけれど、ここまでくると流石に頭にきます。
 まぁ私が何かしなくても、姿を隠して私の護衛をしている聖王国の隠密部隊が父に報告してくれるとは思いますが。
 それでも許せません。

「やめません!教師が敵だというのなら、戦うまでです!」

「学校に逆らえるわけないじゃないか!」
「こんな危ない所いれないよ!」

 クラスの子達が叫びます。


「このまま、泣き寝入りして逆らえない、危ないと思うものはすぐこの学園を去りなさい!
 学園と戦ってでも、強くなりたい、勉学を学びたいという者は私についてきなさい!

 この私、セレス・キャラデュース(10歳)が責任を持ちます!!!
 貴方たちを王立直属の騎士団や宮廷魔術師になれるレベルまで育て上げてみせましょう!」

 と、バーンと啖呵をきった次の日……

 ……

 ………



 ………生徒数は6人まで減っていました。






 ――どうしてこうなった。


 ゲンドウポーズをして私は考えます。
 やっぱり陰キャがなろう主人公みたいになろうとしたのが間違っていたのでしょうか。
 なろう小説では普通こういう展開になったらみんなで一致団結して頑張ろうと結託するはずなのですが、私のセリフが中二病すぎたのかもしれません。

 あれですか、何こいつ一人熱くなってんの?
 やだー恥ずかしいとか思われたのでしょうか。
 どうしようちょっと涙目になりそうです。

 あの後別の先生がCクラスの生徒を迎えにきて、「ごめん、担任の先生が急な腹痛で」と、わけのわからない言い訳とともに解散させられました。

 で、次の日に学園来てみたら生徒のほとんどが辞めていて、残ったのが生徒6人というわけです。

「セレスちゃんのせいじゃないよ。ここは平民の子ばかりだもの。
 7か月後辞めさせられるのがわかっていて学費を払える余裕がある子なんていない。
 みんな残りたいけど辞めたんだよ」

 と、アリーシャが慰めてくれます。天使です。マジこの子は天使です。

「そうだよ。セレスのせいじゃないよ。僕だって家が裕福じゃなきゃ残れなかったからね」

 今度は茶髪の優しそうなタイプのジャンが言います。

「ッチ、なさけねーな3ケ月の試合で一泡吹かせてやるまでやめられるかよ!!」

 赤い髪でやんちゃそうなリカルドがイライラしながら言いました。

「ですが、実際きついですね。6人しか残らなかったのでは3ヶ月後の模擬戦では30人対6人で戦わないといけませんよ。
 一泡吹かせる事すらできずに退学かもしれません」

 眼鏡を直しながら青髪の学者肌タイプの男子クライムがため息をつきました。

「でも、このまま負けられないよぉ!
 せめて辞めさせられるなら辞めさせられるでぎゃふんって言わせなきゃ!」

 ツインテールの可愛い少女リーチェ。

 残ったのは私とアリーシャ含めこの6人。
 Cクラスの中でも優等生の6人が残ったというとこでしょうか。
 残った子達は皆Cクラスなのが不思議なくらい能力値がいいです。
 もしかしたら、マークの脅威になりそうな平民出の子達は皆、Cクラスに追いやられたのかもしれません。

「でも昨日のセレスは凄かったね。あのモンスターかなりレベルが高かったのでは?」

「そうだな、一瞬すぎてわからないかったけど、デーモンタイプに見えたしレベル40以上はありそうだった」

「まっさかぁ、40もあったら、セレスちゃんが倒せるわけないじゃない。天災級だもんっ」

 と、リーチェ。

 え?そうなのでしょうか?あのデーモンレベル80ありましたけど。
 私の父も母も兄たちや城の兵士たちもレベル200以上ですけれど。

 ……よく考えたら、あの教師も確かレベル70のはずでした。
 なんでレベル80の敵などけしかけてきたのでしょう?

 謎ですね。
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